「夏のせいかしら」稽古日記

2007年09月17日

終わったーー!!!

ってなわけで、このひと夏をかけた舞台公演
《夏のせいかしら》
が、無事千秋楽を迎えました。

最終日は、公演前は気楽な気持ちでいたのですが、本番はやたらと緊張した・・。
というか、なんか気が散ってしまった。

客席も正直定員オーバー気味に入れてしまい、かなりギュウギュウ状態。
裏ではなぜかスタッフがものを倒したり、ゴソゴソうるさい。
そのことばかりが気になってしまい、集中が切れかけてしまったことが何回かあった。
しかし、なんとか最後の歌もでたどり着く。

さあ、この芝居一番の難関だったアカペラ。

「とにかく間違えないようにやろう」

と思い、歌いだした。

しかし、かなり最初から浮き足立っていた私は、声も上ずり状態。
しかもなぜか途中で、歌詞を忘れそうになり、心の中はもうアタフタしまくりだった。
でも最後のほう、

「ああ。これでもう歌うことはないのだな。」

と思ったら、急に感慨深くなってきてしまった。
そして、最後、歌の楽しさで笑うシーンで、私はなんか泣きそうになってしまった。
でもきっとこれは役としてではなく、東條織江個人としての今までの苦しみとか、悩みとかから一気に開放されるという思いが強く出てしまった結果。
決して達成感とかではない。
確実に安心感だった。


そして千秋楽終了。

大きな事故もミスもなく、無事終了。そう無事。


今回は本当に、プレッシャーとの戦いだった。
何度もここにも記してきた、歌や芝居に対する、コンプレックスや内面的な弱さとの戦い・・・。

正直、今の私に達成感はない。
もっと何かできたのではないかという気持ちが残る。

決して手は抜いていない。
今の自分にできることは全てやった。
これほど自分に向き合い、自分にプレッシャーをかけ、自分と闘った舞台はないかもしれない。
でも、そのたびに、自分の不甲斐なさ、情けなさに出会った。
自分を信じてみることもあった。
本番は、胸を張って舞台に立った。

でも、ここでは終われないと強く思った。

今回、お忙しい中、舞台に足を運んでくださった、たくさんの方に感謝。
私の情けないところ、お馬鹿なところ、強いところ、弱いところを目撃していただいたことでしょう。
また、感想などお聞かせいただければ幸い。

これから私はまた一からオーディションを受け、仕事を探す日々が始まります。
今回学んだ大きなことは、これからの私の活動に大きく関わってくることでしょう。

そしてこの一ヶ月、一緒に歩んでくれた素晴らしき仲間に感謝。
ここまでドップリと芝居漬けな日々を一緒に過ごせたことは、一生忘れない、忘れられないでしょう。
これから芝居で苦しんだとき、楽しいとき、あらゆる場面でこの日々は思い出され、私の力となる。
私の原動力になる。

そんな稽古。そんな芝居。

まもなく私は一歳年を重ねる。

今年一番の輝いた日々。

この輝きをこれからも活かし続けたい。

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2007年09月16日

三日目!!!

さあ本日は14時公演。

なんか朝からヘン。
なんか昨日の緊張が嘘のように緊張しない。

劇場に入ってもなんかフワフワ。
慣れて来たからなのか?
やばい。これじゃあ、何かしでかしてしまう。

そんなことを思ってると、本番直前になって、例によってド緊張がやってきた。

「あ〜、辛い〜。何で舞台なんてやってるんだろう〜。」

ってマイナス思考が楽屋を駆け巡る。

しかし今回、そんなグダグダの私の心の支えになってくれる女性がいた。

それはもう一つのチームの「森若さん」と「きーぽん」

今日も皆でお店やったら儲かるんじゃないかなんて話で盛り上ってたら、いつの間にか本番の時間になっていた。
いつも苦しくて逃げ出したくなる時間が、この三日間楽しいのはこの愉快な二人のおかげに他ならない。

