画廊亭主の徒然なる日々

訃報 堀尾貞治先生

堀尾貞治先生が11月3日(土)朝にお亡くなりになったという知らせを幾人かの人にいただき、驚いています。
つい一ヶ月前の10月4日兵庫県逆瀬川で開催された元永定正先生を偲ぶ「くれない忌」でお目にかかったばかりでした。

通夜:11月5日(月)20時より
葬儀:11月6日(火)12時45分より(出棺 13時45分)

会場:平安祭典 神戸会館
住所:神戸市兵庫区新開地3-2-15(TEL: 0120-66-3242)
https://www.heiansaiten.com/facility/kobe/
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ときの忘れもの(青山)では2017年3月に「堀尾貞治・石山修武展―あたりまえのこと、そうでもないこと―」を開催しました。
以下はその折の会場風景です。

<20 Oct. 2016>と記された堀尾先生の108.5×77cmもの大判ドローイング。
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毎朝欠かさず10枚描く」という堀尾先生のドローイング、アトリエに積んであった4万点の中から選りすぐりの50点。
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20170406_ishiyama_horio_02
2017年3月31日
ギャラリートーク:左が石山修武先生、右が堀尾貞治先生
撮影:土渕信彦

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トーク終了後も関西のエンターテイナー面目躍如、遂には発声装置のついた縫いぐるみを相手に漫才をはじめた堀尾先生、会場は爆笑の渦でした。

horio-ishiyama_DM

あたりまえのこと」を一貫したコンセプトに日々制作の毎日、
奥様昭子さんも作家であり、仲のよいご夫婦でした。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

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ときの忘れものは光嶋裕介新作展―幻想都市風景 GOLDを開催します。
会期:2018年11月8日[木]―11月18日[日]11:00-19:00 ※会期中無休
4回目となる光嶋裕介新作展を開催します。
幻想都市風景を描き続ける光嶋裕介は、2014年より度々越前和紙の本場・福井県武生に赴き、描くための和紙を自ら漉いています。今年からその和紙に箔画作家・野口琢郎さんが箔押ししたコラボレーションによる幻想都市風景を多数制作。畳一畳分の和紙に描いた大作を含め新作13点をご覧いただきます。
11月17日(土)17時より、ゲストに中谷礼仁さん(建築史、歴史工学(アーキオロジー)、早稲田大学教授)を迎えてギャラリートークを開催します。
要予約、参加費1,000円 メールにてお申し込みください。
作家在廊予定日: 11月8日(木)、9日(金)、10日(土)、11日(日)、17日(土)、18日(日)
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ときの忘れもの・拾遺 第9回ギャラリーコンサート
武久源造コンサート」のご案内

日時:2018年11月24日(土)15:00〜
会場:ときの忘れもの
出演:武久源造
プロデュース:大野幸
今回は午後3時開演。ちょうど近くの六義園の紅葉のライトアップの時期です。
*要予約=料金:1,000円(定員に達し次第締切ります)
予約:必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申し込みください。
info@tokinowasuremono.com

◆11月のイベントのご案内
*要予約:3回それぞれ開始時間が異なります。必ずメール、電話等で事前にお申し込みください。
11月17日(土)17時中谷礼仁×光嶋裕介のギャラリートーク、参加費:1,000円
11月22日(木)19時〜Books青いカバ主催:「大竹昭子×植田実〜須賀敦子の文学を読み直す」参加費:1,500円
11月24日(土)15時第9回ギャラリーコンサート:武久源造コンサート、参加費:1,000円

●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18〜24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜19時。日・月・祝日は休廊ですが、光嶋裕介新作展(11月8日ー11月18日)は特別に会期中無休です
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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「倉俣史朗 小展示」開催中 10月9日〜10月31日

今日から駒込の「ときの忘れもの」で倉俣史朗の小展示。
小展示と謙遜していが、私が25年前に設計した住宅なのでスペースが限られているわりに充実している。

阿部勤先生のfacebookより)>

駒込に回り、ときの忘れものの「倉俣史朗 小展示」を観る。何が「小展示」なものか!(「大ガラス」も「遺作」も出品されていないからと、瀧口修造の示唆で名付けられた1978年の「マルセル・デュシャン小展示」に倣ったものだそうだが) 
土渕信彦さんのfacebookより)>

