May 2014

May 23, 2014

【集団的自衛権 第1部 欠陥法制】下

【集団的自衛権 第1部 欠陥法制(5)】特殊部隊使えぬ邦人救出 幻のアルジェリア派遣 2014.3.22
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140322/plc14032215180010-n1.htm
陸上自衛隊習志野駐屯地(千葉県)に置かれている陸自唯一の特殊部隊「特殊作戦群(特戦群)」。公にされている任務はゲリラや特殊部隊による攻撃への対処だ。隊員は家族にさえ特戦群に所属していることを漏らしてはならない。訓練の内容も秘密のベールに包まれているが、特戦群の元隊員は証言する。「ある離島を使い、特戦群の隊員が上陸・潜入する側と阻止する側に分かれ、大規模な実動訓練を行ったことがある。海上自衛隊に船も差し出してもらった」この訓練は特戦群が平成16年3月に発足してから間もない時期に行われた。特戦群の元幹部は「いつ、いかなる任務を命じられても対応できるよう訓練を積んでおくのは当たり前だ」と強調する。上陸後、自衛官らしくない髪形と服装で変装し地元住民に紛れ、敵地奥深くへと潜入していく訓練。それを積み重ねていく先に見えてくるのが北朝鮮にいる拉致被害者の奪還作戦だ。

「北朝鮮で内乱が起きたとき、自衛隊は拉致被害者を救出できない。法整備が必要ではないか」今月5日の参院予算委員会でそう質問され、安倍晋三首相は踏み込んだ見解を示した。「部隊を派遣して自国民を救出することは国際法上、『自衛権の行使』として認められる場合があと考えられる」だが、憲法の制約により自衛権行使のハードルが高い日本の場合、阻害要因がある北朝鮮の内乱のような事態は「武力攻撃」が発生しているとは認定できず、首相は「自衛権の発動要件に該当するとはいえず、自衛隊の特殊部隊派遣は憲法上難しいといわざるを得ない」と答えた。「同盟国・米国の協力が極めて重要だ」。拉致被害者の救出を米軍に依存せざるを得ないことも首相は示唆した。不安定さが増す北朝鮮の政情など安全保障環境の変化とそれに対応する自衛隊の能力強化に「法制度が取り残されている」(防衛省幹部)といえる。


幻のアルジェリア派遣
平成25年1月、アフリカ北西部アルジェリアで邦人10人の犠牲者が出た人質事件。情報が錯綜し邦人の安否確認に手間取る中、首相官邸である作戦案が浮上した。「ジブチのレンジャー隊員を投入してはどうか」アフリカ・ソマリア沖で海賊対処任務にあたっている海自部隊は、自衛隊史上初となる海外拠点をアフリカ東部ジブチの国際空港に置いている。拠点では難易度の高いレンジャー資格を有する数十人の陸自隊員が警備にあたっている。


「何もできぬ」教訓に
官邸はその隊員をアルジェリアに展開させようとしたが、防衛省は「何もできない」と突き返した。手段と携行武器が厳しく制限されており、「法制度が自衛隊の邦人救出任務の実効性を担保していない」(陸自幹部)からだ。それを教訓に政府は海外邦人救出に関する自衛隊法の規定を改定した自衛隊が救出任務で使える移送手段は航空機と船舶だけだったが、車両を加えた。空港や港から遠い内陸部にも救出に向かい、連れ帰ることができるようにするための措置だった。陸上輸送任務に就く自衛隊員が携行できる装備も機関銃や小銃、拳銃に限られていたが、戦車に応戦できる無反動砲などを念頭に現地情勢に応じた装備を携行できるように改めた


ただ、これで十分とはいえない。国際標準である妨害行為を排除するための武器使用を認めることを見送ったからだ。防衛省幹部は「邦人が外国勢力に拘束されていれば救出はできない」と指摘する。

前海上幕僚長の杉本正彦氏も「救出というのは現地に部隊を送り込み、邦人を奪還してくることだ。自衛隊が機関銃しか持っていないのに相手がバズーカ砲を持っていれば任務を果たせない」と語る。


