野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」 第41回

2017年を振り返って

このエッセイ原稿を書いている今はまだ11月22日なので、11月29日から京都個展、12月5日からときの忘れものさんから出展させて頂くマイアミのアートフェアと今年最後の大仕事が残っていますが、このエッセイが掲載される12月15日には帰国しているので、すべて無事に終わってホッと一息つけていれば良いなと思います。

この一年を振り返ると、まず年明けすぐの1月にときの忘れものさんから出展させて頂いたART STAGE SINGAPOREがありました。作品の評判も良く、このフェアで2mの大作を購入頂けた事で幸先よく一年を始める事ができました。
ART STAGE SINGAPOREART STAGE SINGAPORE


シンガポールから帰ってすぐに三菱地所設計さんから依頼頂いていた大作の制作を始め、時間が無いのに途中箔押しに失敗して、42歳にもなって一回本気で泣きかけましたが 笑 なんとか間に合い、2月に大手町パークビルディング7階に無事設置頂く事ができました。
大手町パークビルディング大手町パークビルディング


そして3月頭にときの忘れものさんから出展させて頂いたart on paper、ニューヨークに初挑戦、スタッフの新澤さん、松下さん、作家の光嶋さんと男4人合宿のような笑えるアパート暮らしで意気投合、作品も3点すべてご購入頂く事ができ、アメリカの本場でも勝負ができると思えた事は自信になりました。
今までアジアのアートフェアに出展させて頂く事がほとんどでしたが、アートを買うという日常が広く根付いている、その土壌の違いを肌で感じました。しかし3月といってもニューヨークは寒かった。
art on paperart on paper


IMG_3404


その後は11月の個展に向けて地道に作品制作に取り組み、7月にはART OSAKAに出展、同じ時期にときの忘れものさんが駒込に移転され、お披露目会にお邪魔しました。
来年はその新しいギャラリーで個展を開催させて頂く予定なので、一息いれてまた新作制作に励みたいと思います。
ART OSAKAART OSAKA


お披露目会お披露目会


始めに書いたように現時点ではまだ大仕事が残っているので、本当はまだ一年を振り返る余裕が無いですが、、
何よりもまず、この一年もときの忘れものさんからたくさんチャンスを頂けた事に感謝しております。
昨年は一年中2、3ヶ月ごとにアートフェアなど出展の機会を頂いたので、制作も中短距離走を繰り返したような感じでしたが、今年は春頃から出展の機会がほとんどなかった分、マラソンのように9ヶ月程もひたすら作り貯めるという事は初めての経験で、行き詰まった時期もあったり、集中力を持続させる事にも苦戦はしましたが、今後の為に良い経験になったと思います。

ここ2年大晦日に過労で点滴打つみたいな事が続いているので、久しぶりにゆっくり過ごせる年末年始に改めてこの一年を振り返り、2018年の事を考えようと思います。
来年もひたむきに作品制作に取り組みますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
のぐち たくろう

野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。

*画廊亭主敬白
野口さん、お帰りなさい。
スタッフと作家合わせて6人が参加したアート・マイアミから全員無事帰国しました。留守を守った亭主は一安心ですが、おかげで社長は連日朝から晩まで「メキシコ地震被災地支援チャリティ頒布会」で皆様がお買い上げになった作品の梱包・発送作業に忙殺されていました。
亭主も手伝う気持ちはあるのですが、「邪魔だからどいて」と邪険にされておりました。
それにしても、今回は多数のお申し込みを受け、従って発送個数も半端ではありませんでした。後で集計してご報告します。シートのままの方、既成額をそのままお買いになった方、額の新調を希望された方など、それぞれのご希望があるので、社長は久しぶりに「梱包班」(ただし部下なし)しておりました。そんなわけで、ほとんどの方にはお手元に作品が届いたことと存じます。まだの方、もうしばらくお待ちください。
ご支援、ご協力に感謝いたします。

●今日のお勧め作品は野口琢郎です。
20171215_noguchi_23_HANABI-9野口琢郎
"HANABI #9"
2011年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
91×72.7 cm
サインあり

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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

◆埼玉県立近代美術館の広報紙 ZOCALO の12月-1月号が発行され、次回の企画展「版画の景色 現代版画センターの軌跡」が特集されています。館内で無料配布しているほか、HPからもご覧いただけます。

◆ときの忘れものは「WARHOL―underground america」を開催しています。
会期=2017年12月12日[火]―12月28日[木] ※日・月・祝日休廊
201712_WARHOL

1960年代を風靡したアングラという言葉は、「アンダーグラウンドシネマ」という映画の動向を指す言葉として使われ始めました。ハリウッドの商業映画とはまったく異なる映像美を目指したジョナス・メカスアンディ・ウォーホルの映画をいちはやく日本に紹介したのが映画評論家の金坂健二でした。金坂は自身映像作家でもあり、また多くの写真作品も残しました。没後、忘れられつつある金坂ですが、彼の撮影したウォーホルのポートレートを展示するともに、著書や写真集で金坂の疾走した60〜70年代を回顧します。
会期中毎日15時よりメカス映画「this side of paradise」を上映します
1960年代末から70年代始め、暗殺された大統領の未亡人ジャッキー・ケネディがモントークのウォーホルの別荘を借り、メカスに子供たちの家庭教師に頼む。週末にはウォーホルやピーター・ビアードが加わり、皆で過ごした夏の日々、ある時間、ある断片が作品には切り取られています。60〜70年代のアメリカを象徴する映像作品です。(予約不要、料金500円はメカスさんのNYフィルム・アーカイブスに送金します)。

●書籍のご案内
版画掌誌5号表紙600
版画掌誌第5号
オリジナル版画入り美術誌
ときの忘れもの 発行
特集1/ジョナス・メカス
特集2/日和崎尊夫
B4判変形(32.0×26.0cm) シルクスクリーン刷り
A版ーA : 限定15部 価格:120,000円(税別) 
A版ーB : 限定20部 価格:120,000円(税別)
B版 : 限定35部 価格:70,000円(税別)


TAKIGUCHI_3-4『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録
2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別) *送料250円
*『瀧口修造展 I』及び『瀧口修造展 II』図録も好評発売中です。


安藤忠雄の奇跡安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言
2017年11月
日経アーキテクチュア(編)
B5判、352ページ
価格:2,700円(税別) *送料:250円
亭主もインタビューを受け、1984年の版画制作始末を語りました。
ときの忘れもので扱っています。

国立新美術館で開催中の「安藤忠雄展―挑戦―」は20万人を突破、会期も残り僅かです(12月18日[月]まで)。
展覧会については「植田実のエッセイ」と「光嶋裕介のエッセイ」を、「番頭おだちのオープニング・レポート」と合わせ読みください。
ときの忘れものでは1984年以来の安藤忠雄の版画、ドローイング作品をいつでもご覧になれます。


●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜18時。日・月・祝日は休廊。

JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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◆野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。