January 2016

January 30, 2016

2015年末日韓慰安婦問題解決?(4)軍の関与ったって軍が軍人を守るのは当たり前

2015.12.29【「慰安婦」日韓合意】教科書どうなる岸田外相の軍関与言及で懸念浮上「記述の悪化招く恐れ」も

http://www.sankei.com/politics/news/151229/plt1512290015-n1.html

日韓外相会談で28日、「最終的かつ不可逆的に解決される」との認識で合意した慰安婦問題。日本国内の中学や高校の教科書にも慰安婦の記述はあるが、今後の書きぶりへの影響はあるのか。識者は、今回の合意内容は従来の日本政府の立場を踏襲したもので、影響は限定的と指摘。その一方、岸田文雄外相が改めて「軍の関与」に言及したことで、むしろ記述内容が悪化する恐れがあるとの懸念も出ている。


「中学や高校の教科書づくりに何らかの影響が出ることはないだろうし、影響してはならないと思う。合意内容は、日本政府のこれまでの立場を変更したものではないからだ」。日韓の合意を受け、教科書問題に詳しい麗澤大学の八木秀次教授はこう話す。その上で、今後の教科書づくりのあるべきスタンスを語った。「むしろ、次世代に影響を及ぼさないよう『最終的・不可逆的な解決』で両国が合意したことを重んじ、史実を淡々と記述するこれまでの姿勢を維持すべきだろう」


一方、岸田外相は日韓外相共同記者会見で、「慰安婦問題は軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感している」と発言軍の関与を認めた平成5年の河野洋平官房長官による談話と同趣旨だが、懸念する声もある。拓殖大の藤岡信勝客員教授は、「女性にひどい扱いをしたという否定的文脈で、『軍の関与』が語られるのを正すのが安倍晋三政権に期待されていたのに、逆に強制性をにおわせる記述の固定化につながりかねない」と不満をあらわにした。


文科省では現在、高校低学年用の教科書検定が行われているが、教科書会社から今後、今回の合意内容を反映させるための訂正申請が出される可能性がある。文科省関係者は「合意内容を追加する程度の変更ではないか」との見方を示すが、ある教科書会社幹部は「岸田外相の公式発言をとらえ、軍の関与をことさら強調して記述するケースが出てくる可能性がある」と話している。


高校・日本史教科書「連行」の記述残る
 

慰安婦問題の記述は中学では下火だが、高校では大半の日本史教科書で採用されている。文部科学省によると、中学では平成9年度から使用の歴史教科書で、慰安婦に関する記述が一斉に登場した宮沢喜一内閣の河野洋平官房長官が、元慰安婦に「心からのおわびと反省の気持ち」を表明した5年8月の談話発表などを受けた対応とみられる。その後、中学校段階で慰安婦について教えることは「成長の発達段階としてふさわしくない」などの意見が国内で拡散。16年度検定以降、中学歴史教科書から慰安婦の記述は消えたが、28年度から慰安婦の記述のある歴史教科書が一部の中学校で使用されることになった。社会科教師ら30人が執筆陣となった新参入の学び舎の歴史教科書。当初、慰安婦の強制連行を強くにじませる内容を申請したが不合格となり、再申請の際に大幅修正し、欄外に河野談話を一部要約して取り上げた採択数は全国で約5700冊、占有率も0・5%と少数だが、他社の幹部は「どこまで採択数を広げるか注視している」と話す。一方、平成6年度から全ての日本史教科書で慰安婦を取り上げた高校では、今もその傾向は変わっていない文科省によると、27年度供給本では、近現代史を詳述した「日本史A」で7点中7点、「日本史B」も8点中6点に上り、「政治・経済」でも8点中6点で記述がある


日本政府は慰安婦問題について、「政府発見の資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を示すような記述は見当たらなかった」との見解を表明しているが、教科書の中には「日本軍に連行され、『軍』慰安婦にされる者もいた」(清水書院日本史A)といった記述もある



2015.6.22【正論】日韓国交正常化50年 韓国で深化する「歴史の政治化」 拓殖大学総長・渡辺利夫

http://www.sankei.com/politics/news/150622/plt1506220004-n1.html

《明治日本にとっての朝鮮》


明治維新が成ったのは帝国主義時代の真っただ中
である。弱者に安住の地が与えられることのない時代にあって日本が主権国家として生き延びるには、朝鮮の帰趨を巡って日清・日露の2つの戦争に勝ち抜かねばならなかった日清戦争とは、朝鮮が清国を宗主とし自らをその属領とする「清韓宗属関係」を切断し、朝鮮を清国の支配圏から引き剥がすための戦争であった日清講和条約によって日本は清国に、朝鮮が「完全無欠ナル独立自主ノ国タルコトヲ確認」させたのである(第1条)日露戦争とは、満州を南下して朝鮮を脅かすロシアに挑んだ戦争であるポーツマス講和会議に臨む小村寿太郎に対して首相桂太郎が与えた訓令の第一は「韓国ヲ全然我自由処分ニ委スルコトヲ露国ニ約諾セシムルコト」であった


