実のならない椰子の木

当ブログはアイカツマイキャラストーリーと日々の由無し言を呟くところです。

ーーー少し先の未来。変わっていく私たちと、変わらないもの。

ーーー忘れませんように。



ある夏の日の昼下がり。

スクールでの午前中のレッスンを終えた木実たちは、レッスンルームにお弁当を広げてわいわいと喋りながら、今日のレッスンやライブの予定、他愛のない話に花を咲かせていた。


イッキュー「疲れたぁ......もぅヘトヘト~。午後のレッスンやりたくなーい!」

木実「こんなんで音上げててどうするの」

みずぽ「そうですですよ。まだまだワタクシたちは駆け出しユニット。むしろこれからです!」

プラスチックの串でミートボールを突き刺して口に運び、満足そうに頬張るみずぽ。女の子座りの木実と、対称的にお腹を出して大の字で寝そべるイッキュー。

イッキュー「違うの~、あたしはレッスンよりライブがしたいの~!」

木実「とか言って、レッスンを甘く見てるからこないだのライブでワンテンポ遅れるんだよ。イッキューちゃんはもっと基礎を大事にしないとーーー」

???「.........Um。確かにイッキューの歌は勢いはあるがまだまだ荒削り。ルォーーーーッック............... とは言い難い」

突然、話に割り込んでくる男性の声。入口付近の壁にもたれ掛かる、謎のダンディ(?)が。

木実・イッキュー・みずぽ「この声......あ、あなたはまさか!?」


ロッQ「ヘイェアボイズェンガァーッル......今日もルォッック、してるか?」


イッキュー「.................誰?」

木実「さぁ?」

みずぽ「本編未登場ですからね。知ってるわけないのですです」

ロッQ「番外編だからナイスガイをBANというわけか.............. 腕を上げたな少女たち」

イッキュー「は?」

みずぽ「こんなサブいギャグは生まれてこの方きいたことがありませんです。やっぱりこの人知らない人です。ここはスタッフオンリーなのです。部外者はとっとと立ち去れなのです。ですです。DEATHDEATH

形容しがたい何かを取り出しながらロッQ、いや、不審者に近づくみずぽ。

不審者「お、おいおい待てよレィディその得体の知れないウェポンをまず下ろそうじゃないか違う振り下ろすんじゃない待て待て待て待て待て、ちょっ、木実、何とか言ってやって」

木実「ちょっとやめて触らないでください! すいませんこの人チカンです!」

イッキュー「何ですってこの女の子の敵ー! 現行犯逮捕!」

不審者「オーーーゥウェイウェイウェイ!! オルェは肩に手を置いただけで」


みずぽ「強 還(by 宇宙パワー)」


不審者「NOOOOOOOOOOOOOOOOH!」


どこからともなく現れた警察官に拘束されて連れていかれるロッQ、もとい不審者。

こうして再び、彼女たちは平和を取り戻したのだった。

この世に栄える、悪はなし。



数時間後、ようやく釈放されたロッQを連れて帰る木実たち。


ロッQ「デンヂャラァス......あと一歩間違えていたら有志を集った投石刑が始まるところだったぜ」

イッキュー「ダメだよ今度からは自己紹介しなきゃ。うっかり不審者扱いしてなんやかんやで極刑にかけちゃうんだから」

みずぽ「ですです。それに肩なんてほとんど性器みたいなもんなのです。気安く触るんじゃないのです。痴漢は犯罪なのです」

ロッQ「オルェはどこから切り込むべきなんだ......

みずぽ「あ、でもそう考えるとオフショルダーの木実さんは性器丸出しの痴女ということになりますね。なるほど」

木実「なるほど、じゃないんだけど......

ロッQ「いやだがしかしレィディたちの申し分も一理ある。なのでここはひとつーーー」

椅子をどこからか取り出してきて片足をかけてポーズをとりながら、


ロッQ「オルェはここ、『PRIZM SCHOOL OF MUSIC ART』のオーナーにしてルォックとフリィードゥムを愛するミストェリアスドゥァンディ、ロッQ...... シャケナベイベ」


みずぽ「イマイチ何を言ってるのかわからないのです」

イッキュー「喋り方が気持ち悪い」

木実「あ、聞きそびれた」

ロッQ「もう少しオルェのハァトを繊細に扱うべきだぜ.........というかみずぽ、オルェはYOU の保護者だろうYOU.......