気力と体力備えても
第1次安倍政権で発足した政府の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が20年6月にまとめた報告書はこう明記している。「憲法9条が禁じている武力の行使は、わが国による『国際紛争を解決する手段としての』武力の行使であり、PKO(国連平和維持活動)とは次元の違うものである」

PKOという言葉を海外での邦人救出に置き換えてみれば、武器使用に制約を課すことの不条理さが浮かび上がる。「訓練で難しい任務を完遂できる気力と体力を備えても、それに見合った任務に使う気構えがない」そう言い残し、定年を前に陸自を去った特戦群OBがいる。欠陥法制を放置してきたツケはあまりに大きい


この連載は半沢尚久、峯匡孝、千葉倫之が担当しました。


【正論】回転する世界が集団自衛権迫る 杏林大学名誉教授・田久保忠衛 2014.5.
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140516/plc14051603340004-n1.htm
湾岸戦争の屈辱への健忘症
国民が国の運命を託す政治家には健忘症にかかっている人が少なくない。今の日本がどんな状況に置かれているかを知るため、23年前を思い出してほしい。クウェートの現状をイラクが武力で変更しようとしたのに対し、当時、「世界の警察官」だった米国が多国籍軍を結成し、あっという間にイラク軍をクウェートからたたき出した。西側諸国に一部アラブ諸国が加わった29カ国の「砂漠の嵐」作戦に、日本は参加しなかった。湾岸から71%の石油を輸入していたのに、憲法第9条を盾に、他の国々のようには汗も血も流さず、国際社会の顔色を見ながら資金を小出しに支出し、結局、どこに使われたか不明のまま140億ドルで責任を免れた。クウェートが戦争後、「米国と地球社会の国々へ」と題する感謝広告を米紙に出し、28カ国の名を挙げた中に日本は入っていなかった。屈辱と考えないか。

護憲派の市民団体と一部野党の衆参両院議員が東京の米大使館に押しかけて、「戦争反対」とがなり立ててしまった。憲法9条に合わない現実を否定しようとしたのか、警棒と棍棒の見分けがつかなくなってしまっている。


力で現状変更試みる2大国
日本を置き去りにして国際情勢の舞台はさらに一回転し始めた。ユーラシア大陸の2つの国が、武力を背景に現状を露骨に変更しだしたのである。ロシアは軍艦、戦闘機、ミサイルをバックにウクライナからクリミア半島を強奪してしまった中国はそれ以前から、周辺諸国に強大な軍事力をちらつかせつつ進出している。インドの戦略家ブラマ・チェラニー氏の表現を借りれば、サラミ・ソーセージを薄く切るように。


「世界の警察官」を辞めたと公言したオバマ米大統領に何ができるか。警察官の自覚があった頃の米国なら、北大西洋条約機構(NATO)と日米安全保障条約の強化、アジアでは環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を推し進めるだろう。が、ロシアに対しウクライナ憲法、国際法の順守を叫んでも効果がないのを知ってから形だけの制裁に踏み切った。即効性のなさは当事国も分かっている。


オバマ氏は同盟、友好国にアジア重視のリバランス(再均衡)政策は不変だから安心してほしいと保証するため、日本などアジア4カ国を4月に訪れた。が、行く先々で「われわれの目標は中国に対抗することではない。中国を包囲することでもない」と気遣っていた様子は尋常ではない。つまり、オバマ政権は中国に対し新たな二重路線を取り始めた、と私はみる。一つは同盟国、友好国との関係強化、もう一つは米中間で話し合いが進んでいる「新型大国関係」だ。同盟国絡みで戦争に巻き込まれるのを回避しつつ、中国との間では保険の意味でも話し合いのパイプを作っておこうとの配慮である。


オバマ氏の危険な二重路線
理由は、(1)米NBCテレビとウォールストリート・ジャーナル紙の最新の世論調査ではっきりしたように、米国民の47%が国際問題への積極的関与に気乗り薄だ(2)予算削減のしわ寄せが専ら軍事費に集中している(3)オバマ政権の性格はアフガニスタン、イラクに軍隊を展開したブッシュ前政権に対する批判にある−の3点だろう。