倉俣史朗 小展示 @ときの忘れもの(駒込)
阿部 勤 さんの空間に見事に呼応する
倉俣史朗さん展示。

住宅スケールの空間内(用途が元々住居)に
展示するという事は
光や対面する背景の風景までが展示になるので
どの作品をどこにいかに配置するかということが
より重要になってくる。

一体化した素敵な展示でした。
戦利品となる書籍も定価で買えて最高でした(^_^)

(高橋 マサルさんのfacebookより)>
photo by abe (7)『Sealing of rose(薔薇の封印)』 撮影:阿部勤

倉俣史朗が生まれ育った、そして眠る駒込の地で倉俣史朗 小展示が9日から始まりました。
青山から移転して一年と少し、今回はぎりぎりまで展示に四苦八苦しました。一週間前から20点以上も用意した額装作品(当然、全部は展示できない)をあっちに掛け、こっちに架け替え、大小のオブジェ作品を三階にあるいは二階に移し、図書室の本箱(モンドリアンです)を空にして倉俣資料及び希少な絵葉書に展示換え、応接用のテーブルや椅子も思いきって撤収。図書室の大きな窓にあった手すりも阿部先生の許可を得て撤去! 前日遅くにやっと最終的な展示が確定したという次第です。
いつもなら1時間で済むタケミアートフォトスさんの撮影は朝の10時前からかかって終わったのは午後一時でした。昼の展示風景はHPに掲載しました。

初日夕刻には、この建物の設計者である阿部勤先生が来廊され、美しく咲く夜の薔薇を撮影してくださいました。
このブログではご本人の許可を得て阿部先生撮影の画像をご紹介します。
阿部先生のfacebookに掲載されたそれら写真の効果もあってか来客が絶えません。

ブログへのアクセスも連載執筆者の皆さんの力のこもった内容のおかげでこのところ絶好調です。
一番人気の杉山幸一郎さんの連載エッセイは一日で千人を超すアクセスがありました。
新登場の中根秀夫さん、橋本啓子さん、中野和加子さん、堀浩哉さんたちのエッセイも今までにない新鮮な風を吹き込んでくれたようで、近頃とみに老いが目立つ亭主の元気のもとともなっています。
皆さん、ありがとう。

photo by abe (2)手前右『Glass Chair Miniature』、奥『Flower Vase #1302』 撮影:阿部勤

photo by abe (3)手前『Flower Vase #1302』、奥『Glass Chair Miniature』 撮影:阿部勤

photo by abe (4)『Flower Vase #1303』 撮影:阿部勤

photo by abe (5)『無極 I I』 撮影:阿部勤

photo by abe (6)『Cabinet de Curiosite(カビネ・ド・キュリオジテ)』と中においてあるのが『Perfume Bottle No. 3』 撮影:阿部勤

photo by abe (8)撮影:阿部勤
モデルを務めてくださったのはたまたまいらっしゃったお客様のOさん。

今回の展示で、特にご注目いただきたいのは、1979年の第11回東京国際版画ビエンナーレに出品され、その後長く埋もれていた版画作品「無極 機廖嵬偽 供廚鯔弩綵蕕瓩童開することです。
国内外で開催された多くの個展や回顧展にも出品されたことはなく、あまたの文献にもほとんど記載がありません。
無極I_600倉俣史朗「無極I」
1979年
平版(オフセット・リトグラフ)
限定5部
I: 74.0x103.4cm
S: 79.6x109.3cm


無極II_600倉俣史朗「無極II」
1979年
平版(オフセット・リトグラフ)
限定5部
I: 73.7x103.5cm
S: 79.1x109.6cm


立体作品としては、浮遊感と透明感にあふれた代表作『Cabinet de Curiosite(カビネ・ド・キュリオジテ)』はじめ、フラワーベース、《ガラスの椅子》のミニチュア作品、繊細な秒針が時を刻む「Just in time(時計)」、代表作《ミス・ブランチ》のマテリア ルとして使われた薔薇を封印したアクリル・オブジェなどを展示しています。

美術史的にも重要な1972年の南画廊「三木富雄展」ポスター(デザイン:倉俣史朗、写真:小川隆之)や、国内外で開催された回顧展の貴重なポスター(横尾忠則デザイン他)も倉俣ファンにはお楽しみいただけると思います。

