November 07, 2017

北朝鮮クライシス(8)Jアラートとミサイル防衛

ミサイル発射、Jアラートで嘘八百を垂れ流したテレビ〜日本に求められる普通の安全保障リテラシー〜 - 織田邦男 一般社団法人日本戦略研究フォーラム(平成2994日付、JBpressより転載)

http://blogos.com/article/244163/

北朝鮮は829日、中距離弾道ミサイル「火星12」の発射を実施した朝鮮中央通信は「金正恩朝鮮労働党委員長は『恥辱的な韓国併合条約』が発効した1910829日から107年に当たる29日に『日本人を驚がくさせる大胆な作戦計画を立て、発射を承認した」とし、「発射は成功した」と報じた。

 

報道によると順安空港(平壌国際空港)から弾道ミサイルは発射され、ミサイルは北海道の渡島半島上空を通過し、襟裳岬東方約1180キロの太平洋上に落下したという。89日、北朝鮮軍の金絡謙戦略軍司令官が火星124発同時発射して島根、広島、高知各県の上空を飛行させ、グアム島周辺3040キロの水域に撃ち込む計画を公表していた。米国の激しい反発を受け、急遽、方向を変えたものと思われる。‐日本列島を超えて飛行したというのも日本国民にとっては大きな衝撃であった。

 

だが北朝鮮が発射した弾道ミサイルが日本列島上空を通過したのは初めてではない。今回が5度目となる 1998831日、長距離弾道ミサイル「テポドン1号」が初めて日本列島上空を通過し、三陸沖の太平洋に落下した。後日、「人工衛星の打ち上げ」と発表している。この時も今回と同様、一切の事前通告はなかった。この他、「人工衛星打ち上げ」と称して長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の改良型が3回発射されたが、いずれも北朝鮮が事前通告しており、部品の落下位置なども事前公表していた。201212月、20162月には南方向に発射し、沖縄県上空を通過して一部がフィリピンの東方沖や太平洋上に落下している

 

今回、ミサイルの上空通過は北朝鮮が予告した中国、四国地方であるとし、不測の事態に備えてPAC3を展開させていた。ところが全く予想外の津軽海峡方向にミサイルが飛翔し、しかも全国瞬時警報システム「Jアラート」が初めて作動したということで国民の衝撃は倍加した。Jアラート」が流れた12の道と県は、文字通り右往左往の感があった。メディア、特にテレビでは連日「ミサイル発射」一色となり、お茶の間には虚実相混ざった情報が垂れ流されていた。安全保障の議論が盛り上がるのは決して悪いことではない。だが、‐誤った知識に基づいた議論は「有害無益」である

 

例えばこうだ。高名なコリア・ウオッチャー曰く、「破壊措置命令が出ていないのに、Jアラートを出すというのは納得いきません」と。‐政府批判は自由だが、正しい事実に基づいてなければ、ただのアジテーションに過ぎない。‐破壊措置命令」は稲田朋美防衛大臣の時からとっくに出されていた。だからこそ、イージス艦も日本海で警戒監視を続けており、PAC3も中国、四国地方に展開しているのだ。加えて「破壊措置命令」と「Jアラート」は全く関連性がない

 

次のようなことを真顔で述べるコメンテーターもいた。「今回、自衛隊は『破壊措置』が実施できなかった。だから日本のミサイル防衛システムは役に立たない」と。「破壊措置命令」が出ているからと言って、「破壊措置」をするとは限らない平時の場合、法律上「我が国に飛来するおそれがあり、その落下による我が国領域における人命又は財産に対する被害を防止するため必要があると認める」ミサイル等に対して「破壊措置」が実施できる。ミサイルの着弾地が不明な場合や、明らかに着弾地点が太平洋と分っているミサイルは現行法制上も破壊措置はとれない。

 