二重路線はこのうえない危険を伴う。米中関係が緊密の度を加えれば加えるほど、同盟関係は弛緩し、同盟関係を強めれば強めるほど米中関係は不安定方向に進まないか。歴史的にみても日米中3国関係が良好だったのは、「共通の敵」ソ連が存在していた一時期だけだった。現に、オバマ大統領のアジア訪問後に、フィリピンおよびベトナムに改めて挑戦するかのように、中国の海洋進出が顕著になっている。


私は、集団的自衛権の行使容認に当たり、急迫不正の武力攻撃、他に適当な手段がない場合、必要最小限の実力行使という3要件の「必要最小限」に、集団的自衛権が含まれるのかどうか、含まれるとした場合、それに歯止めをどうかけるかの議論は重要だと思う。が、日本の生存のため、それがなぜ必要か政治家が論じないのはもってのほかだと考える。



togyo2009 at 00:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 進め!安倍内閣 

May 22, 2014

【集団的自衛権 第1部 欠陥法制】中

【集団的自衛権 第1部 欠陥法制(3)】尖閣侵入でも何もできないグレーゾーン 六法片手の作戦立案 2014.3.20
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140320/plc14032008320004-n1.htm
《航空自衛隊那覇基地を緊急発進(スクランブル)で飛び立った2機のF15戦闘機は、中国のレーダーに映らないよう東シナ海の海面をなめるように超低空で飛行。中国機の真下に入ると急上昇し、追い払う》一昨年9月の尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化以降、中国軍機が尖閣周辺などで日本領空に接近する飛行が急増する中、空自が編み出した撃退法だ。効果的だが、領空侵犯の恐れが強い時しか使わない。強い威圧で刺激すれば攻撃されかねず、空自は武器使用に不安も抱えているためだ。仮に中国軍機に空自の1機が撃墜されても、別の1機の空自パイロットは撃墜される瞬間を視認した場合にしか反撃できない。刑法の正当防衛の要件である「急迫不正の侵害」はすでに終わっていると認定されるためで、「自衛権」ではなく「警察権」に基づく対抗措置は軍事的合理性が度外視されてしまう。

スクランブル時の戦闘機撃墜は「有事」「平時」に色分けできない「グレーゾーンだ。安倍晋三首相は18日の衆院本会議で、グレーゾーン事態への対処を念頭に、「個別的自衛権の課題は(政府の)安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)の報告を踏まえ対応を検討する」と述べ、安保法制懇で集団的自衛権だけでなく個別的自衛権についても議論していることを強調した

尖閣防衛で露呈
「海」のグレーゾーンも明日にも起きかねない。中国による尖閣奪取だ。現行法制では、本格的な武力侵攻を受けた場合の自衛権行使を除けば、自衛隊の行動は大きく制約されている。どの段階でどう行動するかも極めて曖昧で、六法全書を片手に作戦を強いられるような法的欠陥を抱えており、その欠陥は尖閣奪取シナリオで露呈する。シナリオは3つの局面に大別される。

(1)中国漁船が尖閣周辺海域に大挙して押し寄せ、日本領海に侵入。海上保安庁巡視船は攻撃を受け、一部の漁船が尖閣に接岸し中国人が不法上陸−。この局面は海保が前面に出る。漁船を強制的に停止させる権限を持つが、漁船が量で圧倒する事態は海保だけでは対処しきれない。だが、近くに海上自衛隊の艦艇がいても、海上警備行動が発令されない限り動けない。海保巡視船が攻撃されても、海自艦艇は海保巡視船を管理下に置いていないため、正当防衛も適用しにくい。

