ギャラリー  ときの忘れもの

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「ときの忘れもの拾遺・第12回ギャラリーコンサート」に寄せて

大野 幸


ヴェネチアのマルコ・ポーロが死んだ頃、モロッコはタンジェのイブン・バトゥータはメッカ巡礼の旅に出ました。メッカまでふつうは1年半ぐらいで往復できるところを、彼が再びモロッコに戻ってきたのは、四半世紀を経た後でした。途中で事あるごとに計画を変更し、挙句にインドや中国まで旅を続けたからです。今の交通事情からは想像もできませんが、当時の旅はまさに命懸けの過酷な旅だったことでしょう。ですが、彼のおかげで未知の外国事情が各地に伝えられ、それに触発されて、次々と新しい旅人が生まれました。

たまたま今、建築設計でタンジェの計画に関わっていたので、ついついタンジェ出身のイ ブン・バトゥータ=「旅人」のことを考えることになりました。生きることは旅すること。人生と旅が分かちがたく一体となっていて、その旅の果実を、旅によって世界に広めた人。

イブン・バトゥータの遺伝子を受け継ぐ守安夫妻は旅人です。旅人だから携行可能な小型の楽器を演奏するのか、演奏していた楽器が小型だから旅人になることになったのか。何れにせよ、音楽と人生が旅と見事に一体化しています。彼らのホームページに載っている旅のスケジュールを初めて見た時は、驚き呆れました。今年の年末まではこんな感じ。

10/22 大阪市
10/23 吹田市
10/24 鳴門市
10/25 吹田市
10/26~27 北九州市
10/28~11/2 鹿児島市
11/3 姶良市
11/4~11/8 岡山市
11/9~10 吹田市
11/11 桑名市
11/14 ときの忘れもの
11/16 千代田区
11/18 川崎市
11/21 福島市
11/22 仙台市
11/23 宮城県柴田郡
11/25~12/2 ハンガリー
12/3~12/7 ウィーン
12/8~12/14 ヴェネチア
12/15~12/19 フィレンツェ
12/20~12/26 ローマ

言葉を失うほどの、超人的な旅程です。しかもこの間、彼らは移動するだけでなくコン サートやワークショップをほぼ毎日開催し続けている。「旅行」と聞くと、どこかうらやましい響きがあるものですが、彼らの旅は旅行の楽しさとは隔絶した、荒行にも似た修行的行為なのではないか、などと考えていたら、ツアー中の守安さんから次回コンサートのメッセージが届きました。

前回、初めて、「ときの忘れもの」で、演奏させていただいてから、1ヶ月半がたちました。 あの後、9月の末に、東京オペラシティでの、1年に2回の大切なコンサートがあり、そし て、今は、1ヶ月間のツアーの最中です。(昨日は新潟、今日は、長野、そして、その後は、 関西、岡山、九州に向かいます。)ツアーから東京に戻った3日後が、「ときの忘れもの」 での2回目のコンサートとなります。そして、その演奏の後、こちらは、1ヶ月と少し、ヨー ロッパ(ハンガリー、ウィーン、イタリア)に滞在いたします。旅の香りとともに、皆さ んと、また、改めて、お会いできること、とても楽しみにしています。
守安功


守安夫妻は息をするように旅をしています。かく言う私はこのコンサートの日、あろうことか、出張という名の、旅でも旅行でもない砂漠への移動を余儀なくされています。皆様におかれましては、守安ご夫妻の旅の果実を存分に味わってくださり、遠く地球の裏側まで思いを馳せて、新しい旅に向かうエネルギーを充電していただきたいと願っています。
(おおのこう・20191022)

ときの忘れもの・拾遺 第12回ギャラリーコンサート
「守安功・雅子コンサート」のご案内

守安功・雅子予約受付開始しました
日時:2019年11月14日(木)18:00
会場:ときの忘れもの
出演:守安功、守安雅子 /プロデュース:大野幸
*要予約=料金:1,000円
予約:必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申し込みください。
info@tokinowasuremono.com