Jアラート」についても、随分いい加減なコメントが流されていた。本質的な理解が深まるどころか誤認識が広がったのではないだろうか。代表的なコメントがこうだ。「警報が出されてから、ミサイルが飛んでくるまでに数分しかないから意味がない」「地下や頑丈な建物の中に避難しろといっても、近くに無い場合はどうするのか」「避難出来るような場所なんて、ほとんど無いし、Jアラートなんて意味はない」等々。Jアラート」は全国瞬時警報システムであり、対処に時間的余裕がない大規模な自然災害や弾道ミサイル攻撃等についての情報を、国から住民まで直接瞬時に伝達するシステムである。住民に早期の避難や予防措置などを促し、被害の軽減に貢献することを目的としており、危機管理能力を高めようとするものである。なるほど、「Jアラート」警報が鳴っても、ミサイルが頭上に到達するまで数分しかないのは事実である。また田舎では、近くに「地下や頑丈な建物」など無い方が普通だろう。だからと言って「Jアラート」など意味はないかというとそうではない。今、自分が置かれた環境の中で、数分間という時間があれば何ができるか。ミサイル脅威に対しては、数分間という時間内で、自らを守るための最適の行動をとることが求められるまさに危機管理そのものであるその行動を促すスターターが「Jアラート」なのである

 

危機管理にベストはない。あれもない、これもないという環境下で、最悪事態(核ミサイルの着弾等)を想定し、工夫をしながら被害の最小限化を図る。自分を守るのは自分であり、誰にも頼ることはできない。スターターとしての「Jアラート」が鳴ったら、現在の場所に最もふさわしく、数分の間でできることをやって自分自身を守れということであり、個人の危機管理そのものなのである。何でも国頼みの「お上依存症」は戦後日本人の宿痾ともいえる先ずは自助、そして共助、公助と続くのが世界の常識であり、危機管理の鉄則なのだ

 

知ったかぶりして、こういうことをまことしやかに語っていたコメンテーターもいた。「何故、12の道と県にわたって『Jアラート』が流されたのか。何故、場所を特定できないのだ。政府は危機を不必要に煽っているのではないか」。あるいは「日本に落下する可能性があるのかないのかを瞬時に探知できなければ、そもそもミサイルディフェンスなんて成り立たない」等々。‐そもそも、ミサイルのブースト・フェーズ(ブースターが燃えている状態)では着弾地点は分からない。ブースト・フェーズが終わった時点で、ミサイルは弾道軌道に入り着弾地点が特定される。ブースト・フェーズで分かるとしたら、方向だけであり、着弾点が「瞬時に探知できない」のは米軍の最新システムでも同じであるだからといって「ミサイルディフェンスなんて成り立たない」わけではない。「成り立たたない」ならこの世にミサイル防衛システムは存在しないことになる。ブースト・フェーズが終了すれば正確に着弾地点が判明するが、それまで「Jアラート」発出を待つわけにはいかない。ただでさえ「数分間」しか余裕がないのに、手遅れになってしまうからだ。ミサイル発射を探知し、概ねの方向性が分かった時点で、とりあえず関連地域に「Jアラート」を流すというのは、危機管理上も合理的であり正しい

 

発射時点で「日本に向けて」という方向性は分かっても、着弾点は分からないのは前述の通りだ。はっきりわからないうちは、とりあえず広範囲に警戒を呼び掛けるのは合理的である。また鉄道会社は万が一の為、安全をとって電車を止めるのは正常な業務行為である。‐危機管理で最も大切なことは危機の到来を、できるだけ早く関係者に周知徹底することだ。特に時間的余裕が制約されるミサイル防衛ではそうだ

 

今回の火星12の発射は飛距離が2700しかなく、筆者は試験発射に失敗したとみている。30日の労働新聞には、火星12の発射訓練を視察する金正恩朝鮮労働党委員長の写真が出ているが、背景にある地図をよく見れば、津軽海峡方向に飛行距離3500劼竜粟廚書いてある。‐グアム方向の射撃は米国の反発でやめたが、2700劼任魯哀▲爐鬚い弔任盥況發任るというメッセージにはなり得ない。今回の火星12514日にロフテッド軌道で成功して以降2回目の発射であった。初のミニマム・エナジー軌道(射程を最も稼げる軌道)で、何らかの不具合が出たのであろう。北朝鮮の最終目的は米国全土をカバーする核搭載ICBM(火星13)を完成させることだろう。それには技術的基盤として火星12、そして火星14を先ず完成させねばならない。火星12にせよ火星14にせよ、中長射程ICBMのミニマム・エナジー軌道発射を検証するには、必ず日本列島上空を超えなければならない。今回のコースは、2012年、2016年に南方に向けて発射したように、不具合が生じても比較的被害が少ないと思われる津軽海峡上空を選択したと筆者は考えている。朝鮮中央通信が発射後「周辺諸国の安全に何の影響も与えなかった」と強弁していることからもその意図は伺える。‐今後とも日本列島のどこかを通過するミサイル発射を続けることは間違いないだろう。「Jアラート」による迅速かつ正確な伝達、そして個人個人の被害局限の動作が益々重要になる

