映画と酒と巨人と旨いモノ

好きなものを好きなだけ観たり飲んだり食べたり頂いたり。 生誕半世紀を記念し、節操のないオヤヂの半端な映画道を、 お笑い半分で書き殴るので殴り返してネ

ショーチク君の2015年アカデミー賞決定!

いよいよやってまいりました第87回アカデミー賞授賞式当日。前の晩はどうも落ち着かずに夜中の
3時頃まで候補作を観直したりと受賞式に備える変なオヂサンぶりを遺憾なく発揮してしまいました。
当日、まず午前7時からのレッドカーペットの生中継からアカデミー賞モードに突入。華やかな衣装を
纏った美男美女のスター達が優雅に登場する姿は、さすがハリウッドセレブのオーラが出まくり
思わずウットリと見とれてしまうアタシは、根っからの映画オタクと実感してしまった。

今年は受賞式前にさんざんノミネート関連の映画を観まくった事もあり、例年になく受賞式を楽しみに
していたし、大胆にも受賞予想までやらかしてしまったため、一段と力のこもった鑑賞となりました。

結果から申しますと、19部門で予想しズバリ的中したのが15部門と冴えに冴えまくった。あたったのは
監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、脚色賞、撮影賞、編集賞、
録音賞、美術賞、歌曲賞、作曲賞、視覚効果賞、メイク・ヘアスタイル賞、衣裳賞の15部門。
長編と短編のドキュメント作品と短編実写、短編アニメ部門、外国語映画賞の5部門は残念ながら
候補作を1本も観ることができなかったので予想はなし、と付け加えておきます。

作品賞を外した事は悔やまれますが、「バードマン」の受賞に違和感はなく、予想通り監督賞、
脚本賞を受賞しています。主演男優、助演男優、助演女優の役者部門での受賞こそ逃したものの、
素晴らしい演技に支えられた見事な作品であり、ナンバーワンに相応しい映画と太鼓判を押します。

ちょっと嬉しかったのは、「パッション」が予想通り助演男優賞、編集賞、録音賞を獲った事。
製作費は数億単位という、最近の映画では実にジミな予算ながら、迫力のある役者の演技、
キレのある編集とサウンドミキシングで、大作をも凌ぐ傑作となっています。

最初の鑑賞時点で10点満点を付けた「グランド・ブタペスト・ホテル」は、衣裳デザイン、美術、
作曲賞の3部門出の受賞となりましたが、キッチリしたセットや衣装、BGMの具合等、映画としての
センスの良さがキチンと評価されたのもうれしかったですね。

賞レース後半、興行収入を伸ばし話題となった「アメリカンスナイパー」は、主要部門で届かず
音響編集賞のみの受賞となったのは予想通り。キング牧師を描いた「セルマ」も、歌曲賞のみの
受賞となり、社会派映画よりエンタテインメント性の高い作品が評価されたのはアタシの心情とも
マッチし、実に気持ちのいい結果となった気がします。

下馬評も高く、最後はアタシも作品賞に推した「6才のボクが、大人になるまで。」でしたが、
結局パトリシア・アークエットが助演女優賞を受賞するにとどまり、ほのぼのファミリー映画の
アカデミー賞での評価はナカナカ厳しいのだなぁなどと気付かされました。

とにかく1ヶ月以上に亘り、アカデミー賞に関する映画を観続けてきて、あらためてハリウッド
映画界の底力を見せつけられました。日本映画及び日本人の絡む映画が、アニメ部門で
ノミネートされてはいますが、ドラマや娯楽の部門でも活躍する才能が出てこないのが
寂しい限りです。

2015年2月24日

 

ショーチク君の2015年アカデミー賞大予想

間もなく第87回アカデミー賞が発表されます。今年はアカデミー賞作品賞候補作をはじめ、
主要部門関連の映画を発表前にかなりの数観終えた事もあり、大胆にも受賞予測をやらかして
しまおうかと考えた。過去の傾向と対策をふまえ自己評価と共に受賞予測をしてみようと思います。

さー今年のアカデミー作品賞の候補は以下の8作品。
「アメリカンスナイパー」
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
「6才のボクが、大人になるまで。」
「グランド・ブダペスト・ホテル」
「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
「Selma」
「博士と彼女のセオリー」
「セッション」

各作品の紹介とアタシの評価については、先のブログで紹介しておりますが、受賞式を目前に控え
各作品を観直してみたところ、ヤヤ評価が変わってきた。最初に全作品を観終えた段階では、
「イミテーション・ゲーム」「グランド・ブタペスト・ホテル」を押していましたが、最初はかなり酷評した
「6才のボクが、大人になるまで。」が妙に気になってしまい、やはり本命視されるこの作品が
受賞するのではないかという気分になってきた。

boyhood


観かえしてみて気付いたのですが、ナニかホコホコした優しさがジンワリと伝わって来まして、
フツーの出来ごと、フツーの家族のやんわり加減が思いがけず心地良くなってしまった次第。
全編肩の力の抜けたフツーの親子愛のチカラに敬意を表し作品賞受賞は堅いところか。

監督賞
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
リチャード・リンクレイター「6才のボクが、大人になるまで。」
ベネット・ミラー「フォックスキャッチャー」
ウェス・アンダーソン「グランド・ブダペスト・ホテル」
モルテン・ティルドゥム「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」

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監督賞となると「グランド・ブタペスト・ホテル」と「バードマン・・・」あたりと見ています。この2作品は
非常に対照的で、「ブタペスト・・・」はカメラを固定してカッチリした絵作りで、かたや「バードマン・・」は
ステディカムを駆使ししてシツコイくらいにひたすら対象を追いかけ続けるといった具合の構成。
全編に監督の意思がハッキリと示されている点で、この2作が監督賞を争うと思われ、
あり得ない超長回し撮影といった斬新さという点で「バードマン」がやや有利でしょうか。

役者さん部門。助演女優賞のノミネーションは以下の通りです。
パトリシア・アークエット「6才のボクが、大人になるまで。」
ローラ・ダーン「ワイルド(原題)」
キーラ・ナイトレイ「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
エマ・ストーン「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
メリル・ストリープ「イントゥ・ザ・ウッズ」
 
boyhood

「6才のボクが、大人になるまで。」の主人公のおかーさん役パトリシア・アークエットの受賞が濃厚と
予想しております。少年「ボク」が主人公ではありますが、これはボクとママの物語であって、事実上
彼女が主役とみなしてもいいかもしれない。なにせ12年に及ぶ撮影期間を通し、子供達と共に成長する
気丈なママを、演技過剰にならず気負いなく演じて見せてくれ、この映画にあってもっとも重要な
役回りを見事に果たしています。彼女あってともいえるこの映画のこの演技に拍手を送ります。

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「ワイルド」のローラ・ダーンは、どん底人生の癒しを求め一人1,700kmの道のりを踏破した
女性主人公の亡き母親役。回想シーンでの登場となっていて、主人公の性格付けをする
地味な役どころでを、ジミ~に、そして静かに演じたあたりは好感が持てますが、受賞まで
届く目算は低そうですね。

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「イミテーション・ゲーム」のキーラ・ナイトレイは、変わりモノ天才数学者の恋人、婚約者、そして
仕事上のアドバイザーとして彼に寄り添う存在で、物語で重要な役割を担っていますが、
もうひとつ存在をアピールした芝居には思えなかった。決め手に欠け脱落といったところか。

emma

「バードマン」のエマ・ストーンは、落ち目の映画スターの娘で、再起を目指す父親のアシスタント
という設定。ドラッグ中毒のリハビリを終えたばかりの、気の強いわがままなお嬢さんという役を、
強烈な個性の役者さん達を相手に臆することなく堂々と渡り合っているあたりは買いますが、
いまひとつアピール度に欠け、若く美しい女優さんでもあり、将来に期待というところで
今回の受賞は見送ろう。

woods

「イン・トゥ・ザ・ウッド」のメリル・ストリープは、ナニも魔女役でアカデミー賞は取らなくてもいいでしょ、
ってな具合で、ハナから対象外と言っておきましょう。過去3回の受賞を誇る名女優でもあり、
彼女は彼女自身が高いハードルとなってしまい、よほどの役が回ってこない限り4回目の受賞は
ないんじゃないかな。それにしても魔女役がハマりすぎですよね。

