「第5回ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート」レポート

 2017年5月23日、南青山の青山CUBEでの最後のギャラリーイベントとして、「第5回ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート」を開催しました。

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20170523_galley_concert_04 スクエア・ピアノの設営・調律風景。
 自分の知る鍵盤楽器の中では小型のピアノですが、搬入のために意外と細かく分解できることに驚かされました。
 今回のコンサートで使用されたスクエア・ピアノはおよそ200年前の物だそうですが、聞いた話では当時の著名な音楽家達は作曲後、曲に合わせて楽器を作り、自分の名前を付けることをステータスとしていたとか。

20170523_galley_concert_05 恒例・亭主の前語り。
 南青山での最後のイベントとあって、話題は今の物件について。
 プロデューサーの大野幸さんは、運悪く(またしても)直前にエジプトでの仕事が入ってしまい、当日は不在でした。

20170523_galley_concert_06 淡野弓子さん、武久源造さん、淡野太郎さんという豪華メンバーの出演に、狭小スペース故の少ない席はあっと言う間に埋まってしまいました。引っ越し先でイベントを開催する時はもう少し席を用意できればいいのですが。

20170523_galley_concert_07淡野弓子さん
(メゾ・ソプラノ)


20170523_galley_concert_11武久源造さん
(スクエア・ピアノ)


20170523_galley_concert_18淡野太郎さん
(リコーダー)


今年のギャラリーコンサートを企画するにあたり、淡野さんがテーマにしたのは「鳥」。第一回目の今回は「Nachtigall 夜鶯」に関連する曲を演奏していただきました。現実のナハトガル(ナイチンゲール)の鳴声は音楽性の「お」の字もないそうですが、人の創作が現実に即していなければいけない理由はなし。三者三様の旋律であっと言う間の1時間半をご提供いただきました。

この後は画廊近所のレストランで打ち上げを行い、そこでも淡野さんの研究テーマであるハインリヒ・シュッツがライフワークとしていた宗教改革者マルティン・ルターの意外な面や彼の訳した聖書に端を発する、日常化してしまったドイツ語のユダヤ人に対する差別的表現など、「これは詳しく描写してしまうと結構際どいのでは?」というお話を次から次へとお聞かせいただき、大変楽しい時間を過ごさせていただきました。

次回のコンサートは10月3日(火)を予定しています。詳細が決まり次第告知させていただきますので、楽しみにお待ちいただければ幸いです。

(しんざわ ゆう)

淡野弓子
淡野 弓子 Yumiko Tanno [メゾ・ソプラノ]
東京藝術大学声楽科卒業。旧西ドイツ・ヴェストファーレン州立ヘルフォルト教会音楽大学に留学し、特に声楽、合唱指揮を集中的に学ぶ。1968年東京に「ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京」を設立、以来2008年まで40年に亘り指揮者としてシュッツ音楽を始めとするルネサンス、バロックから現代に至る数多くの合唱作品の演奏に携わる。1989年に『シュッツ全作品連続演奏』を開始し2001年に全496曲の演奏を終了。歌い手としては、シュッツ、バッハより現代に至る宗教曲、ドイツ・リート、シェーンベルク《月に憑かれたピエロ》を始めとする現代作品の演奏、新作初演など。
 1991年〜2004年、アグネス・ギーベルの薫陶を受けつつ内外のコンサートで共演。2010年より米国にてエリザベス・マニヨンに師事。メゾ・ソプラノ淡野弓子、ピアノ小林道夫による「歌曲の夕べ」を2013年2月および2015年10月(共演:杉山光太郎・ヴィオラ)を開催。2015年5月には井桁裕子制作の操り人形「ユトロ」との共演により『狂童女の戀』(人形操演:黒谷都/朗読:坂本長利/ピアノ:武久源造)を制作・演奏。著書:『バッハの秘密』平凡社新書。CD:<ハインリヒ・シュッツの音楽> I〜IV [SDG/MP]、メンデルスゾーン<パウロ>[ALCD]ほか。

武久源造
武久 源造 Genzoh Takehisa [スクエア・ピアノ]
1957年生まれ。1984年東京芸術大学大学院音楽研究科修了。以後、国内外で活発に演奏活動を行う。チェンバロ、ピアノ、オルガンを中心に各種鍵盤楽器を駆使して中世から現代まで幅広いジャンルにわたり様々なレパートリーを持つ。また、作曲、編曲作品を発表し好評を得ている。
91年よりプロデュースも含め30数作品のCDをALM RECORDSよりリリース。中でも「鍵盤音楽の領域」(Vol.1〜9)、チェンバロによる「ゴールトベルク変奏曲」、「J.S.バッハオルガン作品集 Vol.1」、オルガン作品集「最愛のイエスよ」、ほか多数の作品が、「レコード芸術」誌の特選盤となる快挙を成し遂げている。著書「新しい人は新しい音楽をする」(アルク出版企画・2002年)。1998〜2010年3月フェリス女学院大学音楽学部及び同大学院講師。

淡野太郎
■淡野 太郎 Taro Tanno [リコーダー]
東京都立芸術高校を経て東京藝術大学卒業。この間、声楽を岡實俊、佐々木正利、嶺貞子、リコーダーを守安功、濱田芳通、ファゴットを山上貴司の諸氏に師事。藝大在学中にはバッハ・カンタータクラブに在籍、小林道夫氏の薫陶を受ける。1997年以降度々渡欧し、声楽及び歌曲解釈等をA.ギーベル、C.モラーヌ、Z.ファンダステーネ、H.Ch.ポルスターの諸氏に師事。2003〜04年ヘアフォルトのヴェストファーレン教会音楽大学に学び、声楽をS.シャマイト、リコーダーをE.シュヴァンダ、合唱指揮をH.ハーケの諸氏に師事。2004〜06年ライプツィヒ・ゲヴァントハウス室内合唱団メンバー。2007年の帰国前後から指揮活動を本格化させ、宗教曲を中心に数多の作品を指揮、好評を博す。現在、ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京 常任指揮者。ユビキタス・バッハ、メンデルスゾーン・コーア、各指揮者。指揮の他にもソロやアンサンブルの歌い手として、またリコーダーやドゥルツィアン奏者としても活動。

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大野 幸(建築家) Ko OONO, Architect
本籍広島。1987年早稲田大学理工学部建築学科卒業。1989年同修士課程修了、同年「磯崎新アトリエ」に参加。「Arata Isozaki 1960/1990 Architecture(世界巡回展)」「エジプト文明史博物館展示計画」「有時庵」「奈義町現代美術館」「シェイク・サウド邸」などを担当。2001年「大野幸空間研究所」設立後、「テサロニキ・メガロン・コンサートホール」を磯崎新と協働。2012年「設計対話」設立メンバーとなり、中国を起点としアジア全域に業務を拡大。現在「イソザキ・アオキ アンド アソシエイツ」に参加し「エジプト日本科学技術大学(アレキサンドリア)」が進行中。ピリオド楽器でバッハのカンタータ演奏などに参加しているヴァイオリニスト。

●本日のお勧め作品は植田正治です。
ueda_15_dowa_yori植田正治
〈童暦〉シリーズより《白い道》
1955年-1970年(Printed later)
ゼラチンシルバープリント
Image size: 20.1×31.2cm
Sheet size: 27.7×35.6cm
*『植田正治作品集』(2016 年、河出書房新社)No.102参照

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