ときの忘れものは昨日8日から始動しました。
年末の仕事納めの折、「1月8日は瑛九展の初日なので、少し早く(10時半)出勤してください。」と社長から厳命。
明けて昨日は10時過ぎにはみんな出勤してきたのでそろそろ打合せと見回したところ8名中、2名が不明。11時5分前にスタッフSが相変わらず軽装で悠然と出勤、続いて新米Iが晴れやかな笑顔で新年の挨拶とともに出勤してきました。
社長、唖然
昔の亭主だったらさっそく怒鳴りつけるところですが、温厚な老人となったいまは「電車が遅れたの?」と穏やかに尋ねた(詰問した)のでありました。
二人ともきょとんとした顔で「? いいえ」。
9日も連続して休むと、何もかもすっかり忘れるらしい。。。。
社長は出鼻を挫かれ、打ち合わせもうやむやのうちに新年の営業が始まった次第であります。

今年の東京、埼玉のお正月は穏やかな天候でした。
休み中、社長と亭主はいくつかの神社やお寺にお参りし、映画を二本見て、年賀状の整理やら倉庫の探索やらであっという間に過ぎてしまいました。
歳をとると時間が早い。

私たちは情報をネットやフライヤーを見たりして探すわけですが、どうも発信する側の力量がはなはだしく落ちてきているのではないかと思うことしきりです。
いい例が昨秋、あのトーハクであったデュシャン展です(石原輝雄さんの展評を参照)。昨年10月2日のブログに書いたとおり、フライヤーなど宣伝物は最低最悪の出来で、これじゃあデュシャンも浮かばれません。展覧会が非常に良かっただけに惜しまれます。
お正月、何の期待もせずに「家へ帰ろう」(THE LAST SUIT)という映画を見ました。
1969年アルゼンチン生まれのパブロ・ソラレス監督のおそらくこれが初めての日本での公開映画と思うのですが、脚本、俳優、映像いずれも素晴らしい出来で、上掲デュシャン展と同じくらい良い意味での期待が裏切られました。
銀座の映画館で観客は30人ほど。ラストシーンの後、エンドロールが流れるのですが誰ひとり席を立たない(立てない)、涙をぬぐうために。
日本語タイトルも、ネットの情報も出来がいいとは到底思えませんでした。もったいないなあ・・・

もうひとつ映画の話題を。
山形県酒田市にあった映画館「グリーン・ハウス」(1949−1976)と初代支配人・佐藤久一(1930−1997)を語る映画『世界一と言われた映画館』(監督:佐藤広一)の上映が東京有楽町スバル座で始まったという記事をたまたま読みました。
山形県の酒田大火と佐藤久一さんのことは2011年2月2日同3日のブログで書いたことがあります(世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか)。
幾度となく通った酒田という街、そこに暮らす人々、佐藤さんがつくったレストラン、亭主にとっては忘れることのできない宝物です。
映画はぜひ見てみたいと思います。
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twitterで YASUSHI ISHIBASHI さんが2018年ベスト展覧会を挙げていますが、ご覧になった展覧会(美術館やギャラリー)の数がはんぱではありません。
ただカウントするだけでなく、その理由(見所)も書いておられ、とても参考になりました。
以下、全文ではありませんが、再録掲載させていただきます。

20190105/YASUSHI ISHIBASHI さんのtwitterより)
2018年ベスト展覧会(写真展以外/美術館)

1.「ルドン − 秘密の花園 - 」at 三菱一号館美術館
2.「ミラクル エッシャー展」 at 上野の森美術館
3.「アラビアの道 - サウジアラビア王国の至宝」展 at 東京国立博物館
4.「明治150年記念『日本を変えた千の技術博』」展 at 国立科学博物館
5.「琉球 美の宝庫」展 at サントリー美術館
6.「仏像の姿 - 微笑む・飾る・踊る - 」展 at 三井記念美術館
7.「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展 at 埼玉県立近代美術館
8.「ゴードン・マッタ=クラーク」 展 at 東京国立近代美術館
9.「戦後美術の現在形 池田龍雄展 - 楕円幻想」 at 練馬区立美術館
10.「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」 at 東京ステーションギャラリー

2018年のベストはルドン!色彩に蕩けて、黒に惹き込まれる。素晴らしい展覧会でした。三菱一号館美術館は「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 - 1780年パリに始まるエスプリ -」 「フィリップス・コレクション展」も良く、一番の当たり年だったと思います。

名前は知っていてもエッシャーの作品を生で見るのはなにげに初めて。完全にやられました。錯視系の作品は当然素晴らしいですが、風景や人物モチーフの作品も興味深いですね。「でんぐりでんぐり」がかわいくて仕方がない。上野の森だと生鯣狼 「THE ILLUSTRATOR」展も素晴らしかったです。

今年も足繁く通った東博では、「アラビアの道」が一番記憶に残りました。文字の美しさ、特に沢山の墓碑だけを展示した部屋が素晴らしかったです。それ以外では「海の道 ジャランジャラン(東洋館)」「縄文 - 1万年の美の鼓動 - 」「マルセル・デュシャンと日本美術」が良かったです。