08《Sealing of rose(薔薇の封印)》
This is the material for "Miss Blanche"
2004
Acrylic
14.0x9.5x6.0cm
*シール付き


01羽Floating Feather(黄)
c.a. 2004
Acrylic
14.0×9.5×8.0cm
*シール付き


DSC_0985「Perfume Bottle No. 3」
2008年
ボディ:クリスタル
キャップ:アルマイト仕上げ
6.8x5.0x5.0cm
Ed.30
保証書付き(倉俣美恵子夫人のサイン入り)


sakurai--4061「Flower Vase #1301」(薄いピンク)
アクリル
W8.0xD8.0xH22.0cm
撮影:桜井ただひさ


sakurai--4066「Flower Vase #1301」(バイオレット)
アクリル
W8.0xD8.0xH22.0cm
撮影:桜井ただひさ


sakurai--4051「Flower Vase #1301」(ブルー)
アクリル
W8.0xD8.0xH22.0cm
撮影:桜井ただひさ


sakurai--4075「Flower Vase #1302」
アクリル
W11.0xD11.0xH21.0cm
撮影:桜井ただひさ


sakurai--4010「Flower Vase #1303」
アクリル
W26.9xD8.0xH26.0cm
撮影:桜井ただひさ


1200「Glass Chair Miniature」
2008年
ガラス
W15.0xD10.0xH15.0cm


kuramata_11_justintime「Just in time」
1986-2011年
メラミンボード、小枝、毛糸、ステンレス
51.5x36.5xD0.8cm
時計裏面の右下にシールあり


kuramata_02_desk

倉俣史朗「ライティングデスク」
1983年
H72.5×W160.0×D47.3cm
*磯崎新設計つくばセンタービル・筑波第一ホテルのために制作された

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜〜土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。


同時代に倉俣と協働した磯崎新安藤忠雄の1970年代の作品も合わせて ご覧いただきます。

倉俣史朗(1934-1991)
1934年東京生まれ。都立工芸高等学校木材科で学び、1953年から帝国器材に勤める。1953年から56年まで桑沢デザイン研究所リビングデザイン科で学ぶ。1957年に三愛の宣伝課に就職し、ウィンドウディスプレイなどのデザインを手掛ける。1965年クラマタデザイン事務所を設立。1967年横尾忠則らとコラボレーションしたインテリアデザインなどで脚光を浴びる。このころから、彼が生涯にわたって好んだアクリル素材を用いて、日常の空間に無重力を作り出したような、透明で浮遊感のある作品を生み出していく。1970年〈Furniture in Irregular Forms〉シリーズで世界に広く認知される。1972年毎日デザイン賞を受賞。1981年エットレ・ソットサス Jr.らによるイタリアンデザインの新しいムーブメントであるメンフィス(Menphis)の展示会に磯崎新、マイケル・グレイブスらと共に参加。1990年フランス文化省芸術文化勲章を受勲。1991年急性心不全のため死去(享年56)。

ときの忘れものは倉俣史朗 小展示を開催しています。
会期:2018年10月9日[火]―10月31日[水]11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
倉俣史朗(1934-1991)の 美意識に貫かれた代表作Cabinet de Curiosite(カビネ・ド・キュリオジテ)」はじめ立体、版画、オブジェ、ポスター他を展示。 同時代に倉俣と協働した磯崎新安藤忠雄の作品も合わせて ご覧いただきます。
ブログでは橋本啓子さんの連載エッセイ「倉俣史朗の宇宙」がスタートしました。ぜひお読みください。
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●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18〜24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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10月2日はデュシャンの命日

台風24号は強風と大雨で各地に大きな被害をもたらしました。
幸い駒込の私たちの画廊は無事でしたが、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

それにしても台風に振り回され、あたふたした数日間でした。
9月29日は野口琢郎展の最終日でしたが、留守を作家とスタッフに任せ、京都のロームシアター(旧京都会館、1960年前川國男設計で竣工、その後2016年に 香山壽夫建築研究所設計により改修、一部は改築して2016年に新装オープン)で開催された現代芸術の会主催(代表理事:浅井栄一)の一柳慧先生のコンサートに社長と二人で駆けつけました。一柳先生の新曲「ヴァリエーション」は、原田節さんのオンド・マルトノと一柳先生のピアノによる世界初演で、そこに立ち会えたことは生涯の思い出になります。
休憩時間のロビーでは思わぬ人たちにお目にかかりました。それも京都の人たちばかりでなく、遠く四国の方や、神戸、大阪、東京の方々など、つくづく演奏会というのは「サロン」だなあと思った次第です。
そしてtsutayaの入り口に設置されている野口琢郎さんの大作を拝見できたことも収穫でした。箔画による洛中洛外図ともいうべき力作です。