 

 

雲行きが怪しくなってきた北朝鮮情勢 - 織田邦男 一般社団法人日本戦略研究フォーラム(平成29922日付JBpressより転載)

http://blogos.com/article/247780/

93日、北朝鮮は国際社会の警告を無視して6回目の核実験を強行した国連安全保障理事会は11日、新たな制裁決議を全会一致で採択した厳しい制裁に慎重な姿勢を示してきた中国やロシアも賛成に回った当初の制裁決議案には、北朝鮮への石油輸出の全面禁止や最高指導者の金正恩朝鮮労働党委員長の資産凍結を含む厳しい内容が含まれていたが、中国、ロシアの反対により米国が譲歩したという。この7月、二度にわたる大陸間弾道ミサイル「火星14型」の試験発射を受け、85日に鉄鉱石、石炭の輸出禁止を含むこれまでにない強い国連制裁決議がなされたばかりである。経済制裁は今回で9回目となるが、まさに「暖簾に腕押し」状態である。

 

米国国防省情報局(DIA)が728日に公表した情報では、「北朝鮮はICBM級を含む弾道ミサイルで運搬する核弾頭を生産した」「核爆弾の数を最大60発と推定」「小型化、軽量化、多種化された、より打撃力の高い核弾頭を必要なだけ生産できるようになった」とある。今回の核実験は水爆実験だと北朝鮮は主張しているが、もはや弾道ミサイルに搭載できるまで「小型化、軽量化」は完成したとみるべきだろう。‐DIA情報と合わせて考えれば、初めて米国領土に届く北朝鮮の核搭載弾道ミサイルが完成したことになる。

 

この事実に米国は衝撃を受けたようだ。これまでドナルド・トランプ米国大統領は、‐軍事力行使も辞さない強い意志を示していた。だが実態は、軍事的「手詰まり」状態であり、現配備兵力ではとても軍事力行使はできない状況にある。− ソウル周辺には北朝鮮の火砲の射程圏に約2000万人が住んでおり、言わば約2000万人が人質状態にある軍事力行使で核やミサイル施設を破壊するには、同時に38度線に配置された約1万門ともいわれる火砲を奇襲的に一挙に無力化しなければならないこれを実行するには、海空軍の航空戦力の大規模増派が必要であるだがこれにはロジスティックも含めると最低12か月はかかり、奇襲性が失われるというジレンマがある。また、この作戦を実行する場合、反撃による犠牲は日本、韓国にも及ぶ可能性が高い。従って両国政府の事前承諾は欠かせない−。

 

小規模軍事作戦で「斬首作戦」という選択肢もなくはないが、リアルタイム情報(ヒュミント情報)が決定的に不足している。また「ポスト金正恩」の出口戦略もない。この作戦の特徴は、チャンスが一回しかないということだ。しかも金正恩の死を検証できる攻撃でなければならない。(死体が確認できないような攻撃は失敗)失敗すれば反撃の口実を与えることになり、ソウルが「火の海」になる可能性が大きい

 

