ギャラリー  ときの忘れもの

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昨日は駒込に誕生した「関根ガーデン」をご紹介しました。
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私たちに現代美術への扉を開けてくださった師匠であり、また版画の版元としてエディションシステムを築くための格好の実験台となってくださったのが、関根伸夫先生でした。

現代版画センター(1974〜1985)が一人の作家に集中的に版画制作を依頼し(エディション)それをもとに全国同時展を開催したのは、1975年の「島州一・関根伸夫クロスカントリー7500km」が初めてでした。
このときは、関根伸夫先生の新作版画(シルクスクリーン)を一挙に17点制作しました。刷り師(プリンター)としてすべてを刷りあげたのが石田了一さんです。

関根伸夫作品集 1968-78』(1978年 ゆりあぺむぺる 発行 編集:植田実)にはデッサンを除く1961年以降、1978年までの平面・立体作品のほぼ全作品が収録されていますがが(1番から345番)、それによれば最初の版画は1970年10月イタリア・ジェノバのギャラリー・ラ・ベルテスカでの個展に出品した2点のシルクスクリーンです。
翌1971年にはギャラリー・クレブス(ドイツ、ベルン)からも2点のシルクスクリーンを発表しています。これら初期版画はおそらく既にあった関根先生のドローイングをもとに写真製版を使ってほぼモノトーンで刷られた作品でしょう。

『関根伸夫作品集 1968-78』
当時から関根先生の目は海外を向いており、関根先生のヨーロッパ巡回展のために出版したのが、『関根伸夫作品集 1968-78』でした。
ほぼレゾネに相当する内容で、編集は植田実先生にお願いしました(コチラを参照)。
20160421_sekine_book_1978_sekinenobuo『関根伸夫作品集 1968-78』限定A版
1978年 
発行:ゆりあ・ぺむぺる工房
企画:現代版画センター、関根伸夫後援会
編集:植田実、近代美術研究会
120ページ 26.0x25.0cm
アクリルケース入り
Ed.250
オリジナル銅版画「Project-石の風景」入り
※作者によるサイン、No.入り

20160421_sekine_05_ishi-huukei関根伸夫
「Project-石の風景」
銅版
Image size: 17.5x16.5cm
Sheet size: 26.0x25.2cm
作者によるサイン、No.入り

20180620関根伸夫と植田実作品集刊行からちょうど40年
ひさしぶりに再会した植田実先生(左)と関根伸夫先生(右)
2018年6月20日、駒込のときの忘れものにて

〜〜〜〜
私たち(現代版画センター)は1975年〜1984年にかけて関根先生の版画や立体(マルチプル)を多数、エディションし、全国各地で展覧会を開催しました。
最初に1975年にまとめて17点の版画(シルクスクリーン)を制作するにあたっては、版元である私たち(現代版画センター)と、サイズや限定部数を協議し、関根先生はすべての原稿を新たに描きおろしました。

因みにここで「原稿」といったのは、私たちが1974年に使い出した造語です。
現代版画センターを創立するときに版画制作のもととなるイメージを具体的になんと呼んだらいいか四苦八苦し、会議でも議論の的となりました。
「原画」という言葉は使いたくありませんでした。原画 → 複製 と連想するからですが、そのとき「ワタヌキさん、原稿と呼んだらいいのではないでしょうか」と提案してくださったのがリトグラフの刷り師でもある加藤南枝先生でした。

かくして造語された「原稿」をもとに刷り師の石田了一さんと関根先生が打ち合わせを重ね、幾度も試刷りを繰り返し17点の版画作品を完成したのでした。

現代版画センターがエディションした関根伸夫の作品は以下の通りです。これらはエディション登録番号が付されたものだけで、番外作品(例えば上掲の作品集に挿入した銅版「Project-石の風景」)は含まれていません。
1975年 シルクスクリーン17点
1976年 ブロンズ(マルチプル)1点、リトグラフ3点
1977年 銅版3点
1981年 シルクスクリーン1点
1982年 シルクスクリーン2点、リトグラフ5点、銅版5点、凸版1点、
    マルチプル2点、
1984年 リトグラフ2点
計42点の中から、いくつかご紹介しましょう。

20150919_sekine_06_tukiwoyobu関根伸夫
「月をよぶ」
1975年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)
53.0x35.0cm
Ed.75 サインあり
*現代版画センター・エディション


RIMG0831_600関根伸夫
絵空事―鳥居
1975年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)
45.0x35.0cm
Ed.75 サインあり
*現代版画センター・エディション


RIMG0835_600関根伸夫
絵空事―緑の風船
1975年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)+手彩色(色鉛筆)
42.0x35.0cm
Ed.100 サインあり
*現代版画センター・エディション


RIMG0838_600関根伸夫
絵空事―風船
1975年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)+手彩色(色鉛筆)
42.0x35.0cm
Ed.100 サインあり
*現代版画センター・エディション


関根伸夫_石をつる関根伸夫
石をつる
1975年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)
イメージサイズ:58.0×38.0cm
シートサイズ:63.2×45.6cm
Ed.75  Signed
*現代版画センター・エディション


