大学院

2017年04月18日

「キャンパスのおすすめスポット紹介」@ハラサナミ

こんにちは!
教育学研究科臨床心理学コース修士2年のハラサナミです。

このブログを書くのは昨年の7月以来なので、9カ月ぶりですね。
…と毎回の執筆の度に以前の自分の記事を振り返っては、こんなことやってたのか、考えてたのか、と思い出に浸ることを繰り返しています。笑


さて、今回のテーマは、「キャンパスのおすすめスポット紹介」です!

今年で東大に通うのも6年目というベテランの視点から、皆さんにキャンパスのおすすめスポットを紹介していきたいと思います〜!


ご存じの方も多いと思うのですが、東大は1,2年生の前期課程は駒場キャンパス、3,4年生の後期課程は本郷キャンパスに通うことになります。
また、本郷に面した弥生キャンパス、浅野キャンパスというキャンパスもあり、私は教育学部棟(本郷にあります)が工事中だった昨年度は、授業は弥生、図書館は本郷、研究室は浅野、という3キャンパスを股にかける暮らしをしていました!(キャンパスの移動だけで結構歩くので、毎日1万歩ほど普通に歩いており、運動不足の院生にとって体を動かすいい機会になりました。笑)

今回は、全キャンパス中のおすすめスポットを第三位〜第一位まで紹介していきたいと思います!

キャンパスの造形としては、断然本郷キャンパスが好きなのですが(詳しくは私の過去記事「本郷を歩く」@ハラサナミをご参照ください!)、クラス(※東大では、1,2年生時に語学選択ごとのクラスに分かれ、必修授業を受けたり学園祭に出店したりと、クラスのつながりが比較的強いのです)のメンバーと過ごしたのも、サークル活動に専念したのも全て駒場キャンパスで、いわゆる大学生活的な思い出は駒場に詰まっているので、かなり迷いました(^^)


前置きが長くなってしまいましたね;

さて、まず第三位は……甘味処「くろぎ」(本郷キャンパス)です!

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なんと、本郷キャンパスの端の方には、こんなにお洒落な甘味処があるんです。
かき氷が美味しいことで有名ですが、私の一番のおすすめメニューはわらび餅です!
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滑らかでひんやりとした食感に、口の中でとろける柔らかなきな粉…と食べログみたいになってきたのでこのへんにしておきますが笑、本当に本当に美味しいです!

人気店で、事前予約ができないため夏は2時間ほど待ったこともありますが(店員さんが電話をくれるので、他の場所で待つことは可能です)、それだけの価値はある美味しさだと思います..!
昨年度も、研究に煮詰まった時に学内の友達と息抜きがてら訪れたり、学外の友人が遊びに来てくれた際にかき氷を食べながら近況を報告し合ったりと、通算5回は行きました(^^)


次に、第二位は……10号館(正式名称:10号館外国語メディア学習室)(駒場キャンパス)です!

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銀杏並木に面したこの白い建物、一見何の変哲もなさそうに見えますよね。
この建物は、主に1年生が語学(特に英語のリスニングや第二外国語の会話の授業)で使う場所なのですが、なんと……DVDを自由に借りて、映画を観ることができるんです!
手続きも、申込書を書いて、学生証と引き換えにDVDを受け取る、と簡単なもの。
ラインナップも、海外古典名作から、最近の話題作(アナ雪とかもあります!)までかなり豊富です。

私も駒場時代は授業の空きコマなどによく利用していたものですが、『レオン』という作品を観た時には、見終わった瞬間にもう一度最初に戻って二周目を観てしまい、危うく授業に遅刻しかける…なんてこともありました。
(とりあえずナタリー・ポートマンが可愛すぎるので、みんなぜひ見てください。笑)


そして、栄えある第一位は……文学部3号館図書館(本郷キャンパス)です!!

文学部3号館


ここは、地下にある文学部の図書館なのですが(本郷には学部ごとの図書館が大小合わせて55個も存在するのです!)、自習・読書スペースの横の窓から三四郎池を眺めることができる絶好のスポットとなっています。

私はこの文学薫る(?)静謐な雰囲気がとても好きで、教育学部所属のくせに自学部の図書館よりも多く通っていたくらいかもしれません。笑
ただ一つ難点は、この席に座るとなぜか文学者気取りで文学を読もうという気分になってしまい、自習が捗らなかったことくらいでしょうか..。一度、「三四郎池を見ながら『三四郎』を読む」ということもしたことがあります。笑

※番外編※
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定番の三四郎池(本郷キャンパス)。本郷に進学したての3年生の頃にここで1時間くらい思索にふけって(ぼんやりして?)蚊に15箇所くらい刺されたこともあります。笑

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学生会館(駒場キャンパス)には、運動系・文化系の多くのサークルの部室が入っています。私も3年生の夏まで毎週土曜日に1階のロビーで東大ガイダンスの運営ミーティングに参加していました(^◇^)


まだまだ紹介したい場所はあるのですが、紙幅の都合上、このあたりで終わりにしたいと思います!
今回おすすめスポットについて考える中で、自分の大学生活を振り返りつつ、キャンパスの至るところに思い出の空間が存在するな、と何だかしみじみとしてしまいました。笑
皆さんも、東大にいらした際にはぜひぜひ自分だけのお気に入りスポットを探してみてくださいね(^^)

それでは、次回の記事もお楽しみに(^^♪

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2017年01月27日

「私の研究紹介」@K.T.