明治日本にとって朝鮮は、いかなる犠牲を払ってでも第三国に優越的支配を許すことのできない生命線であり、幾多の経緯を辿って明治43年の韓国併合に至った併合は第二次大戦における日本の敗北までの36年間に及んだ現代の国際法の通念からすれば他国の「自由処分」など許されるはずもないが、骨肉相食む帝国主義の時代にあっては併合以外に選択肢はなかった韓国併合は清露はもとより、日英同盟下の英国、桂・タフト協定下の米国によって幾重もの国際的な承認を得ており、併合を妨げるものは何もなかった桂・タフト協定とは、米国のフィリピン領有と日本の韓国における優越的支配権とを相互に認め合った協定である


併合によって韓国の経済社会の近代化の幕が開いた。もっとも、このことは結果論であって併合の正当性を証すものではない。重要なことは韓国人の誰もが語りたがらない次の事実にある。


《常套句である「歴史清算」》


併合により日本に頼るしか韓国の近代化はありえないと考える
李容九、宋秉●などを指導者とする「一進会」の存在であり、韓国統監府の資料によれば参加者は14万人、実際には数十万人に及ぶ往時の韓国最大の社会集団であった自立の気概なき李朝末期の朝鮮にあって近代化への唯一の道は、外国の影響圏に入るより他なしとみなす集団が一大勢力となったのである。朝鮮近代史学の泰斗グレゴリー・ヘンダーソンは、一進会を「自民族に対して行われた反民族的大衆運動」だと皮肉な表現を用い、これを世界の政治史においては稀なる事例だとして高い評価を与えている


今年は1965年の「日韓基本条約」から50年である51年に始まり条約締結に至る超長期の国交正常化交渉は難渋をきわめたが、最終的には朴正煕大統領の英断により、日本が韓国に3億ドルの無償資金と2億ドルの低利借款を供与することをもって韓国の日本に対する請求権の問題の一切が「完全かつ最終的に解決する」とされた当時の韓国の国家予算は3億5千万ドルであった日本統治時代の物的・制度的・人的インフラにこの厖大な資金が加わって、「漢江の奇跡」が展開された。韓国は重化学工業部門とハイテク部門を擁する新興産業国家として急進し、ついには先進国の一員として登場したのである。


その一方で、慰安婦問題を中心に猛烈な反日運動が始まり、元慰安婦の対日請求権を韓国政府が放棄することは違憲だとする憲法裁判所の判決までが出された。その他にも、日本統治時代の対日協力者子孫の財産没収を求める法案の国会成立、日本企業の元徴用工への賠償金支払いを命じる最高裁判所判決などが相次いだ。「歴史の政治化」というべきか。韓国の反日は国家の制度の中に組み込まれようとしている。「歴史清算」は大統領の常套句でもある。


《反日は永続的なものなのか》


韓国においては、時代が新しくなるほど遠い過去の記憶がより鮮明に甦りつつある。日本統治時代に発展基盤を整え、日韓基本条約を経て近代化の資金を日本から手にし大いなる発展を遂げたという「過去」は、いかにも居心地が悪い。「歴史清算」により日本の「悪」を糾弾し、もって今日を築いたのは韓国自身の手による以外の何ものでもないという国民意識を形成しなければ、自らの正統性を訴えることができないという深層心理なのであろう。


何より大韓民国の建国自体が、民族独立闘争とは無縁のものであった。第二次大戦で日本が敗北したことにより、3年間の米軍による軍政期を経て転がり込んだ独立なのである。誇るに足る建国の物語はここにはない。一人前の国家になったればこそ、自国の胡乱な成り立ちが耐え難いという感覚を噴出させているのである。北朝鮮の成立に建国の正統性を求める「従北派」が韓国内で大きな勢力を張りつつあるのも、そのゆえである。韓国の反日は永続的なものなのかと、私は慨嘆する。


2015.8.5【正論】戦後70年に思う 歴史認識問題で反転攻勢かけよ 拓殖大学総長・渡辺利夫

http://www.sankei.com/column/news/150805/clm1508050001-n1.html

《朝日が造作したプロパガンダ》


被害者の記憶は加害者のそれよりはるかに強く、容易には没却できないものだと人はよくいう。そういう人がとかく語りたがるのは中国と韓国のことである。中韓と日本との間には戦後70年を経てもなお解決をみない問題が残されているといい、中韓から提起される歴史問題への日本人の自省が不十分なために和解の道が容易に開かれないともいう。日本のジャーナリズムの常套句である。


