映画と酒と巨人と旨いモノ

好きなものを好きなだけ観たり飲んだり食べたり頂いたり。 生誕半世紀を記念し、節操のないオヤヂの半端な映画道を、 お笑い半分で書き殴るので殴り返してネ

2013年08月07日

「プロメテウス」(2012年アメリカ) エイリアン誕生秘話?

PROMETHEUS (2012)
Director : Ridley Scott
Starring : Noomi Rapace,  Michael Fassbender, Guy Pearce, Idris Elba, Logan Marshall-Green
Charlize Theron 

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あの衝撃作「エイリアン」(1979年)の第1作から早いもので30年以上経ったんですね。典型的な
追いつめられ型映画で、執拗にジワジワ恐怖を煽る手法にションベンチビリそうになったもんでした。
てかてかねばねばのおぞましいい異形の宇宙生物の姿も衝撃的だった。画家H・R・ギーガーによって
創造されたエイリアンという最強の怪物は、30年以上経った今でも新鮮な恐怖を感じさせてくれる、
まさにクリーチャーの王者といったところでしょうか。
その第1作を監督したリドリー・スコット監督が、第1作の前日譚とも言える映画を撮ったんだから嬉しい
じゃありませんか。ネットリとしたまとわりつくような空気感が漂う独特の映像が不思議と心地いかった。

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強烈インパクトがあった「ALIAN」。第2作目では「ALIANS」とSが付き複数になって大挙して登場したっけ。
 
修道僧のような装束を纏った異形の生物が、荒涼とした大地に轟々と流れ落ちる瀑布を見下ろす
断崖に佇む。頭上には円盤状の飛行体が、厚い雲に吸い込まれるように飛び去る光景が見える。
やがて「ソレ」は装束を脱ぎ捨て、祈りをささげるような仕草で容器の中の液体を飲み下す。
すると全身が蠕動し、見る間に表皮はどす黒く爛れ今にも肉体が崩れ落ちるかと見えたその時、
自ら断崖より身を投じると、遥か下方で渦巻く滝壺に吸い込まれていった。千々に砕けた肉体は
水に溶けだし、細胞のひとつひとつはさらにDNAレベルまで分解され、その生物の一命を賭した
遺伝子情報がその惑星中に拡散されてゆくのだった。

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大地と水を子宮とするなら、こいつは意志を持った精子って役割だな。壮大なる種付けってわけか。

西暦2089年、考古学者のショウ博士とホロウェイ博士は、スコットランドの洞窟で35,000年前の
古代人の壁画を発見する。壁画に描かた星図は、世界中のつながりの全くない他の古代遺跡でも
発見されており、この星図の導く共通の惑星の存在が人類の起源に繋がると確信する。

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SF映画の定番、恒星間飛行に不可欠な冷凍睡眠からお目覚めの考古学のショウ博士。

2093年、恒星間飛行を続ける宇宙船「プロメテウス」の船内はにわかに慌ただしさを増す。目的の
惑星への到着が近付き、冷凍睡眠から目覚めた乗組員たちが集められ、ミッションについての
ブリーフィングを受ける。この調査はウィランド・コーポレーションという企業が巨額な費用を投じ、
人類誕生のカギとなる、「エンジニア」と呼ばれる宇宙人の足跡を追う一大プロジェクトだと説明される。

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ドーム内は地球と同じ空気組成になっている。いったいこのドームは何?

衛星LV-223の大気圏突入後、明らかに人工と見えるのドーム状の構造物の列を発見、直ちに
調査隊が内部に送り込まれた。ドーム内は洞窟状に回廊が続き、そのままでは人体には有毒な外気を
呼吸可能に清浄化した空気で満たされている。一行に随行するアンドロイドのデイビッドは、
洞窟内での出来事を記録したホログラムの再生に成功し、「エンジニア」が逃げ惑う姿を目にする。

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デイビッドが秘かに持ち帰った円筒形の容器には、正体不明のにゅるにゅるキトギトの物質が詰まっていた。