こんにちは!今回のテーマは「私の研究紹介」ということで、このブログを読んで下さる皆様に、理系の研究生活とはどのようなものか具体的なイメージを持てていただければ幸いです。特に、私は、化学生命工学科という化学と生物を学ぶ学科に所属しているので、それらに興味がある人に読んでいただけたら幸いです。

といっても私の研究について、特許とか情報公開の観点から、ここで詳細に書くわけにもいかないので所属する研究室で行っていることの概要を書きたいと思います。

私の研究室では、新しい化学ツールを開発し、これまで捉えられなかった生命現象を観ること・操ることに挑戦しています。特に、以下の3つのテーマに沿った研究を展開しています。

テーマ1.生体における分子化学 ‘’In vivo Chemistry’’ 分野の開拓
オリジナルの分子デザインと、高感度・高選択的な生体内分子解析技術や生体内分子動態制御技術を融合させ、次世代のサイエンス ‘’In vivo Chemistry (生体内分子化学)’’ 分野の開拓を目指しています。

テーマ2.細胞機能・運命制御に向けた人工増殖因子の開発
細胞増殖・分化などを制御する分子を創出し、再生医療・疾病治療に貢献する新たなバイオテクノロジーを開発しています。

テーマ3.合理的設計とスクリーニングに基づいたペプチド創薬
合理的設計とスクリーニングの2つのアプローチでペプチドおよびペプチドミメティクスの研究を行い、ペプチド創薬の実現を目指しています。

私は、テーマ1の研究を行うグループに所属しているので、テーマ1で行っていることをもう少し具体的に書きたいと思います。

 私たちの身体は化学分子の集合体で出来ています。タンパク質、核酸、脂質、金属イオンなどの様々な分子によって細胞が作られ、細胞が集合し機能化することで組織となり、組織が集合し、さらに高次の機能体である生体を成しています。これらの生体を構成している分子の数、動き、集まり方、構造変化、元気さなどが私たちの生命活動の元になっており、これら分子活動の異常は、がんや精神疾患等の種々の疾病や機能不全に繋がっています。そのため、これまで数多くの研究者により、細胞内における分子の活動を見る試みが継続的になされ、私たちの生活に役立ってきています。しかし、細胞のより高次な集合体である生体に対しては、生体での十分な分子観測技術や制御技術が無いため、分子の観測や制御は未だ困難な状況です。
 生体での分子観測技術や分子動態制御には、生体内の情報を伝える分子センサー(分子プローブ)、特定の場所に薬剤や分子プローブを届ける仕組み、特定の場所や環境で機能を発揮する分子デザインなどの、多数のブレイクスルーが必要です。私たちの研究室では、オリジナルの分子デザインと化学を中心として、関連学問分野であるの物理学、工学、医学の知識を融合させることで、これらの実現を目指しています。具体例を挙げると、分子に含まれる特定の核を高感度・高選択的に検出する技術や、生体の中で目的の分子の動きを制御する技術などを開発することで、次世代のサイエンス ‘’In vivo Chemistry (生体内分子化学)’’ 分野の開拓を目指しています。In vivo Chemistryを通して得られる分子情報は、疾病の早期診断・未知の生体制御メカニズムの解明などに有用な情報になります。
 In vivo Chemistryは、確立された分野ではありませんので、様々なアプローチが考えられます。私たちの研究室では、様々な分野の研究者とのディスカッション・共同研究を通して、In vivo Chemistryの実現に向けて研究を進めています。
 特に、次世代-核磁気共鳴解析・次世代-代謝質量分析・生体内分子送達技術の3つに着目しています。

・次世代-核磁気共鳴解析
動的核偏極法(DNP)、パラ水素誘起偏極法(PHIP)等で、超高感度化された核磁気共鳴分子プローブによる生体解析や、1D多重共鳴NMR、19F NMR等で、高選択的にシグナル検出可能な核磁気共鳴分子プローブの開発
・次世代-代謝質量分析
生体内での疾患や状態情報が、尿や血液を使って詳細に解析可能な革新的代謝MSプローブの開発
・生体内分子送達技術
薬剤や分子プローブを、生体内の目的部位へ送達可能な、分子デリバリーシステムの開発
を目指して、研究を進めています。

少し難しい内容になってしまいましたが、私も同じ学科であっても研究室が異なると何をやっているのか全然わかりません。そのため、各研究室でどのようなことを行っているのか、知りたいと思ったらオープンキャンパス等で直接足を運んでみるのもアリだと思います。

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2016年07月26日

私の研究紹介@ヤナギモトフミノリ

こんにちは!
博士課程1年生のヤナギモトです.このブログを書くのはすごい久しぶりです.
今回は,私の研究について書こうと思います.

私は今,博士課程1年生です.博士課程というのは,学部を卒業して,大学院の修士課程を終えて,そのあとに進むコースです.周りの同期たちは殆ど就職している中で,まだ学生をやっているのは時々焦りを感じますが,研究を思う存分できる環境はありがたいものです.

私の研究分野は破壊力学と呼ばれるもので,どのようにモノが破壊するか,そのメカニズムを探求する分野で,安全・安心な社会の構築には欠かせない分野です.その中でも,私は特に鋼材の脆性亀裂伝播・停止挙動の定式化に向けた研究を実施しています.

鋼材の破壊の様式は大きく分けて二つあります.一つは力を徐々にかけていくと大きく変形しながら引きちぎれる延性破壊,もう一つは荷重が低くても低温だったり変形速度が速かったりすると起きる脆性破壊です.このうち,脆性破壊は材料の内部に存在する微視的な欠陥(ひびわれみたいなものです)を起点として発生するのですが,材料内部の欠陥などを完全に除去することは困難です.特に,大型鋼構造物(船舶やLNGタンクなど)では溶接が用いられますが,溶接部の完全な制御はほぼ不可能です.
勿論,脆性破壊に対する抵抗値である靭性(英語でいうところのtoughness)の基準が設けられているのですが,脆性破壊は材料中の微小なひびわれからでさえ生じてしまうので,完全に防止することは難しく,一度脆性破壊が発生しても,構造物全体に致命的な損傷が生じる前に破壊を停止させる(亀裂が伸びるのを途中で止める)ことが重要です.このような,鋼材が有する脆性亀裂停止性能をアレスト靭性と呼びます.私は脆性亀裂の伝播現象を記述する支配方程式の解明を目指して研究をしています.