というわけで、この部門はパトリシア・アークエットの圧勝とみて問題はなさそうです。

次はいずれも熱演が光る激戦の助演男優賞。候補者は5人。
 ロバート・デュバル「ジャッジ 裁かれる判事」
イーサン・ホーク「6才のボクが、大人になるまで。」
エドワード・ノートン「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
マーク・ラファロ「フォックスキャッチャー」
J・K・シモンズ「セッション」

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「セッション」のJ・K・シモンズは、長年地味な脇役として欠かせない存在でしたが、ナカナカ
これといった当たり役には恵まれなかった役者さんでした。この映画ではジャズのドラマーを目指す
若者をサディスティックなまでに徹底的にしごき上げる音楽教師の役で、天才的な音楽センスを持ち、
音楽に対する情熱と狂気の狭間にある熱血音楽家を、爆発的迫力のある演技で見事に演じきって
見せています。最後まで本心が闇に包まれた狂人の匂いを感じる名演技が圧倒的だ。
バイプレーヤーの見せどころを心得たこの演技は、まさに受賞に値するとみていいでしょう。

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「ジャッジ」のロバート・デュバルも、老獪な判事役の威厳と、枯れ行く老人の惨めさに喘ぐ難しい役を
見事に演じ、アタシとしては一票を投じたいところであります。地獄の黙示録(1979年)での彼の演じた
キルゴア中佐の吐いた、「朝のナパームの匂いは格別だ」というセリフは、映画史に残る名言として
今もなお語り継がれています。まさに映画界きっての名バイプレーヤーと呼んでもいい存在感を
今回もいかんなく発揮しており、個人的にはこちらを押したいところです。

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「バードマン」のエドワード・ノートンは、今回も実績通りの実力を見せつける充実した演技は
文句のつけどころがない。飄々としながら芯のぶれない役者という役どころは、まさに彼にうってつけの
役と言っていいでしょう。でもこの人は芝居がウマすぎるせいもあって、どんな役でもこなせると
思うのですが、今回の役では、あっこれだっ!っていうインパクトがチト見えなかった分減点。

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「6才にボクが、大人になるまで。」のイーサン・ホークは、「ボク」の生物学的な父親で、離婚後は
週末だけ子供達と過ごすウェークエンドパパの役。大人になりきれない少年のようなおおらかさで
子供達と戯れる無邪気なパパを、キュートでクールに演じていて、これが彼の素の顔かと思える
のびのびとした素敵な演技を見せてくれています。後半年を重ねたせいか、分別臭い芝居と
なってしまい、失速ぎみとなり受賞は見送りましょう。

mark

「フォックスキャッチャー」のマーク・ラファロは、レスリングの元オリンピック金メダリストで、
同じメダリストの弟をオリンピックで優勝させるためにコーチを引き受けるという役。レスリングの
場面では、玄人はだしの動きを見せ役作りへの強い思いが窺えます。家族への思い、弟への
気遣いなど、内面的にも繊細なで渋い演技を披露しますが、ちょっと見劣りがするかな。

そんなわけで実力が伯仲しすぎて結論が出しにくいですが、衝撃的な演技に度肝を抜かれたという
意味で「パッション」のJ.K.シモンズのインパクト受賞が濃厚とみてよろしいかと。

こちらも混戦模様の主演男優賞、候補は5人
スティーブ・カレル「フォックスキャッチャー」
ブラッドリー・クーパー「アメリカン・スナイパー」
ベネディクト・カンバーバッチ「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
マイケル・キートン「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
エディ・レッドメイン「博士と彼女のセオリー」

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「博士と彼女のセオリー」のエディット・レッドメインは、存命中の宇宙物理学者スティーブ・ホーキング
博士の半生を演じてノミネートされた。ホーキング博士が学生時代に発症したALSにより、刻々と
身体機能が失われてゆく過程をリアルに表現してくれるのですが、唯一感情を表す事ができる
目の動きだけで、喜怒哀楽が読み取れる緻密な演技はたいしたもの。アカデミー賞に相応しい
玄人好みの芝居ということで本命はこの人かな。

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「バードマン」のマイケル・キートンは、かつてハリウッド映画界で、「バードマン」という超人スーパー
ヒーロー役で名を馳せたが、その後鳴かず飛ばずとなり、ブロードウェーの舞台での再起を賭け
ニューヨークへやってきた中年俳優という役。問題山積の舞台を前に、過去に自分の演じた
「バードマン」が分身となって彼に囁く声が聞こえてくる。全編1カットに見せる超長回しの編集の効果と、
幻聴に呼応する彼の言動や行動は、日常と非日常が交錯し狂気じみたものになってゆく。
舞台上でのライバルの出現に、嫉妬し苦悩する過程、そして怒りが頂点に達し、さらに崩壊してゆく
自我を迫真の演技で見せてくれる。個人的にはこの人を押したいところですが次点にしておこう。

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「イミテーション・ゲーム」のベネディクト・カンバーバッチが扮するのは、第二次大戦中の英国で、
ドイツ軍の最高機密である暗号機エグニマの解読を任される、天才数学者。極端に他人とかかわる
のを嫌う非社交的な性格と、ホモセクシュアルという性癖を持ち、ひたすら自己理論に基づく研究に
没頭する。研究の障害になるものは容赦なく排除し、利用できるものは利用し尽くす、絵に描いたような
自己中心主義を貫く。他人の非難に対しても鈍感で、常に自分だけは正しいという信念でけで
生き抜く天才。こんな我儘な子供のようなブチ壊れた人格の大人を、サラリとに演じきった
カンバーバッチはエライ。

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「アメリカン・スナイパー」のブラッドリー・クーパーは、実在のアメリカ海軍特殊部隊の英雄的な
狙撃手の役。部隊を援護する狙撃手として当たり前の任務を遂行する彼にとって、英雄視される
事に違和感を持ち、激戦のトラウマに苛まれながら、愛国心を胸に家族との平和な暮らしを
犠牲にするという兵士を演じます。スコープに映る敵をマシンのように正確に捉える冷徹な
男なのか、素朴に強い責任感から度々危険な戦地に赴くのか。命がけの戦闘という強烈な
シチュエーションのシーンの陰に隠れてまい、彼自身の本当の心理が浮かび上がってこないのが
少々見劣りするところでしょうか。

steve

「フォックス・キャッチャー」のスティーブ・カレルが演じるのは、レスリングチームフォックスキャッチャーを
私財を投じて運営している世界的大企業デュポン財閥の御曹司。情熱という言葉とは違った意味での、
オリンピックチャンピオン輩出の夢の実現に執着心を燃やす冷徹なワンマン独裁者で、一貫して
冷たい表情を崩さず、選手やコーチを所有物のごとく好き勝手に扱う冷酷さを見事に演じている。
スポーツ映画にとしては実に陰惨で、爽快感の「そ」の字も感じられず、ハナから悲劇的な結末が
見えるのは、狂人の放つ氷の視線に由来しているかのようだ。彼のこれまでのお笑い系のキャラから
180度の転換ぶりにも目を見張らせられます。

どれも捨て難いところですが、「博士と彼女のセオリー」のエディット・レッドメインの受賞という
予想でいかがでしょうか。 

最後になりますが主演女優賞。「サンドラの週末」を観ておりませんので各女優さんの評価のみとします。
マリオン・コティヤール「サンドラの週末」

onenight
 
フェリシティ・ジョーンズ「博士と彼女のセオリー」
ジュリアン・ムーア「アリスのままで」
ロザムンド・パイク「ゴーン・ガール」
リース・ウィザースプーン「ワイルド(原題)」