しかし、この常套句には人々を欺く嘘が含まれている。1951年に始まり65年に決着した日韓国交正常化交渉慰安婦問題が議論になったことはない国交樹立後も、朝日新聞による旧日本軍の慰安婦強制連行報道が開始される90年代初期までは慰安婦問題が日韓の外交課題となることもなかった問題の出発点は、92年1月12日付の社説「歴史から目をそむけまい」によって原型が定まり、その後大規模に展開された朝日のプロパガンダであった


慰安婦問題が戦後70年の長きにわたって日韓の和解を妨げてきた問題だという主張は作為である日本人が日本を貶めるために90年代に入って造作した話なのである。韓国の指導者にとってもこの造作は、少なくとも当初は迷惑なものであった可能性がある。「実際は日本の言論機関の方がこの問題を提起し、わが国の国民の反日感情を焚き付け、国民を憤激させてしまいました」というのが当時の盧泰愚大統領の発言である。何か戸惑いのようなものが感じられないか。


しかし、世論を自らにひき付けて日本に臨む絶好の外交カードとしてこれを用いようと韓国の指導者が意を転じたとして何の不思議もない。実際、「歴史問題の政治化」は功を奏し、93年には河野談話、95年には村山談話という韓国の対日糾弾に有力な論拠となる政府見解を日本側から引き出すことに成功したのである。


《欧米に浸透した日本糾弾》
 

朝日報道は、後に秦郁彦氏や西岡力氏の精力的な実証分析により誤報であることが判明した朝日自身が昨年8月の検証記事により吉田清治証言を虚偽として記事を取り消し、慰安婦と挺身隊との混同についての検証が不十分であったことを明らかにして、後に社長の謝罪となった


しかしこの間、韓国は日本糾弾のキャンペーンを欧米で活発に展開、旧日本軍の「悪」は欧米のジャーナリズムとアカデミズムに深く浸透してしまった。日本人の油断に慚愧の思いが深い。米国マグロウヒル社の高校生用の歴史教科書には、20万人が強制徴用、彼女らは「天皇からの贈り物」(a gift from the emperor)として兵士に供され、戦争が終わった後は証拠隠滅のために殺害されたという、まったく根拠のない、それに非礼この上ない記述が平然となされるにいたった。日本外務省も黙認することはできず、昨年末に訂正を同社に求めたものの記述に変更はない。あまつさえ、今年2月には米国の歴史学者19人が「われわれはマグロウヒル社を応援するとともに、いかなる政府も歴史を検閲する権利をもたない」と逆襲に出たのである。今年5月には欧米の日本研究者ら187人が連名で声明文を発表し、日本の「慰安婦」制度は、その規模、軍による組織的管理、植民地・占領地の女性搾取などの点からみて、20世紀の戦時性暴力の中でも特筆すべきものだと難じた根拠資料は何も示してはいない


《真実は事実の中にのみ宿る》
 

戦後の日本の自由と民主主義は祝福に値するものだが、真の祝福を妨げているのは日本の「歴史解釈の問題」だという。「特定の用語に焦点を当てた狭い法律的議論」や「被害者の証言に反論するためのきわめて限定された資料」にこだわってはならないと諭し、「過去の過ちについて可能な限り全体的、かつできる限り偏見なき清算をこの時代の成果としてともに残そうではないか」と結ばれる。


国家や民族による「歴史解釈」の相違を許さない傲慢を私は強く感じる。無数の民間非戦闘員を殺戮した広島、長崎への原爆投下や東京大空襲について、日米の歴史解釈が異なって当然のことであろう。自分の解釈に従えというのなら、国家関係は成り立たない。96年のクマラスワミ報告として知られる国連人権委員会報告2007年の米国下院外交委員会での慰安婦決議などの「権威」には逆らうなということか。


慰安婦問題は日本国内では大方の決着が付いたものの、肝心の国際社会では日本は無援の孤立を余儀なくされている。ことは日本自身の歴史解釈に関わる。真実は事実の中にのみ宿ると考えるまっとうな日本の歴史学者を糾合、反転攻勢に出ようと臍を固めている。



togyo2009 at 16:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 捏造の慰安婦問題 

January 28, 2016

〈台湾新時代−蔡英文の挑戦〉下

2016.1.19【台湾新時代−蔡英文の挑戦・下】いらだつ中国「島民に何ができる」「統一」の功績狙う習近平主席

http://www.sankei.com/premium/news/160119/prm1601190005-n1.html

「島民にいったい何ができるというのだ」。台湾の野党、民主進歩党(民進党)の蔡英文主席が総統選挙に勝利した16日、上海の台湾研究者はあえて台湾の人々を「島民」と呼んで、独立色の強い民進党政権を選んだ「民意の決断」にいらだちをぶつけた。すでに織り込み済みだった「蔡総統」誕生だが、対台湾政策を担当する中国国務院(政府)台湾事務弁公室も、「あらゆる形の独立活動に反対する」との談話を発表。改めて「一つの中国」の考えを受け入れるよう民進党に迫った。有権者が自由投票で最高指導者を選出するシステムは、中国本土に存在しない。民主的な選挙結果を受け入れられない中国は、「原則」に沿った高圧姿勢をまず示そうとする


