February 2015

February 24, 2015

国基研シンポ「戦後70年-国際政治の地殻変動にどう対処するか」

2015.2.24【国基研シンポ】中国の脅威にどう向き合うのか? 日米同盟を基本に印豪と結束を
http://www.sankei.com/politics/news/150224/plt1502240053-n1.html
国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)は昨年12月25日、日米印中国際シンポジウム「戦後70年〜国際政治の地殻変動にどう対処するか〜」を東京都千代田区のよみうり大手町ホールで開いた
米ペンシルベニア大のアーサー・ウォルドロン教授、インド政策研究センターのブラーマ・チェラニー教授、国家基本問題研究所の田久保忠衛副理事長が基調講演を行った後、櫻井氏を交えて日本を取り巻く安全保障や憲法改正について活発に意見を交わした。

親日家とはいえ、海外からの厳しい視点には学ぶべきところがあります。

2015.2.24【国基研シンポ】ウォルドロン米ペンシルベニア大教授基調講演 「日本は最小限核抑止戦略を」
http://www.sankei.com/politics/news/150224/plt1502240056-n1.html
残念ながら日本は現実的な戦争の可能性に直面しているのではないか。
その戦争をどうやって回避するかについて話したい。

1971年、当時のニクソン米大統領は世界をあっと驚かせた。中国共産党が中国を支配して以来、疎遠になっていた中国を訪問すると発表したのだ。当時の米国人は「冷戦が終わり、米中という2大国が再び友人になり、平和裏に共存できるのではないか」と希望を感じた。だが、現実は違った。中国は巨大で強力な軍を有し、2010年ごろから非常に強い態度で領土・領海の主権を主張するようになり、周辺国はおびえるという残念な状況だ。私は小さな軍事的衝突が起き、誰も予期しない深刻な戦争に発展する事態を心配している。アジア全体を巻き込むような、壊滅的な戦争に発展する可能性さえある。

現在の米中は相互依存度が非常に高い。13年の2国間の貿易総額は5620億ドル。中国政府は米国債を1・3兆ドル保有している。13年から14年にかけて、米国への留学生は88万6千人だったが、その4分の1が中国から来た。ところが米中両政府の関係は決して緊密ではない。国連で米国が推す政策に関し、中国は必ずと言ってよいほど反対する。中国の軍備増強は明らかに米国を標的としている。−米中はいつか大変な衝突を起こすのではないかと感じている。

中国は非常に広範な地域で主権を主張している。インド北東のアルナチャルプラデシュ州から大きな弧を描いてインドネシア、フィリピン、日本など各国と係争地を抱え、韓国の離於島(イオド)や南沙諸島も自分の領土・領海だと主張している。このような主張に歴史的な根拠はないが、中国は「記憶にないほど太古から中国の領土・領海であったから、その主権を主張するのは当然だ」と言っている。困ったことに多くの中国人はそう信じている。1994年、長年中国の外相を務めた黄華氏と話した際、彼は「南シナ海に大きな岩とか環礁が点在しているが、いずれ中国は1つずつ拾っていきますよ」と言っていた。特に2010年以降、中国は軍事力で領土を獲得しようという意図を示している。ベトナム、インド、フィリピンと衝突し、定期的に日本を脅かしている。米国の通常の合法的な軍事行動にも介入し、妨害しようとしたりする。中国が戦略的な核保有国であることも忘れてはならない。300〜3000の核弾頭を有しているといわれており、周辺諸国だけではなく米国にも弾頭を送り込む能力を持っている。では、なぜ中国はこのような歴史的神話に基づく危険な政策を進めるのか。中国は独裁政権が支配する。国内の不満を押さえ込むため、領土拡大プロジェクトを進めることにより、国民の怒りを米国や日本、その他の国に向かせようとしているのではないか。

中国の核の脅威にさらされても平和主義と戦争回避を貫く日本の政策はもはや現実的ではない米政府は表向き、日本が攻撃されたら必ず守ると公言してきたが、私はこの言葉を信じない。−米本土が攻撃されていないにもかかわらず、大統領が核兵器を使うことはまず絶対にない。米国は「核の拡大抑止」「核の傘」という言葉を使ってきたが、これは神話だ。つまり各国は自分の核を持たない限り、最終的に1国だけで侵略国に立ち向かう状態になってしまう。英国とフランスは米国の同盟国だが、最終的に米国が守ってくれるとは思っていないので「最小限核抑止戦略」をとっている。少数の原子力潜水艦が核ミサイルを搭載し、もし自国に攻撃があれば、何千マイル離れていても核弾頭を相手国に発射する態勢を整えている。英仏の核抑止力は自ら戦争を始めるには小規模すぎるが、自国への攻撃を抑止するには十分だ。私が日本人であれば、英仏のような最小限核抑止戦略をとるべきだと思うだろう。そうすれば侵略から自国を守ることができ、日本自身が侵略国になることもない。日本が核を保有することに米国は反対するかもしれないが、アジアと世界の平和は強化される逆に最小限の核を持たなければ、他国に攻撃された時、日本は完全に孤立してしまうであろう