この「手詰まり」状態を最も良く理解しているのはジェームズ・マティス米国防長官である。彼は軍事力行使の可能性も示唆しながらも極めて慎重な発言に終始してきた。85日の国連制裁決議後、翌6日にはトランプ大統領の「炎と怒り」発言があり、9日には北朝鮮の「グアム包囲攻撃予告」、そして10日には再びトランプ大統領の「誰も見たことのない事態が北朝鮮で起きるだろう」発言があった。まさにチキンゲームが過熱する中、813日、ティラーソン国務長官、マティス国防長官はウオール・ストリート・ジャーナルに連名で寄稿して火消しを図った。今後の北朝鮮対応として 崟鑪的忍耐」は失敗であり、今後は軍事的手段に支えられた外交的努力を主とする ¬榲は朝鮮半島の非核化であり、北朝鮮の体制変換は求めず(斬首作戦の否定)、朝鮮半島の統一も求めない 8鮠弔鰺ダ茲垢襦そのためには北朝鮮がシグナルを送らねばならないというものであった。トランプ大統領の激しい言辞とは違い、やや宥和的ともいえる両長官の主張であった。だが、これに対する「北朝鮮のシグナル」が93日の6度目の核実験だった。北朝鮮の核実験を受け、ホワイトハウスでの緊急会合後、マティス長官は制服組トップのジョゼフ・ダンフォード統合参謀本部議長と共に報道陣の前に現れ、さすがに厳しく北朝鮮に警告している。「米国やグアムを含む米領、そして同盟国に対するいかなる脅威も、大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応に直面するだろう」「殲滅は考えていないが、そうできる数多くの選択肢がある」注目点は「米国やグアムを含む米領、そして同盟国に対するいかなる脅威」であり「いかなる攻撃」でないところ、つまり「大規模な軍事的対応」のハードルを一段下げたところだろう。

 

‐だがその後、この警告を無視するだけでなく、11日の国連制裁決議を歯牙にもかけない15日の「火星12型」の発射だった。米国領であるグアム島を射程圏内の収める弾道弾ミサイル発射の成功は、どうやら米国の姿勢を大きく変えたようだ。5月以降、4つの「NO」、つまり \権交代は求めない ∪権崩壊させない H湘臈一を加速化させない な瞳海38度線越えない との主張を続けてきたティラーソン国務長官も17日、「平和的解決を目指している」としつつ「外交的努力が失敗した場合、残されるのは軍事的選択肢のみとなる」と述べた同日、ニッキー・ヘイリー米国国連大使は「私たちの誰もそうしたいと思っていないし、 戦争は望まない」としつつも「北朝鮮が無謀な行動を続け、米国が自国や同盟国を防衛する必要があるなら、北朝鮮は壊滅する」と警告し、「現時点で、安保理でできることは全てやり尽くした」「外交的手段が尽きればマティス将軍が後を引き受ける」と述べている

 

これらの発言からキーパーソンであるマティス長官の発言が注目されていたが、18日、彼は意外にも次のように述べた。「ソウルを重大な危険にさらさずに、北朝鮮に対して軍事的な対応が可能だ」これには筆者も大変驚いた。先述のとおりソウルの2000万人人質状態が軍事力行使の「手詰まり」状態を生んでいるはずだが、これが解決できるとマティス長官が述べたからだ。818日に解任されたスティーブン・バノン主席戦略官も軍事力行使には反対し続けていた。解任される二日前、彼は次のように語っている。「通常兵器による攻撃の最初の30分でソウルの1000万人が死なない、という方程式の一部を誰かが解くまでは軍事的解決はない」彼もアナポリス(海軍士官学校)出身の元軍人である。軍人であればこの深刻な「手詰まり」は良く理解できる。だからこそ軍事力行使に反対し続けていたのだ。

 

6回目の核実験直後に実施されたギャラップ社の米国世論調査では、北朝鮮の 核・ミサイル問題で平和的解決が不可能な場合、米国民の58 が軍事力行使を支持している。共和党支持者では87%、民主党支持者でも37%が支持しており、無党派層も56%が軍事力行使を支持している。今後、北朝鮮が国連制裁を無視し続けて、ハワイが射程圏内に入る「火星14型」、そしてワシントンDCまで届く「火星13型」の開発を続ければ、米国民は、平和的解決への取り組みは無駄と判断し、軍事力行使を支持する声は益々上るだろう。

 