馬英九政権の8年間に台湾経済の対中依存が高まり、中国は政治、経済の分野で力を強めた「他の国でチャイナフリー(脱中国)は可能でも台湾だけは不可能だ」(中国の研究者)といった、台湾を中国の主導する「統一」の枠に押しとどめる意識が中国国内では根強い。公式メディアの反応も、こうした統一観に彩られている。国営新華社通信は、「台湾政局の変化は両岸(中台)関係の歴史で瞬く間に消えるものにすぎない」と論評。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は、台湾を外交承認する国々に触れて、「中国がその気になればいつでも断交させ、台湾への懲罰として奪い取る」と息巻いた


さらに、軍事分野では、台湾の対岸に配置された1千発以上の弾道ミサイルや、国産空母の建造など、台湾を威圧する材料に事欠かないのが現実だ昨年には、台湾の総統府強襲を想定した中国軍の演習情報まで公然と伝えられた冒頭の研究者は、「(2005年に中国が施行した)反国家分裂法を台湾は忘れたのか」と続けた。同法8条は、「平和統一の可能性が完全に失われたとき、国は非平和的方式その他必要な措置を講じ、国家の主権と領土保全を守ることができる」と、武力による実力行使を合法化している


中国が「一つの中国」を掲げ、中台統一にこだわる理由として、日中関係筋は「太平洋に面する台湾の地政学的な価値に加え、習近平国家主席が描く『中国の夢』を実現する国家戦略が根底にある」とみる。大陸から海洋をみる地政学の視点では、台湾は太平洋への入り口にあって、海軍艦艇の運用に適した港湾に恵まれる。それ以上に、習氏が掲げる「中国の夢」は、「中華民族の偉大な復興」として、あるべき領土の再統一を意味する20世紀に香港やマカオの返還を「一国二制度」で達成した●(=登におおざと)小平に続き、「台湾統一」を21世紀に成し遂げるのが習氏の狙いだ。国務院台湾事務弁公室はかねて、「現在の交流の基礎である『92年コンセンサス』さえ認めれば(誰とでも)喜んで交流する」とサインを出している。交渉の「底線(ボトムライン)」については、額面通りのコンセンサス受け入れのほか、台湾が「中華民国の憲政体制を順守する」と表明することも、中国は「許容範囲だ」とする観測がある。


中国が最も警戒するのは、中国と台湾を「別の国」とする二国論だ台北での海外メディアとの会見で、蔡氏は「中華民国の現行憲政体制」を5月20日の就任後の施政方針に掲げる慎重な姿勢を示した。最終的な目標を統一実現におきつつ、中国も高圧姿勢の一方で、水面下での対話を模索する硬軟織り交ぜた戦略を繰り広げることになりそうだ。


この連載は、台北 田中靖人、西見由章、上海 河崎真澄が担当しました。



2015.9.28【正論】台湾が阻む「中華帝国」復活の夢 東京国際大学教授・村井友秀

http://www.sankei.com/column/news/150928/clm1509280001-n1.html

現在、200年ぶりに東アジアに超大国が生まれつつある。中国共産党は「中華民族の偉大な復興」をスローガンに、100年間にわたって抑えられてきた「中国の夢」を実現しようとしている中華人民共和国はモンゴル人が建国した元満州人が建国した清に次ぐ中国史上3番目に巨大な帝国である。既に、中華人民共和国は漢民族が支配する国家としては中国史上最大の国家であるが、中国共産党の主張を見る限り、清帝国の影響圏の復活を目指しているように見える。


≪独裁政権を強化する軍事力≫


19世紀の中国は、漢民族が住む本土、チベットのように異民族を直接支配している藩部、朝鮮半島のように異民族を間接支配している朝貢国で成り立っていた。しかし、19世紀後半に欧米列強の圧力によって清帝国は朝貢国を失った。さらに、本土の沿海州はロシア領になり、東方の小国日本との戦争にも負けた20世紀は中国にとって屈辱の世紀であった。


しかし、21世紀になって中国は再生しつつある。中露関係を見ても、中国人によれば、20世紀にはロシアが兄、中国が弟であったが、今はロシアが妹、中国が兄である。日中関係でも中国の経済力と軍事力は日本の数倍になった。今、19世紀以前の中国は中国人の目の前にある。中国の王毅外相は「世界は中国の台頭という現実に慣れなければならない」と主張している。国内の異民族支配は強化され、嘗ての朝貢国に対する経済的政治的影響力も拡大している。