再生されたホログラムを追い、回廊の先の扉状の仕切りの前で「エンジニア」の頭部が切断された
遺体を発見、2000年前の遺体だと確認される。その扉の奥に入ると、人間の頭部を型取った
モニュメントを中心に、円筒形の容器が無数に並べられた神殿様式の部屋になっていた。
その時司令船から、天候急変のによる帰還命令が出され、一行は取り急ぎ撤収にかかるが、
デイビッドは円筒形の容器のひとつを秘かに持ち帰るのだった。

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訳のわからない生命体には近付いちゃダメでしょ!もうこの後どうなるか解るよね。

切断された「エンジニア」の頭部を持ち帰りDNA検査をしたところ、人類のDNAと完全に一致する事が
判明する。デイビッドは持ち帰った円筒の容器から採取した黒い液体を、それとなく飲物に混入し
ホロウェイ博士に飲ませてしまった。同じ頃洞窟内で道に迷い取り残された調査隊のうちの2人が、
大量の「エンジニア」達の無残な遺体を発見、その後未知の生物に遭遇し襲われてしまった。

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ナニモノかに追われ逃げ惑い追いつめられ奇妙に殺されたかのような大量の「エンジニア」の遺体。

翌日再調査に向かった一行は、何かに襲われ殺されたような無残な隊員の一人の死体を発見する。
一行から離れデイビッドはひとり別行動をとり、「エンジニア」の宇宙船の操縦室に辿り着いた。
さらにそこで冷凍睡眠の状態で生き続けている「エンジニア」を発見するのだった。

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宇宙船プロメテウス

ざっと終盤までのあらすじを紹介しましたが、これ以上はもったいないから書かないでおこきます。
2000年前にドーム内で何が起こったのか?そもそもこの構造物の作られた目的は?徐々に明らかに
なってゆくパイオニア号の調査の真の目的は?あらゆる生物に寄生し、その強靭な生命力で宿主の
命を喰らい生き続ける奇跡の生命体の正体とは?

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繊細な役作りには定評あるシャーリーズ・セロンですが、つまらない役でさぞ不満だったのでは。

大好きな映画「エイリアン」とのつながりがだんだん見えてくると、ワクワク感が増し思わず唸ってしまう。
全てがキッチリとつながらなそうな面もあるが、その辺は旺盛な想像力で補えばよい。エンディングは、
「エイリアン」と別系統の話として展開しそうな気配も漂い、続編を期待している人も多いでしょうね。
難を言えばチョット役者さん達のクオリティが低いかな。調査隊の指揮を取るシャーリーズ・セロンも、
何とも掴みどころのない半端な役に使っちゃってもったいないよね。「エイリアン」シリーズを踏襲し、
次回作はジェイムズ・キャメロンに撮ってもらうのはどうかな?2013/08/06 

「チャイナシンドローム」(1979年アメリカ) やっぱり原発はアブナイ?

The China Syndrome 1979
Director : James Bridges
Producer : Michael Douglas
Stars : Jane Fonda, Jack Lemmon, Michael Douglas

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福島原発事故を経験し、原発事故というものが他人事でなくなった現在、久しぶりにこの映画を
観たのですが、原発事故はこれからもいくらでも起こるんだろうなぁ~と変に納得させられる内容で
ドキドキさせられてしまった。驚くべき事に、この映画の公開されたわずか12日後に、
ペンシルバニア州スリーマイル島の原子力発電所で、炉心融解という前代未聞の大事故が
発生したのは偶然ではなかったようですね。それまで重大事故にはいたらなかったものの、
当時からそれなりに原発の危険性に警鐘は鳴らされていたことがよくわかるストーリーだ。

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偶然にしては出来過ぎのスリーマイル島のメルトダウン事故。

ロサンゼルスの地方テレビ局のリポーターとして、他愛もない地域の話題を紹介している美人女性
キャスターのキンバリーは、原子力発電所をテーマにした念願のドキュメンタリー特番の取材の
チャンスを得た。フリーのカメラマンのリチャードを伴い、ロサンゼルス郊外のベンタナ原発の取材を
開始、取材中偶然地震が発生し、原子炉が緊急停止する場面に遭遇する。広報担当は日常的な
軽微な故障だと説明するが、制御室の職員達の様子は尋常ではないと直感したリチャードは
撮影禁止区画であるにもかかわらず、制御室の様子をカメラに収めていた。