2015.2.24 【国基研シンポ】チェラニー・インド政策研究センター教授基調講演 「中国は国境書き直しの試みを止めよ」
http://www.sankei.com/politics/news/150224/plt1502240054-n1.html
今日起きている国際的な地政学の地殻変動について5点申し上げたい。

1つ目。われわれは急速に変化する社会に生きている。テクノロジーの変化は1980年代から革命的に進展した。インターネット時代になり、テクノロジーが国際地政学上の大きな役割を担うようになった。輸送コスト低減や貿易障壁低下などにより東洋が台頭し、世界は地政学的に根本から変化した。一方、最初で最後のグローバル覇権国である米国は衰退しつつある。米国は今後十年間もトップであり続けるだろうが、グローバル覇権国は不在となる。

2つ目に、国際秩序が過渡期にあり、西洋(欧米)の優勢が後退している。西洋の人口は世界の12%に過ぎないが、10年前は世界全体のGDPの60%を占めた。現在は42%。逆に発展途上国が占める割合は20年前の18%から4割近くになった。新しい国際秩序は不透明だが、21世紀の世界を20世紀の制度やルールで縛り続けるわけにはいかない。現実に合わせて制度やルールが変わらなければ、国際社会は不安定化しかねない。

国際社会はルールを基本とすべきか、それとも勢力均衡であるべきかという問題がある。これが3つ目の論点だ。日本を含む民主主義国は、世界秩序はルールを基本とすべきだと考える。ルールに基づかない秩序を優先すれば、国際法は強者が弱者に振りかざす道具になってしまうからだ。ところが、20世紀末から21世紀初頭にあからさまな国際法違反が数多くあった。米軍などによるセルビア空爆、アフガニスタンやイラクに対する攻撃に国連安保理決議はなかった。中国は、フィリピンが領有を主張するスカボロー礁に居座った。ロシアによるクリミア半島併合も国際法違反だが、プーチン露大統領は「道義的理由がある」と発言した。皮肉にもオバマ大統領も同じ理由でリビアのカダフィ政権打倒を正当化した。中国は、国連海洋法条約に加盟しながらフィリピンに提訴された際、同条約の紛争解決手段である国際海洋法裁判所の仲裁を拒絶した。中国は近隣国との問題解決に当たり、いかなる国際的な調査、調停、仲裁、採決にも反対している。

4つ目。世界は相互依存を深めている。西洋経済は資金豊富な東洋資本への依存度を高めている。グローバル相互依存は、貿易や資本の移動でなく、環境保全、公衆衛生、技術、気候変動にも及ぶ。ここで重要なのは、相互依存は世界の距離感を縮めるどころか、相対的優位を求める主要国間の競争を熾烈にしていることだ。アジアでは貿易が盛んな2国間での軍事衝突の危険性が高まっている。歴史的には資源争奪戦が戦争の要因となってきた1941年の真珠湾攻撃の引き金となったのは、日本に対する石油の禁輸措置だった今日も資源をめぐる争いは東シナ海や南シナ海で先鋭化している

最後の5つ目の論点とは、既存国境の尊重だ。これは強力な国際規範であり、大多数の国はこれを受け入れる。西洋がロシアのクリミア併合に強く反発するのはその証左だろう。だが、残念ながらアジアでは国境尊重という規範はあからさまに軽視されている。−ところが、中国は国境の書き直しを試みている。現状を少しずつ修正する戦略をとるが、こうした試みは止めねばならない。さもなくば、アジアの経済的なサクセスストーリーは失速し、軍拡が急速に進む危険性をはらむ。

現在進行中のパワーバランスの変化がどのような意味合いを持つのか、まだ明確ではない。現在の国際秩序を特徴付けるのは「ルールと勢力均衡のブレンド」だが、今はどちらかと言えば勢力均衡に傾いてしまっている。16世紀から17世紀にかけてヨーロッパでは1つの大国が影響力を強めようとすると勢力均衡の原理が働いて他の国がこれに対抗した。予見できる将来、アジアで超大国による一極支配が実現しないであろう理由の1つがここにある。毛沢東はかつて「政権は銃口から生まれる」と言った。21世紀になってもなお政権は銃口から生まれるのだろうか。大国が自らに適応するルールと異なるルールを他国に当てはめようとし続けるならば、残念ながら答えは「イエス」だ。