当初はのんびり酒でも飲んで翌日は京都の画廊さんめぐりを、などと考えていたのですが、台風24号の襲来でそれどころではなく、主催者の浅井さん、一柳先生にご挨拶して早々にホテルに入り、翌朝早い便で帰京致しました。

さて、本日10月2日は、マルセル・デュシャン(1887年7月28日ー1968年10月2日)の命日です。

昨2017年はデュシャンの生誕130年の記念すべき年であり、また現代美術史最大の事件となった既製の便器にR・MUTTとサインしただけの〈泉〉を発表してから(ただし実物は現存せず)、ちょうど100年にあたりました。
京都国立近代美術館ではなんと一年間にわたりその<泉>について考察する試みが開催されました(後述)。
京都に続き、今度は東京。
それが竹橋の東近美でもなく、六本木の国立新美術館でもない、上野のトーハクでデュシャン展が開催されると聞いて正直驚きました。

昨10月1日の「マルセル・デュシャンと日本美術」のオープニングには、デュシャンのコレクターとして著名な笠原正明さん、マン・レイイストの石原輝雄さん、瀧口修造研究の土渕信彦さんの東西コレクターの三人衆がそろい踏み、社長と亭主もその後についてトーハク平成館に向かい、なぜか京都の綺麗な舞妓さんが並ぶ開会式に出かけてまいりました。

そしてすでに話題のようですが色んな意味で期待の高まる「マルセル・デュシャンと日本美術」展公式の広報らしきこの記事がとても残念。というか有害ではないかと思います。
(20180926/成相 肇さんのfacebookより)

これ、そもそも展覧会自体が不愉快だから、スルーしたかったけど、やっぱり言っておく。この展覧会の東博側のキュレーション責任者と思しき、松嶋雅人氏って、デュシャンについても、日本美術についても、両方ともナメてる、あるいは観者対してもバカにしているとしか思えないんだけど。この広報マンガによると、デュシャンに代表させているところの「現代美術」とは、コンテクストを読むものらしいのだが、それと近代以前の日本美術を、レディメイドやらオリジナリティやら複製やらの概念と結び付けていること自体が、それこそ「コンテクストが異なる」のだけど、その点についての納得のいく釈明は、展覧会の解説なり展覧会カタログなりで行われるのであろうか。(多分行われない)
(20180930/土屋誠一さんのfacebookより)

上記のごとく、始まる前から、ネットでは議論が沸騰していました。
実際に拝見した感想は、さすがフィラデルフィア、ごくごく真っ当なデュシャン展で、いまさらながら凄い作家だなあと感銘を受けました。
しかし成相肇さんの指摘したとおり、マンガ風の広報記事はまったくひどいもので、フィラデルフィア美術館の優れたコレクションをおちょくっているのかと思うほどです。
例の「泉」(もちろんレプリカ)も多数の出品作品の中でごく自然な感じで展示されています。
むしろ、最後のコーナーの<日本美術>はわけのわからん展示内容で、まったく意味不明、余計でした。

全152点のデュシャン作品の中で唯一日本からの出品は「大ガラス」の東京バージョン(1980年、東京大学教養学部美術博物館所蔵)ですが、その完成に尽力された瀧口修造先生、東野芳明先生、横山正先生の功績を伝えていくことも私たちの務めだと痛感しました。

亭主は1981年の西武美術館の「マルセル・デュシャン展」は見逃しました。ですので初期油彩から始まる今回のデュシャンの作品はほとんどが初めて見るものばかりで、ガツンとやられました。
これはあと二、三回は行かねばなりませんね。必見の展覧会です。

下に掲載するのは評判の悪いチラシ、これじゃあ行く気にもならないのじゃあないかしら。
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東京国立博物館・フィラデルフィア美術館交流企画特別展
マルセル・デュシャンと日本美術