筆者はマティス長官が導き出した「解」であれば、やはり大規模な軍事力行使、つまり正攻法である湾岸戦争型、あるいはイラク戦争型の対応であろうとみている。北朝鮮が次に何らかの挑発行動を起こした場合、国連で武力行使容認を取り付ける根回しを開始する。同時に米国本土や世界各地に展開する米海空軍の航空戦力を日本、韓国、ハワイ、グアムに増派し攻撃作戦準備を開始する。北朝鮮への軍事力行使はシリアとは状況は全く異なる。ヒル元米国務次官補も「韓国には、北朝鮮の大砲の射程に約2000万人が住んでいる」と述べている。38度線に集中する約1万の火砲(多連装ロケット砲や長射程火砲など)はソウルを向いており、開戦初頭でこれらを一挙に壊滅させる態勢を確保しなければならない。そのための作戦準備である。米本土から三沢、横田、嘉手納に攻撃戦闘機が続々と展開するグアムのアンダーセン基地やハワイのヒッカム基地も爆撃機、空中給油機、電子偵察機、大型輸送機等が来援するだろう。同時に米国民へ朝鮮半島への渡航中止措置を実施し、NEO(Non-combatant Evacuation Operation)、つまり「非戦闘員退避作戦」を開始する韓国には現在、観光客を含め米国市民や軍人家族(軍人を除く)が24万人所在していと言われる。これらの米国民の退避は米国にとっては最優先事項である日本韓国に57千人所在すため同様な措置が必要となるこういった作戦準備に最低12か月かかり、その間、中国、ロシア、そして韓国、日本への武力行使容認を取り付けようとするだろう。もちろんそれは容易ではない、中国、ロシア、韓国は反対を崩さないだろうし、日本でも事前協議をめぐって反対運動が起きるだろう北朝鮮の攻撃がない限り、湾岸戦争のように国連から白紙委任状を取り付けるのは不可能だろう。イラク戦争のように国連でお墨付きが得られないまま、攻撃に至る可能性もある

 

「流血を覚悟して、初めて流血無き勝利が得られる」といったのは、クラウゼウィツである。マティス長官はクラウゼウィッツを愛読しているという。彼はこういうシナリオを考えているのではなかろうか。マティス長官は最後の最後まで戦争を起こしたくないと考えていると思う。戦争の悲惨さは戦場で戦った者が一番よく知っている。これまでの彼の言辞の端々からそれは伺える。ただ戦争というのはちょっとした錯誤、誤解、読み違いで起きる戦争になれば日本も被害は避けられないミサイルは日本にも当然降り注ぐJアラート」が「狼少年現象」を引き起こすからダメだなんて牧歌的なことを言ってはおられないだろう。



togyo2009 at 05:29|PermalinkComments(0)事件の深層 

November 05, 2017

〈【特別番組】伊藤貫・激動する国際情勢の真実[桜H29/10/31]〉



【特別番組】伊藤貫・激動する国際情勢の真実[桜H29/10/31]

「国難突破」を掲げて解散総選挙に勝利し、政権基盤を固め直した安倍総理。中国共産党大会を乗り切り、個人崇拝をテコに独裁体制の確立を図る習近平国家主席。それらの国々と、北朝鮮処分を話し合うであろうドナルド・トランプ米大統領のアジア歴訪など、再び激動する国際情勢を、アメリカ在住の国際政治アナリスト・伊藤貫氏に解説していただきます。
ゲスト:伊藤貫(国際政治アナリスト)
聞き手:水島総


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togyo2009 at 07:00|PermalinkComments(0)世界の中の日本の今 

第4次安倍政権始動

改憲実現へ議論喚起=首相、補正予算編成を指示—第4次安倍内閣が発足、全閣僚再任 111日(水)時事通信

https://news.biglobe.ne.jp/domestic/1101/jj_171101_7423121961.html

 自民、公明両党の連立による第4次安倍内閣は1日夜、皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て正式に発足した。安倍晋三首相(自民党総裁)は同日召集された第195特別国会の衆参両院本会議で、第98代の首相に選出された。首相は8月の内閣改造で任命した閣僚全員を再任。先の衆院選で憲法改正に前向きな勢力が国会発議に必要な3分の2を超えたことを受け、改憲実現へ与野党の議論を呼び掛けた