(2)上陸した中国人グループは武器をちらつかせ、中国人民解放軍の特殊部隊であることを示唆−。自衛隊に本格的な武力行使が可能な「防衛出動」を首相が命じることができるのは、「組織的かつ計画的な武力攻撃」を認定できるケースだけだ。外国勢力による尖閣不法上陸は、組織的かつ計画的な武力攻撃とは認定しづらい。防衛出動ではなく「治安出動」「海上警備行動」で陸上・海上自衛隊を展開させることはできる。ただしそれらは警察権行使にあたり、外国勢力を制圧する武器使用は許されない。海自の作戦中枢である自衛艦隊司令官を務めた元海将の香田洋二氏は「海保と警察が対処できない事態にまでエスカレートしているのであれば、同じ警察権しか行使できない状態で自衛隊が出動しても事態を打開できない」と語る。有効に対処できないまま最終局面を迎える。

(3)中国公船が漁民保護の名目で尖閣に向かい、拠点を構築し、中国国営メディアは実効支配を宣言−。悲観的なシナリオを踏まえ、海自幹部は「法的な隙間を埋め、自衛隊を早い段階から投入し、効果的に運用できるようにする『領域警備法』を制定すべきだ」と訴える。法的な隙間を埋めることは自衛隊と海保、警察の3者の対応の隙間を埋めることにもつながる。

 
強制排除できず
安倍首相はグレーゾーンの一例として「潜没航行をする外国潜水艦が日本領海に侵入し徘徊を継続する場合」も挙げた昨年5月、中国軍は3度、潜水艦を潜没させたまま日本の接続水域内を航行させている。接続水域は領海の外側にあり、潜没航行は国際法違反には当たらないが、中国には接続水域への侵入を常態化させる狙いがあったとみられる。尖閣奪取シナリオでは潜水艦で特殊部隊を送り込むことも想定され、危険な兆候だが、ここでも法制の不備が横たわる。

潜没潜水艦が領海に侵入しても、海自はソナーで潜水艦の位置を捕捉し続けるだけで、海上警備行動が発令されたとしても任務は退去要求が加わる程度だ。長時間にわたり航行されても「武力攻撃」とは認められず、強制排除はできない。海自幹部は「他の国だったら、主権を侵害されれば個別的自衛権で強制排除する。それは国際法上、何の問題もないが、日本は自衛権行使に厳しい制約を課しすぎている」と指摘する。


【集団的自衛権 第1部 欠陥法制(4)】法制度に自縄自縛の制約 自衛隊の価値低下 2014.3.22
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140322/plc14032208490004-n1.htm
安保法制懇が示した自衛隊がとるべき具体例
「ダウ船(木造帆船)に近づいているぞ」2001(平成13)年の米中枢同時テロを受け成立したテロ対策特別措置法に基づき、海上自衛隊が同年に開始したインド洋での給油活動海自補給艦がアフガニスタン作戦に従事する米軍艦艇に洋上補給中、海自ヘリコプターから指揮艦に緊急連絡が入った。「遭難したのか」「いや無防備を装い機関銃を発射する恐れもある」派遣部隊幹部らが対応に苦慮する中、ダウ船の乗組員1人が海に飛び込み、海自艦艇に向け泳ぎ始めた。幹部は「カナダ艦艇が来るまで動くな」と命じた。

ポジティブリスト
遭難者であれば救助すべきだが、部隊行動基準(ROE)に規定はない。遭難者とみせかけて攻撃してくれば、どこまで応戦していいか定かでない。まさにポジティブ(できること)リストの弊害に直面したのだ。ポジリストと呼ばれる自衛隊法は、防衛・治安出動、海上警備行動など事態ごとに対応措置を規定し、規定のない行動は取れない。米英両国などは国際法上の禁止行為を除いて状況に応じ任務が付与され、それに必要な武力も行使でき、ネガティブ(できないこと)リストと呼ばれる。ポジリストであれば、あらゆる事態を想定した精緻な法体系が欠かせないが、航空自衛隊OBは「日本は穴だらけのまま放置している」と批判する。給油活動は高い操艦技術が求められ、海自の活動は高い評価を得た。だが、指揮官経験者は「ネガリストであれば、さまざまな局面でより適切な措置を講じることができた」と悔やむ。