■守安 功 Isao Moriyasu
アイリッシュ・フルート、リ コーダー、ホイッスル(アイルランドのたて笛)
桐朋学園大学音楽学部古楽器科卒、同研究科修了。 在学中、第10回全日本リコーダーコンクール独奏部門において、最優秀賞及び朝日放送賞を受賞。 また、江戸里神楽四代目家元若山胤雄に日本の笛と太鼓を師事し、 国指定重要無形文化財江戸里神楽若山社中囃子方として活躍する。 1987年渡欧し、スウェーデン国立ヨーテボリ音楽大学、旧東独ライプツィヒ・ゲヴァントハウス等、 各地で日本の伝統音楽及び現代音楽についてのレクチャーや、リコーダー・リサイタルを行う。 国立音楽大学、桐朋芸術短期大学講師を経て、今では、アイルランドと英国の伝統音楽の演奏、 研究と、独自の視点からの、日本各地での、バロック音楽と伝統音楽の双方の分野についてのワークショップ、 レクチャー、演奏活動に専念している。 アイルランドの音楽、ダンス、文化、歴史についての著訳書8冊。

■ 守安 雅子 Masako Moriyasu
アイリッシュ・ハープ、コン サーティーナ(六角形の小型ア コーディオン)
バゥロン(アイルランドの太鼓)
アイルランドで出会った音楽家 たちの演奏に魅了され、アイルランドの伝統音楽の演奏を始める。ノエル・ヒル、メアリー・マクナマラ、ミホール・オラハリー始め、現地の第一線の演奏家と、そして、クレア地方の農夫の演奏家たちの双方から、コンサーティーナの伝統的な奏法を学ぶ。また、マイケル・ルーニー、 モーラ・ニ・カハスィ、バーバラ・ドイルにアイリッシュ・ハープを師事する。夫の功とともに、アイルランドにて2枚のアルバムを制作し、現地の新聞、テレビ、ラジオ、雑誌などで取り上げられる。

お二人のオフィシャルホームページ守安功・雅子 アイルランドの風

■大野 幸 Ko OONO
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本籍広島。1987年早稲田大学理工学部建築学科卒業。1989年同修士課程修了、同年「磯崎新アトリエ」に参加。「Arata Isozaki 1960/1990 Architecture(世界巡回展)」「エジプト文明史博物館展示計画」「有時庵」「奈義町現代美術館」「シェイク・サウド邸」などを担当。2001年「大野幸空間研究所」設立後、「テサロニキ・メガロン・コンサートホール」を磯崎新と協働。2012年「設計対話」設立メンバーとなり、中国を起点としアジア全域に業務を拡大。現在「イソザキ・アオキ アンド アソシエイツ」に参加し「エジプト日本科学技術大学(アレキサンドリア)」が進行中。ピリオド楽器でバッハのカンタータ演奏などに参加しているヴァイオリニスト。


●本日のお勧め作品は内間俊子です。
06内間俊子 Toshiko UCHIMA
「蝶のデュエット Butterfly Duet」
1978年
コラージュ
アクリルボックスサイズ:36.0x28.5x3.5cm
サインあり、年記あり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

11月2日(土)東京・目白で第2回 久保貞次郎の会が開催されます。
RIMG0337フランク・ロイド・ライト設計の自由学園「明日館」見学後、目白駅前のレストランで会食。ゲストは写真家の細江英公先生と、名古屋大学大学院教授の栗田秀法先生です。参加希望の方、お問い合わせください。

「霜月の画廊コレクション展」
会期:2019年11月8日[金]〜11月22日[金] *日・月・祝日休廊
魔方陣
画廊コレクションより、以下の作家によるコレクション展を開催します。
出品作品:ドメニコ・ベッリジェラール・ティトゥス=カルメルニキ・ド・サンファルマノロ・バルデスヤコブ・アガムジョン・ケージルイーズ・ニーヴェルスンソニア・ドローネアンディ・ウォーホル棟方志功杉浦康平

「松本竣介と『雜記帳』」展図録のご案内
松本竣介と雑記帳2019年 ときの忘れもの刊
B5判 44ページ
テキスト:小松崎拓男
収録作家:松本竣介恩地孝四郎福沢一郎海老原喜之助難波田龍起鶴岡政男桂ゆき
価格:1,100円(税込)
梱包送料:250円

*メールにてお申し込みください。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから

■群馬県桐生の大川美術館で「松本竣介 街歩きの時間」が開催されています(会期:2019年10月8日ー12月8日)

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18〜24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜19時。*日・月・祝日は休廊。

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