会期:2018年10月2日(火)〜12月9日(日)
会場:東京国立博物館(上野公園) 平成館 特別展示室 第1室・第2室

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京都国立近代美術館「キュレトリアル・スタディズ12:泉/Fountain 1917−2017
会期:2017年4月19日[水]〜2018年3月11日[日]
会場:京都国立近代美術館
前述の通り、京都国立近代美術館では昨年から今年にかけて一年間にわたりデュシャンの<泉>を検証(顕彰?)する試みが開催されました。
現代の美術家によるデュシャン解読の作例を加え、各回展示替えをしながら本作品の再制作版(1964)を1年間展示するとともに、さまざまなゲストを迎えて《泉》およびデュシャンをめぐるレクチャーシリーズを開催

京都の展示とレクチャーシリーズに関しては、マン・レイになってしまった人・石原輝雄さんが詳細なレポート「マルセル、きみは寂しそうだ。」をこのブログに連載してくださいました。
第1回(2017年6月9日)『「271」って何んなのよ』

第2回(2017年7月18日)『鏡の前のリチャード』

第3回(2017年9月21日)『ベアトリスの手紙』

第4回(2017年11月22日)『読むと赤い。』

第5回(2018年2月11日)『精子たちの道連れ』
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今回のトーハクの展示に関しては、ブログ執筆の常連、石原輝雄さんと土渕信彦さんたちの観戦記をぜひ期待したいものです。

マルセル・デュシャンと親交を結び、自ら『マルセル・デュシャン語録』(瀧口修造、マルセル・デュシャン、荒川修作、ジャスパー・ジョーンズ、ジャン・ティンゲリーのマルチプル作品を挿入)を編集刊行したのが瀧口修造でした。
念のため申し上げておきますが、今回のデュシャン展にはこの『マルセル・デュシャン語録』は出品されていません。
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瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHI『マルセル・デュシャン語録』
A版(限定50部)
1968年   本、版画とマルティプル
外箱サイズ:36.7×29.8×5.0cm
本サイズ:33.1×26.0cm
各作家のサインあり
発行:東京ローズ・セラヴィ
刊行日:1968年7月28日
販売:南画廊
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外箱もコンディション良好。緑も色あせることなく鮮やかです。

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表紙


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荒川修作 《静物》サイン入り


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マルセル・デュシャン「プロフィールの自画像」複製

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ジャン・ティンゲリー《コラージュ・デッサン》サイン入り


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ジャスパー・ジョーンズ《夏の批評家》サイン入り


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《ウィルソン・リンカーン・システムによるローズ・セラヴィ》マルセル・デュシャンのサイン入り
マン・レイ撮影のデュシャンの若い頃の横顔(プロフィール)の写真にチェンジ・ピクチャ―の「ウィルソン・リンカーン・システム」によってRrose Sélavyのサインを組み合わせた作品。

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瀧口修造 Shuzo TAKIGUCHI『マルセル・デュシャン語録』A版(限定50部)
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

瀧口修造は、現代美術の先駆者であるマルセル・デュシャンに対して、1930年代から深い関心を寄せ、たびたび論じてきましたが、1958年の欧州旅行でダリ宅を訪れた際にデュシャン本人を紹介され、以降は互いに著書を献呈するなど、直接の交流が生まれました。帰国後1960年代に入るとデュシャンに対する瀧口の傾倒はさらに深まり、その頃に構想した架空の「オブジェの店」についてもデュシャンに命名を依頼し、若き日の有名な変名「ローズ・セラヴィ」を贈られました。その返礼として瀧口が製作し、1968年に刊行したのが『マルセル・デュシャン語録』です。
デュシャンのメモや言葉の遊びを自ら編集・翻訳したもので、デュシャンだけでなく、ジャスパー・ジョーンズ、ジャン・ティンゲリー、荒川修作ら協力者たちの作品(マルチプルないし複製)も付属しています。
その後もデュシャンに対する瀧口の関心は継続し、手作り本『扉に鳥影』(1973年)や岡崎和郎との共作のマルチプル『檢眼圖』(1977年)、デュシャンについてのメモを収めた「シガー・ボックス」なども制作しています。
デュシャンを巡る考察は、後半生の瀧口の最も重要な課題のひとつであり、最も多くの時間が充てられていた、といっても過言ではないでしょう。
>(土渕信彦