脆性亀裂は時として1,000m/sを超える速度で伝播するような,非常に高速な現象です.また,当然ですが鋼材は透明ではありませんので内部で何が起こっているのか直接観察することは不可能です.そのため,鋼材の脆性亀裂伝播現象は複雑な破壊現象の中でも特に難しい問題として知られています.そのため,未だに亀裂が伝播あるいは停止する条件は定量的には示されておらず,様々な議論がなされています.私の研究は亀裂伝播条件を実験と計算両面から明らかにしようというものであり,数十年続く議論に終止符を打ちうるものだと自負しています.

こうした脆性亀裂の伝播現象解明は何に役に立つかというと,構造物の安全性確保につながります.私の研究で特に対象としているのは大型船舶ですが,船舶に使用される鋼材のアレスト靭性に関する規定は数年前に初めてできたばかりで,まだまだ発展途上にあります.私も参加していますが,どのくらいのアレスト靭性があれば安全を確保できると判断するかに関する委員会も現在進行形で活動しており,私の研究はそうした活動に理論的な基盤を提供するものです.
実のところ,アレスト靭性に関する研究は国内外を問わず鉄鋼メーカー各社で盛んにおこなわれています.こうするとなんで大学で行う必要があるのか?と思われるかもしれません.実際,製品開発のための研究開発では大学よりも企業のほうが設備・人員・ノウハウなどの面で有利ですし,大学の強みは必ずしもあるわけではありません.しかし,多かれ少なかれ経験的な知見に頼っている企業の研究開発を支える理論の構築こそ大学の仕事ですし,様々な知見を活用しやすい大学の強みを生かせる研究です.
とはいえ,実際には企業の方と協力して研究を進めることも多く,産学連携の一形態として理想的な動きをできているのではないかと思います.

鉄鋼は非常にありふれた材料であり,一見研究しつくされたかのように見えます.ですが,実のところまだまだやることはたくさん残っていて,最先端の研究が大学でも行われています.最近では鋼材に代わる構造用材料としてCFRPなども現れていますが,使いやすさやコスト,安全性等の面で鋼材の強みは今後当分は失われないでしょう.鋼材は必ずしも見栄えのいい研究ではないかもしれませんが,社会の繁栄を支える重要な材料です.もし興味があるなら,一度ぜひ調べてみてください.



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2016年07月19日

「私の研究紹介」@ハラサナミ

こんにちは!
教育学研究科臨床心理学コース修士1年のハラサナミです。

このブログを書くのは昨年の11月以来なので、8ヶ月ぶりですね。
前回の記事を書いた時にはまだ学部生だったのか…と思うと、なんだか不思議な気分です。
最近は、授業は弥生キャンパス/研究室は浅野キャンパス/図書館は本郷キャンパスという不思議な環境の中で、勉学に励んだり、御殿下(※本郷キャンパスにあるジム)でヨガをしたり(下はイメージ画像)、飯田橋ギンレイホール(※通学途中にある名画座)で映画を観たりしています。

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さて、今回のテーマは、「私の研究紹介」です!


みなさん、臨床心理学の研究と聞いて、どんなものが思い浮かぶでしょうか。
もしかすると、「困っている人の話を聴く」というカウンセリングや、「うつ病の人をよくする」という病理への援助など、実践面でのイメージの方が強いかもしれません。

たしかに、現実の社会において何らかの問題を抱えた当事者に対して、その問題解決に向けた介入を行うという実践活動が、臨床心理学という学問の核となる部分であると思います。
しかし、そのような実践活動を行う上で、研究活動は欠くことのできない非常に重要なものとなっているのです。

先ほどの例から考えても、「困っている人の話を聴く」うえで「どのような話の聴き方/コミュニケーションが効果的なのか」を検討したり、「うつ病の人をよくする」ために「どのような介入が有効か」を実証したりと、実践活動を行うにあたってはなんらかの科学的なエビデンスに基づいた方法を用いる必要があります。
これは、臨床心理学という学問が社会の中で専門性を確立する(=その有効性を社会に説明する)上でも重要な側面となっているのです。



少し話が壮大になってきてしまいましたね:-)

それでは、そんな中で私自身の研究テーマは何かというと……「対人援助職の感情労働とバーンアウトの関係性」(ざっくり)となっています。


みなさんは、「燃え尽き症候群」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

たとえば、大事な大会を終えたスポーツ選手や、一世一代の大学受験を終えた受験生など、ある目標に向けて長期間努力し続けた人が、いざその目標が終わってしまった後に、何にも打ち込むことができないという虚脱感に襲われることを、「燃え尽きた」と表現することがあります。
(ちなみに東大では、2年夏の進学振り分けに向けて懸命に勉強し、無事に希望の学部に進学できた後、一時的に何もやる気が起きない「燃え尽きた」状態になっている人もたまに見かけます笑)


バーンアウトは、このような「燃え尽き」と似た概念であり、近年では国内外において教師や看護師、介護士など、他者と対面して援助活動を行う対人援助職において問題となっています。
バーンアウトの詳しい定義については議論が分かれるところなのですが、わかりやすくいうと、「情緒的に力を出し尽くして消耗してしまっている状態」「サービスの受け手への無情で非人間的な対応」「有能感や達成感の低下」という3つの状態であり、対人援助職に特有の極度の疲労・ストレスを指しているとされます。


では、なぜ対人援助職においてこのような疲労やストレスが問題となっているのでしょうか。
業務の多忙さや職場での役割の曖昧さなど、様々な要因が考えられるのですが、その中でも特に注目を集めている概念が、「感情労働」というものです。

感情労働とは、わかりやすくいうと、「自分の本当の感情を押し殺したり、逆に本当は思ってもいない感情を表出したりすることで、相手に特有の感情を喚起させることを企図する」ことを指します。
これ自体は大なり小なりどんな人でも行っていることだとは思うのですが、対人援助職においては特に顕著に見られる現象だと思います。