 首相は1日夜、首相官邸で記者会見し、‐。「経済最優先」を改めて掲げ、2017年度補正予算案を編成する方針を示した。来年の通常国会に提出する。

 首相は1日夜の初閣議で補正予算案編成を指示。補正には、待機児童解消に向けた受け皿整備や、日・欧州連合(EU)間の経済連携協定(EPA)の大筋合意を受けた国内農業対策などを盛り込む。また、看板政策の「人づくり革命」と「生産性革命」の実現に向け、教育無償化などの政策パッケージを12月上旬にまとめる方針も表明した。

 

2017.11.1【第4次安倍政権】「謙虚な姿勢で、真摯な政権運営に全力を尽す」 政府が首相談話を閣議決定

http://www.sankei.com/politics/news/171101/plt1711010054-n1.html

政府は1日夜、第4次安倍内閣発足を受けた初閣議を開き、首相談話を決定した。談話の全文は次の通り。

     ◇

この度の総選挙の結果を受け、本日、引き続き、内閣総理大臣の重責を担うこととなりました。緊迫する北朝鮮情勢、急速に進む少子高齢化。まさに国難とも呼ぶべき事態に立ち向かい、この国を、守り抜く。その決意の下、この度の総選挙において、私たちの政策を訴え、国民の皆様から力強いご支持を頂くことができました。安定した政治基盤の上に、これまで以上に謙虚な姿勢で、真摯な政権運営に全力を尽くし、総選挙で国民の皆様に約束した政策を一つ一つ実行し、結果を出してまいります。

生産性革命によって、全国津々浦々まで賃上げの勢いをさらに力強いものとし、デフレ脱却を目指します消費税の使い道を見直し、人づくり革命を断行する子育て世代、子どもたちに大胆に投資することで、社会保障制度を全世代型に転換します生産性革命と人づくり革命を車の両輪として、急速に進む少子高齢化を克服してまいります

緊迫する北朝鮮情勢に対しても、国民の信任を背景に、国際社会と連携しつつ、力強い外交を展開します。毅然とした外交力によって、北朝鮮の核、ミサイルの問題、そして拉致問題を解決する。そしていかなる事態にあっても国民の命と平和な暮らしを守り抜いてまいります

5年前の政権奪還の時の初心を決して忘れることなく、国民の負託に応えるため、内閣一丸となって、政策の実行に邁進する決意です。安倍内閣の新たな取組に、国民の皆様のご理解とご協力を改めてお願いいたします。



2017.11.1【第4次安倍政権】看板政策実現へ財政出動 災害復旧・子育て支援など柱

http://www.sankei.com/economy/news/171101/ecn1711010061-n1.html

安倍晋三首相は1日、政権の看板政策「人づくり革命」の実現に向け、子育て支援を“目玉”とした平成29年度補正予算案の編成を指示した。年内にとりまとめ、来年1月に召集する通常国会に提出する。30年度当初予算と合わせ切れ目なく景気を下支えする狙いだが、政権の財政出動への依存度は強まる一方。国・地方の借金が1千兆円を超え財政再建も「待ったなし」の中、経済成長と財政再建をどう両立させ政権運営するのか。覚悟が問われる。

 

「一層強力な経済政策を展開していく」安倍首相は1日夜の記者会見で補正予算の編成を表明した上で、経済最優先に取り組む姿勢を強調した。補正予算案では、人づくり革命を柱として待機児童対策で保育所の整備費用を計上する。もう一つの看板政策「生産性革命」関連では中小企業のITなど設備投資の支援費用を手当てする方針。‐農業対策も盛り込む。大枠合意した欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の国内対策として欧州から輸入が増えると見込まれるチーズなどの農産物のブランド化を支援する。九州北部の豪雨や台風被害の復旧費も手当てする緊迫化する北朝鮮情勢を踏まえミサイル防衛の強化に向けた調査費も盛る方針。

 