詳しくは、土渕信彦さんのエッセイをお読みください。

11.『マルセル・デュシャン語録』(その1)20150713

12.『マルセル・デュシャン語録』(その2)20150813

13.『マルセル・デュシャン語録』(その3)20150913

●今日のお勧めは中村美奈子さんが瀧口修造にオマージュした文鎮です。
中村美奈子 文鎮こげ茶、赤、緑、オレンジの4色あります。
一個:大5,500円 小5,000円(税別)
二個組:10,000円(税別)
三個組:14,000円(税別)
紙ケース付、送料は一律500円(何個でも)。

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください


●書籍のご案内
TAKIGUCHI_3-4『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録
2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別)*送料250円


ときの忘れものは倉俣史朗 小展示を開催します。
会期:2018年10月9日[火]―10月31日[水]11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
倉俣史朗(1934-1991)の 美意識に貫かれた代表作「Cabinet de Curiosite(カビネ・ド・キュリオジテ)」はじめ立体、版画、オブジェ、ポスター他を展示。 同時代に倉俣と協働した磯崎新安藤忠雄のドローイングも合わせて ご覧いただきます。
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●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18〜24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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竹田鎮三郎「メキシコ地震から一年〜本当に困っている方のところに」

本当に困っている方のところに

竹田鎮三郎

2017年9月7日メキシコのオアハカ州でマグニチュード8.2の地震がおきました。
オアハカでの死者は78名。チアパスでは18名。タバスコ州4名。
57,621軒の家が崩壊、5,485軒の家が半壊。現在も小さな地震が続いています。

被害が大きかったフチタン、イステペック、タパナテペック、サンフランシスコデルマールでは一年経った現在でもまだ20%ほどの家しか再建されていません。
その理由は生活基盤を失ったことで収入がなくなったことと、建築材料の高騰と建築屋さんの給料の高騰があります。

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1月にテワンテペックで被災して家の半分が倒壊した竹田の友人宅を尋ねると、建設途中のまま、屋根もなく放置された状態で、建築屋さんが突然来なくなったとのこと。たくさんの人が建築屋さんを探しているので、少しでも多く払える人のところへ行ってしまうのだそうです。

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朝になるとロングスカートの民族衣装を着た女性たちがプロメリアの花を花輪にして売っていたフチタンの市場も跡形もなく崩れてしまい、一年経った今も全く再建されずにいます。

町の中にはまだ、崩れた家の瓦礫の山と、いつになるか分からないけど再建するためのセメントブロックの山が並んでおかれていて、どんなお家があったのか今は全く分からない更地もたくさんあります。

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この度、ときの忘れものさまよりご支援金1,005,675円を受け取りました。
一年経った今、こんなにたくさんのご支援いただけたことを大変ありがたく思います。
継続して援助できることが何よりの励みになります。

今回お送り頂いたご支援は竹田鎮三郎が以下のような形で被災地に現金ではなく物資という形でお渡しして行きます。

フチタンの文化の家の版画工房への支援
 建物は現在政府の援助金によって建て直し中ですが、細々とした材料にはまだ支援が届いてこないということで、プレス機に必要なフェルト、インク類、彫刻刀、ニードルなどの道具類を支援します。

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校舎が倒壊したままで、屋外で授業を受けている子供達への支援
ハラパデマルケス村など行政の支援が行き届かない村で、かつ竹田の現在の学生の出身の村へ行き、定期的にワークショップを開催することと、文房具や必要な物資を支援すること。

生活再建と日々の生活に必要な衣服の援助
 美しい刺繍が得意の方達でも、布が手に入らず収入を得るチャンスを逃してる方がたくさんいます。さらに今回被災した地域では年配の女性たちは民族衣装しか着ないため、外国から届いた洋服の支援は 受け入れられなかったそうです。
そこで布をご支援金で購入して、ボランティアで縫ってくださる方にお願いして民族衣装を仕立てます。また、布をお渡しして、刺繍をして頂いて生活再建の役に立てて頂きます。