例えば、看護師は患者に暴言を吐かれても怒ることなく笑顔で対応することが求められたり、教師は生徒の問題行動に対して本当は何とも思っていなかったとしても怒っている態度を示すことが求められたりする、という場面が想定できます。


この感情労働については、バーンアウトを促進するネガティブな効果だけではなく、最近ではバーンアウトを抑制したり仕事へのやりがいを高めたりといったポジティブな効果も明らかにされつつあります。

そこで、私はバーンアウトを「感情労働」という側面から検討していくことで、対人援助職のストレスや疲労の軽減を目指したいと考えています。

現状、それぞれの用語の定義が曖昧なまま定量的な研究(尺度を作るなど)が乱立しているため、探索的な研究になるかとは思うのですが、疲労・ストレスの軽減にあたっては、臨床心理学的なアプローチが有効であると考えられるため、私の属する臨床心理学というフィールドでこの研究に取り組む意義があると思うのです。



最後に、なぜ私がこのテーマに関心を持ったかについてふれておきます。
そもそも私が臨床心理学を専攻するに至った理由としては、「心理的問題を抱える人を支える人を支えたい」という動機によるものでした。(これについては、私の過去の記事でも幾度かふれた気がするのでよかったら読んでみてください!笑)

他者を支援する立場である対人援助職者には、どうしても「白衣の天使」的な自己犠牲の精神が求められる風潮があるのではないかと感じます。
しかし、支え手である以前にひとりの人間として、自分の心身が健康でない状態で他者を支えるというのは非常に不健全な構造であり、それは結局は支える相手に対しても不誠実な結果を生むのではないかと思うのです。

よって、対人援助職が自身の心身の健康を保てるような施策を検討することで、支える側・支えられる側双方にとって有益なサービスを生む一助となればいいなと考えています。


ここまでつらつら書いてみて、自分の研究について、フィールド外の人に対してわかりやすく/面白く伝えることがいかに難しいかを実感しました。
ややわかりにくい部分もあったかもしれませんが、みなさんに少しでも臨床心理学研究の面白さの一端をお伝えできていれば幸いです。



それでは、暑い日が続いていますが、体調には気を付けて夏を乗り切ってくださいね!
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2016年05月31日

東大生がする東大自慢@タノサキアンドレーアアラシ

みなさんこんにちは!人文社会系研究科修士1年のタノサキです。
いつの間にやら、もうすぐ6月。2016年も折り返しが近づいて来たんですね!時の流れの早いことです(笑)。


さてさて今回のテーマは、「東大生がする東大自慢」です。
「最高水準の学問・研究に携われる環境!」「蔵書数がとてつもなく多い!」「友人の意識やレベルが高くて刺激になる!」などなど、東大の長所を言おうと思えば結構出てくるものです。

その中で今回は、東大における制度面での長所ということで、「レイトスペシャライゼーション」に視点を当てていきたいと思います。とはいえこの制度、場合によっては短所となりえなくもないのです・・・(のっけからいきなり矛盾していますね!)。なので、長所も短所もひっくるめて、この「東大ならでは」の制度について大いに自慢していこうと思います!


まずみなさん、そもそも「レイトスペシャライゼーション」って何でしょうか?英語で書けば "late-specialization" なので、「遅い専門化」のことですね。これ、東大におけるカリキュラムのあり方と大きく関わっています。

これは知っている人もいると思いますが、東大では入学時から法学部や理学部のようなところには配属されず、「文科一類」や「理科二類」のような、「科類」というやんわりとした括りに組み込まれます。じゃあ学部名はどうなるのかというと、科類を名乗る2年生までは、全員「教養学部」というところに所属することになるのです。

この教養学部では、もちろん科類ごとに専門分野の基礎も勉強しますが、むしろリベラル・アーツと呼ばれる、「大学生として知っておくべき基礎教養」を幅広く学ぶことが重視されます。ここにはもはや文理や学問分野の壁はなく、外国語、社会科学(ex. 法学・経済学)、人文科学(ex. 歴史学・哲学・文学)、自然科学(ex. 数学・物理学・化学)などなど、とてつもなく幅広い分野にわたって好きなことを学習できるのです。

こうして色々な知識をつけていくうちに、「やっぱり自分はこれを専攻したい!」と今までの意思が明確になることもあれば、「この専攻の方が面白そう!」と全く違う分野への興味が生まれることもありますよね。なのでようやく2年の夏になって、自分の志望とその時点までの成績によって、3年以降に所属する学部や専攻する分野を決めるのです(これがいわゆる「進学振り分け」です)。

つまり東大では、まずは様々な分野の知識を手に入れて、自分の行き先を判断する材料を確保してから、吟味した上で専攻を決めましょう、というスタンスを取っているわけです。「遅い専門化」というだけでなく、「ゆっくりとした専門化」とも言えるかもしれませんね。


この「レイトスペシャリゼーション」の長所と言えば、何といっても2年間のモラトリアム期間が与えられることですね!一般的な大学なら、1年から学部は決まってしまうわけで、多少専門分野が変えられたとしても、「経済学部から理学部に転向する」というような大きな変更はまずできません。だけど東大なら、少なくとも入学後1年半は選択を猶予してもらえる訳ですから、その間は好きな科目を自由に履修して、専攻を決めるまでの準備期間を有意義に過ごすことができるのです。

また、1年生から学部が決まってしまう大学の場合は、どの学部に進むかの選択を、まだ大学レベルの学問の「が」の字も知らない高校生時代に選択しなければならないので、「こんなはずじゃなかったのに・・・」現象が起きる可能性があります。しかし東大ならば、日本の最高水準の学問知を得た上で、十分に考える時間を与えられてから決めるので、そういう失敗も起きにくいです。


