001_外観1

もう何年も中断したままになっている磯崎新連刊画文集「百二十の見えない都市」第二期のエディション制作は今年こそ完成させないと、予約購読されているパトロンの皆さんに顔向けができない。
ほんとうに申し訳ありません。
この月末には80歳を迎え(とてもそんな風には見えない、同じ蟹座ですがこの調子だと亭主の方が先に逝くことになりそうです)ますますお元気な磯崎新先生がまた本を出されました。
雑誌『芸術新潮』2004年6月号の特集<磯崎新 日本建築史を読みかえる6章>を増補、再編集した『日本の建築遺産12選』が新潮社のとんぼの本の一冊として刊行されました。
磯崎新_日本の建築遺産12選600
磯崎新著
『日本の建築遺産12選
語りなおし日本建築史』
2011年 新潮社 
125ページ
1600円(税別)

いわば磯崎先生による日本建築史ですが、<僕にとっての「建築」とはなにかと問われたら、それは「構築する力」であるとこたえたい。人間をつつみこむ自然のうちにあって、その時代に利用可能なテクノロジーをもちいながら、目に見える非自然・人工の存在を構築しようとする意志といとなみ。それが近代の、すなわち西欧起源の建築手法をまなび、実践してきた僕が理解する「建築」です。>と言い切って、「構築する力」を感じさせる古代から20世紀まで12件の建築を選んでいます。
そのキーワードは「垂直の構築」と「水平の構築」。
例によって磯崎先生の好きな12尽くしで選ばれたのは、出雲大社、伊勢神宮、浄土寺浄土堂、唐招提寺金堂、円覚寺舎利殿、三十三間堂、三仏寺投入堂、西本願寺飛雲閣、さざえ堂、修学院離宮上の御茶屋、代々木オリンピックプール、水戸芸術館アートタワー。
法隆寺や平等院、桂離宮などの有名建築はなし。
近代100年のあまたある建築の中からは師・丹下健三の代々木オリンピックプール(磯崎先生も当時の丹下研スタッフとして関わった)と自身の水戸芸術館アートタワーをあげるなんて磯崎先生しかできない芸当ですね。
日本建築を語りながら、西欧建築にも縦横無尽に話が飛ぶ。
建築好きの方、必読の書です。

この本の中には、スケッチブックに筆を走らせる磯崎先生のスナップがいくつか掲載されています。
どんな旅にもスケッチブックを持参し、描き続けてきた。学生時代からのそれらスケッチブックの量は膨大です。
だから、版画をつくるときも、すらすらと私たちの眼の前で版に直接描き出せるんでしょうね。
●磯崎新画文集「栖 十二」は植田実さん企画による名著ですが、オリジナル版に挿入された版画は磯崎新先生がエッチング技法で制作されました。
下の3点は大徳寺孤篷庵忘筌を描いたもの。
磯崎新第一信より 挿画31 (A)600磯崎新 Arata ISOZAKI
栖 十二 挿画31
1998年 銅版・手彩色
10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.) サインあり

磯崎新第一信より 挿画33 (A)600磯崎新 Arata ISOZAKI
栖 十二 挿画33
1998年 銅版・手彩色
10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.) サインあり

磯崎新第一信より 挿画34 (A)600磯崎新 Arata ISOZAKI
栖 十二 挿画34
1998年 銅版・手彩色
10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.) サインあり

●「闇」の連作は、奈良の「なら100年会館」をモチーフとした作品です。
磯崎先生はこの作品がお気に入りで、アトリエの客を迎えるミーティングルームにはこの作品が掛かっています。
磯崎新「闇1」小磯崎新 Arata ISOZAKI
「闇 1」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

礒崎新「闇2」小磯崎新 Arata ISOZAKI
「闇 2」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

●「影」連作は、アメリカのティーム・ディズニー・ビルディングがモチーフ。
池に囲まれた建物を大胆に抽象化しています。
礒崎新「影1」600磯崎新 Arata ISOZAKI
「影 1」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

礒崎新「影2」600磯崎新 Arata ISOZAKI
「影 2」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

●「霧」連作は、秋吉台国際芸術村(山口県)がモチーフで、今はない初期の大分の住宅を再現したものや、今回の本でもたびたび言及している列柱の美しい文字通り名建築です。
礒崎新「霧1」600磯崎新 Arata ISOZAKI
「霧 1」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

礒崎新「霧2」600磯崎新 Arata ISOZAKI
「霧 2」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

礒崎新「霧3」600磯崎新 Arata ISOZAKI
「霧 3」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

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◆ときの忘れものは、2011年7月26日[火]―7月30日[土]「クレー、カンディンスキーと恩地孝四郎展」を開催します。

◆ときの忘れものは、2011年8月5日[金](プレス、招待客のみ)、6日[土]、7日[日]にウェスティンナゴヤキャッスル9Fで開催される「ART NAGOYA 2011」に出展します。
ときの忘れもののブースは908号室です。

◆ときの忘れものは、2011年8月8日[月]―8月15日[月]まで夏季休廊となります。夏休みをとるのは数年ぶりですので、営業日に関してどうぞお間違いのないようお願いいたします。

今月のWEB展は福田勝治展です。

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