ART NAGOYA 2012 レポート3〜新澤悠

ArtNagoya2012Logo

ART NAGOYA 2012、現地より第三信をお送りします。

土曜日、一般公開初日です。本日も天気は一面の晴れ間。どしゃ降り続きだった大阪の時とはエラい違いです。朝、ホテルから出た瞬間の熱気に早々にゲンナリとさせられ、丁度目の前に空車のタクシーが来たので衝動的に飛び乗ってしまったのですが、どうにも居心地の悪さが。やはり根っからの貧乏性である自分にとって、一人でタクシーに乗るというのはハードルが高かったようです。

ともあれ、一般公開です。週末初日ということもあって人の出入りは良好。来場者数は金曜日より遥かに多くなりました。しかし、そうなると展示の粗も浮き彫りに。ベッドに設置したハ・ミョンウンの作品の位置が低すぎて見る人が皆腰を下げなければいけなかったり、近づいて細部を見てほしいジョック・スタージスの写真がベッドが邪魔で近寄れなかったりと、不満点が次々と。これはいかんと人が少なくなった時間から配置換えを開始したのですが、ここで今回最大の事件が! 作品の位置替えをした際に、フックの取り付けが甘かったせいで、額が落ちてしまったのです。幸いガラスではなくアクリル板入りの額だったので、破片が床に、などということはありませんでしたが、額の下部分が外れてしまう事態に。最終的に額の上下を入れ替えて補修することで何とか収まりましたが、仕出かしてしまった身としては情けないやら恥ずかしいやら。少々場数を踏んだからといって、気は抜けないという事を身を以て学ばされました。

この後は終了時刻間際にハ・ミョンウンと草間彌生の作品が売れたこともあり、展示作品の大部分を再配置することになりました。

以下が新しい展示風景です。
2-01入り口。
売約となった草間彌生の「朝が来たE」の代わりに、バスルームから五味彬のヴィンテージコンタクトプリントを移動。

2-02壁に立て掛けてあった細江英公とエドワード・スタイケンを壁に固定。

2-04ベッドの上に置くだけだったジョナス・メカス、細江英公とエドワード・スタイケンの写真作品を、向きを変えて角度を付けて配置。

2-05ベッドの頭側の壁に永井桃子の油彩画を移動。

2-06梱包用の箱を下に敷いて高さを付けて見易くなったハ・ミョンウンの立体作品。

2-07テレビとテーブルの上に移動して、近くで見れるようになったジョック・スタージスの新作写真。

2-08一纏めにされた安藤忠雄、磯崎新、光嶋裕介の建築家陣による版画作品

2-09入り口に移動した五味彬作品の代わりに永井桃子のドローイングを展示。

2-10バスタブを囲う尾形一郎 尾形優の「ウルトラバロック」シリーズに隣り合うように追加展示された同作者による「室内の砂丘」シリーズ。

終了時間前にあーだこーだと検討しておいたので、7時の閉場後の配置換えはスムーズに進み、8時頃には完了。新しいレイアウトに満足して、夕飯へくり出しました。ちなみに夕飯の献立は名古屋名物味噌煮込みうどん。手羽先は初日に食べたので、後は味噌カツを食べれば名古屋名物はコンプリート……と、言っていいのでしょうか? 

開けて翌日、日曜日。
新しい配置の効果は上々のようで、来場者の滞空時間も長めになった様子。
本日は最終日ですので、恒例の他ギャラリー作品のピックアップ(敬称略)をしたいと思います。

CIMG3686北井画廊(東京)

Ivo Sans「Calaceit」(上)「Vent」(下)
先日手羽先を食べたせいか、見た瞬間「地鶏みたいだ」などとトンチキなことを考えてしまいましたが、もちろんそんなハズはなく、材質のテンションとバランスによって重力や時間、空間を表現しているそうです。
CIMG3687

CIMG3695gallery feel art zero(名古屋)

内田鋼一「Untitled-01」
今回のアートフェアに合わせて制作された作品で、部屋が決まった時に作家が訪れ、窓から見える名古屋城を囲うように組まれたそうです。
CIMG3694内田鋼一「黒陶・朱陶多面体立体」
15の立体を空間に散し、その空間そのものを作品にするという豪快なコンセプトの一品です。

CIMG3702hpgrp GALLERY TOKYO(東京)

窪田美樹「刺青」シリーズ
どのようなものかといいますと、見た目通り刺青の図柄を立体化したものなのですが、その表面を図柄を撮影した写真を千切り絵のように細かくばらして折ったり丸めたパーツを貼付けて色付けを行っているという、一風変わった作品でした。
CIMG3705

CIMG3809YEBISU ART LABO + STANDING PINE(名古屋)

荒井理行「rolling reality」シリーズ
自分の写真だと分かりにくいですが、作品の一部に実際の報道などで使われた写真があり、その世間に報道されたイメージの「外側」を作家が自分の想像で補完するという作品になっています。
CIMG3811

CIMG3814GALLERY APA(名古屋)

加藤雅也「コーラス」
他にも子供を題材にした作品のみを展示されていましたが、運動会、学校帰りの寄り道など、どれも賑やかで明るさを想像させるシーンでありながら、実際のイメージは空虚であることが印象的な作品でした。
CIMG3820藤掛幸智「vestige」
見た目とても柔らかそうに見えますが、材質はガラス。ガッチガチです。

CIMG3823nap gallery + Bambinart Gallery(東京)

鈴木勇士「telegraph pole(smoker)」
色彩もある、直線もブレている、にも関わらず、妙に機械的というか「無機質」な雰囲気を放つ作品。
CIMG3825本城直季「small planet -Tokyo Japan 2004-」
実写写真にも関わらず、改造カメラを使う事によりミニチュアにしか見えないイメージを作り出している作品。以前動画でこういうの流行りましたよね、と画廊の方に話しかけたら、こちらが本家本元とのこと。失礼いたしました。

CIMG3830GALLERY エクリュの森(静岡・三島)

田中毅「ちぇっくん」(左)「はなぽぽ」(右)「たつのこ」(下)
黒御影石という材質から来るイメージにはまったくそぐわない、愛嬌たっぷりのキャラクター像。「名は体を表す」を地で行ってます。
CIMG3835

CIMG3840Galerie Yukiko Kawase(Paris)

Anthony Peskine「救世主」シリーズ
個人的な今回の一押し。本物の紙幣の顔部分をスーパーヒーローのマスク状に切り抜いた作品ですが、昨今の世界経済を考えると、皮肉が効いているどころじゃありません。しかも扱っている画廊の名前が「カワセ」って…
CIMG3838

いささか笑えないアクシデントもありましたが、今回もなんとか終われそうです。

とはいえ、来週には9月のKIAFに出展する作品の選定と配送準備、加えて11月開催のテグアートフェアの申し込み締め切りと、まだまだ忙しさは続きそうです。
(しんざわ ゆう)

◆「ART NAGOYA 2012」は昨日終了しました。
名古屋・魔方陣
ご来場いただいた皆さん、作品をお買い上げいただいたお客様、心より御礼申し上げます。
来年もまたぜひ名古屋でお会いしましょう。

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから