2017年01月27日

「私の研究紹介」@K.T.

こんにちは!今回のテーマは「私の研究紹介」ということで、このブログを読んで下さる皆様に、理系の研究生活とはどのようなものか具体的なイメージを持てていただければ幸いです。特に、私は、化学生命工学科という化学と生物を学ぶ学科に所属しているので、それらに興味がある人に読んでいただけたら幸いです。

といっても私の研究について、特許とか情報公開の観点から、ここで詳細に書くわけにもいかないので所属する研究室で行っていることの概要を書きたいと思います。

私の研究室では、新しい化学ツールを開発し、これまで捉えられなかった生命現象を観ること・操ることに挑戦しています。特に、以下の3つのテーマに沿った研究を展開しています。

テーマ1.生体における分子化学 ‘’In vivo Chemistry’’ 分野の開拓
オリジナルの分子デザインと、高感度・高選択的な生体内分子解析技術や生体内分子動態制御技術を融合させ、次世代のサイエンス ‘’In vivo Chemistry (生体内分子化学)’’ 分野の開拓を目指しています。

テーマ2.細胞機能・運命制御に向けた人工増殖因子の開発
細胞増殖・分化などを制御する分子を創出し、再生医療・疾病治療に貢献する新たなバイオテクノロジーを開発しています。

テーマ3.合理的設計とスクリーニングに基づいたペプチド創薬
合理的設計とスクリーニングの2つのアプローチでペプチドおよびペプチドミメティクスの研究を行い、ペプチド創薬の実現を目指しています。

私は、テーマ1の研究を行うグループに所属しているので、テーマ1で行っていることをもう少し具体的に書きたいと思います。

 私たちの身体は化学分子の集合体で出来ています。タンパク質、核酸、脂質、金属イオンなどの様々な分子によって細胞が作られ、細胞が集合し機能化することで組織となり、組織が集合し、さらに高次の機能体である生体を成しています。これらの生体を構成している分子の数、動き、集まり方、構造変化、元気さなどが私たちの生命活動の元になっており、これら分子活動の異常は、がんや精神疾患等の種々の疾病や機能不全に繋がっています。そのため、これまで数多くの研究者により、細胞内における分子の活動を見る試みが継続的になされ、私たちの生活に役立ってきています。しかし、細胞のより高次な集合体である生体に対しては、生体での十分な分子観測技術や制御技術が無いため、分子の観測や制御は未だ困難な状況です。
 生体での分子観測技術や分子動態制御には、生体内の情報を伝える分子センサー(分子プローブ)、特定の場所に薬剤や分子プローブを届ける仕組み、特定の場所や環境で機能を発揮する分子デザインなどの、多数のブレイクスルーが必要です。私たちの研究室では、オリジナルの分子デザインと化学を中心として、関連学問分野であるの物理学、工学、医学の知識を融合させることで、これらの実現を目指しています。具体例を挙げると、分子に含まれる特定の核を高感度・高選択的に検出する技術や、生体の中で目的の分子の動きを制御する技術などを開発することで、次世代のサイエンス ‘’In vivo Chemistry (生体内分子化学)’’ 分野の開拓を目指しています。In vivo Chemistryを通して得られる分子情報は、疾病の早期診断・未知の生体制御メカニズムの解明などに有用な情報になります。
 In vivo Chemistryは、確立された分野ではありませんので、様々なアプローチが考えられます。私たちの研究室では、様々な分野の研究者とのディスカッション・共同研究を通して、In vivo Chemistryの実現に向けて研究を進めています。
 特に、次世代-核磁気共鳴解析・次世代-代謝質量分析・生体内分子送達技術の3つに着目しています。

・次世代-核磁気共鳴解析
動的核偏極法(DNP)、パラ水素誘起偏極法(PHIP)等で、超高感度化された核磁気共鳴分子プローブによる生体解析や、1D多重共鳴NMR、19F NMR等で、高選択的にシグナル検出可能な核磁気共鳴分子プローブの開発
・次世代-代謝質量分析
生体内での疾患や状態情報が、尿や血液を使って詳細に解析可能な革新的代謝MSプローブの開発
・生体内分子送達技術
薬剤や分子プローブを、生体内の目的部位へ送達可能な、分子デリバリーシステムの開発
を目指して、研究を進めています。

少し難しい内容になってしまいましたが、私も同じ学科であっても研究室が異なると何をやっているのか全然わかりません。そのため、各研究室でどのようなことを行っているのか、知りたいと思ったらオープンキャンパス等で直接足を運んでみるのもアリだと思います。

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todai_guidance at 11:53│Comments(0)TrackBack(0)clip!大学院 

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