とまあ、何とも輝かしい利点を持つ「レイトスペシャライゼーション」ですが、残念ながら場合によっては短所にもなりえます・・・。その点もお伝えしましょう。

例えば、入学時から明確にやりたいことが決まっている学生の場合は、「早く専門分野を学びたいな・・・」と思うこともあるでしょう。2年生までの間は、専門すぎる分野の履修には制限がかかっていたり、そもそも他分野を履修しないと3年に上がれなかったりということもあり、どうしても専門ばっかり履修することは困難です。

普通の大学では4年間を通して方法論や研究技能などをゆっくり学んでいくの対し、東大では3年生から本格的な専門分野のスタートになる訳ですから、専門を深めるのにはやや忙しいカリキュラムとも言えます(私が文系ながら大学院に行ったのも、2年間じゃ専門分野を深められない、と思ったことが理由の一つです)。

それに、なんだかんだ「文科一類」の多くは法学部に行き、「理科三類」はほぼ全員が医学部に行く、というのを見ると、「『進学振り分け』の意味とは?」と考えることもあるにはあります。ただやはり、全く違う学問分野に転向してくる人は一定数いるわけなので、そういう人にとっては東大のこのシステムは救いなのだと思います!


そんなこんなで、東大の「レイトスペシャライゼーション」には一長一短あるわけですが、個人的には圧倒的に長所の方が大きいと思っています。将来に関わる選択は、やっぱり慎重におこなった方がいいですものね!

というわけで、強引に長所の方にまとめてしまった感がありますが(笑)、このような特異なシステムを持つ東大に、みなさんも是非来ていただきたいなと思います!

それではこれにて、今回のブログを終わらせていただきます。ありがとうございました!

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2016年04月08日

「新学期に向けて」@タノサキアンドレーアアラシ

 みなさんこんにちは、人文社会系研究科修士課程1年のタノサキアンドレーアアラシです。今回でブログの執筆は3回目となりました!どうぞよろしくお願いします。


 さてさて、今回のテーマは「新学期に向けて」です。そう、まさに今は新年度・新学期の授業が始まったばかり!駒場にも本郷にも新入生・進学生たちの初々しい顔ぶれが溢れております。

 かく言う私も、4月から大学院へ進学したので、ある意味新1年生となりました!正式に言うと、文学部歴史文化学科西洋史学専修課程から、人文社会系研究科欧米系文化研究専攻西洋史学専門分野へと進学しました・・・ってもはや名前が長すぎて何が何だかですね(笑)。まあ簡単に言えば、西洋史を研究する大学院生として新学期を迎えた、ということです。


 しかしこの大学院生という立場、学部生(いわゆる大学の1〜4年生)とどう違うんでしょうか。単に、もう2年間学ぶ学生の延長でしょうか。いえ、そんな単純な話ではなく、学部生と大学院生とでは、学問に対する姿勢に大きな違いがあるのです。今日は、その話を少ししていきたいと思います。

 私は、学問や知に対する姿勢には主に2つの形態があると思っています。1つは、専門的な知識・技能を取得する「知の吸収」の形態、もう1つは、吸収した知識をもとに自ら問題設定を行い、それを考察・分析して自分なりの答えを導き出すという「知の創造」の形態です。

 高校までの学習では圧倒的に「知の吸収」がメインで、「知の創造」は大学からの学習において比重が高まってくるものです。とはいえ実際学部生の段階では、高校よりはるかに高度かつ専門的な知識・技能を多く学ばなければならないので、いまだ「知の吸収」の側面が色濃く残っていると言えます。


 しかし院生になると、今度は「知の創造」の側面が非常に強くなります。例えば院生のカリキュラムを見ると、多くの必修科目・選択科目の履修を要求されていた学部生とは違い、単位の取得要件が緩やかなものとなっています。また授業も、大学院では発表・輪読・議論などを行う演習系のものが多く、たくさんの講義を取らなければならなかった学部時代とは大分毛色が異なっています。

 これはまさに、大学院生に対して「知の吸収」よりも「知の創造」が求められていることの表れです。単位の取得要件が緩やかなのは、空いた時間に各自の研究を行ってもらうためですし、講義形式の授業の取得を迫られないのも、講義には「知の吸収」としての側面が強いからなのです。


 よって院生は、もはや単に学ぶ人ではなく、新たな知を生み出す学問のプロフェッショナルなのです(個人的には、半分学生、半分専門家のようなイメージです)。そのため、より能動的・貪欲に知を取得していくのはもちろんのこと、研究室の運営・維持に関わったり、研究会や学会に積極的に参加したり等、学部生以上に真剣な心持ちで研究生活を過ごすことになります。そうして最終的には、修士論文や博士論文などの形でその研究成果を表明するのですが、それも非常に高度かつ精緻な内容でなければならない、というわけですね。まあ、なかなかにハードな試みです(笑)。


 そういえば私自身も、院試に合格してすぐの時に指導教員の先生と面談があり、「院生になったからには、専門家としての自覚を持つように」との忠告を受け、身が引き締まる思いをしました。私が研究したいと思っているのは、中世盛期(11〜12世紀)北フランスの貴族における親族意識や家門意識ですが、卒論とややテーマがずれてしまうため、問題設定も曖昧なばかりでなく、そもそもの知識量が圧倒的に不足している現況にあります・・・。

 よってこの4月からも、引き続き先行研究をひたすら洗い出していき、問題設定が明確なものになるよう努めていきたいと思っています!かつ、外国語の勉強もより強化させ、扱える文献のレベルを上げていくのも今年の課題です!そうして今後も、院生の名に恥じぬような研究生活をしていきたいと思っています。


 最後になりましたが、新学期は何か新しいことを始めるのにうってつけの時期です。皆さんも、今年度にチャレンジしたいことがあれば、時間の許す限り是非とも挑戦してみてください!ああでもないこうでもない、と考える前に、とりあえず行動するのがポイントですよ!

それではみなさんも、新学期をいきいきと楽しんでくださいね!