楽屋入りするまでほとんどしゃべったことの無い二人。
素晴らしき才能を持ちながら、決してオゴルことなく、私とバカ話をしてくれる。
あっという間に私はファンになってしまった。

本当に今回は素晴らしき人と出会う。
影響を受ける。
たくさんのものを貰う。

私は果たして何かを与えているのか。
何かの役に立っているのか。

常に考える。

自分の価値。
自分の意味。


公演もいよいよ明日、千秋楽。

今までとは違う。
この気持ち。
これは何なのか。

その答えは明日、出る。

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2007年09月15日

ビックリどっきり二日目終了!!

さあ、『夏のせいかしら』二日目が終了しました。

が、しかし、今日はビックリした。
何がって、お客さんの乗りが異常に良かった。
ってか、始まる前に暗転になると同時に
「よっ!!」
って掛け声とともに、会場が拍手でわいた。

こんなことは初めてだった。
お客さんが、舞台を一緒に楽しもうとしている。心待ちにしている。
そして、舞台そでで思った。

「間違いなく掛け声はうちの親戚だ・・。」


そして舞台はその流れに乗った。
会場中が笑いに満ちた。
お客さんが、私達の一挙手一投足に反応する。

しかし私は常に冷静さを保とうとした。
とてもこの笑いの空気を楽しもうとは出来なかった。
確かにワクワクはしていたが、それ以上にドキドキしていた。
いつも異常に手に汗をかいていた。

ノミの心臓だった・・・。

しかし、今日一つ、一回だけその流れに私は乗った。

それは歌のシーン。
初めてお客さんの顔をはっきりと見て歌った。
それは、今まで緊張するから避けていたこと。
でも、今日は、どうしても見たくなった。
今日のこの舞台を一緒に作ってくれたお客さんの顔をみながら、感謝しながら歌った。

とてもうれしかった。
楽しいではなく、嬉しかった。

なんだろうか。

皆で、一緒に作り上げた舞台。
今までで一番そのことを感じた。


さあ、明日は14時からの公演。
今日は今日。
明日はまた明日のお客様と舞台を作っていく。



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2007年09月14日

『夏のせいかしら』初日終了!!!

いや〜なんとか無事?終了しました初日。
ちょっと緊張してしまいました・・・歌。

歌まではなんとか落ち着いて出来たはずだったのですが、なんか急に緊張してしまって、声がかなり震えてしまった。
優しき観客いわく
「泣いてるのかと思った」
とのこと。

いかん。
緊張しているとバレルのも困るが、泣いてると思われるのもより一層困る。
今回は、そんな話ではないのだ。
大人のコメディーのはず。

昨日は家に帰ってから、本日の45分間を一人で再現。
意外と全てのシーンを覚えていた。
そして、ダメダシをこなせなかったところ、上手くいったところを確認。
二回目公演に備える。

本日は休演日。
別のチームのリハーサルを今から観に行く。
何か得るものがきっとあるに違いない。
より一層、自分の演技に磨きがかかるよう、まだまだ努力は怠らない。

あと三日。
どうやら席のキャンセルがいくつか出てきた。
皆様是非お越しくださいませ。

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2007年09月12日

チケット完売!!!!

な、な、なんと今回のお芝居前日にして、全ての公演チケットソールドアウトとなってしまいました!!!!
感謝と共に、観に行こうと検討していただいてくださった方、本当にすいません!!
もう既に何名かの方にはお断りの連絡をさせていただきましたが、もしかするといくつかキャンセルが出る可能性がありますので、もしまだ検討中の方は、一度私のほうまでご連絡くださいませ。

いや〜、ビックリです。
こんなこと初めてです。
気合が入ります。

今日の場当たりは、ほとんど通しかといわんばかりの緊張感の中でのあわせでした。
ゆえに、台詞を何度かトチリそうになりましたが、昨日身に付けた
『自信を持ってつっぱしれ精神』
のおかげで楽しく稽古出来ました。

明日はリハーサルを経て、とうとう本番です。

知人が15人観に来ます。

俄然やる気が出てきました。

さあ、夏組、出発です!!!!!