財源には、28年度決算の剰余金や、低金利下で使い残す国債の利払い費を活用する。不足すれば、建設国債を発行して賄う見通し。赤字国債の追加発行は行わない方向で調整する。ただ予算総額は想定以上に膨らむ可能性もある。30年度当初予算では歳出規模を抑制する「目安」が設けられており、各省庁が補正での予算獲得に力を入れているためだ。政権の看板政策にかこつけて、補正予算案での政策経費の獲得を画策する動きがある。‐補正予算は大災害や景気悪化など緊急的に編成の必要があるときにのみ認められるというのが財政の大原則だ。国内景気の回復基調が鮮明となっている中で不急の経済対策に予算を充てれば、財政規律は一段と緩みかねない。安倍政権は消費税増税を2度延期し、基礎的財政収支の32年度黒字化目標も先送りした日銀の金融緩和による金利低下で借金の利払いが抑えられている状況に甘え財政拡大を続ければ、そのツケはいずれ国民が払わされることになる

 

2017.11.3【始動 第4次安倍政権】「安倍ドクトリン」を国際社会に定着させよ(政治部 田北真樹子)

http://www.sankei.com/politics/news/171103/plt1711030004-n1.html

第1次安倍政権末期の2007(平成19)年8月22日、安倍晋三首相がインド国会で行った「2つの海の交わり」という演説をご存じだろうか。‐外交関係者の間で今も「名演説」として語り草となっている。太平洋とインド洋は、今や自由の海、繁栄の海として一つのダイナミックな結合をもたらしています。従来の地理的境界を突き破る『拡大アジア』が明瞭な形を現しつつあります。これを広々と開き、どこまでも透明な海として豊かに育てていく力と、そして責任が、私たち両国にはあるのです」25分間の演説中、一呼吸置く度に拍手が起き、その数は30回を超えた。演説から10年。核・ミサイル開発を強行する北朝鮮覇権主義を露骨に打ち出す中国−と東アジアの安全保障環境はますます厳しくなっている。それだけに第1次政権で首相が打ち出した価値観外交は、かつてないほど重要になった。自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配という価値観を共有する国々が、安全保障、経済の両面で関係強化することは、独裁国家の覇権主義と対抗するのに欠かせない。首相自身も10年前のこの外交方針が、現在の国際情勢を先取りすることになろうとは予測していなかったのではないか。

 

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2012(平成24)年に政権を奪還した首相は、価値観外交を戦略的に発展させた「地球儀を俯瞰する外交」を打ち出した昨年はこれに「自由で開かれたインド太平洋戦略」を加えた。これらを貫くのが10年前の「2つの海の交わり」で示された概念なのだ。

 

「自由で開かれたインド太平洋戦略」は、アジアとアフリカの2つの大陸、太平洋とインド洋の2つの海の連結を強めることで、国際社会の安定と繁栄につなげようという構想だ。これらの外交構想を総称して「安倍ドクトリン(基本原則)」と呼ばれる首相は13(平成25)年1月、ジャカルタ訪問時に安全保障に関する「安倍ドクトリン」を発表したが、その意味合いはより拡大した。第2次政権発足後、5年弱で首相が訪問した国・地域は70、外国首脳との会談は540回を超えた。安倍ドクトリンは国際社会に着実に広まりつつある。

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先の衆院選で首相が最も訴えたのは北朝鮮情勢だった。米軍の軍事行動による北朝鮮有事は現実味を帯びている。それだけに政府は北朝鮮有事後まで見据えた中長期的な外交戦略の策定を迫られている。その本丸は対中外交にある

 

10月24日に閉幕した中国共産党大会で改正された党規約には、実現すべき目標として習近平総書記(国家主席)が掲げる「中華民族の偉大な復興という中国の夢」が明記されたその領土的野心は、東シナ海・南シナ海にとどまらず、その先にある台湾にも向いているそんな中国と向きあうには、日米同盟を基軸に、インド、ベトナム、フィリピン、オーストラリアなどインド太平洋周辺国との安全保障を含めた関係強化が不可欠となる。首相に課せられた外交課題はなお山積しているが、「安倍ドクトリン」をぶれずに進めていくことが何よりも大切だといえる。



togyo2009 at 06:04|PermalinkComments(0)今が旬の企画もの