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2016年04月04日

「新学期に向けて」@マエカワトモユキ

大学院学際情報学府博士1年のマエカワトモユキです。以前の所属は情報理工学系研究科だったんですが、新しい研究を始めるために別の大学院に進学しました。研究室が駒場にあるので本郷から駒場に引っ越してきました。教養学部前期課程以来、4年ぶりに駒場生になりました!
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この時期の駒場キャンパスは初々しい新入生とサークルの勧誘に溢れていて、6年前の入学当時が思い出されます。東大ガイダンスには1年生のときから参加しているので相談員としては今年で7年目になりますね。来場してくれるみなさんのおかげで毎回お話していて元気をもらえるのがありがたい限りです。

さて、今日の記事では私の博士課程での研究テーマである「スポーツ報道の科学」について簡単に紹介しつつ(入学して間もないのでまだ構想段階ですが・・・)、テーマを見つけるにあたって気がついた東京大学のいいところを書いてみたいと思います。
〜目次〜
1. 確率は何の役に立つ?
2. 報道の情報理論
3. 研究テーマの見つけ方


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2016年03月13日

卒業を控えて@I.S.

 大学院で心理学(社会心理学)を学んでいます、イワタニと申します。2010年4月に入学してから、あっという間に6年近くの月日が経ちました。「卒業を控えて」ということで、今までの6年間を振り返りつつ、最後にこれからのこととメッセージを少し書こうかなと思います。

目次
1:学部1・2年の頃(教養学部時代)
2:学部3・4年の頃(文学部時代)
3:修士1・2年の頃(大学院時代)
4:卒業後・メッセージ

1:学部1・2年の頃(教養学部時代)
 冒頭の自己紹介で、「心理学(社会心理学)を学んでいます」と書きました。心理学を学んでいるということは文学部のはずだ、ということは文科3類のはずだ、と思われたかもしれません。実は僕、文科2類出身です。
 かといって、高校生の頃から経済に並外れた興味を持っていたということではありません。入学後に専門を選べるという制度に甘えて、それほど深く考えずに(ある種、消去法のような形で)選んでいました。当時の自分は、理系に対しては、「専門分野を絞って、狭く深く追求していく」という印象を持っており、「色々なことを幅広く学びたい」と思っていた自分にはあわないだろうなと思っていました。一方、文系の学問についても、法律に興味があるわけでも、文学に興味があるわけでもなく・・・、といった感じでした。
 卒業したら就職して働くものだと思い込んでいたので、経済を学んでおけば、少しは今後の自分のために役に立つかなと思って、文科2類を選択しました。
 ところが、入学して授業を受けてみると、自分の興味とマッチしていないことに気がつきました。授業で扱う理論モデル(?)と実際の人間の意思決定プロセスの間にギャップがあるような印象がありました。そこで、そうした理論モデルでは抜け落ちている、もっと生々しく現実に近い人間の意思決定を学びたいな、と思い心理学(社会心理学)の道を選択することに決めました。
 ここに、文科2類を選択したときの自分と決定的に違うところがあります。すなわち、高校生の頃の自分は「未来の自分」のために文科2類を選択したのに対して、心理学の道を選択した自分は「今の自分がしたいこと」に即して選択していたのです。ここから、幸か不幸か、僕は自分に対して嘘をつけなくなっていきます。

2:学部3・4年の頃(文学部時代)
 学部3年からは、教養学部ではなく文学部に所属することになりました。文学部では、1・2年生の頃の授業とは異なる形式の授業が多くなりました。1・2年生の頃は単に講義を受ける形式の授業が多かったのに対して、文学部での授業は、テキストを読んでディスカッションをしたり、実験やアンケートでデータを集めて分析をしたりと、実習形式の授業が多くなったのです。そして、偶然、心理学以外の授業で、自分が興味に合致するテーマを見つけました。このテーマで卒業論文が書ければと思い、教授に聴いてみると、似たテーマが心理学(社会心理学)にもあるとのこと。それをテーマに卒業論文を執筆することにしました。実験をして卒業論文を書いたのですが、運よく面白い結果が出たので、それを専門の雑誌に投稿することもできました。
その頃には、修士課程に上がることを決意していました。大学院生になったからと言って研究者になれるわけでもなく、そもそも研究者としての能力があるかも分からない(周囲には自分よりも賢い人が山ほどいる)ので、割とリスクの大きな決断でした。しかし、自分の知りたいことを知りたいという、当時の自分には嘘をつけず修士課程にあがることを決断しました。
 
3:修士1・2年の頃(大学院時代)
 修士1年は辛抱の1年でした。知識を得ることで評価されるのが高校生までとするならば、大学生、特に大学院生は新たな知見を生むことで評価される色が強くなります。修士1年ではその対応に苦しんだ上、テーマを絞ることに苦しみました。学部時代のテーマから変えたい(≒逃避したい)と思うこともありましたが、修士1年の終わりごろには光がさしてきました。修士2年ではテーマを絞り込むことができ、さらに研究のサイクルも自分なりに構築することができたので、のびのびと楽しく過ごすことができました。
 修士課程に進むということは、同級生が働いているなか、自分が学生として学び続けると言うことです。他者と比べる必要はないのですがついつい比べてしまうのが人の性質なので、そうした比較を通じてブルーな気持ちになるかもとも思っていました。しかし、テーマが決まってからはそういうことはなく、自分が日々何かしらの成長―新しいことを知った・アイデアが浮かんだ・実験でよい結果が出た・論文が進んだ―を遂げることを純粋に楽しく思えています。