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「博士と彼女のセオリー」のフェリシティ・ジョーンズは、障害を負ったホーキング博士を、かいがいしく
愛する妻の役を好演してはいますが、これといった見どころもなくサッパリしすぎた感のある役どころ
でもあり、候補者の中ではちょっと見劣りするでしょうか。
 
alice
 
「アリスのままで」のジュリアン・ムーアは、著名な言語学者が若年性アルツハイマーと診断され、
ちょっとした物忘れといった症状に端を発し、徐々に記憶障害が顕著となって女性の役を演じている。
明晰な頭脳を持つが故、アルツハイマーというあまりにも悲劇的な病魔に襲われた事に対する怯え、
そして、いわゆる「ボケ」の症状にまで進行した時の表情など、胸の詰まる絶妙の演技を見せてくれる。

gonegirl
 
「ゴーンガール」のロザムンド・パイクは、突然ミステリアスな失踪を遂げた妻という役を演じる。
子役スターという華やかな過去を持ち、裕福な家庭に育ち理想の伴侶に巡り合い幸せな結婚生活を
送っていたが、夫の浮気が発覚、自らの失踪事件をでっちあげ、その容疑を夫に向けさせようと
綿密な復讐計画を実行に移すが、計画は頓挫し事件は予想外の展開となる。愛情の失せた夫との
関係、度を越した復讐計画にのめり込む偏執的な女を、無表情に見えるが、目は完全に
イッちゃってるあたりの情念の深さがメラメラと伝わる迫真の演技は見ものです。
 
wild
 
「ワイルド」のリース・ウィザースプーンは、失意の中一人1,700kmにも及ぶ徒歩の旅に出る女性を
演じている。ひどく自堕落で自暴自棄な生活から立ち直るきっかけに、過酷な旅に挑戦するといった
シチュエーション。心機一転の一大チャレンジといった様相ではありますが、行き当たりばったりの
素人旅のハラハラさ加減と、妙にリアリティを感じさせる自然な演技が見事です。2009年には
「ウォーク・ザ・ライン」でアカデミー主演女優賞を獲得した実績を持つ彼女ですが、主人公の過去を
語る上で非常に重要なファクターとなる場面として、過激なセックスシーンも大胆に演じるなど、
またまた一皮むけ、女優としての評価を高めた名演技と呼んでいいかもしれません。

この部門も誰もが受賞に値する見事な演技を披露していて激戦が予想されますが、4度ノミネート
されながら受賞歴のない、すっかりベテラン女優然としてきたのジュリアン・ムーアあたりに贈られ
そうな気が致します。

2015年2月20日



ショーチク君の2015年アカデミー賞 番外編

作品賞始め、主要部門関連の映画を観まくる中、箸休めに長編アニメ部門にノミネートされた
作品にも手を出してみた。5候補作の中で、残念ながら「song of sea」という作品だけ観ておりませんが、
どれもみなナカナカ楽しめる作品でござった。

Big_Hero_6_(film)_posterベイマックス(big hero 6) ☆☆☆☆★
サンフランシスコの街並みが、トーキョー風にアレンジされていて、
金門橋は鳥居みたいだし、ケーブルカーには提灯が下がっている
といった具合の怪しげな近未来都市でのオハナシ。出来そこないの
雪ダルマみたいなキュートなロボットベイマックスは、心優しい看護
ロボット。対象者の病気、外傷から心の痛みまでケアし、完治する
まで側で見守るようにプログラムされている。兄を亡くした14歳の
天才少年ヒロの心の傷を癒そうと寄り添うベイマックスとの関係は、
まるでノビタ君とドラえもんみたいだと思ったのはアタシだけでは
あるまい。兄の死の真相を追ううちに、軍事機密に絡む巨大企業の
秘密に立ち向かう展開となり、兄の大学の研究室の超おたく仲間達
と協力して、5おたくと1ボットのスーパーパワーを武器とする
ヒーロー戦隊が結成されるあたりも、ジャパニメの匂いがプンプンの
ドラえもん戦隊見参!ってな具合の無国籍アニメでござい。



TheTaleofThePrincessKaguya_US_posterかぐや姫の物語 ☆☆☆★★
日本人なら誰でもご存知「竹取物語」のかぐや姫伝説のジブリ版。
ドラえもんさえ3Dアニメ化される昨今、パステル画調の手書きの線に
こだわった画風は逆に新鮮にさえ映る。最近のアニメ手法に見られる
実写と見まごう細部まで作り込まれたコンピュータ画像とは違い、
水墨画と印象派の絵画をミックスしたような柔らかな背景も新鮮で、
上質の絵本を一頁づつめくっているようなぬくもりが伝わってくる。
かぐや姫は、奔放でお転婆な少女として描かれ、言い寄る高貴な
人物達は、シニカルにコミカルな俗物としてアレンジしている。
まんが日本昔ばなしのほのぼのした空気感に、50億円も投じると
こんなまんがが出来上がるのか、などと変な感心をしてしまった。
実はこの物語、世界一古く且つ純和風のSFでもある歴史的物語で
ありますが、ちょっとテーマ自体が地味な分アピール不足かな~。
アカデミー会員の皆さんの反応やいかに。

 
The_Boxtrolls_posterthe boxtrolls ☆☆☆★★
ゲゲゲの鬼太郎世代にとっては、人間界の隅っこでひっそりと蠢く
妖怪といった風情だろうか。段ボール箱を着た異形の妖怪は、
ボックストロールと呼ばれ、人間の子供を攫い(さらい)殺してしまう
邪悪な怪物として忌避されるが、実は臆病で穏やかで、地中に住み
虫を食料とし、夜な夜な街に出没してはゴミを漁りどうでもいいような
不用品を収拾する程度のイタズラしかしない無害な連中なのだ。
可愛いとはいい難いけど、どこか愛くるしいボックストロールに対し、
強欲な人間をグロテスクにカリカチュアしたキャラとして描き、いったい
どちらがホントの妖怪なのかは一目瞭然。妙に懐かしさを覚える、
ぎこちない動きが特徴のストップモーションアニメなんてご苦労な
技法を用いているそうでうですが、最新のCGとの組合せで、
滑らかでスピーディーな動きとなり、独特の色調で摩訶不思議な
お伽噺を丁寧に作って下さいました。ご苦労さま。


How_to_Train_Your_Dragon_2_posterヒックとドラゴン2 ☆☆☆☆★
前作では村を襲う凶暴なドラゴンと長年に亘り対峙して来た
バイキングの村が、ドラゴンと共存する平和な村になって
帰ってきた。かつてはフライングフューリーとして恐れられた最強の
ドラゴンは、人懐っこく愛らしい生き物で、村の長の息子ヒックの
友達として暮らしている。空を飛ぶという爽快感、浮遊感は日常では
できない経験であり、前作に増してスピード感溢れる飛翔体験が
味わえる展開が超気持ちイイ。細部まで丁寧に作り込まれた背景を
見ても、いかにもお金をかけましたというドヤ顔が目に浮かぶ、
贅沢な仕上がりのアニメです。ストーリーに泣かせどころも折り込み、
前作がプロローグであったような展開になっており、4コマ漫画の
起承転結的に考えると、あと2作ほど続編ができそうな気配を
漂わせています。



Song_of_the_Sea_(2014_film)_posterSong of the sea ?????
アイルランド、ベルギー、デンマーク、フランス、ルクセンブルグの
共同制作による、アイルランド、スコットランド系の古代ケルト人に
伝わる神話を、時代背景をひと昔前の現代に置き換えたお話。
母を亡くした幼い兄妹が主人公で、ひと言も言葉を発しない6才
になる妹が、亡き母の貝殻の笛発見し、そこから始まる不思議な
出来事が綴られてゆく。ある晩妹は、母の残した輝く外套を着て
アザラシの群れに連れられ海の底へ。そこで母は人間界と海底の
世界の両方にまつわる謎を持った神秘的な存在である事を知る。
まだ本編を観ていないので評価できませんが、予告を拝見し
妙に懐かしさを覚えるキャラクターに親しみを感じた。子供の頃
毎年楽しみにしていた、東映まんがまつりで併映された劇場用
長編まんがに通ずる、愛と勇気と冒険の物語の匂いがする
あたりにそそられます。早く観たいなと思わせる1作です。


さて、1作だけ未見ではござりますが、上の4作につてどれを選べと言われれば、ヒックトドラゴン2が
楽しかったかもしれない。ただ続編の噂もあり、ロード・オブ・ザ・リングのシリーズみたいに、
完結した時点での受賞なんて事を考えると、次点のベイマックス、かぐや姫物語なんていう、
ディズニーVSジブリなんて線もあるかもしれない。「song of the sea」を観ていないので、長編アニメ
部門は番外編とさせていただきます。