現在の中国が影響圏を拡大する主力は世界第2位の経済力である。しかし、共産党にとって資本主義経済は、場合によっては共産党支配を脅かす危険物である。他方、中国は周辺諸国を威嚇するに足る十分な軍事力を持っている。しかも、軍事力は独裁政権が国民を支配する道具であり、その増強は独裁政権を強化する。従って軍事力の行使や威嚇は、中国共産党にとって国内を安定させる効果的な対外戦略である。軍事力を無人の海で展開すれば、人が住む陸上よりもリスクとコストは小さい。中国共産党が主張する「強軍の夢」は海で実現する。


≪輸送船の墓場だったバシー海峡≫


中国軍は東シナ海と南シナ海を支配し、さらに西太平洋に進出しようとしている。南シナ海で活動する中国海軍の艦艇が太平洋へ進出しようとすれば、台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡を通らなければならない。太平洋戦争末期にバシー海峡は輸送船の墓場と呼ばれ、米軍潜水艦が多数の日本の輸送船を撃沈した。台湾は西太平洋で活動する中国海軍の死命を制することができる位置にある。中台間の軍事力を比較すれば、中国軍の戦力は台湾軍を圧倒しており、台湾軍の高官も、台湾軍の戦闘は2週間から1カ月で終わると述べている。台湾では軍事的手段による抵抗は不可能である、という雰囲気が一般の人々の間に広がっている。


しかし抑々、戦争に負けるという意味は、戦争目的を達成する前に損害が耐えられる限度を超えるということであり、戦争に勝つという意味は、損害が耐えられる限度を超える前に戦争目的を達成するということである。また、戦争が継続している間は強者も弱者も戦争から利益を得ることはできない。戦争は双方に不利益をもたらすだけである。強者が戦争から利益を得るのは戦争が終わった後に行われる戦後処理の結果である。すなわち、戦争が終わらなければ戦争に勝者も敗者もない。弱者の軍事的能力が低くても、降伏せずに延々と戦争を続けることができれば、戦争に勝者はない。


≪国民の意志が対中抑止力になる≫


仮に台湾が中国軍に占領されたとしても、台湾の住民に抵抗を続ける意志があり、耐えられる損害の限度が高ければ、中国が望む短期決戦が成功する可能性は低くなる。台湾を攻撃する中国軍のミサイルが1400基あり、1基のミサイルが500キロの爆弾を搭載しているとすると、台湾の都市や軍事基地に降り注ぐ爆弾は700トンということになる。ベトナム戦争では、12日間に8万トンの爆弾がハノイに投下されたが、北ベトナムは屈服しなかったベトナムの対中抑止力の源泉は、軍事力よりも戦争になれば最後の一人まで戦うという国民の意志である


中国は圧倒的な軍事力を見せつけることによって相手の戦う意志を挫き、「不戦にして相手を屈服させる」ことを狙っている。従って、中国軍の軍事的圧力が台湾において政治的効果を発揮するかどうかは台湾人の意志次第である。2014年現在、台湾の対中輸出比率は40%、対中輸入比率は20%である。しかし、60%以上の人が自らを「台湾人」であると考え、「中国人」であると考える人は4%以下である。また、50%以上の人が独立を望み、中国との統一を望む人は10%以下である経済的には中国の強い影響を受けているが、中国に併合されることを望まない台湾の存在は、「中華民族の偉大な復興」にとって大きな障害物になっている


2015.11.16 06:00【正論】中国の中台統一戦略を阻むのは「台湾の尊厳」と民族主義である 村井友秀(東京国際大教授)

http://www.sankei.com/world/news/151116/wor1511160011-n1.html

中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統が会談した。台湾の経済界は歓迎し、台北では千人規模の抗議活動があった。中台関係は統一の方向に動くのであろうか。


《民族は運命共同体の一員》


現代の国際関係を動かす大きな力は民族主義と経済である。宗教対立も背景に民族的・経済的対立がある場合が多い。経済的価値は計算できる有限の価値であるが、民族や宗教の価値は無限大であると信じられている民族の力を極大化しようとする民族主義の目標は、国際関係の中で最高の力を持っている国家を手に入れることである。すなわち、「一民族一国家」の実現である。現代の紛争は、民族が自分たちの国家をつくろうとする運動の衝突である世界には8千の民族が存在するといわれる世界には約200の国家が存在していることを考えると、全ての民族が「一民族一国家」を実現して満足することは不可能であり、国家を建設しようとする民族主義を原因とする紛争はなくならないであろう。


中国と台湾の対立も、南北朝鮮間の対立もいかにして「一民族一国家」を実現するかという問題である中国人と台湾人が一民族ならば一国家になることが民族主義である。しかし、中国人と台湾人が別の民族ならば別の国になることが民族主義である。南北朝鮮間の対立は南北朝鮮とも同一民族であると主張しているので、どのようにして一国家を実現するかというプロセスの問題である。


それでは民族とは何か。民族は、人間を身体的特徴で分類する形質人類学上の人種ではない。国籍で分類した国民でもない。民族とは血縁的、地縁的、言語的共通性によって歴史的に形成された運命共同体の一員であると信じる人間の集団である人種が遺伝子によって決定されるのに対して、民族の本質は感情である。「民族はその構成員が激情的に、満場一致的にそうであると信じるがゆえに民族である」といわれている。