4:卒業後・メッセージ
 卒業後も相変わらず大学(博士課程)に残り、研究を継続します。先ほど書いたとおり、必ずしも研究者になれるわけではないので、不安になることもあるかもしれません。しかしながら、日々少しずつ進歩していくことが楽しく、またそうした自分を信頼することができはじめているので、何とかなると思っています(信じているだけかもしれませんが笑)。
 最後に、メッセージを。
 僕は、文科2類を選択したのに文学部を決断しました。このことから実感したことは、「したいとは思わないことをしても、続かない」ということです。ですので、したいことをすれば良いのではないか、というのがシンプルなメッセージです。自分の人生なので、楽しいほうが良いと思っているので・・・笑。
 但し、例えば、受験勉強よりも別のこと(ギターとかゲームとか)がしたいなら、そちらを優先したら良いという意味ではありません。プロのギタリストなどを目指すのならば、それで良いと思う(どころかむしろ応援する)のですが、そうした覚悟もなく単なる現実逃避であるのならば、本業となるものを見つけるべきだと思います。
 6年間東京大学で過ごしてきて、東京大学の人(先生、同級生、先輩、後輩etc.)や授業などには、したいことを見つけるヒントが沢山あると思います。そのためにも、高校の間、少し頑張ってみるのも悪くないと思います。

 思いのほか、長くなってしまいました・・・。最後になりましたが、ブログを読んでくださった皆様ありがとうございました!素敵な高校生活を過ごしてくださいね。

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2016年03月04日

「卒業を控えて」@スギヤマケイ

(卒業間近の東大ガイダンス相談員がこれまでの大学生活を振り返ったりこれからのことを語ったりします。大学で何ができるか、何をしたいか、といったことに思いを馳せていただければ幸いです。)


「ただの人間には興味ありません。
 この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、
 あたしのところに来なさい。以上」
(1)

このセリフを皆さんはご存知でしょうか?
これは、現在20代半ばから30歳前後にかけての人々を熱狂させたある小説のヒロインのセリフです。
宇宙人やら未来人やらは果たして存在するのか、そもそも「ただの人間」とはどんな人間か、といった疑問が湧きます(湧きません?)がそれはさておき、

私は“ただならぬ人間”に憧れて東京大学に入りました。
http://blog.livedoor.jp/todai_guidance/archives/52384148.html

理科一類に入った後、サークル活動で小倉百人一首競技かるたをやりつつ工学部化学生命工学科に進学し、
http://blog.livedoor.jp/todai_guidance/archives/52210875.html

気の向くままノリに任せて学部時代を過ごし、
http://blog.livedoor.jp/todai_guidance/archives/52232190.html

専門は化学を学びつつ生体分子を対象とした化学へと進んでいき、
http://blog.livedoor.jp/todai_guidance/archives/52308989.html

特にtRNAという生体分子の一部分の構造がtRNA分子全体にもたらす物理的、化学的性質を研究してきました。
http://blog.livedoor.jp/todai_guidance/archives/52350165.html

その傍らで、この東大ガイダンスの相談員をずっとやらせてもらいました。

そんな6年間を過ごした私はだんだんと、

多くの人は何かしら”ただならぬ”ものを持っている

ということがわかってきました。
専門、趣味、特技、その他何かしらの活動。
それが何であるにせよ、何かを長く続けた人にはそれをやっていない人には真似できない”ただならぬ”ものが身につく。
最たる例は大学4年間で身につけた専門知識や専門ならではのものの見方ですね。

そんな風に感じた私は、人それぞれの”ただならぬ”ものがたくさんの人の役に立つように媒介する役割に身を置きたいと思いました。

私が研究で扱っている生命というものは、無数のシステムが複合して成り立つ化学反応系です。
全ての生命現象は、元をたどれば生物を構成する種々の分子の物理的、化学的性質から生じています。
社会もたぶんそう。
ひとつひとつにたくさんの人が関わる無数のシステムが複合して絶妙にバランスを保っているのが、社会なんだと思います。
その社会の中で、互いに価値観や専門の畑が違う人同士の伝えたいこと、わからないこと、望むことを媒介する”communicator”の役割に身を置いてみたい。


そういうわけで、卒業したらマーケティング戦略の策定を支援する企業に就職します。
マーケティングとは、「顧客を深く理解し、製品やサービスを顧客に合わせることで」「自然と売れる仕組みをつくる活動」(2)のことを言います。
就職先の会社は、数十万人のweb上の行動履歴を解析することで人々の望むことを見えやすくする事業を行っています。
それぞれの会社がもつ"ただならぬ"力が、より多くの人のわくわくにつながるよう媒介する事業なんだと思います。
ITの発達で近年可能になった新しいマーケティング手法、というところに惹かれています。

それから私は、「国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ」としても活動しています。
主に科学の領域で、「もっと知ってほしい」と思っている専門家と「もっと知りたい」と思っている非専門家の間や、「分かり合えなくてもどかしい」と思っている人々の間、「いろいろな知的刺激のある場に浸りたい」と思っている人々の間を媒介する活動です。
「サイエンスカフェ」とか、マニアックな話推奨の飲み会とかを開催しています。
この活動もずっと続けていければと思っています。

それぞれ異なる価値観をもっている中で、人と人とがわかりあうのはとても難しい。
その難しいことをするための第一歩は、まずたくさんの価値観があることを知ることだ。
そんなことを思う今日この頃です。

東大ガイダンス相談員をやりながら、この「東大ガイダンスブログ♪」でも垣間見えるようにさまざまな「東大生」と触れ合ってきたことが、私がいまに至る要因の一つになっています。


高校生の頃までは、周りはやっていなくて自分しかやっていないこと、というのはとても少なかったように思います。
大学生になってからは、周りを見渡して自分しかやっていないこと、というのがどんどん増えました。
そうやってだんだんと”ただならぬ”人になっていくことを、進路選択と言うのかもしれません。


ここまで読んでくださってありがとうございます。
「そ」で始まる段落の多い文章でしたね笑
ここに書くのも最後ということで、好き勝手に思うことをつらつら書いてみました。
終わりに、いまさらながら自己紹介します。

杉山啓です。
東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻修士課程2年です。
愛媛県出身の24歳です。
「国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ」の資格を持っています。
ほか、小倉百人一首競技かるたの四段、A級登録選手で、(一社)全日本かるた協会のA級公認読手です。
好きな飲み物は日本酒、好きな作家は河野裕さん、好きなボカロPはピノキオPです。
近所のカフェバーに行って店員さんや常連さんと刺激的なお喋りをするのが好きです。
「東大ガイダンスブログ♪」への寄稿はこれが9回目です。

さて。
ところで、

あなたの好きなものは何ですか?