2015年2月6日


ショーチク君の2015年アカデミー賞 その4

いよいよ大詰め、作品賞候補は残り2作品となりました。最後は演劇と音楽とジャンルこそ違え
ステージに賭ける物語2作品。

落ち目になった過去のドル箱映画スターが、ブロードウェーの舞台に再起を賭ける姿を描いた映画
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」 。アメリカのショービジネスを大別すると、
西海岸のハリウッドを中心にした映画産業、東海岸のニューヨークを起点とする舞台ビジネスが
挙げられますが、いにしえのアメリカン・フロンティア精神同様、東海岸から西海岸への人材の流れは、
ショウビズ界でもある意味出世街道であり、西から東へはどこか都落ちする感のある業界ですよね。

birdman
 
超能力を持つスーパーヒーロー「バードマン」を演じ、かつてはハリウッド映画界でその名を馳せた
リーガンだが、その後の20年は鳴かず飛ばずの俳優人生を送っていた。返り咲きを期し挑んだのは、
自ら レイモンド・カーヴァーの短編小説「愛について語るときに我々の語ること」を脚色、そして演出、
主演するブロードウェーでの舞台だった。

リーガンはリハーサル中の事故に見せかけ、気に入らない俳優を降板させ、代演にブロードウェーで
活躍中のマイクを起用する。マイクは優秀な舞台俳優だが気まぐれな役者で、プレビュー公演で
演出にはない行動を取ったり、批評家に注目を浴びるような発言をするなど、リーガンより目立つ
存在となる。

この公演でリーガンは、薬物依存から立ち直ったばかりの娘のサムを、自分の側に置いて監視しようと、
舞台アシスタントに採用したが、マイクとサムが舞台裏でいちゃつく様子を目撃、さらにはサムが再び
マリファナに手を出すはと、再起を賭けたシナリオの歯車が次第に狂い始めて行く。

さらに舞台公演の真っ最中に、出待ちのリーガンは下着姿のまま舞台の裏口から締め出されてしまい、
パンツ一枚でタイムズスクエアーを歩き、その格好のまま舞台の演技に戻るというアクシデントが起こる。
リーガンのその姿は、たちまちオンライン動画で広まり、図らずもこの舞台に注目が集まってしまった。

舞台終了後ブロードウェーで強い影響力を持つ批評家タビサに、ハリウッドセレブの似非芝居を
こき下ろし、舞台を潰してやると宣言されたリーガンは、悲嘆に暮れ街角で酒を煽り飲みつぶれてしまう。
リハーサル中からリーガンは、自分自身が過去に演じたはずの「バードマン」の幻聴に悩ませられ
続けていたが、この朝遂に分身であるはずのバードマンが目の前に現れる幻覚に襲われる。

この映画の大きな特徴は、全編を通しワンカットに見せる超長回しの編集になっている事。度々幻聴、
幻覚のシーンが挿入されるが、現実の世界との境目がなく、どこからが現実でどこからが空想なのか
判別できないような構成になっている。この稀な編集方法は、非現実的で狂気にも映る主人公の心情を
現す上で一役買っているが、観ていてヒジョーに疲れたというのがホンネです。もしかして全てが幻覚
だった、という含みを持たせたのかもしれない。

ついでながら、リーガンを演じたマイケル・キートン自身、過去に映画「バットマン」シリーズでヒーローを
演じ、その後これといった当たり役に恵まれなかった事に思い至った。彼自身の現実と、この映画の
非現実が交錯したかどうか、彼の鬼気迫る演技は見事でした。マイク役のエドワード・ノートンも、飄々と
した役どころを、深みのあるキャラクターに仕上げる演技も見ものです。二人とも主演男優賞、助演
男優賞でノミネートされたのも頷ける熱演です。

以前アタシがブロードウエーでミュージカル「シカゴ」を観劇した劇場の一角のセント・ジェムズ・シアターが
この映画の舞台となっていて、夜な夜なあの近辺を散策していた事もあって、懐かしいやら嬉しいいやら、
なんてこともあり10点満点で8点がアタシのこの映画への評価でございます。

さて候補作最後は、若きジャズドラマーの情熱と挫折を描いた音楽ドラマ「セッション」です。
全ての候補作の中で最後に観た作品でしたが、他の7作品と比べて、一見して低予算で撮り上げたと
判る映画なのですが、見事な演技と絶妙の編集で、ビッグバジェットの作品に優るとも劣らない傑作に
仕上がっています。時代考証も必要とせず、華美なセットも特撮もない、さらにいえばドラムスという、
どちらかと言えば、ベースと並びリズムセクションの地味な楽器をメインに据えながら、見応えのある
ドラマチックな映画にした監督の力量に感心した。

whiplash

19歳のアンドリューは、ニューヨーク随一のシャッファー音楽学校のフレッシュマン。バディ・リッチ
のような偉大なジャズドラマーを目指し毎日猛練習に励んでいる。そんな彼の練習風景を、この音楽学校
きっての名指揮者フィッチャーが偶然見かける。ほんの短いフレーズを聞いて彼の能力を感じとった
フレッチャーは、異例の抜擢となる、彼のバンドへの参加を認めた。

最初の練習に参加した時、思いもよらないフィッチャーの感情的で暴力的でさえもある指導に戸惑う。
結局控えのドラマーとしての扱いになった彼は、このままでは練習の妨げになりかねないと、付き合い
始めたばかりのガールフレンドのニコールとも別れ、フレッチャーに認められるべく、さらに激しい
練習に没頭するアンドリュー。 

連日猛練習を続けるがメインとサブを行ったり来たりと、フレッチャーの望むドラマーに辿り着けない
日々が続く。そして練習は過酷を極め、遂にフレッチャーも彼の技術を認めざるを得ない、文句の
つけようのない演奏を披露する。しかし晴れの舞台に臨むまさにその日、会場に向かうアンドリューは
交通事故を起こしてしまう。開演にこそ間にあったものの、事故による怪我で大失態の演奏となり、
フレッチャーに演奏をやめるよう指示されるが、逆上したアンドリューは、ステージ上で彼に殴り
かかり、結局退学処分を受けてしまう。

ドラマーとしての道を諦め、漫然と日々を送っていたアンドリューは、ある晩偶然街角のクラブに
フレッチャーのバンドが出演している事を知りステージを覗く。実はフレッチャーも、暴力を伴う
行きすぎた指導により学校をクビになっていたのだ。演奏後フレッチャーから、近々開催される
ジャズフェスティバルに彼のバンドのドラマーとして参加しないと誘いを受ける。

フェスティバル当夜、一旦は別れを告げたニコールも客席に呼び、晴れの姿を見せようとしたが、
フレッチャーは、演奏開始直前に曲目を変更する。アンドリューにはその譜面すら渡されていない曲
だった。驚きと怒り、そしてあまりにも非情なその仕打ちにアンドリューはステージを降りる。
しかしそのあとステージ戻ったアンドリューのとった行動は・・・。

一般に褒めて伸ばす指導と、怒鳴り散らして教育するという指導があると思うのですが、よくある軍隊の
新兵教育モノ映画にあるような、人格をも否定するような罵詈雑言を浴びせ、徹底的なしごき、
そして過酷な体罰を与えるような指導方針で、理想的で完璧な演奏を求める指導者フレッチャー。
映画的には、熱血しごき指導にもメゲず成功し羽ばたいて行く若者と、最終的には喜びを分かち合い、
抱き合って涙する、まいたいなハッピーエンドなパターンなんかをこの映画に求めてはいけない。

彼は研ぎ澄まされ卓越した音楽センスを持ちながら、サディスティックな人格が、超一流の指導者としての
道を閉ざした。しかし彼の音楽への情熱は激しくとてつもなくピュアである事は疑う余地がない。
指導される側も、その過程で多くは落伍するも、勝ち抜いた者には必ず栄光が待っているはず。
想像を超えた両者の激しいぶつかり合いや葛藤の描写も、無駄に多くを語るのではなく、シャープな
映像、テンポある編集、そして何よりも迫真の演技がそれを支え、映画に引き込まれてしまう。
地味ながら映画としての完成度は高く、ジャズ好きでなくても楽しめる10点満点で9点の大盤振る舞い。

あ~やっとアカデミー作真賞候補8作品を書き終えたぞ。今年は粒ぞろいで、どの映画も観るに値する
作品ばかりで、受賞の行方は非常に微妙なところといった感想です。引き続き監督賞、主演男優賞、
助演男優賞、主演女優賞、助演女優賞、さらに長編アニメーション賞あたりについてアタシなりの
評価をご披露いたします。日本未公開作品も多いので、参考にして頂ければ幸いでござりまする。