RIMG0846_600関根伸夫
紫のパレットのproject
1982年
銅版(刷り:林グラフィックプレス)
60.0x45.0cm
Ed.50 サインあり
*現代版画センター・エディション


RIMG0850_600関根伸夫
りんごの環のproject
1982年
銅版(刷り:林グラフィックプレス)
60.0x45.0cm
Ed.50 サインあり
*現代版画センター・エディション


関根伸夫_銅版画600関根伸夫
《三角の波のproject》
1982年 銅版(刷り:林グラフィックプレス)
60.0x45.0cm
Ed.50  Signed
*現代版画センター・エディション


20150919_sekine_02_yoru-nizi関根伸夫
「夜の虹のproject」
1982年
銅版(刷り:林グラフィックプレス)
60.0x45.0cm
Ed.50
サインあり
*現代版画センター・エディション


20170912_1_sekine_12_sankaku関根伸夫
《三角の窓のproject》
1982年 銅版(刷り:林グラフィックプレス)
60.0×45.0cm
Ed. 50 サインあり
*現代版画センター・エディション


RIMG0853_600関根伸夫
空の刀のproject
1982年
リトグラフ(刷り:高月仁)
90.0x63.0cm
Ed.50 サインあり
*現代版画センター・エディション


RIMG0854_600関根伸夫
空の門のproject
1982年
リトグラフ(刷り:高月仁)
90.0x63.0cm
Ed.50 サインあり
*現代版画センター・エディション


RIMG0858_600関根伸夫
虹の門のproject
1982年
リトグラフ(刷り:高月仁)
90.0x63.0cm
Ed.50 サインあり
*現代版画センター・エディション


20170912_3_sekine_18_ishi関根伸夫
《石のベクトル》
1982年  リトグラフ(刷り:高月仁)
90.0×63.0cm
Ed. 45  サインあり
*現代版画センター・エディション


20150919_sekine_07_daiti-ten関根伸夫
「大地の点」
1982年
ステンレス・レリーフ
35.0x31.5x2.0cm
Ed.30
サインあり
*現代版画センター・エディション

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20180618Gせいほうで関根、石田、令子2018年6月18日ギャラリーせいほう
関根伸夫展オープニングにて
左から綿貫令子、刷り師の石田了一さん、関根伸夫先生

関根版画の刷りはリトグラフが高月仁さんと森仁志さん、銅版は赤川勲さんと林グラフィックプレス(林健夫さん)が担当されましたが、皆さん既にお亡くなりになりました。
日本の現代版画を支えた人たちのこともいずれは書き残しておかねばなりませんね。
というのは、若い人たちは何でもグーグルで検索すればわかるとお思いでしょうが、たとえば「高月仁」さんのことを検索してもほとんど何も出てきません。
1970年代の美術界にあって高月仁さんはある種畏敬の念をもって仰ぎ見られる存在でした・・・・

20180618_sekine_opening_001
2018年6月18日ギャラリーせいほうにて関根伸夫先生。
新作「空相ー皮膚」シリーズを背に、1983年の石彫作品「虹」(花崗岩)と。

●関根伸夫のエッセイ「〈発想〉について[再録]」も合わせてお読みください。

本日9日(月)は休廊です

◆ときの忘れものは本日から「特集展示:クリストと関根伸夫」を開催しています。
魔方陣小のコピー 会期:2018年7月6日[金]―7月13日[金]
※日・月・祝日休廊
柳正彦さんのクリスト新作報告会に合わせ、クリスト関根伸夫の作品をご紹介します。
庭には関根伸夫の石彫作品も展示しています。
一週間と短い会期ですが、ご高覧ください。

クリストとジャンヌ=クロードの最新作「ロンドンのマスタバ」訪問報告会
日時:2018年7月12日(木)18時
講師:柳 正彦
会場:ときの忘れもの(駒込)
地図:https://goo.gl/maps/VezVggChfaR2
参加費:1,000円
要予約:必ず「件名」「お名前」「住所」を明記の上、メールにてご連絡ください。
E-mail. info@tokinowasuremono.com
柳正彦さんがクリストとジャンヌ=クロードの最新作、ロンドンのハイドパーク内の湖に浮かべるマスタバ(ドラム缶の構築物)訪問の報告会を開催します。
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柳正彦 Masahiko YANAGI
東京都出身。大学卒業後、1981年よりニューヨーク在住。ニュー・スクール・フォー・ソシアル・リサーチ大学院修士課程終了。在学中より、美術・デザイン関係誌への執筆、展覧会企画、コーディネートを行う。1980年代中頃から、クリストとジャンヌ=クロードのスタッフとして「アンブレラ」「包まれたライヒスターク」「ゲート」「オーバー・ザ・リバー」「マスタバ」の準備、実現に深くかかわっている。また二人の日本での展覧会、講演会のコーディネート、メディア対応の窓口も勤めている。2016年秋、水戸芸術館で開催された「クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ 日本=アメリカ合衆国 1984-91」も柳さんがスタッフとして尽力されました。

●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18〜24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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