最後までありがとうございました。
WIN_20160303_104252

2016年3月
咲き誇る梅に春の訪れを感じながら

引用文献
(1) 谷川流(2003)『涼宮ハルヒの憂鬱』角川書店
(2) 久保田進彦、澁谷覚、須永努(2013)『はじめてのマーケティング』有斐閣


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2015年12月18日

「なぜ東大を目指したか?」@スギヤマケイ

WIN_20151101_102243おはようございます!
こんにちは!
こんばんは!

スギヤマケイです。
東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻修士課程2年です。
略して火星(化生)のM2(master's courseの2年生)です。
先月24歳になりました。
いま高校3年生の皆さんは十二支半周分年下なのかと思うと、胸にこみ上げてくるものがあります。
・・・。

気を取り直して。
今回頂いたお題は「なぜ東大を目指したか?
というわけで、僕がまだお肌ぴっちぴちの高校生だった6年前を振り返ってみます。

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こちら、僕が高校生だったころに毎朝自転車で突入していた愛媛県立松山南高等学校の北門です。
当時の1学年の生徒数は400名(いまは1クラス分減っています)。
卒業後の進路はほぼ全員進学でしたが地元の大学への進学が大半で、東大には年に1人行くか行かないか。
授業では教科書の内容をじっくり進めていき、高3の秋からはセンター試験の対策ばかり。
そんな学校で成績最上位層にいた僕が高2でオープンキャンパスに行った先は、九州にある某国立大学でした。

いつ東大志望に変わったか。
高3の8月です。
全国各地から集まった同年代のヘンテコな人たちに出会ったことが決め手でした。

高2の秋頃、部活動(卓球)以外にもいろいろやってみたいと思い立ち、まずは生徒会活動に手を染めました。
次いで、各種の科学系コンテストに応募してみました。理数科に在籍していて募集要項に手が届きやすかったもので。あと、某テレビ局が主催している全国高等学校クイズ選手権にも出てみました。
というわけで高3の8月は、「物理チャレンジ」の第2チャレンジでつくばに行き、「生物チャレンジ」(現在の「日本生物学オリンピック」)の二次試験で広島に行き、「高校生クイズ」の全国大会で東京に行きました。
勉強そっちのけで全国各地を飛び回っていました。
よい子の皆さんはマネしないでください(高3の夏は勉強しましょう)。

普段通う高校にはほとんどいない、東大志望な人がたくさん集まった場。
東大志望に限らず、「普通」から水際立っていることに物怖じしない人たちばかりの場。
そこでの出会いは、僕に鮮烈な刺激をもたらしてくれました。
高校卒業後、大学でどんな生活を送るか。
日本最難関と言われる東大で、刺激的な人に囲まれて学生生活を送ってみたい、自分も刺激的な人たちの一員に混ざりたい、と強く思うようになりました。

東大への興味は、もうちょっと前からある程度は持っていました。
進学振り分け制度があるためです。
高校の科目分けよりもさらに細分化されている大学の学部・学科を、出願のときに決めてしまうのはどうなのだろうかという疑問はずっと抱いていました。
特にこれがやりたい、ということも無かったので、大学に入ってから専門を決められればより納得できる進路選択ができるだろうと。
しかし8月の出会いを経てはじめて、僕の中の「やる気スイッチ」らしきものが完全に切り替わりました。

9月下旬、「東大本番レベル模試」は、E判定。
それでもこの結果は織り込み済み。
自分に足りないもの、足りているもの、必要な勉強、・・・そういったことを見つめて戦略を立て、2月下旬までの受験勉強に臨みました。
9月以降は、8月に出会った仲間との連絡を心の支えに、起きている時間のほとんどを勉強に費やしました。
結果、現役でギリギリ理科一類に合格し、今に至ります。


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入学して6年目(学部4年+大学院2年)になりました。
東大に入って本当に良かったと思います。
高校では化学と現代文が好きだった僕はいま、生物の中で働いている「tRNA」という物質の化学組成と物理化学的性質、生体内における機能の関係を調べる研究をしています。大学受験のときに学部・学科の名前で選んでいたら、おそらく今の研究室には来られなかったでしょう。

刺激的な人にもたくさん出会えました。
世界最先端を走る学術研究を志す人、社会を大きく変える技術開発を目指す人、楽器の演奏でひとの心を動かす人、・・・。
一学年に3000人超。いろいろな人がいます。教職員の方々にもいろいろな人がいます。
人、機会、設備、・・・、とても恵まれた環境の中、専門知識はもちろんのこと、「科学とは何か」「学問とは何か」「研究とは何をすることなのか」「社会はどう形作られているのか」「生きるとはどういうことか」といったことも考え、いろいろな考え方を学んできました。
東京大学は、最先端の知識を学んだり自ら生み出したりしつつ、多様な考えに触れられる場です。



僕は6年前、東京大学に入学することを選びました。
4年前、工学部化学生命工学科に進学することを選びました。
2年前、東京大学大学院で研究を続けることを選びました。
今年、これまでの専門を離れ、企業の戦略策定を助ける仕事に就くことを選びました(この話はまた別の機会に)

皆さんは、高校卒業後にどんな生活を送りたいですか?
何に取り組み、何を得たいですか?
大学以外の選択肢もある中で、なぜ大学進学を目指すのですか?

大学でやりたいことを探す、というのも良いと思います。
十代おわりから二十代はじめにかけて、皆さんが充実した年月を過ごせますように。

スギヤマケイの8つ目の記事にお付き合いくださりありがとうございました。
ではまた(機会があれば)。



2015年12月
僕を野放しにして好き放題な選択をさせてくれてきた親に感謝しながら

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