ー従って、ユダヤ人のように一つの民族の中に複数の人種が存在することもあり得る。また、旧ユーゴスラビアでは一つの人種であるにも拘らず運命が違うと信じた各地域が複数の民族に分かれて戦い、各民族が独立国家をつくった中国でもイスラム教を信じる漢族は、回族という別の民族になっている。ー


《6割が「台湾人」と認識》


中国人と台湾人は人種的には差がない。しかし、最近(2015年)の世論調査によると、台湾では59%の人が自らを「台湾人」であると考え、「中国人」であると考える人は3%である。なお、中国人でもあり台湾人でもあると答えた人は34%であった


それでは民族が手に入れようとしている国家とは何か。現代世界で国家を超える権力はない国連は国家の協議機関であり、北朝鮮のように国連決議を無視する国家も存在する。国際法上の「独立国家」とは、外国の支配に従属しない政府が、一定の領域とその領域に居住する住民を排他的に管理統制している状態をいう。さらに、外国による承認を条件とする場合もある。


現在の台湾はその条件を満たしている。従って、台湾の現状を維持するということは台湾の「独立」を維持するということである。「現状維持」と「独立」に実質的な違いはない。嘗て、台湾独立運動家の黄昭堂氏は「独立した台湾と現在(当時)の台湾の違いは国名と国旗と国歌だけである」と述べていた


《中国共産党にとっての鬼門》


政治大学選挙研究センターの世論調査(2015年)によると、14年の時点で「なるべく早く統一」を望む人は1・4%、「現状維持後に統一」を望む人は8・8%である。他方、「なるべく早く独立」を望む人は5・8%、「現状維持後に独立」を望む人は18%、「永遠に現状維持」を望む人は24・9%である。また、「現状維持後に決定」を望む人は33・9%である。「なるべく早く統一」と「現状維持後に統一」の合計は約10%である。他方、「なるべく早く独立」「現状維持後に独立」さらに「永遠に現状維持」の合計は約49%である。「統一は言ってもよいがやってはいけない、独立はやってもよいが言ってはいけない」という台湾の雰囲気を勘案すれば、本心では独立を望む人は数字以上に多いと考えられる。


中国共産党は「我に順う者は昌え、我に逆う者は亡びる」と言っている台湾の貿易総額に占める中国の割合は22%(14年)である。「台湾の尊厳」と経済的利益が対立したとき、台湾の住民はどちらを選ぶのであろうか。会談後、独立を綱領に掲げる野党の指導者の支持率は41%から47%に上がった。感情は理屈よりも人を動かす。中台統一を目指す中国共産党にとって台湾人の民族主義が最大の鬼門である。

 



togyo2009 at 19:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 今が旬の企画もの 

〈台湾新時代−蔡英文の挑戦〉中

2016.1.18 08:12【台湾新時代−蔡英文の挑戦・中】深まり過ぎた経済の対中依存をいかに是正するか 東南アジアやインドとの関係強化へ

http://www.sankei.com/premium/news/160118/prm1601180009-n1.html

台湾の域内総生産(GDP)に占める中台貿易の総額(対香港を除くドルベース)は、民進党の陳水扁政権(2000〜08年)下で上昇し、続く馬英九政権では20%を超えた。「台商」と呼ばれる中国進出した台湾の企業家は、推計60万〜100万人。香港や外国の旅券で進出する例もあり、正確な実態は把握できていない。海峡両岸の人の往来も盛んだ。馬政権は08年に中国大陸からの団体観光を、11年には指定都市からの個人旅行をそれぞれ解禁し、訪台する中国人観光客は08年の9万人から14年には332万人に急増した


高すぎる対中依存度蔡氏は訪米後の昨年9月、この対策として「新南向政策」を発表した中国に替わる経済パートナーとして、東南アジア諸国連合(ASEAN)やインドとの関係強化が柱だ。共同体を発足させたASEANとの相互投資拡大に向け、ビザ(査証)条件の緩和や、企業の現地進出を支援する組織の設立が検討されている。民進党幹部は、東南アジアでの日台の企業連携も期待する。


しかし、これまで中台の経済交流に関わった経済人は、「東南アジアへの進出は20年も前から取り組んでいる政策だ。インフラ不足や治安の面から中国に取って代わることはできない」と断言する。さらに、中国が独立派として警戒する民進党の政権下では、「中台の経済交流が止まることを懸念する企業家は多い」ともいう。中国今後、中国人観光客の訪台規制や台湾を外交承認する中米など22カ国に「断交」を迫る可能性など、台湾のビジネス環境をめぐる懸念は強まっている