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2007年09月11日

どん底を見る

今日は稽古場にての最終稽古。
明日は小屋入り。

なのに、ここにきてどん底を見た。

スランプ・・・・。

なぜここに来て、今更!?ってくらい、ひどい通し稽古をしてしまった。
原因は、プレッシャーと頭でっかち。

「ここはなんて注意されたっけ?」
「あ〜、またやっちゃった。」
「この台詞間違えたらどうしよう。」
「お客さんの前で失敗したらどうしよう・・・。」
「テンポをもっとあげなくては・・。」

そんなことばかり考えて、途中で完全に心が折れてしまった。
情けない。
本当にどうしようもない。

共演者の方に本当に失礼なことをしてしまった。

家にかえってから、一気にぐったりしてしまった。
このまま寝てしまおうかと思ったが、ここで逃げるわけにはいかない。
この弱い自分を野放しにしてはいけない。
こんなくだらない自分が舞台に立つなんて失礼極まりない。

そう思い、今日のダメダシをじっくり検討。

すると全て、心が折れていたとき、いらんことを考えていたときに起こした行動についてダメをもらっていた。
あ〜、情けない。
あ〜、くだらない自分。

で、思った。
今までの稽古のことを。
この一ヶ月、皆で築き上げてきたもののことを。

そして結論。

「私は、私を信じるべきだ。」

仲間を信じるのはもちろん。
でもその前に、自分自身を信じられなくてどうする!!って思った。
謙虚は大事。
でも自信を持って舞台に立てないのなら、立つ意味が無い。

何度も何度もそう思ってきた。
しかし、油断するとすぐ心が折れてしまう。
そんな自分が嫌い。
でも、この自分しか表現できる術は無い。
ほかの誰でもない、この
『東條織江』
しか、この舞台に立つ者はいないのだ。

もう一度信じよう。
そしてもう一度考えよう。
私は今まで何を学んできたのか。
何を感じてきたのか。
何を表現したいのか。

私は何のために役者の道を選んだのか。

外の雨が私の心を振るわせる。

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2007年09月10日

なんと!!

13日と15日が満席となってしまいました!!!

びっくり。

今回は集客が良いとは思っていたのですが、この時点で二日間満席になるとは前代未聞!!

残すは16日(日)14時からと17日(月)17時からのみっ。

皆さんありがとうございます。
そして、まだ観に行くか迷ってる方、お早めにお申し込みくださいませ。


そして今日は、稽古場を変えての通し稽古。
なんかうまくは行かなかった。
力が入っていたわけではない。
逆に抜けすぎていたかもしれない。

ダメダシをもらって、そのままカラオケボックスへ直行。
二時間ばかし、一人でカラオケと台詞の稽古。

なんとなく台詞は感じを掴んだが、またもや歌に迷いが・・・。

解決したと思ったら、また溢れだす問題。

稽古すればするほど課題が増える。
本番まで持ち越したくは無い。
ひとつひとつクリアーにしていく。

尽きない作業。
尽きない悩み。
そして終わり無き探求。

さあ、本番まで後三日!!!!!

tojoorie at 21:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年09月09日

今週木曜開始!!!

さあ、とうとう今週、13日の木曜日から本番が始まります。

日程
13日(木)19時〜
15日(土)19時〜
16日(日)14時〜
17日(月)17時〜

場所
ウッディーシアター中目黒

料金
3500円

です!!


出来?