給油活動では別の足かせもはめられた。米艦艇に提供した燃料がアフガン作戦ではなく、イラク作戦に転用されたとして問題化。アフガン向けの燃料提供は海上テロリストや麻薬の移動を防ぐ任務を下支えするものだが、イラク向けは軍事作戦用で、それは憲法に反する「他国軍の武力行使との一体化」にあたると批判されたのだ。これを受け、海自は給油をする艦艇の活動予定の照会を厳格化し、その活動日数分の燃料しか提供しなかった。その結果、大型の艦艇に少量しか給油しないケースも多く非効率との苦情が相次ぎ、各国艦艇が給油後に予定外の任務に対応することも妨げた。海自OBは「各国にアフガンとイラクで油の色を分けろと強要していたようなもので、活動の評価はがた落ちした」と振り返る。

一昨年9月、ペルシャ湾に米英豪など20カ国以上の海軍部隊が集結した。機雷を除去する国際掃海訓練が行われ、海自の掃海艦など2隻も隊列に加わった。洋上給油と並び、機雷掃海は海自の技能の高さに定評がある。ただ、洋上給油がポジリストの弊害と不条理な油の色分けで悩まされたように、機雷掃海は集団的自衛権の制約で手を縛られた状態が続く。戦闘前や戦闘中の段階で機雷をまくことは「作戦行為」にあたり、機雷を他国軍とともに除去すれば集団的自衛権に抵触する−。この政府見解の下、海自が参加できる機雷掃海は戦闘停止後に限られる。1991年の湾岸戦争でも海自が掃海艇をペルシャ湾に派遣したのは戦争終結後だった

「停戦協定などで『遺棄機雷』になるまで参加できない状況でいいのか」。政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が問題提起し議論を重ねるのは、「これまで以上に国際社会の平和と安定に寄与する積極的平和主義」(安倍晋三首相)の真価が問われるからだ


いびつな参加方法
「自衛隊は集団的自衛権に制約がありまして」他国軍との共同演習に参加する際、自衛隊の調整担当者がこの特異な事情を伝えることが「儀式化」している。海自幹部は「米軍は事情を分かっているが、他の国の担当者は『お前は一体何を話しているんだ』と不思議そうな顔をして聞いている」と語る。

今年6月から8月にかけ米ハワイ周辺海域で行われる「環太平洋合同演習(リムパック)」には陸上自衛隊が初参加する。演習にはオーストラリアや韓国など20カ国以上が参加する見通しだが、陸自は米海兵隊だけとの特別な枠組みを設けてもらい、水陸両用訓練を実施。海自は武力行使を前提としない海賊対処や災害救援の訓練のみ参加する。いびつな参加方法を強いられているのは、「日本有事で共同作戦を行う米軍とは仮想敵を見立てた戦闘訓練を行えても、米軍以外とは集団的自衛権に抵触するとして行えない」(陸自OB)からだ。法制度の自縄自縛により実任務で各国部隊に支障を来させ、訓練で特別扱いを求める状態が続けば、「自衛隊の価値をおとしめる」(防衛省幹部)だけだ。



togyo2009 at 23:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 世界の中の日本の今 

May 18, 2014

安倍首相会見「(集団的自衛権)政府の基本的方向性」

【安倍首相会見(1)】国民の命を守る責任 「放置せよ」と憲法は言っていない
2014.5.15
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140515/plc14051518580020-n1.htm

安倍晋三首相は15日夕、首相官邸で記者会見を開き、集団的自衛権行使など安全保障上の課題について「政府の基本的方向性」を表明、国民に理解を求めた。会見の詳報は以下の通り。

「本日、政府の有識者会議『安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)』から報告書が提出されました。外交、安全保障、法律の専門家の皆さんが約2年半検討、議論を重ねてきた結果です。まず冒頭、柳井俊二座長、北岡伸一座長代理をはじめ委員の方々の高い見識とご意見に心から感謝お礼を申し上げたいと思います。本日は、この報告書を受けて今後どのように検討していくか、その基本的方向性について国民の皆様に私から直接ご説明をさせていただきたいと思います」