みずぽ「当たり前だと思っていることを一度立ち止まって疑ってみることも大切なのです」

ロッQ「そこは信じてみようぜ......

木実「あっ、もう3時過ぎだよ。午後のレッスンの時間が減っちゃう!」

イッキュー「えぇー! もうお開きにしようよー! 疲れたー!」

木実「そんなこと言って! ロッQさんが捕まったくらいじゃレッスンは中止にならないよ!」

ロッQ「!?」

イッキュー「めんどくさーい! ライブしたーい! ライブライブライブライブライブラーイーブー!」

タダをこねて騒ぐイッキュー。呆れた顔の木実とみずぽ。

木実「もう困ったなぁ......

みずぽ「ライブすると言っても、今日はプリパラがメンテナンスで入園禁止ですからね」

イッキュー「みずぽ! みずぽの力でどうにかならないの!?」

イッキューに鬼気迫る表情でガシッと肩を掴まれて顔が引きつるみずぽ。

みずぽ「う、うーん......ならないことはないのです、が」

うーんうーんと唸りながら、両耳をすっぽりと覆う"ヘッドフォンのようなダイヤル" を回すみずぽ。すると、そこから照射された虹色の光が集まって形を成し、奇妙なドアが現れる。

木実「......何これ?」

イッキュー「ただのドアじゃん」

みずぽ「いいえ、これはいつでもどこでもライブが出来るドア......略して『どこでもライブドア』なのです」

木実・ロッQ「.........

イッキュー「マジで!? やばーいテンアゲ~↑↑↑ どうやって使うの~???」

ぺちぺちドアを叩いて色々試し始めるイッキュー。

みずぽ「使い方は極めて単純です。付属のタッチ画面でステージ、曲、衣装を選択、あるいはプリチケをスキャンして、ドアを開けるだけなのです。ですがーーー」

イッキュー「よーっしプリチケスキャン完了~~そんじゃまーーー」

みずぽ「ままま待つのですこれはまだ最終調整がーーー!!!!」

イッキュー「ドンストップ! コーキシンおさえきれない~♪」

みずぽの忠告を無視して、ドアを開け放つイッキュー。


次の瞬間、開け放たれたドアの向こうから、凄まじい量のなんらかのエネルギーが溢れ出してくる。そのエネルギーの奔流に耐えきれず、空間に歪みが生じ始めてしまう。


イッキュー「あはは! みんな歪んでるー!」

木実「歪んでるのは私たちじゃなくてイッキューちゃんの方だよ!」

みずぽ「何かそのセリフかっこいいです」

木実「みずぽもバカ言ってないでーーー」

などというやり取りをしていると、ドアから嫌な光が漏れ始める。

それはお約束の如く......

ロッQ「ま、まずいぜこりゃ爆は」


ドォオオオオオオオオオオン!!!!!


と。ドアがよくわからない原理で爆発し、黒煙を噴き上げる。近くにいたイッキューちゃんはもちろん、木実たちも爆発の衝撃で近くの茂みに吹き飛ばされてしまう。


木実「いてててて......み、みんな大丈夫?」

イッキュー「こいつはたまげたぜ! わはは! 痛ぇ!」

お互いの服に着いた土や草を払いながら、無事を確認する。

爆心地である例のドアからは未だに煙が上がっているようで、視界が悪い。

その上.......

みずぽ「うぐぐ.......な、なんかアツくないですか?」

木実「ん、言われてみれば。も、もしかしてドアが燃えてるんじゃ!?」

みずぽ「何かが燃えてる気配は、ないのです」

イッキュー「夏だからっしょ~......?」

みずぽ「いや、夏だからと済ますには少々アツすぎるような.........