今回は正直まだわからないのでし。

もちろんこのまま行けばかなりの自信作。

でも、今回は舞台上でまだまだ化学変化の最中なのです。
本番でいったいどれだけ進化するのか。
どれだけ心が動くのか。

失敗は許されない。
それゆえ恐れと、緊張と戦いながら本番を迎える。
しかし今回は、私も読めない自分がチョコチョコ顔を出す。

決して暴走はしない。
しかし自分に嘘はつかない。
そして自分に酔わない。

冷静に、楽しむ。
ストイックに楽しむ。
自分を、仲間を信じて。

『自分を信じた今日に感動を。同じ心持つ者に成功を』

私大好きな、ある歌の歌詞。

今、とても心に響く。


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2007年09月06日

通し稽古

本日稽古始まってからの三回目の通し稽古。

今回は本当に贅沢に時間を使っている。

七時間の稽古時間のうち、約50分の芝居の通しを最後に一回のみやる。
それまでは、部分稽古を何回も何回も丁寧に、感情の表現を中心にやる。

だからこそ恐い。

今までの、今日一日分の成果がそこに表れる。

何十個と受けたダメダシをクリアーしながら、また、新しく生まれる化学反応に対応していく。

正直、まだ、通し稽古が恐い。
決して楽しくは無い。
一つ一つこなさなくてはいけないことを冷静に、正しく行なっていく。
苦しい。

でも、それはとても重要なこと。

この苦しみの上に、本番は成り立っていく。

これこそ、私が望んでいたもの。
自分達がキモチよくてはいけない。
お客様が喜んでくれてこそ気持ちいい。
とはいえ、

「どう、すごいでしょ。」

って、自信満満に気持ちよくなってしまうこともある。

いかんいかん。
もっともっとストイックに生きなくてはならない。

演出家に言われた。

「お客は、この舞台は一回きりしか観ない。これが生まれてはじめての舞台かもしれない。言い訳は通用しない。」

グサッ。

笑って誤魔化せない言葉。事実。現実。

稽古も残り5日。

気を引き締めて、自分により一層厳しくなる時期がきた。



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2007年09月05日

歌を歌う

本当に歌は難しい。

今日は一時間ばかし私の歌の特訓。

歌の特訓といってもボイトレとは違い、内面の特訓。

なぜこの歌を歌うのか。
なぜ今歌うのか。
どういう気持ちで歌うのか。
何のために歌うのか。

昨日の飲み会の席で、ゆるんでいた私の心はグッと引き締まった。

夜中3時まで、もう一度今回の役というものについて考えた。

そして今日から包み隠さず、貪欲に、挑戦していこうと誓っていた。


そしていきなりの、歌。

今回の一番の要。

舞台の空間を自由に使い、いつ歌っても、どんな風に歌っても良いとされた空間で、私はイロイロな思いを込めて歌を歌った。
時にはたくましく、時には優しく、時には感情が暴走し涙し、時には笑顔で楽しく歌う。
私の思い全てを出し切った。
いったい何回歌ったのだろう。

幾度かダメダシを受け、直しながら歌う。
しかし、今までとは違う。
言い訳も、照れもない。

ただ、自分の気持ちに素直に従い歌う。
ただ、今の気持ちを証明するために歌う。

結局そのレッスン中にはうまく歌えなかった。
しかし、少し、そのシッポは掴んだ気でいた。

そして本日の稽古ラスト15分。
佳境の場面で、私の歌う所がやってきた。

その時、私の気持ちは今までとは全く違うものだった。
今日の稽古、皆が今まで以上の感情と、優しさをプレゼントしてくれていた。

私はただ、その気持ちを受け、しかし感情過多にならないよう、自由な気持ちを持って歌を歌った。

初めて演出家からオッケーが出た。

ああ・・・って思った。

これなんだなって。

果たしてこれが毎回出せるかは分からない。

多分同じことをなぞろうとして何度か失敗するかもしれない。

でも、この歌は一人で歌っているのではないと今日確信。

皆がいるから歌える。
皆の助けで私はここに凛として立てる。

今までは感謝のみだった。
これからは、もっと皆の力に、影響を与える者になりたい。
そう強く思った。

今日はなんて素晴らしき日だったのだろう。

明日は、もっともっと成長したい。


もっともっと凛と生きたい。



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