「この報告書を受けて考えるべきこと。それは私たちの命を守り、私たちの平和な暮らしを守るため、私たちは何をなすべきかということであります。具体的な例でご説明をしたいと思います。今や海外に住む日本人は150万人。さらに年間1800万人の日本人が海外に出かけていく時代ですその場所で突然紛争が起こることも考えられます。そこから逃げようとする日本人を、同盟国である米国が救助で輸送しているとき、日本近海で攻撃があるかもしれないこのような場合でも、日本人自身が攻撃を受けていなければ日本人が乗っている米国の船を日本の自衛隊は守ることができないこれが憲法の現在の解釈です

昨年11月、カンボジアの平和のため活動中に命を落とした中田厚仁さん、そして高田晴行警視の慰霊碑に手を合わせました。あの悲しい出来事から20年あまりがたち、現在アジアでアフリカでたくさんの若者たちがボランティアなどの形で地域の平和や発展のために活動をしています。医療活動に従事をしている人たちもいますし、近くで協力してPKO活動をしている国連のPKO要員もいると思いますしかし彼らが突然武装集団に襲われたとしても、この地域やこの国において活動している日本の自衛隊は彼らを救うことができません一緒に平和構築のために汗を流している、自衛隊とともに汗を流している他国の部隊から『救助してもらいたい』と連絡を受けても日本の自衛隊は彼らを見捨てるしかないんです。これが現実なんです。皆さんのお子さんやお孫さんたちがその場所にいるかもしれない。その命を守るべき責任を負っている私や日本政府は本当に何もできないということでいいのでしょうか。内閣総理大臣である私はいかなる事態にあっても国民の命を守る責任があるはずです。そして、人々の幸せを願って作られた日本国憲法がこうした事態になって『国民の命を守る責任を放置せよ』と言っているとは私にはどうしても考えられません」


【安倍首相会見(2)】「一国のみで平和守れない」が世界の共通認識 2014.5.15
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140515/plc14051519150021-n1.htm

「こうした事態は机上の空論ではありません。連日、ニュースで報じられているように、南シナ海ではこの瞬間も、力を背景とした一方的な行為によって国家間の対立が続いています。これはひとごとではありません。東シナ海でも、日本の領海への侵入が相次ぎ海上保安庁や自衛隊の諸君が高い緊張感を持って24時間体制で警備を続けています北朝鮮のミサイルは、日本の大部分を射程に入れています。東京も大阪も、みなさんの町も例外ではありません。そして、核兵器の開発を続けています。さらには、サイバー攻撃など、脅威は瞬時に国境を越えてきます

「これは、私たちに限ったことではありません。もはやどの国も一国のみで平和を守ることはできない。これは世界の共通認識であります。だからこそ私は、積極的平和主義』の旗を掲げて、国際社会と協調しながら、世界の平和と安定、航空・航海の自由といった基本的価値を守ために、これまで以上に貢献するとの立場を明確にし、取り組んできました。積極的平和主義の考え方は、同盟国である米国はもちろん、先週まで訪問していた欧州各国からも、そしてASEANの国々をはじめとするアジアの友人たちからも高い支持をいただきました。世界が日本の役割に大きく期待をしています。いかなる事態においても、国民の命と暮らしは断固として守り抜く。本日の報告書では、そうした観点から提言が行われました」

「今後、政府・与党において具体的な事例に即してさらなる検討を深め、国民の命と暮らしを守るために、切れ目のない対応を可能とする国内法制を整備します。これまでの憲法解釈のもとでも可能な立法措置を検討します。例えば、武力攻撃に至らない侵害、漁民を装った武装集団がわが国の離島に上陸してくるかもしれない。こうしたいわゆるグレーゾーン事態』への対処をいっそう強化します。さらに、PKOや後方支援など、国際社会の平和と安定に、いっそう貢献していきます。その上でなお、現実に起こり得る事態に対して万全の備えがなければなりません。国民の命と暮らしを守るための法整備が、これまでの憲法解釈のままで十分にできるのか、さらなる検討が必要です

こうした検討については、日本が再び戦争をする国になる』といった誤解があります。しかし、そんなことは断じて有り得ない日本国憲法が掲げる平和主義は、これからも守り抜いていきます。そのことは明確に申し上げておきたいと思います。むしろ、あらゆる事態に対処できるからこそ、そして対処できる法整備によってこそ、抑止力が高まり、紛争が回避され、わが国が戦争に巻き込まれることがなくなる、と考えます