蔡氏は選挙戦で、中国大陸での委託生産・輸出方式による経済構造からの転換を強調「新経済発展モデル」として、バイオ技術や情報通信(IT)技術など「5大イノベーション研究開発計画」を掲げた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への台湾加盟や、日台の自由貿易協定(FTA)も視野に入る。ー民進党の呉●(=刊の干を金に)燮秘書長(幹事長)は産経新聞の取材に対し、「安倍晋三首相率いる日本政府は台湾に友好的だ。未来の民進党政権は、この黄金期に民間、経済、政治分野の交流を強化できるよう期待している」と述べた。ただ、いずれもまだ構想の域を出ない。中国経済の減速で、15年の台湾のGDP成長率は0・9%。足下の経済情勢は厳しい。ー対中依存を押さえつつ、台湾経済の回復は図れるのか蔡氏の手腕が問われている



2015.11.13【正論】馬総統の「危うい」対中首脳外交 拓殖大学総長・渡辺利夫

http://www.sankei.com/column/news/151113/clm1511130001-n1.html

≪「幻の合意」を利用する中国≫


来年5月に退任する馬英九総統の性急な要請に習近平国家主席が応じて、後者に有利な形で終始したのが今回の中台首脳会談だった−。これが私の見立てである。ー馬氏が依拠したものは「92年コンセンサス」である。これは、台湾側窓口機関「海峡交流基金会」と中国側窓口機関「海峡両岸関係協会」の双方が、1992年の香港での協議において口頭で交わした合意であり、台湾・行政院大陸委員会の蘇起主任委員(当時)により「九二共識」として2000年に公表されたものである。台湾側はこの合意の内容を「双方が『一つの中国』を堅持するものの、その解釈は各自異なることを認める」(「一中各表」)ものだとし、中国側は「双方が『一つの中国』を堅持する」(「一中」)としており、中台の思惑には大きな懸隔がある台湾においては、国民党が「一中各表」原則に立つ一方、民進党はそのような合意は存在しないと主張する。実際、当時の総統、李登輝氏はかかる合意がなされたとの報告は受けていないといい、香港協議に出席した当時の海峡交流基金会理事長の辜振甫氏自身が合意の存在を認めていない。蘇起主任委員の発言の趣旨は果たしてどこにあったのか。


台湾統一工作の場を求める中国側はこの「幻の合意」を利用して中台交流を正当化してきたのだが、中国が「一中各表」を認めて「一中」原則を放棄することなどありえない。ただコンセンサスがあったふうに装って行動してきたというにすぎない。台湾統一は中国共産党の悲願であり、台湾は中国の「核心的利益」であり、「中華民族の偉大なる復興」を証す政治的結実でなければならない首脳会談後に開かれた中国の台湾事務弁公室の張志軍主任の記者会見によれば、習氏は「大陸と台湾は『一つの中国』に属する。双方は国と国との関係ではない。主権と領土の分裂はない」と明言したという


≪会談のペース握った習主席≫


台湾の総統の面前でこう確言することにより、習氏は将来の台湾統一を自らの主導の下で実現するという意志を内外に顕示したのであろう。さらに習氏は「『台湾独立反対』を政治的土台とする」と主張して馬氏を牽制したのだが、これは馬氏に対してというよりは、次期の総統となる可能性が高い野党・民進党の蔡英文主席に対してのものだったとみていい。ーペースは明らかに習氏の手に握られていたのである。


習氏とて空手で臨んだのではない。馬氏が「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)交渉への参加の意向を訴えれば習氏はこれに前向きの姿勢を示しはした。しかし、習氏はそれと引き換えに中国主導の「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)と「一帯一路」建設への台湾加盟を歓迎する旨を表明した


≪台湾住民に流動するマグマ≫


かくして中台首脳会談は台湾をほとんど利することなく終わった。だが、中国が味を占めて「現状維持」を求める台湾住民の民意の在りかを見誤れば、これが禍根へと転じて、代償を支払わせられるのが習氏となりうるところに中台問題の難しさがある。昨年3月、「両岸サービス貿易協定」に反対する大学生が大挙して立法院(国会)を24日間にわたり占拠したという事実は記憶に新しい。同協定が成立してしまえば台湾の中国依存が一段と深まり、政治的にも中国にのみ込まれてしまいかねないという恐怖にも似た感覚が、「ひまわり学生運動」によって台湾住民の中に鮮やかに呼び覚まされたのである。中国へと一方的に傾斜していく台湾の現状に対する大きなアンチフィーリングのエネルギーが、次代を担う台湾住民の中にマグマのように流動していることを中国は認識しておいた方がいい。ひまわり学生運動に対する台湾住民の広範な支持は、中国指導部をして台湾の民意を斟酌しない台湾統一工作など至難なことだと認識されねばならない。