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オアハカ州立自治ベニートフアレス大学芸術学部校舎への援助
 竹田が40年勤務する芸術学部の校舎が地震によって6つの大教室が使用不可能になりました。
レンガでできた部分がコンクリート部分から崩れ落ち、一年経っても全く改修される予定がありません。このため学生は実技の授業と学科の授業を同じ校舎で受けることができなくなり、学科をバスで30分ほど離れた別校舎で受けています。
修繕計画がまとまり次第、どんな援助が可能か検討します。

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震災によって開催できなくなっていた文化イベントの復活の援助
 著名な詩人の生誕の地イスワタン村で毎年開催されていたサポテコ語とスペイン語で詩を朗読する文化交流イベント開催の援助。

皆様のご支援を本当に困っている方のところにできるだけ確実にお届けしたいと思っております。
ありがとうございました。
たけだ・しんざぶろう

*画廊亭主敬白
メキシコの大地震から一年が経ちました。
昨年9月7日メキシコのチアパス州でマグニチュード8.2の巨大地震が発生し、続けて19日には首都・メキシコシティー近郊をマグニチュード7.1の地震が襲いました。建物の倒壊により多くの人が犠牲になりました。
それからちょど一年後の9月6日、今度は北海道胆振東部地震が襲い、全道がブラックアウトとなり、厚真町はじめとする土砂崩れによって多くの方が命を落とされました。
あらためて、メキシコ、そして北海道で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

昨年末2017年11月28日[火]―12月2日[土]にときの忘れものでは<メキシコ地震被災地支援・チャリティー頒布会>を開催しました。

私たちの仕事は平和で安全な社会でこそ成り立ちます。
不幸にも戦乱や自然災害に巻き込まれた人々に、私たちが出来ることはそう多くはありませんが、少しでもお役にたてたらと、私どものコレクションを提供し、全100作品を一律@8,000円で頒布いたしました。
趣旨にご賛同いただき北川民次作品(複数)を久保貞次郎先生のご遺族から、末松正樹作品を作家のご遺族から、武井武雄作品などをU様からそれぞれ無償でご提供いただきました。
驚くほどの反響で、124点が売れ、総額1,005,675円が皆様から寄せられました

送金先については、
1)なるべく直接現金をお送りし、直ぐにお役に立てて欲しい。
2)できるだけ支援が届きにくい民間の団体、個人を対象にしたい。
3)画廊のコレクションを提供して集まったお金なので、被害を受けた文化財的なものも対象にしたい。と考えたのですが、
実はそれからが大変でした。
一年近く経ってもなかなか送金先が決まりませんでした。
なぜなのかは、ここでは書きませんが(申し訳ありません)、とにかく社長も亭主も皆様の暖かい心のこもった1,005,675円を何とか被災地に届けねばとずっと模索していました。
竹田鎮三郎先生20180726
左から、筒井美佐世さん、竹田鎮三郎先生、綿貫令子、画廊亭主
2018年7月26日
駒込・ときの忘れもの

今年の夏、メキシコから竹田鎮三郎先生と筒井美佐世さんが久しぶりに日本に来られました。
私たちが竹田先生に初めて出会ったのはもう40年以上前ですが、現代版画センター時代には何点もの版画作品をエディションし、全国各地で展覧会もいたしました。
竹田先生の暮らすオアハカ州も大きな被害を受けているので、さっそくご相談し、上掲の竹田先生のお手紙にあるような仕儀とあいなりました。
なかなか支援が届かなかった場所、人々に、少しでもお力になれれば嬉しいです。
ご支援くださった皆様に、謹んでご報告する次第です。

●本日のお勧め作品は、マン・レイです。
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マン・レイ Man Ray 
宝飾品のための最初の広告写真
1935年(1986年リプリント)
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:25.5x34.2cm
シートサイズ:29.2x39.0cm

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください


●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18〜24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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「久保貞次郎の会」発足のご案内