「今回の報告書では、2つの異なる考え方を示していただきました。1つは『個別的か集団的かを問わず自衛のための武力の行使は禁じられていない、また、国連の集団安全保障措置への参加といった国際法上、合法な活動には憲法上の制約はない』とするものです。しかし、これは、これまでの政府の憲法解釈とは論理的に整合しない。私は、憲法がこうした活動の全てを許しているとは考えません。したがって、この考え方、いわゆる『芦田修正論』は、政府として採用できません」

【安倍首相会見(3)】準備できしだい「必要な法案国会に諮る」 2014.5.15
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140515/plc14051519320022-n1.htm

「自衛隊が、武力行使を目的として、湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません。もうひとつの考え方は、わが国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許される、との考え方です。生命、自由、幸福追求に対する国民の権利を、政府は最大限尊重しなければならない。憲法前文、そして憲法13条の趣旨をふまえれば、自国の平和と安全を維持し、その存立をまっとうするために、必要な自衛の措置をとることは禁じられていない。そのための必要最小限度の武力の行使は許容される。こうした従来の政府の基本的な立場を踏まえた考え方です」

「政府としてはこの考え方について、今後さらに研究を進めていきたいと思います。切れ目のない対応を可能とする国内法整備の作業を進めるにあたり、従来の憲法解釈のままで必要な立法が可能なのか。それとも、一部の立法にあたって憲法解釈を変更せざるをえないとすれば、いかなる憲法解釈が適切なのか。今後、内閣法制局の意見も踏まえつつ、政府としての検討を進めるとともに、与党協議に入りたいと思います。与党協議の結果に基づき、憲法解釈の変更が必要と判断されれば、その点を含めて、改正すべき法制の基本的方向を、国民の命と暮らしを守るため、閣議決定してまいります。今後、国会においても議論を進め、国民の皆様の理解を得る努力を継続していきます。十分な検討を行い、準備ができしだい、必要な法案を国会にお諮りしたいと思います」

日本は戦後70年近く、一貫して平和国家としての道を歩んできましたこれからも、この歩みが変わることはありませんしかし、『平和国家である』と口で唱えるだけで、私たちの平和な暮らしを守ることはできません。私たちの平和な暮らしも、突然の危機に直面するかもしれない。そんなことはないと、誰が言い切れるでしょうか。テロリストがひそむ世界の現状に目を向けたとき、そんな保障はどこにもありません。政府は、私たちは、この現実に真っ正面から向き合うべきだと私は考えます。

私たちの命を守り、私たちの平和な暮らしを守る。そのためには、いかなる事態にも対応できるよう、常日頃から隙のない備えをするとともに、各国と協力を深めていかなければなりません
。それによって、抑止力が高まり、わが国が戦争に巻き込まれることがなくなると考えます。さきほど申し上げたような事態においても、しっかりと日本人の命を守ることこそが、総理大臣である私の責任であると確信します。今後、検討を進めるにあたり、国民の皆様のご理解、心からお願いを申し上げる次第であります。私からも引き続き、あらゆる機会を通して丁寧に説明をしていきたいと思います」


【安倍首相会見(4)】「安保改正でむしろ平和確固に」2014.5.15
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140515/plc14051519480023-n1.htm

「再度申し上げますが、まさに紛争国から逃れようとしている、お父さんやお母さんやおじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない、彼らが乗っている米国の船を今私たちは守ることができない。そして、世界の平和のためにまさに一生懸命汗を流している若い皆さん、日本人を、私たちは自衛隊という能力を持った諸君がいても守ることができない。そして一緒に汗を流している他国の部隊、もし逆であったら彼は救援に訪れる。しかし私はそれを断らなければならない。見捨てなければならない。おそらく世界は驚くことでしょう。こうした課題に、日本人の命に対して守らなければいけない責任を有する私は、総理大臣は、日本国政府は、検討していく責務があると私は考えます私からは以上です」



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