2015年1月28日



 

 

ショーチク君の2015年アカデミー賞 その3

さー、アカデミー作品賞の候補作8作品のうち4本までご紹介してまいりましたが、後半戦とまいります。
この2本も実在の人物を主人公にした伝記物であります。

著名な物理学者スティーブン・ホーキング博士と、彼を支えた奥様のお話「博士と彼女のセオリー」。
ホーキング博士は、若くして発症した難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」により、四肢の筋肉の委縮、
筋力低下などにより、自力で動く事はおろか、全身がマヒするという障害を背負いながら、現代物理学、
宇宙論に大きな足跡を残し、現在も革新的な論文、研究を発表し続けている理論物理学者でござります。

theory


ケンブリッジ大学で数学と物理学を学ぶスティーブンは、友人と参加したパーティーで、同じ大学で文学を
専攻するジェーンと出会い恋に落ちた。同時にその頃関心を持ち始めたラックホールが、宇宙の誕生に
関わっているのではないかと推測し理論を展開し始める。研究を進める中、徐々に手足に異常を感じる
ようになり、医者からはALSと診断され余命2年と告げられショックを受け、何も告げないままジェーンを
遠ざけるようなってしまう。

スティーブンの両親に事情を打ち明けられたジェーンは、それでも彼を愛しついて行く決意がある事を
両親に告げる。そんなジェーンと友人たちに励まされ、スティーブンも明るさを取り戻し、ついに二人は
結婚、長男も誕生するが病魔は容赦なく彼の体を蝕み続ける。歩く事も困難になるなか、ブラックホールに
関する革新的な理論を打ち立て念願の博士号を取得した。

当初彼の理論は賛否両論ではあったが、徐々に認められ彼の名は広く知られるようになってきた。
しかし彼の病状は、指先が僅かに動かせるだけの状態にまで進行、子育てと夫の日常生活の世話
全てを引き受けるジェーンの負担は限界に達する。ジェーンは教会に心の癒しを求め、その教会の
聖歌隊で独身男性のジョナサンに出会う。ジョナサンは信仰心に篤く、子供たちやスティーブンの
世話も苦にせず、家族ぐるみの付き合いが始まる。

スティーブンの知名度はさらに高まり、招かれて出掛けたフランスで肺炎に倒れる。九死に一生を
得るが、気管切開手術を受け、遂に声までも失ってしまった。言葉を失い意思疎通もままならない
彼は心を閉ざしてしまうが、ヘルパーとして雇ったエレーンの努力により、スペリングボードを使った
会話ができるようになる。そんな献身的な彼女にスティーブンは次第に心惹かれてゆくのだった。

やがてコンピューター合成による声での会話も可能となり、執筆活動にも積極的に取り組み、
物理学の本としては稀なベストセラーも書き上げる。世界的な名声も得て何もかも好転するかに
思われた矢先、彼がアメリカ講演に出掛ける際、妻ではなくエレーンを選んだ事で、夫婦関係が
壊れ始める。

愛は盲目などと申しますが、難病に侵され余命いくばくもない男との愛に生きようと決心したものの、
結局疲れ果て終わってしまった2人の関係。ホーキング博士の電動車椅子の姿と、例の合成された
声を知らない人は少ないとは思いますが、物理音痴のアタシには、難解な物理理論を打ち立てる
ような輩など、とんでもないカタブツかオタク野郎だとばかり思っていましたが、人並みに恋をし、
人並みに浮気する男であったと知りました。

敬虔なキリスト教信者である妻と、徹底した無神論者である博士の間に生まれた愛。体が不自由な
夫を献身的に支える良き妻。明晰な頭脳を持つが故、動く事、自力で声を出す事さえできない
ハンデを背負ったもどかしさ。年を追うごとに悪化する博士の病状と、それを支える妻の表面的な
日常を描いていますが、この美談の陰にあったであろう、それぞれの心に潜むホンネの部分が、
今ひとつ伝わらない演出に不満を持った。もちろん存命中の2人のドロドロした部分を描くのは
はばかられたとは思いますがね。その辺の減点もあり10点満点の6点といった評価でどうでしょう。

お次もある天才学者さんの伝記的映画「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」。
第二次大戦初期、イギリスをはじめ連合国軍は、ナチスドイツの暗号解読を秘密裏に着手、
解読不能と思われたナチスドイツの誇る暗号機「エグニマ」の謎に挑んだ研究者達の物語。

game

1939年、英国はドイツに宣戦布告し両国は戦闘状態に入る。ドイツ軍のUボートの攻撃に苦しむ
英国は、ドイツ軍の暗号解読に着手し、天才数学者チューリングを暗号解読チームに招聘した。
暗号解読の拠点ロンドン郊外のブッチリー・パークに集められたのは、いずれ劣らぬ頭脳明晰な
6人。しかし独自の方向性で解読にあたり、協調性にも欠けるチューリングは、チームの誰からも
疎まれる存在で、遅々として進まない解読に、軍の上層部もしびれを切らし始める。

無数に飛び交うドイツ軍の通信を傍受し、幾通りもの意味を持たない文字の羅列から、何らかの
規則性を導き出すという、人間の直感と偶然を頼りに暗号解読を続けるものの、暗号のセッティングは
毎日変更されるため、作業は時間との戦いでもあり、成果をだせないまま無情に時は過ぎて行く。

チューリングは人間の頭脳より格段に早く解析する方法として、機械による解読を試みようとするが
莫大な予算がかかる事を理由に許可されない。しかし時の首相チャーチルに直訴し予算の獲得には
成功したが、チームはチューリングのマシンの完成に懐疑的だ。

彼が解読チームのうち2人を解雇したことで、チームのムードはますます険悪となる。そんな折、彼の
発案によるクロスワードパズルによる奇妙な能力評価試験に合格した、一人の妙齢の女性ジェーンが
チームに加わった。解読チームのメンバーと打ち解けないチューリングだが、彼女の能力を評価し
信頼を寄せる。このプロジェクトには他のメンバーとの協力が不可欠であり、彼らの能力を認め、
もっと敬意を持って接するように諭すジェーン。

彼女の助言を聞き入れた事で、徐々にメンバーとの信頼関係が生まれはじめた。そんな折、独身の
彼女の身を案ずる両親の勧めもあり、チームを抜けざるを得ないと打ち明けられ、思わず結婚を
申込むチューリング。しかし彼には誰にも打ち明けられない秘密があり、それをネタに脅され
チーム内に潜むソ連のスパイの存在を報告できずにいる。

ある晩ジェーンの友人で、通信傍受に携わる女性の思わぬヒントから、暗号解読の重大なヒントを
見付けだした。文の最後に必ず共通するある言葉を、「ハイル・ヒトッラー」である事に気付き、ついに
エグニマコードの解析に成功する。狂喜乱舞して暗号解読を喜び合うチームだが、上層部の判断は、
暗号解読の成功をドイツ側に悟らせまいと、傍受した敵の作戦行動を、あえて活用しない方針を
取るというものだった。

近代戦においての最重要項目とされる情報戦。第二次大戦では日本軍の暗号は筒抜け状態だった事が
敗戦のひとつとされています。ナチスの誇る暗号システムも、実はかなり早い段階で解読されていたと
知り、戦争の冷淡さを思い知った。小さな犠牲にはあえて目をつぶり、ここぞという時に最大限利用する。
後の歴史家の分析では、ナチスの敗戦を4年は早めたと言われる偉業も、戦後ものプロジェクトの
存在自体が長い期間封印されていた事も語られている。

数奇な運命を辿ったこの天才の半生を描くこの映画。知られざる情報戦の裏側をち密に描く事と同時に、
チューリングを演じたカンバーバッチの演技は秀逸で、まさにハマリ役。暗号解読に賭ける情熱と執念
を感じると同時に、半分遊び感覚で難しいパズルに挑戦する無邪気さも絶妙の塩梅で感じとれる演出にも
唸らされる。緊張と弛緩を適度に織り交ぜる構成も、観る者を飽きさせない。映画の完成度としては
非常に高く評価したいので、10点満点で9点といったあたりでどうでしょうか。

2015年1月26日






 

ショーチク君の2015年アカデミー賞 その2

今年のアカデミー作品賞の候補作品ご紹介第2弾をお届けします。

3作品目は、すっかりアカデミー賞の常連となりました巨匠クリント・イーストウッド監督作品
「アメリカン・スナイパー」。イラク戦争に従軍した実在のアメリカ海軍特殊部隊(SEALS)の
スナイパー、クリス・カイルの自伝的映画です。日本での公開は2月21日からですが、
例によって闇ルートで公開に先駆け観させていただきました。

snyper

ロデオカーボーイとして鳴らす生粋のテキサス人カイルは、1998年のアメリカ大使館爆破事件を機に、
海軍入隊を決意、その後子供の頃から慣れ親しんだ銃の才能が開花し特殊部隊の狙撃手となった。
結婚後の2001年、世界を震撼させた9.11が発生しアメリカ軍はテロとの戦いに本格参入、さらに
アメリカ軍はイラクにも展開し、カイル自身も実戦に初めて派兵され、パトロール中の海兵隊を
援護する狙撃手としての任務にあたり、幾度となく味方の危機を救う英雄的働きをを見せる。

1度目の派兵から帰国したカイルは、激戦のトラウマに苛まれ人が変わったような行動も見られる
ようになり、しだいに妻との関係がこじれ始める。息子も誕生し、家族のそばにいて欲しいと
妻は望むが、彼は戦場に魅入られたかのように再び戦場へ。2度、3度と派兵を回数を重ねる中で、
アルカイダからも懸賞金が掛けられるほど恐れられる超一流のスナイパーとなり、味方の間では
伝説のヒーローと呼ばれる存在となっていた。

家族との暮らしを犠牲にし彼は4度目の戦場に向かった。アメリカ兵を次々に狙撃するアルカイダ側の
凄腕スナイパーとの対決となったオペレーションで、彼のチームは危険を冒し敵陣の真ん中に展開、
見えない敵スナイパーと、押し寄せる無数のアルカイダ戦闘員に退路を絶たれ絶体絶命の窮地に
立たされる。頭上を飛び交う弾丸に身を縮めながら、愛する妻に「今まらウチに帰る」と電話する
カイルは、無事妻のもとに帰るつけるのか。

日常と戦争という非日常が隣り合うように存在する国アメリカ。この歪んだ構造に疑問を抱きながらも、
そこから抜け出せずに、自分たちの信ずる「正義」の名のもとに、ズルズルと戦闘を繰り返している。
この戦闘を聖戦と叫ぶ人々を、一方ではテロリストと呼ぶ。憎しみは憎しみを生み、終わりのない戦争
は永遠に続く。愛する者を奪い、罪のない人々が犠牲になっている。これが戦争。

鍛え抜かれたスキルで人を殺す事を生業にするスナイパーという兵士は、地上戦闘員を見守る
神のごとき存在となり、敵という悪魔を倒し味方の命を救う。優れた狙撃手は兵士からも
国民からもヒーローとして崇めるられる。故に敵にも当然ヒーローが存在する。あーこれも戦争。

イーストウッド監督が描き出そうとする、現代のアメリカにおける戦争ヒロイズム賛美に、どうしても
違和感が湧いてしまう。装甲車に先導され完全武装した兵士が市街をパトロール中、少年を連れた
女性が一行の前に現れる。その2人の姿を後方から狙撃銃のスコープで確認する主人公。
通りがかりの無抵抗な一般市民であって欲しいと願いつつ引き金に指をかける。そんな願いに反し
手榴弾を手に走りだす少年。銃声。次の瞬間血しぶきを上げ倒れ込む少年、つづけて女性に向け
銃弾が飛ぶ。彼の最初の狙撃として描かれるシーンである。

愛国心の名のもとに、組織的に、そして鍛え抜かれたマッチョなアメリカ兵が、彼らがテロリストと
呼ぶ集団に加担する女子供を狙撃する事を正当化する事が今のアタシにはできない。スコープに
映る子供に、引き金を絞る事をためらう主人公の心情も描こうとするが、いったいどちらに正義が
あると言いたいのかわからない。アメリカ人はこのシーンに何を感じるのだろう。

フィクションとしての戦争アクション映画を観るのとは違い、この手の戦争映画はリアル過ぎて評価の
しようがない。実話と言われるだけに、ドラマとして客観的に観る事も許されず、ひたすら胸が痛む。
現在のアメリカの抱える戦争という難問に、答えの出せる戦争映画は永遠に作れないのかもしれない。
よってこの映画に対する、映画としての評価は0点とさせていただきます。

お次の映画も、アメリカの抱えるもう一つの闇、人種差別をテーマにした「SELMA(原題)」という作品。
日本ではキング牧師として知られる、ノーベル平和賞受賞者でもあり、アメリカ公民権運動の活動家
マーティン・ルーサー・キングJr.先導による、1965年におきた「血の日曜日事件」を中心に描いた作品。
昨年11月に全米公開され、日本公開は未定らしいが、運良く鑑賞ができました。

selma

連邦制のアメリカでは憲法上全ての国民に公民権を付与すると謳いながらも、60年代当時は
人種差別を合法とする州もあり、舞台となる南部のアラバマ州では、州の人口の50%を占める
黒人のうち、選挙権を持つのは僅か2%という明らかな差別が続けられていた。アメリカの選挙制度
では、選挙人登録を申請すれば選挙権を取得できるのが建前だが、当時の行政は意図的に受付を
拒否する事がまかり通り、映画の冒頭でも、役所の受付で門前払いされる黒人女性が描かれている。

非暴力に徹するが決して服従せずに抵抗する姿勢を貫くキング牧師を信じ、運動の拠点となる
アラバマ州セルマから州都モンゴメリーまでの抗議のデモ行進が計画された。一行の前には、
州知事を筆頭に、白人住民に支持された警官や州兵が立ちふさがり、催涙弾を打ち込み、騎馬警官を
先頭に警棒を振りかざす警官隊が一行に突入し無抵抗の市民を滅多打ちにする。この模様は全国に
テレビ中継され、そのあまりにもむごたらしい惨劇をまのあたりにした国民は、肌の色を問わず
続々とセルマに集結し始める。多くの国民が、こうして流された民衆の血によって、この運動の持つ
大きな意味を悟り、広く支持されるようになった。もうこのデモ行進を止められる者はいない。

これまでアタシも、いわゆるアメリカの公民権運動に関して言えば、白人に黒人の権利を認めさせる
ための活動だと勘違いしていた。また非暴力主義とは、無抵抗を意味するものだと思っていた。
しかし現実はそんなヌルイもんではない事を知った。彼らは白人に対し、決して平等に扱って欲しい
などとは言っていない。平等である我々に差別を受ける謂われはない事を訴えているだけなのだ。

とはいえ、暴力的に阻止されるであることを承知の上でデモ行進を決行し、一般国民の注目、
あるいは同情を得るために、あえて権力に無抵抗で立ち向かうという、犠牲を前提としたある意味での
キング氏の策略が感じられる。原住民を殺戮し土地を奪い、人間の尊厳を無視した奴隷制によって
繁栄の基礎を築いたのがアメリカ建国の歴史であり、自ら犯してきた過ちに過ちを重ねるような
黒人差別の問題は、幾度となく映画のテーマとしても取り上げられてきた。

映画のテーマとしては深く考えさせられるものではありますが、この映画の持つ映像の力としては、
途中に挿入される、当時撮影された思われるドキュメント映像のパワーにはるかに及ばない気がする。
映画の中の差別や暴力といった描写に慣れてしまったせいなのか、事件の表面をなぞったような
深みのない構成が気になり、評価は5点止まりとしておきます。

2015年1月22日










 

ショーチク君の2015年アカデミー賞 その1

アカデミー作品賞にノミネートされた作品を、ショーチク君の評価なども加えご紹介さていただきませう。
まずはゴールデングローブ賞のドラマ部門作品賞を受賞した「6歳のボクが、大人になるまで。」
今季これまでに発表となった各映画賞で、圧倒的な強さで作品賞を獲りまくっており、アカデミー賞でも
本命視されているようだ。日本でも昨年11月に公開済みですが、先日コッソリ拝見させてもらった。
 
boyhood

同一のキャストで12年間に亘り撮影されたという気合の入りようが話題となっている映画で、
6歳だった少年が18歳になるまでの成長ぶりがリアルタイムで実感できるような構成になっている。
もちろん両親はじめ周りの人達もキッチリ年を重ねてゆく姿が描かれており、どこかの知らない家の
家族のアルバムを見せられているような気分にさせられた映画でした。

