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外部の鍼灸師の先生から
医鍼薬地域連携研究会・認定鍼灸師へ

「医療連携に対する症例報告を
書いたので見てほしい」

との問い合わせがありました。

内容を少しご紹介すると


歩行障害があり鍼灸院に来所



神経脱落症状が見られるため
鍼灸不適応と判断



近隣の病院へご高診願い。
硬膜外血腫の診断。
緊急手術。


の症例報告でした。

内容も素晴らしかったので
これから学会発表や
専門誌への寄稿をしても良いのでは?
という感想を持ちました。

・・・
一方で、
私たち地域医療連携研究会では
このように緊急性がある事例を
いち早く発見するのも大事ですが

医師や薬剤師、助産師の方など多職種と
連携・協働・役割分担をしながら
ともに患者さんを診ていく事例

も大事にしています。


一例をあげると・・・

慢性疾患である機能性ディスペプシア
(胃の機能障害)
が、西洋医学の薬で改善せずに悩んでいた。



鍼灸治療に期待し鍼灸院に来所。
エビデンスなど説明し漢方内科も紹介。



漢方内科と鍼灸院を併用し、
体調が改善した例


などがあります。

これから高齢化社会を迎えて
ますます地域医療連携の重要性が叫ばれる中
(参考文献1)
なかなか鍼灸師は医療連携の輪に入れない
実情もあります。

医師や介護関係者、
薬剤師や助産師の方など

鍼灸がどのようなもので
どのような時に役に立ち
どのように貢献できるのか?

残念ながらあまり伝わっていない、
と感じることも少なくありません。


しかしながら、上記のような
連携しながら・協働しながら

「うまくいった事例」

を症例報告として発表し
集めていき、ほかの医療職の方々にも
鍼灸の良さを知っていただければ
より一層、

鍼灸師が社会の役に立てるのではないか?


とも考えています。

私たちが目指す方向は

鍼灸師だけで完結せず、
また現代医学を否定することなく
医療の輪に入り貢献していきたい


という点にあり以下のような
病院受診を促すルール
徹底しています。

病院への受診が遅れることで
患者の不利益が生まれることもあるため、
そうしております。


■ 医鍼薬地域連携研究会のルール 


1、初診でも診断がない場合は
病院への受診を促す

2、3回程度鍼灸施術を続け
変化が見られない場合かつ
医師診断がない場合は
病院への受診を促す

3、ドックや検診を1年以上
受けていない方には
検診を促す


>>

お問い合わせいただいた
鍼灸師の先生のお名前を出すことは控えますが
非常に素晴らしい症例報告でした。
お礼申し上げます。

それぞれの与えられた環境で、
それぞれに医療連携を実現しながら、
より良い開かれた鍼灸界を作っていきましょう。



PS

11月の医鍼薬地域医療連携研究会の勉強会は
一般参加はありませんが
皆で症例検討会を予定しています。
後日こちらでも
その様子をアップさせていただきます。


参考文献1
社会保障制度改革国民会議報告書

(4)医療と介護の連携と地域包括ケアシステムという
ネットワークの構築 より