???「ハハハハハハハハハハハハハハ!」



どこからか聞こえてくる、誰かの高らかな笑い声。木実たちの頭の中は「!?」の大渋滞に見舞われていることだろう。

???「呼ばれて飛び出て.......じゃんじゃかじゃん、ってな」

やがて、煙が晴れた向こう側に、"彼女"が姿を現す。


そう、それは激しく燃え盛る烈火のごとく。

あるいは、光の尾を引く彗星のごとく。

あるいは、巨大な恒星の超新星爆発のごとく。


???「恥じらう花まで焼き尽くす、天下無類のバーニングアイドルーーー」

木実「こ、この声......!」

イッキュー「あなたは!」

みずぽ「まさか!!」


こころ「豪炎寺こころとは、あたしのことよ!!!!!!!」


ゴオッ!!! と、まるで辺り一面に炎の花が咲き乱れるような迫力に、木実たちが呆気にとられる。

突如どこからともなく現れた"バーニングアイドル"、豪炎寺こころちゃん。

果たして、彼女と木実たちの間に、いかなる関係がーーーー。


木実・イッキュー・みずぽ(だ、誰だこの人ーーーーーーーー!?!?!?!?)




part.2へ続く...


「カナミ、どうだ? 調子は」

「ん。大丈夫」

「ホテルに忘れ物はしてないな?」

「さっき確認したから大丈夫」

「お前、パンツはいてるよな?」

「バカ」

「前はきわすれて来たろ。今度はシャレにならんぞ」

「もう、忘れようと思ってたのに!」

「おいやめろ運転中だぞ!!!」

「バカバカバカ!!!」

「悪かったからやめろ!」

(沈黙)

「ホントにいいんだな?」

「ここまで来て引き返すって、アリエナイ」

「ま、そりゃそうだな」

(沈黙)

「迷惑かけるな」

「いいよ。いつものことじゃん」

.........なんてかさ。お前ってさ」

「なに?」

「育てたオレが言うのもなんだけど、ちょっとオトナだな」

「え~!!! ヤ!」

「おいおい褒めてんだぞ」

「オトナはヤなの」

...........わかったわかった」

(沈黙)

「これからどうするの?」

「んー? オレか? オレは、まぁ。今まで通りだよ」

「そっか」

「あ、カナミ。たまには連絡しろよ。オレは」

「寂しがりやだから、でしょ。嘘くさいの」

「酷ぇなぁ」

(沈黙)

「そろそろだ。ほら、見えてきたぞ」

「うん」

(沈黙)

「しばらく会えないから、お別れのほっぺにチューする?」

「ハハハ! お願いしたいけど流石に行く場所が場所だからな。こんなオッサンに触れた口じゃっておい!」

「いーってことよ!」

「お前なぁ.........


(某年4月)

5


私の1日のアイカツは、早朝のジョギングから始まります。春先の、まだ少し肌寒い空気は眠気覚ましにちょうどいいのです。

それから、寮の部屋はひとりぼっちの私ですが、学園でもひとりぼっちというわけではなく、この早朝のジョギングにも付き合ってくれる友達がいます。

「おっはよ、ノゾミ!」

「おはよ、カイナ」

彼女がその友達のひとりで、小学生の頃からの幼なじみ、浅生カイナ。

性格は男勝りで粗野.........だけど、嘘をつけない真っ直ぐな女の子です。

「どした? ちょっと元気ないな。何かあったのか?」

言うべきか、というより別に言うほどのことでもないのではないだろうかと思いましたが、カイナの心配そうにのぞき込んでくる瞳に見つめられると、はぐらかすわけにもいかず、

「夢が、ね......

と、私の最近の悩みの種を打ち明けました。


最近、同じような夢を見るのです。

誰かが、私に呼びかける声。問いかける声。

それから、幼い私がじっと私を見つめている。

そんな夢。


結局、詳しいところまではカイナには話しませんでしたが、「そんな時は走るのが1番!」なんて言って励ましてくれるのでした。


そして、そんな矢先のことでした。


スターライトに入学して数週間。そろそろここでの生活も慣れてきたある日。


私は、運命を変える出会いを果たすのです。


(某年4月)


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