スタッフSの海外ネットサーフィン No.29
「Jonas Mekas: Internet Saga」

Venice Art Biennale 2015
Palazzo Foscari Contarini / Spazio Ridotto / Internet


読者の皆様こんにちわ、ART Santa Feのレポートでお会いしましょうなどと書いておきながら時差ぼけに苦しめられて延期した挙句、記事作成自体が無期延期になってしまいました、スタッフSこと新澤です。
葉栗剛作品画像掲載_新聞の折込600
サンタフェのメディアに紹介された葉栗剛作品。

既に大番頭の尾立さんが書かれた通り、残念ながら今回が初出展であったART Santa Feの結果は売り上げゼロでした。所がこれが呼び水となったのか、ある日突然海外から怒涛の葉栗剛作品の問い合わせが。おかげで自分は休日返上で対応に追われていますが、サンタフェでの落胆を思えば嬉しい悲鳴でございます。

そんなこんなでドタバタしていたせいで、今回またしても亭主にネタをご用意していただくことになってしまいました。今回ご紹介させていただくのは、第56回目となる美術の祭典、ベネチアビネンナーレ。数多くのイベントが開催される中でもときの忘れものと縁が深く、またイベント自体が他と比べて随分とユニークであろう「Jonas Mekas: Internet Saga」です。

20150726_mekas_02

ジョナス・メカスさんによるこのイベントの個性的な点は幾つか挙げられますが、一番はやはりタイトルの一部にもなっているインターネットの活用でしょう。このInternet Sagaのホームページに飛ぶと、そこには画面内をスライドする複数のURLが表示されており、それらをクリックするとメカス、或いは今回のイベントに関する記事を掲載している外部サイトへ、Internet Sagaのインターフェイスが有効なまま移動することができます。サイトのメニューを開けばInternet Sagaについて、作家について、スポンサーやクレジットを見ることも出来ますが、どちらかというとその他のサイトを繋ぐハブとしての役割が強いようです。何せこのサイト、映像作家のイベントのホームページにも関わらず、画像はTwitterやFacebookのアイコン以外一切ありません。

次点で挙げられるのはこのイベントの開催場所です。二会場同時開催というのはときの忘れものでも西村多美子展などで他画廊と共同で行っていますが、このイベントではSpazio Ridottoというベニスでも新しい、特にデジタルメディアを使ったアートを取り扱う展示施設でメカスの映像作品を途切れることなく上映し続ける一方、もう一つの展示スペースは16世紀から残っている由緒あるベニス建築…の中で経営しているファーストフードチェーンをセレクト。なんとPalazzo Foscari Contariniに入っているベニス唯一のバーガーキング店舗で、メカスの映像フィルムを透明なフィルムに拡大したものを窓という窓に貼り付けて展示しています。

20150726_mekas_03Spazio Ridotto内装。
奥で上映されているのは4画面同時表示で進行する"BIRTH OF A NATION"
Photo: Franccois Leturcq - autometrique.com

20150726_mekas_01Palazzo Foscari Contarini内バーガーキングの窓に貼り付けられた作品"In an instant it all came back to me"。
その使われたフィルムの数は何と768枚!
Photo: Giulio Favotto - otium

展示期間は5月6日から11月22日までで、両会場ともに入場は無料です。とはいえ、飲食店に入って何も購入しないというのはいただけませんので、バーガーキングは観光の休憩所がてら寄ってみるのがよろしいかもしれませんが。

インターネットと現実の繋がりを強調するこのイベント、Spazio Ridottoで上映されている映像は勿論ネットでも視聴可能であり、ベニスどころか家から出なくともメカスの公式サイトやイベントの関連ページで観ることができます。今回のイベントの風景をメカスが撮影した動画もあるので、お忙しい方も、蒸し暑い夏の夜長、エアコンを効かせた部屋でキンキンに冷えた飲み物を片手に少しばかりノンビリしてみるのはいかがでしょうか?

(しんざわ ゆう)

*画廊亭主敬白
昨日25日から実に15年ぶりとなるオノサト・トシノブ展が始まりました。
このブログでアメリカでの歴史的な敗北を知り心配されたお客様が次々に来廊され、珍しくにぎやかな初日となりました。おかげさまで赤丸も大物から順番につけることができ、1番、2番、3番、5番、6番、7番、8番、10番が売約となりました。他に版画類は10点ほど予約が入りましたが、多くの場合、複数在庫があるのでぜひご来廊の上、コレクションに加えてください。
画商にとって「売れる」ことが最大の慰安であり元気のもとです。
サンタフェでは売れませんでしたが、禍福は糾える縄の如し、葉栗剛先生の作品への問い合わせが集中的にあり(まさに怒涛の勢い、昨日もフランスから)、スタッフたちはしょげ返るヒマもなく、あまりの忙しさに連日残業しています(感謝!)。

●今日のお勧め作品は、ジョナス・メカスです。作家と作品については、ときの忘れものホームページをご覧ください。
mekas_37_tokyo_08.jpgジョナス・メカス
"Pier Paolo Pasolini, Rome, 1967"

1967年 (2013年プリント)
アーカイバルインクジェットプリント
イメージサイズ:34.0×22.4cm
シートサイズ :39.8×29.1cm
Ed.7
サインあり

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■ピエル・パオロ・パゾリーニ Pier Paolo Pasolini(1922〜1975)
イタリア人映画監督、小説家、詩人。ユーロコミュニズムの代表的存在として積極的な政治活動も行った。作品は一般に難解とされ、特に初期の作品は複雑な台詞と暗示や比喩に満ちている。 1961年に「乞食」で監督デビュー。「アポロンの地獄」、「テオレマ」、「豚小屋」、「アラビアン・ナイト」など強烈な描写を含む問題作を連発した。「ピエル・パオロ・パゾリーニ/ソドムの市」を撮った直後、その作品にエキストラで出演していた17歳の少年に撲殺されたが真相は不明。

メカスさん
2005年10月「ジョナス・メカス展
ときの忘れものにて。
左から、木下哲夫さん、亭主、メカスさん、尾立麗子

「スタッフSの海外ネットサーフィン」は毎月26日の更新です。