通常の映画的手法では、大人の出演者ならその年なりのメイクアップで年齢を表現できますが、
6歳から18歳の成長期の男の子の場合は、成長に合わせ別の子役を立てなければならず、
監督の演出にもよりますが、結果として別人格の演者が同一人物を演ずる事になってしまう。
まぁその点の発想の斬新さ認めるにしても、映画、ドラマとして成功しているかというと疑問符が点く。

まず尺が長い。2時間45分は長すぎ。両親が別居して、引っ越して、母が再婚して、また離婚、
別れた実の父との過ごす週末、はたまた少年は恋をする、が、別れる。ある意味波乱万丈型家庭の
ようにも見えますが、さして盛り上がりのないエピソードを寄せ集め過ぎたせいか、あれもこれもと
欲張った編集で、無駄になが~くなってしまったように感じた。

そしてドラマ性の欠如。再婚相手がアルコール依存のDVオヤジなんてのも、今時ではありきたりの
シチュエーションだし、2度目の再婚にも失敗する流れも必然性が見えない。なんとなくくっついて、
なんとなくイヤだから別れました、ってな薄っぺらな印象で退屈だった。

主人公の母親役を演じたパトリシア・アークエット(助演女優賞ノミネート)の演技が注目されている
ようですが、この映画が撮影されたと思しき時期(2003年~2014年)に放送された、彼女が主演した
だったテレビドラマ「ミディアム」(2005年~2011年)を、欠かさずに追っかけ、彼女の変貌ぶりを
見続けていたアタシには、えっ、これってそのまんまアリソンじゃん、と軽くイナしてしまう。

ドラマの主人公アリソンは、超能力者として警察や検察の捜査に協力はしているという設定では
ありますが、3人の娘を持つ普通の家庭の主婦という役どころで、娘達も同じ子が演じ続けていて、
家族ともども年を取っているあたりは映画と一緒。(正確には一番下の3女はダブルキャスト
だったと思いますがね)

家族の成長物語を映画にする場合って、よほどのドラマ性、意外性を盛り込まない限り、ナカナカ
難しいモノ。ボクが○才の頃こんな事がありました、あんなことがありました、といった日常を延々と
見せられても、へ~そうなの、そりゃ大変だったね~、ってなもんでしょう。あえて平凡の連続性と
いったあたりを劇的(?)に描こうとしているようですが、逆にアザトさが透けて見える編集だと感じた。
ありきたりの映画評的にまとめれば、10点満点で4点というところがアタシの評価でござる。

続いてG.G賞のミュージカル・コメディ部門で作品賞を受賞した「ブタペスト・グランド・ホテル」。
第二次世界大戦前夜、二つの大戦のはざまにある不安定なヨーロッパ。アルプスを望む仮想の国の
架空の高級ホテル「グランド・ブタペスト・ホテル」が舞台となっている。ホテルのコンシェルジェ
グスタボが巻き起こしす騒動の顛末を、当時新入りのロビーボーイで、後にこのホテルの
オーナーとなったゼロ・ムシュタファが語るといった設定。
 
hotel

まずは100分というちょうどよい長さにテンポよくキチンと収まっている点がイイ。映画というのは
何世代にも亘る壮大な大河ドラマでも、ほんの数日間の些細な出来事でも、2時間弱の枠に
キッチリ収める監督の技量が問われる芸術なのである。極限まで無駄なシーンをそぎ落とし、
それでいて観る側にディーテイルまで伝える演出、編集に映画の神髄があるはずだ。

ホテル内のサービス部門を取り仕切るコンシェルジェは、お客様に対してはご主人様に仕える
伝統的な英国の執事を思わせる慇懃な態度で接し、夜も日も徹しホテル全般の業務にあたる
いわば現場の総指揮官。名門ホテルに集うのはヨーロッパ各国のVIPクラスの賓客ばかりで、
グスタボの仕事への情熱は、とりわけ老齢のリッチな未亡人マダム達に向けられ、
夜の特別サービス付きのご接待にも精を出すグスタボ。

そんなマダム達の中でも、マダムDとは長きに亘り親密な関係が続いていたが、ある朝彼女の
謎めいた死の知らせを受け、ゼロを伴い国境を越え遠路自宅まで駆けつける。彼女の遺体に優しく
口付けし別れを悼むグスタボとは対照的に、親族は彼女の莫大な遺産の行方にしか興味がないと
いった様子。さらには赤の他人であるグスタボに、お宝級の絵画を遺すというから親族連中は大騒ぎ。

グスタボは、真犯人の陰謀によりマダムDの殺人容疑で逮捕され監獄行きとなるが、このあと
お笑い脱獄、ドタバタ逃亡劇、オマヌケ真犯人探しと話しは展開し、ハラハラどきどきニヤニヤ
ニコニコと怒涛のジェットコースターコメディに突入する。

紳士然としたシリアスな表情で、おちゃめな笑いを連発するグスタボを演じたレイフ・ファインズの
演技は秀逸で、彼のコメディアクターとしての意外な側面に驚かされた。思わぬ大物スターを
チョイ役で登場せてくれるキャスティングも、粋な演出に一役買っているあたりも見逃せない。
ナンセンス、スラップスティックといったコメディ映画の要素をキッチリ盛り込みながらも、
抱腹絶倒の大笑いギャグ映画とは一線を画し、さらには変に洗練されすぎることなく、上質な
くすぐり笑いが全編に溢れる小粋でスマートなコメディに仕上がっていて、おススメ度込みで
10点満点の評価を差し上げたい。

つづく・・・。2015年1月19日
 


 

ショーチク君のアカデミー賞2015

昨年末から続く各映画賞もいよいよクライマックス、昨晩遅く本年度の第87回アカデミー賞の
ノミネーションが発表されました。実は毎年のことながら、候補作は日本公開前の作品も多く、
まだ観ていない映画ばかりで、のこの映画界最大のお祭りもちょっとばかり醒めた気分で
受賞式を見守っていましたが、今年はちょっと事情が変わった。

最近すっかりお世話になりっぱなしのアヤシイ某映画サイトには、最新作もほとんどアップロード
されていて、昨日発表されたアカデミー作品賞候補作8本については、すでに日本公開済みの
作品を含め全作品を観ることができます。何としても今年は作品賞、主要部門の候補作は
2月22日の受賞式前に完全制覇しようと目論んでいるところ。

さて、発表されました第84回アカデミー賞の主要部門の候補作は以下の通りでござる。

作品賞
 
snyper
「アメリカンスナイパー」

birdman
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」

boyhood
「6才のボクが、大人になるまで。」
 
hotel
「グランド・ブダペスト・ホテル」

game
「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
 
selma
「Selma」

theory
 「博士と彼女のセオリー」
 
whiplash
「セッション」

上から5作品まで観ました。詳しくは全作観てからとしますが、今のところ「イミテーションゲーム」が本命、
「グランドブタペストホテル」が次点がアタシの評価。

監督賞
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
リチャード・リンクレイター「6才のボクが、大人になるまで。」
foxcacher
ベネット・ミラー「フォックスキャッチャー」
ウェス・アンダーソン「グランド・ブダペスト・ホテル」
モルテン・ティルドゥム「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」

主演男優賞
スティーブ・カレル「フォックスキャッチャー」
ブラッドリー・クーパー「アメリカン・スナイパー」
ベネディクト・カンバーバッチ「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
マイケル・キートン「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
エディ・レッドメイン「博士と彼女のセオリー」

助演男優賞
ロバート・デュバル「ジャッジ 裁かれる判事」
イーサン・ホーク「6才のボクが、大人になるまで。」
エドワード・ノートン「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
マーク・ラファロ「フォックスキャッチャー」
J・K・シモンズ「セッション」

主演女優賞
マリオン・コティヤール「サンドラの週末」
フェリシティ・ジョーンズ「博士と彼女のセオリー」
ジュリアン・ムーア「アリスのままで」
ロザムンド・パイク「ゴーン・ガール」
リース・ウィザースプーン「ワイルド(原題)」