昨年から急にはまってしまった科博では「人体 ー神秘への挑戦ー」「昆虫」展も良かったですが、機械が好きな私は「明治150年記念『日本を変えた千の技術博』をあえて推したいです。戦闘機のエンジンや国産第一号のブルドーザーなどなど、ほんとかっこよくて、楽しくて。。。

サントリー美術館も充実していました。「琉球 美の宝庫」では紅型や、夜光貝を使った漆器、そしてまとめて鑑賞する機会のあまりない琉球絵画を堪能させて貰いました。「寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽」「ガレも愛した−清朝皇帝のガラス」「扇の国、日本」も良い展覧会でした。

三井記念美術館も充実していました。中でも「仏像の姿 - 微笑む・飾る・踊る - 」が素晴らしい!仏像の顔、装飾、動きとポーズを切口にしていて、国宝・重文で押すタイプの仏像展とはまた違った味わいです。「大名茶人・松平不昧−お殿さまの審美眼−」「金剛宗家の能面と能装束」も良かったです。

埼玉近美では「版画の景色 現代版画センターの軌跡」が素晴らしかったです。ジョナス・メカス、宮脇愛子、駒井哲郎、瑛九、菅井汲、磯崎新などそうそうたるメンバーの作品が280点も展示されていて眼福でした。「辰野登恵子」「阿部展也ーあくなき越境者」「モダンアート再訪」も捨て難いですね。

東近美では「ゴードン・マッタ=クラーク」が素晴らしかったです。映像作品は以前にMAMスクリーンである程度見ていましたが、初めて見る写真がどれもこれも良かったのが驚きです。同時開催の「瀧口修造と彼が見つめた作家たち」ともども濃密な時間を過ごしました。

練馬区立美術館も濃かったな〜。「芳年 - 激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」も最高だったんだが、ここはあえて「戦後美術の現在形 池田龍雄展 - 楕円幻想」を挙げておきます。ペン画、パフォーマンス、コラージュ、ボックス・オブジェなどなど多岐に渡る活動がコンパクトにまとめられていました。

東京SGは「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」が素晴らしかったな。もともと好きですが、原画で見る水彩の美しさはもう格別です。「くまのもの - 隈研吾とささやく物質、かたる物質 - 」「吉村芳生 超絶技巧を超えて」あたりも面白かったです。
(中略)
遅ればせながら、2018年のベスト展覧会をツイートした。ふう。疲れたな。しかし我ながら、よくここまで多く足を運んだもんだ。

ISHIBASHI さん、いやご苦労様でした。
「版画の景色 現代版画センターの軌跡」が堂々7位に選ばれたのが嬉しい!
今年はギャラリー部門でベスト10に選ばれるようがんばります!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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●ときの忘れもののブログは年中無休ですが、それは多くの執筆者のおかげです。
昨年ご寄稿いただいた方は全部で51人。年末12月30日のブログで全員をご紹介しました。
荒井由泰,飯沢耕太郎,石原輝雄,井上祐一,植田 実,王 聖美,大竹昭子,大谷省吾,大野 幸,小国貴司,小此木美代子,片多祐子,金子隆一,喜夛孝臣,北村淳子,君島彩子,熊倉浩靖,倉方俊輔,光嶋裕介,小林紀晴,小林美香,佐藤研吾,島 敦彦,嶋吉信,東海林 洋,杉山幸一郎,鈴木素直,住田常生,清家克久,関根伸夫,高北幸矢,蔦谷典子,土渕信彦,戸田 穣,中根秀夫,中野和加子,中村惠一,中村茉貴,西岡文彦,野口琢郎,橋本啓子,平野 到,弘中智子,frgm/羽田野麻吏,市田文子,平まどか,中村美奈子,堀 浩哉,水沢 勉,柳 正彦,夜野 悠,

●2019年のときの忘れもののラインナップはまだ流動的ですが、昨2018年に開催した企画展、協力展覧会、建築ツアー、ギャラリーコンサートなどは年末12月31日のブログで回顧しました。

●本日のお勧め作品は瑛九です。
瑛九「水の中」瑛九 Q Ei
「水の中 In the water」
Photo-dessin (photogram)
53.5×42.2cm
Signed by Mrs. Q Ei on the back

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ときの忘れものの通常業務は平日の火曜〜土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。


ときの忘れものは「第27回瑛九展 」を開催しています。
会期:2019年1月8日[火]―1月26日[土] 11:00-19:00※日・月・祝日休廊
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ときの忘れものは3月末開催のアートバーゼル香港2019に「瑛九展」で初出展することになりました。
香港に作品を持って行く前に、ギャラリーで出品作品を公開いたします。
瑛九がさまざまな技法で試みた「光の絵画」への志向が最後に行き着いたのが点描で画面全体を埋め尽くす独自の抽象絵画でした。本展では輝くばかりの100号の油彩大作《海の原型》(1958年)など代表作ほか、カメラを使わず印画紙に直接光を当ててデッサンする「フォトデッサン(フォトグラム)」など1930年代最初期から最晩年までの作品をご覧いただきます。

●ときの忘れものは〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18〜24頁>に特集されています。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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