高須クリニックの高須院長は直球勝負の言動や震災時のヘリコプター救援活動など、その行動力は喝采されることが多く、筆者も尊敬の念を抱いております。
その高須院長が美容医療を巡る衆院厚生労働委員会の論戦での民進党の発言に噛みついて、マスコミに大きくとり上げられています。
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高須克弥院長、大西健介民進議員と蓮舫代表を提訴へ 厚労委の「陳腐」発言で名誉毀損と損賠1千万円

美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が18日、17日の衆院厚生労働委員会で民進党の大西健介議員が美容外科の広告に関連する質問の中で、同クリニックのCMを「陳腐」と発言したことに対し、19日にも名誉毀損(きそん)で1千万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴することを明らかにした。党代表としての責任を問い、蓮舫氏に対しても連名で提訴するという。

大西議員は厚労委で、エステ店が系列の美容外科に顧客を引き渡す悪徳ビジネスが誇大広告で集客している実態について質問。その中で、「大量の陳腐な」テレビCMを流している美容外科があるとして、「皆さんよくご存じのイエス○○クリニックみたいに」と発言した。

高須院長はその発言に激怒し、18日のブログで「高須クリニックはエステで集客しない。誇大広告のチラシもまかない。きちんと落とし前をつけてもらう」と記載した。

産経新聞 2017年5/18(木)|ヤフーニュース


これに関しては高須院長が怒るのも理解はできます。
強引な美容医療の勧誘を行う悪質医院を糾弾する文脈の中で、高須クリニックの有名なテレビCMの「イエス!○○クリニック」というフレーズを持ち出して、それを「陳腐」と衆院委員会という公の場で指摘されたら、高須クリニックが悪質勧誘をしているような印象を視聴者に与えてしまいます。
事業者として、そのような無神経な発言は許せないという心情は痛いほどわかります。

民主党政権は大きな期待を受けて誕生したにもかかわらず、成果を出せずに野党に転落し、批判ばかり言って気楽な立場だという国民の印象があるように思いますが、高須院長の反論が正論であるだけに、余計に民進党が悪いというイメージが高まったようです。

ただ、これが「民進党が高須院長に喧嘩を売って返り討ちにあった」という話で終わってしまうことを危惧します。
なぜなら民進党の大西議員が指摘した美容外科の悪徳勧誘の問題というのは現実に起きていることであり、それを法規制によって解決していくことが必要だからです。
そうした本質的な美容医療を巡る契約トラブル問題がある中で、大西議員の失言ばかりがクローズアップされるのは議論が本道から逸れてしまうのではないかと危惧します。

美容医療を巡る契約トラブル問題については、本ブログでも何度も過去記事でとりあげています。


消費者庁は「美容医療サービスに関する状況‐特定継続的役務提供への追加要否の観点から‐」という資料を公表し、それによれば美容医療サービスの消費者相談件数は2011年度には1,558件であったのに対し、2014年度には2,377件に増加しています。約1.5倍の増加です。
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※消費者庁の公表資料(美容医療サービスに関する状況)より


国民生活センターは、「プチ整形」「レーザー脱毛」「豊胸」「脂肪吸引」等に関する広告が、雑誌やテレビ、チラシであふれており、その販売方法や広告に問題のあるものや、医師が行う美容医療施術において、皮膚障害や熱傷など危害を受けたという苦情相談が寄せられていると報告をしています。

また、「フェースリフト」という美容医療を受けた後に痛みが残ったなどとして、全国47カ所に展開する医療法人(東京)に損害賠償を求める集団訴訟が相次いだこともマスコミ報道されました。

国民生活センターの報告によれば、「消費者が雑誌やネットで知った美容クリニックに出向いて、強く勧誘をされその場で高額な手術をしたが支払いが出来ない」、「ネットで手術の予約をしたが思い直してキャンセルしたところ高額な違約金を請求された」、「手術後に激痛が続き生活に支障が出たが、そのようなリスク説明は事前にはされなかった」等の相談例が紹介されています。

美容医療の分野は、コンプレックスのある部位についての手術が多く、経験者も手術を受けたことを秘密にする傾向があります。
そのために情報収集もテレビCM、雑誌、ホームページなどから判断をするしか無く、そうして恐る恐る訪ねたクリニックで、一方的な情報を提示されて強引に契約を勧められる実態があるようです。

医師の美容医療サービスもクーリングオフや広告規制の対象に?|遠山桂ブログ(2015年09月17日)


美容医療では、このようなトラブルが多発した実態があり、特定商取引法で美容医療も特定継続的役務の指定をするとか、医院のホームページに関して広告規制を導入するべきといった議論があるわけです。
そうした悪質な美容医療の事業者を取り締まるための議論が本筋であって、その趣旨には高須院長も異論は無いのではないかと思います。

その議論の中で、流れ弾のように大西議員による名誉棄損の発言が飛び出したのですが、それに対して高須院長が反論するのはもっともなことです。
ただ、それを報道するマスコミには、高須院長と民進党のバトルのみを面白おかしくとりあげるのではなく、美容医療で起きているトラブルの実態についても同時に報道して頂きたいと願うばかりです。

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