2015.2.24【国基研シンポ】中国の脅威にどう向き合うのか? 日米同盟を基本に印豪と結束を
http://www.sankei.com/politics/news/150224/plt1502240053-n1.html
櫻井よしこ氏 オバマ米政権、ポスト・オバマ政権はどうなるのか。
ウォルドロン氏 オバマ米大統領はあまり世界史を知らない。オバマ氏にアドバイスする立場の人から聞いた話だが、オバマ氏はなぜ太平洋戦争が起きたのかさえ知らなかった。オバマ氏は国内政策対応型の大統領になろうとした。それが彼の悲劇だった。中国は、21世紀が中国中心の世界になり、米国は衰退してアジアから手を引くと考えているかもしれないが、それは間違いだ。米国を過小評価してはならない。米国は驚くべき能力を持っており、信頼できる同盟国も持っている。
チェラニー氏 アジアにおける米国を中心とした同盟の将来は1つの言葉にかかっている。「信頼」だ。同盟国が米国による安全保障を信頼できないと考えれば同盟関係は永続しない。オバマ氏はアジアにピボット(軸足)を置くと表明しているが、戦略的な中身を伴っていない。むしろシリアやイスラム国など中東に軸足を置いている。そして米国は常に「中国を刺激するな」という立場を貫いてきた。尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有に関しても中立的な立場を取っている。日本に対し、なるべく穏便に問題を解決するよう求めている。私が日本の政策決定に携わる立場ならば、日本の将来に強い懸念を持つであろう。そもそも日本は自国を占領した国がつくった憲法を何十年も1度も改正しないでいるそんな歴史を持つ国は他に存在しないまったく変更を必要としない完璧な憲法などない

櫻井氏 昨年11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)での米中首脳会談のやり取りを読むと、米国は、中国が主張する「新型大国関係」を事実上受け入れているようにみえる。米国に絶対的な信頼を置いてよい時代ではないのではないか。
田久保忠衛氏 日本は安全保障上、インドのように自主独立路線をとれる地理的条件に置かれていない。どの国と組むかとなれば米国しか選択肢はない。歴代米政権の対中政策はエンゲージメント(関与)政策だった。経済やスポーツなどを通じて同じ価値観に引き寄せようとしてきた。だが、軍事力という保険は必ずかけてきた。これがオバマ政権になり、薄れてしまっている。

櫻井氏 中国の力は今や軍事力だけではない。大きなマーケットとしても注目され、アジアインフラ投資銀行(AIIB)やBRICS開発銀行などで独自の金融経済圏を作ろうとしている。中国の膨張主義は牽制できるのか。
田久保氏 中国に対抗するには、米国を中心とした5つの同盟国(日本、韓国、フィリピン、タイ、オーストラリア)が結束し、インドとも連携して「変なことをしたら承知しないぞ」というメッセージを送らねばならない。日本単独の力ではどうしようもないが、安倍晋三首相による集団的自衛権の行使容認はかなりの抑止力になっているのではないか。

−−日本が持つべき最小限の核抑止力とは
ウォルドロン氏 いかなる国も相手が原子力潜水艦1隻を持っているだけで攻撃しようとはしない。日本が核を持てば、日中戦争の可能性はゼロになるかもしれない。
チェラニー 日本が最低限の核抑止力を独自に持てば、中国による攻撃を防ぐことができるが、問題がある。核拡散防止条約(NPT)だ。日本がNPTから脱退して核を持つというのは大胆な政策変更だ。外国から押し付けられた憲法を変えることもできないような国が、そんな大胆な行動が取れるのか。
ウォルドロン氏 今後10年間で、日本は領土・領海に他国艦船や航空機が侵入することを拒否する能力を持つことができると考えている。つまり抑止力を持つということだ
田久保氏 日本が核を持つことが可能か否かという議論になれば、これはできないだろう。強力な政治力と国民のコンセンサスがないとできないし、技術的な問題もある。ただ、最初から持つか、持たないべきかを決める必要はない。朝鮮半島が統一されて核武装国家になったらどうするのか。−われわれは覚悟を決めておかねばならない。

−−インドはBRICS銀行やAIIBに参加しているが、日米との関係と、中国との関係のどちらを重視しているのか
チェラニー BRICS銀行は中国、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカの5カ国が対等なメンバーだが、AIIBは中国主導の銀行だ。インドがAIIBに参加したのは間違いだった。中国の戦略的野望を手伝ってしまうことになる。ただ、インドにとって中国が大事なのか、米国が大事なのかという問いへの答えは明確だ。正気のインド人は、中国を真の友人だと思っていない。
ウォルドロン氏 上海や北京など都市部の生活水準は劇的に改善しているが、1人1日1ドルで暮らす辺境もある。なぜ中国政府はより多くの資金を辺境に使わないのか。自国民を差し置いて海外に何十億ドルという資金を投じるのは理解できない。

−−日本の生き残り戦略はどうあるべきか
田久保氏 第一義的には、日本の曲がった体質を直すことだ。日本は、経済は一流、政治は三流ぐらいだが、軍事はもっとひどい状況に置かれている。自衛隊の人たちが気の毒で仕方がない。憲法でもきちんと認知されていない。こういう状態を放置してきたのは国家的罪だ。きちんとした国のかたちに直すことが何よりも重要。そのためにも憲法改正が必要だ。さらに強い米国と強い日本が組むことを基本に、インドやオーストラリアなどとも結束し、中国に反省を促すことが必要だ。



togyo2009 at 22:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 世界の中の日本の今 

平成二十七年第百八十九回国会(4)次世代の党中山恭子党紀委員長



togyo2009 at 06:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 政治経済NEWS 

平成二十七年第百八十九回国会(3)次世代の党松沢成文幹事長



togyo2009 at 06:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 政治経済NEWS