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愛想を振りまくだけの美人レポーターから脱皮できるチャンスとなる、原発特番の取材に行った先で偶然事故を目撃。

これはとんでもないスクープに違いないと、局の上司にフィルムを見せるが、原発側の事故の発表も
なく、保安上の理由で撮影禁止となっているいる区域と知って撮影したフィルムを、オンエアーする
訳にはいかないと拒絶されてしまう。キンバリーは局内での立場も見越して局側の説得に渋々
応じようとするが、納得しないリチャードは、お蔵入りとなったフィルムを盗み出し失踪してしまう。

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事の発端は地震による緊急停止。単純な計器の不具合で復旧手順にミスが生じメルトダウン寸前の危機!

キンバリーは、リチャードにフィルムを返すよう説得しようとするが、原子力の専門家にフィルムを
見せたところ、チャイナシンドロームと呼ばれる、炉心溶融という致命的大事故になりかねない
危険な状況が、直前で回避されたと指摘を受け驚愕する。当の原発会社は、折しも新しい原発の
建設の認可が間もなく下りる事が決まっており、事故が公になると銀行の融資は期待できなくなる上、
経営的にも巨額の損害を受けると予測され、会社は事故を隠蔽していると確信する。

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大スクープ映像を局の上司に見せるが、確証はなく、禁止区域での撮影が問題となりお蔵入り。

発電所でも事故調査が行われるが、結局会社は再稼働に支障はないと判断しする。しかし現場にも
居合わせた責任者のジャックは再稼働に強く反対する。万が一の危険を無視した経営的判断に
納得しないジャックは、独力で事故原因の調査を開始し、溶接部分のエックス線検査に不正がある事を
突きとめた。不正を問いただそうと建設業者を訪ねたジャックだが、逆に危険人物として
尾行される羽目に陥ってしまう。

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証拠を隠滅され、尾行された揚句追いつめられて逃げ込んだ原発に立て籠もるジャック。

ジャックは身の危険を感じながらも、キンバリーを信用し不正の証拠を手渡そうと試みるが、会社側は
なりふり構わず事故を装い証拠を奪うという強引な手段に訴える。ジャック自身も追い込まれ、
ついに原発内に逃げ込まざるを得なくなった。発電所では再稼働に向け出力試験が行われていて、
危険を察知したジャックは、警備員から銃を奪うと全員を制御室外に追い出し立て籠もる。

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事故のあった原発から不正告発、事故公表という前代未聞の大スクープの生放送が始まった・・・。

不正の証拠は奪われたが、事実を公にしたいとキンバリーを制御室に呼び、ここからTV中継をすると
言い出すジャック。放送を阻止しようとすれば放射性物質を放出すると脅す。急な展開に驚くも
いよいよ重大な局面を迎え発電所に駆けつけたキンバリーとリチャード。正義感に燃え不正に
立ち向かうジャックをテレビカメラが捉え中継が始まった・・・。

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上司の顔色をうかがう気の弱いサラリーマンなんて役どころが似合う珍しい役者さん。涙目でプルプルするあたりが秀逸。

社会派映画のなかでも評価の高い映画で、自らの会社を告発しようとする原発のエンジニアという役を
演じたジャック・レモンの演技も、普段は実直でヤヤ気弱だが、やるときゃやる正義のオジサンという
芯のある男を上手に見せてくれる。会社や友人をも裏切る事となる行為に対する心の葛藤や、
素人向けに、つい難しい専門用語をまくし立ててしまう不器用な技術者といったあたりを見事に演じきる。
ホントこういった小心者やらしたら右に出るま役者はいないよね。

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主演のジェーン・フォンダもマイケル・ダグラスも父が俳優という2世俳優。才能としてはマイケルの勝ちだな。

プロデューサーのマイケル・ダグラスはカメラマン役で映画にも出演していますが、この映画の2年前の
映画「カッコーの巣の上で」(1975年)ではプロデューサーとしてアカデミー作品賞、87年の「ウォール街」
では主演男優賞に輝くなど、何ともすごい人なんですよね。熱血漢のフリーカメラマン役もいい芝居です。
一方の70年代の強い女の代表みたいなジェーン・フォンダは、なにをやってもジェーン・フォンダだな。
相変わらず名優であるおとーさんの名前だけで出ている女優さんですね。

