2010年03月24日

ローマ人の物語34/【12】迷走する帝国(下)3

ローマ皇帝が敵の捕虜になるというローマ史上初めての不祥事は、多民族国家である帝国のあらゆる面に影響をもたらしていた。この不祥事はローマ皇帝の権威失墜であり、帝国を守る軍団の分裂を招き、世にいう「三十人皇帝」の時代に突入する。出身地方も出身階級も、以前の非常事態が常態になっていくのは、社会の変動が激化している証でもあった。

ローマ人の物語〈34〉迷走する帝国〈下〉 (新潮文庫 し 12-84)ローマ人の物語〈34〉迷走する帝国〈下〉 (新潮文庫 し 12-84)
著者:塩野 七生
販売元:新潮社
発売日:2008-08-28
おすすめ度:4.0
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このまま滅亡してもおかしくない帝国を、軍団出身の皇帝たちが、あきらめることなく対処していく姿には感心させられます。それに引きかえ、元老院という組織のなんと無意味なことか。悲しくなりますな。

続く・・・

MEMO
ローマ人の物語34/【12】迷走する帝国(下)
〜三世紀の危機〜
塩野七生 著
新潮社

皇帝捕虜の不祥事は、帝国の衰亡と感じた北方蛮族に勇気を与えることになってしまった。そして、3世紀後半の帝国の人の流れは、パスク・ロマーナの時代の人々の往来とは違い、蛮族の来襲から逃げる難民たちになった。疫病の流行の頻度も増すが、それは戦火を逃れる難民が増加していたからである。あらゆる面で余裕を失っていた帝国は、インフラ面のメンテナンスでさえも手がまわらない状態だった。

紀元270年、騎兵団長出身のアウレリアヌスが帝位に就く。彼は、内政改革を断行し、安全保障面でも果断な指導力を発揮した。そして、ガリアとパルミラの独立で三分されていた帝国領土の再複に成功する。皇帝ヴァレリアヌスがペルシアに捕らわれた紀元260年以来、皇帝ガリエヌスが8年をかけ、そのあとを継いだ皇帝クラウディウス・ゴクティスがさらに2年と、二人の皇帝が合わせて10年をかけても成し遂げられなかったことを、アウレリアヌスはたった4年で成し遂げたのだった。元老院は「帝国を再興した者」という尊称を満場一致で可決した。帝国の再統合は、単なる領土の回復ではなく、帝国の機能の再回復と考えるべきことだった。



tokehappy at 00:20│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote 他/書籍音楽 

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