助演女優賞
パトリシア・アークエット「6才のボクが、大人になるまで。」
ローラ・ダーン「ワイルド(原題)」
キーラ・ナイトレイ「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」
エマ・ストーン「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
メリル・ストリープ「イントゥ・ザ・ウッズ」

などとなっております。ここまでの賞レースでは「6才のボクが、大人になるまで。」が圧倒的な強さ
なのですが、アタシ自身はあんまり評価しておりません。下馬評では作品賞の最有力と言われて
いますが、「グランドブタペストホテル」あたりが各賞含めイイ線行くような気がする。
さー今夜も候補作品を観なくっちゃだわ。 2015年1月16日
 


 

ショーチク君のおちこぼれ

女子会、逞しい男達の映画に続き、一転しておちこぼれ達の物語。特に意識して並べた訳ではないのだが、
ドラマって案外この3通りのシチュエーションで括れたりするものなのかもしれないと思い当たる。
まー世の中男と女、しっかり者と落ちこぼれで成り立ってることでしょうね。

standおちこぼれの天使達(1988年アメリカ)
起立!礼!着席!で始まる日本の学校の風景からすると、なんともまぁ、
グダグダ感のあるアメリカの高校生。映画の原題は「Stand and Deliver」、
「命が惜しくば金を出せ」的な強盗の常套句らしく、末はギャングが売人か
みたいな生徒ばかりのカリフォルニア南部の高校が舞台。こんな高校へ
赴任して来た数学の教師が、このクズ生徒達の潜在能力を見いだした。
日本でいう全国統一学力テストみたいな試験があって、おちこぼれの
根性見したれ!といった熱血指導をするというストーリー。学校はおろか
社会からもドロップアウトしたような生徒達だが、次第に先生の熱意に
応え補習や課外講習まで受けて試験に備える。努力は報われ全員
及第点を採るが、不正行為を疑われ試験結果は無効になるかという
瀬戸際、生徒を信じ無実を訴える教師、そして再試験に臨む不良ども。
やっぱ若いっていいな~ってしみじみとさせられました。実話らしいです。


buckおじさんに気きをつけろ!(1989年アメリカ)
定職もなくギャンブルで喰いつなぐロクデなし独身中年男のバックは、
実の兄ボブの妻シンディの父が心臓発作で倒れ、父を見舞いに2人が
家を空ける間、姪と甥3人の子供達の世話を頼まれる。妻シンディは
だらしなく頼りがいのない彼を信用していないが、他に頼る人も
見つからず子供達を任せる。多感な十代の長女ティアは、この胡散
臭い叔父を毛嫌いするが、幼い弟と妹は陽気で子供に甘いバックに
すっかりなついてしまう。ティアはボーイフレンドのバグに冷たく当たる
叔父を心底疎ましく思い、腹いせに彼ののガールフレンドにウソを吹き
込み2人を仲たがいさせてしまう。そんなティアに対しても、無断で
出掛けたパティーに彼女の貞操の危機を察したバックは会場へ急ぐ。
そこでバグの浮気が発覚、こっぴどく彼を懲らしめる叔父に本当の
思いやりを感じ、真の愛に気付く。おちこぼれのおぢさんだけど、
愛すべきアンクルバックを演じたジョン・キャンディの怪演が光ります。


rewind僕らの未来へ逆回転(2008年アメリカ)
レンタルビデオ店の店主フレッチャーは、地区の再開発計画により、
立ち退きを迫られている。一方店の近所に住むお騒がせ男ジェリーは、
変人ぶりを発揮し変電所に侵入、全身に強力な磁気を帯びてしまい、
彼が店に来た事で、店中のビデをが消去されてしまった。困った店員の
マイクは、オリジナルを真似た手造りビデオでお客を誤魔化そうと考え、
オリジナルのスエーデン版と銘打ち次々に迷作を撮り上げる。なんと
このチープでデタラメな映画が大評判となってしまうが、著作権を
盾に当局の手で全ビデオが破壊されてしまった。それならば
オリジナル企画で勝負だと、この店のこのビルで生まれた往年の
名ジャズピアニストの伝記映画の撮影が住民総出で始まった。
次から次へと撮りまくったバッタもん映画のブッとび具合は爆笑もの、
オチも決まって映画ファンなら見逃せない映画愛に溢れたまさに迷作。
 


おちこぼれ男の逆襲特集みたいですね。それにしても邦題のネーミングはもう少し何とかならんものか?
邦題を先に聞いていたら絶対に触手が動かなかっただろうな。(ポスターにオリジナルタイトル有り)
それにしても今年は恐ろしいペースで映画を観ている事に驚いた。 2015年1月14日

ショーチク君の男子会

コメディやアニメーション、女の子映画を観ているのは実に気楽なのですが、たまには大人っぽく
少々シリアスな映画も並べなくてはなるまい。そんな気分で臨んだ問題作3本。

lostオール・イズ・ロスト~最後の手紙~(2013年アメリカ)
ほほ~その手で来たか・・・、と最後までイッキに観てしまった。
登場人物は1人、オープニングのナレーション以外は全編に亘り、
ほとんどセリフらしいセリフが無いという珍しい映画でした。
インド洋のど真ん中、一人の初老の男がヨットで航海を続けている。
ある朝目覚めると船内の浸水に気付く。不運にも貨物船から落ち、
漂流中のコンテナに衝突し船体に穴が開いている。GPSも無線も故障、
応急処置で航行こそ可能となるも、巨大なうねりと暴風雨を伴う嵐に
遭遇し、浸水、転覆を繰り返す大打撃を被った。メインマストも折れ、
男は遂には船を捨て救命ボートに移る。幸か不幸か船内で見付けた
六文儀と海図で、かろうじて現在位置が判明、ボートは少しづつだが
商船航路に近付きつつあると判り、絶望の暗闇に僅かに光明が差した。
困難に直面し懸命に生きようとする男の絶望と執念。レッド・フォード
師匠も当時77歳とかなりのご高齢ながら絶品の一人芝居に唸った。


simonサイモンバーチ(1998年アメリカ)
先天性の障害を背負い小さく生まれたサイモン。医師に短命を宣告
されるが、心ない周囲のいじめにもめげず、信仰心に厚く、自分にも
生まれてきた理由が必ずあるはずと信じ、身体的な成長は止まった
まま12年の歳月が過ぎた。父を知らず私生児として育った同じ年の
少年ジョーと親友となり、実の両親にすら疎まれるサイモンは、
ジョーの美しい母親レベッカを実の母のように慕っている。ある日
少年野球の試合中、サイモンの放ったまぐれの特大のファールが、
ジョーの母の頭に直撃し死亡する事故がおきる。共に打ちひしがれ
暫く2人の関係は気まずくぎこちないものとなるが、やがてこの
運命を受とめた2人は、ジョーの父親捜しにに奔走する。
やがて驚きの事実を知るジョー、さらにサイモンがこの世に生を
授かったワケとは?切なすぎる衝撃のラストが胸を打つ。



command十戒(1956年アメリカ)
旧約聖書の出エジプト記を原作とする、歴史スペクタクル巨編。
巨匠セシル・B・デミル監督が1923年の同名映画を自らリメイクし、
冒頭には監督自身が登場し解説までしちゃう入魂の映画でござる。
エジプトにおける奴隷ヘブライ人(ユダヤ人)の子として生まれ、
エジプト王女の王子として育ち、自らの出生の秘密を知らぬまま、
エジプトの英雄に成長したモーゼ。しかし王子ラムセスに秘密を知られ
奴隷に身をやつすが、やがて死罪同然に砂漠に追放される。
辿り着いたシナイ山で神の啓示を受けたモーゼは、エジプト王に
ヘブライ奴隷の解放を求めに再びエジプトに向かった。モーゼの
予言通り災厄に見舞われたエジプト人は、ヘブライ人を解放する。
追撃する王の軍を神の奇跡で撃退、一行はシナイ山へと辿り着くも、
神を忘れ偶像崇拝、享楽に溺れる。神は石板に10の戒めを刻み
モーゼに託し、愚かなヘブライ人を罰する。あー罪深きかなユダヤ人。


自然に翻弄されるが懸命に生きようとする男、障害にも挫けず逞しく生きる男の子、
神の啓示を受けユダヤの民を救う男。女子会に続き男子パワー炸裂三作品でした。ウマイ!
2015年1月11日


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