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理論上はメルトダウンした物質が地中深くに達するというところから、「チャイナシンドローム」なんて呼んでいる。

この映画のタイトルでもある「チャイナシンドローム」とは、制御不能に陥った原子炉内の燃料棒が
高温に達し、メルトダウンした後、原子炉、格納容器を溶かし外に漏れ出す現象のことで、超高温の
放射性物質はさらに地面をも溶かし、地球の反対側の中国まで達するという皮肉を込めた言葉。
公開された1979年に映画館で初めて観た時は、原発の安全神話を信じて疑っていなかったようで、
遠い国の遠いお話しの如く観ていたのでしょうか、事の重大性もわからず、恐怖心も抱く事なかった。

本当の事を言えば、当時のスリーマイル島の事故も、その後のチェルノブイリの事故でも、対岸の
火事くらいに思っていたのは私だけでなかったはず。地震、津波、原発事故とトリプルパンチを喰って、
ようやく何だかこれはすごい事が起きているようだ・・・と気付いたのは福島原発の事故の後だった。
我ながら情けないハナシですが、ここに至ってまだ「原発は安全」という人達の気が知れないし、
その無責任さには心が痛む。映画にも出てくるが、会社の利益を優先させる欲深き金の亡者どもの
隠ぺい体質や残忍さが腹立たしく、どこの国も一緒だなぁと世を儚んでしまいました。2013/08/06







 

「酒は米から」その6 また8月6日がやってまいりました

昭和20年8月6日、殺戮兵器として広島に世界初の原子爆弾が投下された日からから68年。どうしても
「核」について考えてしまう日です。昼間は「チャイナシンドローム」なんて原発事故の映画見ちゃうし、
夜は夜で巨人は横浜との試合を福島でやってるし、憂鬱になっちゃうやね。

朝からどんよりとした雲に覆われスッキリしない空模様で、急に大粒の雨が降り出してみたり、時折雷鳴も
聞こえるような安定しない一日。 お目覚めはスッキリしていたので、朝飯前から5.1chサラウンドを轟かせ、
「プロメテウス」(2012年アメリカ)、「スカイフォール」(2012年アメリカ)を続けて観る。

ブランチに昨晩の残り物のカレーと冷凍トンカツの組合せで、超盛りカツカレーでお腹パンパンに
なったところで、前述の「チャイナシンドローム」(1979年アメリカ)を見始めた。公開の直後に
アメリカのスリーマイル島の原発事故があったりして実にタイムリーな時期に制作された映画で、
30数年も経ったんだな~とちょっと感慨深いものがあった。スリーマイル島の事故も福島原発事故同様、
炉心が融解しメルトダウンに至った大事故ですが、放射線汚染被害が出なかったという違いがある。
そのあとのチェルノブイリ、福島と悲惨さが増した事故が続いたのはご存じのとおりです。

電力各社は相次ぎ電力料金の値上げの申請が認可され、9月から一斉に料金が上がるらしいですね。
理由は原発が止まってるから。一般家庭で数百円というからなんとなく許容範囲のように聞こえますが、
何がどうなれば値上げしないでいいのか、もうちーっと真剣に考えてみてもらいたいもんだ。
原発止まったままだからの一点張りでは、原発再稼働しない限りは電気料金の値上げは止まらないと
言っているようなものではないですか。脱原発にむけ、今後ウチはこれこれこういう方針にしますので、
その間料金は高くなりますみたいな話はならないのでしょうかね。

どっちにしろ莫大な廃炉費用だの使用済み核燃料の処理費はついて廻るわけで、電力各社は
いつかそのツケを払わなくてはならないと知っていながら問題を先送りにしているだけのハナシ。
はからずも夏場は電気使用のピークを迎える時期でもあるし、今一歩踏み込んで未来のエネルギー
政策を議論するべきではないかと思うのだ。68年前に原爆の投下されたこの日に、ついそんな事を
考えた次第。2013/08/06 TUE.
 
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