2016.1.19【正論】民意の強靱性を証した台湾・総統選 「大国」を牽制し国際社会の支持得る最大の力 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫

http://www.sankei.com/column/news/160119/clm1601190008-n1.html

台湾の総統選、立法院選における民進党の圧勝、国民党の大敗は、昨年11月の統一地方選の結果ならびに馬英九総統の国民党主席引責辞任の時点から予想されていたことではあった。しかし、これが現代台湾政治における画期であることはまちがいなかろう。


≪台湾住民に抱かせた危機感≫


今回の民進党勝利により、1996年台湾初の総統民選で国民党・李登輝氏が総統となって以来、2000年には民進党・陳水扁氏、08年には国民党・馬英九氏、16年には民進党・蔡英文氏と、二大政党の政権交代が順次進められ、自由と民主主義が台湾において完全に定着したことが証されたのである。


膨張する中国のいよいよ強まる風圧のもとで「小国寡民」の台湾が、自らの生存空間を確保し、中国を牽制し、さらに国際社会からの支持を取り付けるには住民の「民意」にもとづく民主主義ほど強力なものはない。実際のところ、民意である台湾の「現状維持」願望に逆らって昨年末にシンガポールで開かれた中台首脳会談は、形は国共分裂後初の歴史的会談ではあったものの、馬総統が習近平国家主席から得たものはほとんどなかった。


台湾の対中貿易・対中投資依存は馬政権下で急速な深化をみせ、これを促す「両岸経済協力枠組協議」(ECFA)と称される自由貿易協定(FTA)を結んで対中経済関係の制度化にまで踏み込んだこれが台湾企業のビジネスフロンティア拡大に資したことは確かだが、近年の中国の成長減速は台湾に手ひどい負の影響を与えている。何より、後退不能なまでに深い対中経済依存は台湾が中国にのみ込まれる政治的要因にもなりかねないという危機感を住民に抱かせてしまった。「両岸サービス貿易協定」に反対する大学生が大挙して立法院(国会)に乱入、占拠したという一昨年春のできごとは記憶に新しい。協定が成立すれば多くの産業分野への中国企業の参入により台湾の雇用が奪われ、対中依存が決定的になることへの人々の拒否反応を誘い出し、これが学生の「ひまわり運動」に対する支持を大きく広げる要因となった。


≪蔡氏は中国の手ごわい存在に≫


馬氏は「92年コンセンサス(合意)」をもって中台首脳会談に臨んだのだが、民進党はそのような合意は存在しないという立場である92年合意とは、双方が「一つの中国」を求めるものの、その内容については台湾側が「中華民国」を、中国側が「中華人民共和国」を意味するという内容のものだといわれる。合意文書もなく当時の総統・李登輝氏や、台湾側代表として92年会談での交渉に当たった辜振甫氏もその存在を認めていない。習氏は合意が存在するとして首脳会談に臨んだ。総統選で民進党大勝が予想されていた昨年11月時点での首脳会談である。交渉の陰の主役はまぎれもなく蔡氏であった。習氏は蔡氏に向けて中国は「一つの中国」の原則に立っており、この原則を否定するのであれば蔡氏は対中政策において困難に逢着するという警告を発したのであろう。92年合意を民進党が認めなければ台湾の「現状維持」も難しくなろうという威圧を蔡氏に加えたつもりかもしれない。蔡氏が選挙戦に際して自陣営の不利化を回避し、92年合意を争点としなかったのは賢明であった。


蔡氏は習氏から中台首脳会談開催の根拠たる92年合意の承認をいずれ迫られる可能性がある。しかし、蔡氏には「民進党を支持する強靱な民意が存在する、民意こそが最終的な決定者だ」と主張できる民主主義の論理がある蔡氏はタフな政治家であり、中台は「特殊な国と国との関係」だという李登輝氏の「二国論」の起草に深く関与した人物でもある。しかし「台独綱領」などを表面化させていざこざの種を蒔く稚拙な政治家ではもちろんない。住民の広範な支持を取り付けた蔡氏は中国にとって手ごわい存在となろう。


≪日台新時代を拓く好機到来≫


中国との絶妙な間合いを取りつつ、日米との連携強化を求める動きを蔡氏は既に始めている。オバマ政権は昨年12月、ミサイルフリゲート艦2隻を含む総額18億3千万ドル相当の台湾への武器売却を議会に通知した。台湾は日本のシーレーンにおいて波高い東シナ海の南、南シナ海の北を扼する決定的に重要な戦略的位置にある。中国とは異なり台湾は台湾以外に主権を要求する存在ではない。台湾では世代交代が進み「台湾人アイデンティティー」は強まりこそすれ弱まる気配はない。それに台湾はいずれの国に比べても親日的である。安保関連法案の可決も成った。台湾に対する日本の政治・外交的視線がこれまでのように冷たいものであっていいはずがない。安倍晋三首相もまたタフな外交を展開する希有な政治家である。歴史的にも地政学的にみても日台は運命共同体である。日台新時代を拓く好機到来なのであろう。

 



togyo2009 at 15:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 進め!安倍内閣