「久保貞次郎の会」発足のご案内

新しい児童美術教育運動のオーガナイザー・美術評論家・新しい芸術とその運動のパトロン・現代美術のコレクター・跡見学園短期大学学長・町田市立国際版画美術館館長・はたまたエスぺランチストとして実に多くの顔を持っていた久保貞次郎氏は1996年10月31日にお亡くなりになりました。今年は23回忌にあたります。
その稀有な人物像は、没後22年たった今でも、久保氏を知る人々に心深く残っています。
久保氏ゆかりの地を訪問し、久保氏を知る方々との触れ合いの場を設けることで、今一度久保氏の業績を振り返り、後世に伝えて行きたいと思い、この会を発足致しました。
第一回『久保貞次郎の会』と致しまして、竣工80周年を迎える真岡小学校の久保講堂(遠藤新設計)を建築家井上祐一先生のご説明を伺いながら見学し、久保氏の墓参りと、かつての久保邸に隣接するレストランで会食を致します。
限定20名までとなりますが是非、久保貞次郎再発見の日としてお集まり頂きますようご案内申しあげます(定員に達し次第、締め切ります)。

2018年9月 
久保貞次郎の会』世話人
榎本エミ子、川口真寿美、秀坂令子、藤沼秀子、綿貫令子(五十音順)


日時;2018年10月27日(土)13:00〜19:00
集合時間;13:00(昼食は各自済ませてください)
集合場所;久保講堂前(〒321-4325 栃木県真岡市田町1345-1) 
アクセス方法; 北関東自動車道「真岡I.C」から15分
真岡鐵道「真岡駅」から徒歩15分
JR宇都宮線「石橋駅」から真岡車庫行き[荒町停留所]下車徒歩7分
 石橋駅発12:20 → 荒町停留所着12:51
 石橋駅発11:15 → 荒町停留所着11:46

【当日の日程】
13:00〜 講師:井上祐一先生による久保講堂見学
15:30〜 久保氏墓参り(長連寺/久保記念観光交流館隣)
     久保記念館見学 (〒321-4305 栃木県真岡市荒町1105-1 TEL.0285-82-2012)
17:00〜 会食(久保記念観光交流館内 Trattoria COCORO TEL.0285-84-8008)
19:00 解散(田町から石橋行きバス最終は19:32発〜石橋駅20:13着です)
【会費】 5,000円(交通費は各自ご負担ください。当日集金します。)

参加希望の方はときの忘れものまでお問い合わせください

●久保講堂
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201809221621053
*上掲の図版は、『住宅建築』2009年9月号(no.413)より転載

場所:真岡市田町1345−1
建築年:昭和13年(1938)昭和61年(1986)移築
構造 :木造2階建 左右塔屋付 瓦葺 西洋式トラス構造
規模 :【間口】45.45メートル【奥行】19.089メートル
面積:【1階】651.21平方メートル【2階】52.88平方メートル
【塔屋】11.65平方メートル
【延面積】715.74平方メートル 
久保講堂は、1938(昭和13年)に真岡小学校講堂として、遠藤新の設計で建てられた。内部は広い板敷きで、2階にはギャラリーがある。水平線を強調した正面バルコニーの左右に塔屋を設けた意匠に特徴があり、遠藤新氏の作風がよく現れている。
平成9年5月7日 国登録有形文化財

久保記念観光文化交流館
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●久保貞次郎
20180922161958

■久保貞次郎(くぼさだじろう)略歴
1909年(明治42年))5月12日 足利市 小此木家に生まれる。
1928年(昭和3)日本エスペラント学会に入会。
1933年(昭和8年)東京帝国大学 文学部 教育学科卒業。佳代子(大正2生まれ)と結婚し、 久保と改姓。
1935年(昭和10年)第2回日米学生会議に参加、渡米。東京・牛込に遠藤新設計による久保貞次郎邸を竣工。
日本エスペラント学会の九州特派員として九州各地をまわり、宮崎で後に瑛九となる杉田秀夫に出会い、現代美術への興味を深め、以後瑛九を通じてオノサト・トシノブ北川民次らと親交する。
1938年(昭和13年)真岡小学校校庭に久保家の寄付で遠藤新設計の「久保講堂」を竣工、記念事業として「児童画公開審査会」を始める、「久保賞」を創設。1942年第7回まで開催、その間に羽仁五郎、小此木眞三郎、北川民次、オノサト・トシノブ、瑛九、羽仁説子、武谷三男らが審査員を務める。
美術研究のため北米、欧州へ旅行(翌年帰国)。タリアセンにフランク・ロイド・ライトを訪ねる。国吉康雄やオシップ・ザッキンらと出会う。
1939年(昭和14年)久保コレクション「世界児童画名作展」を足利、佐野、栃木、銚子で開催、以後全国各地で開催する。
1942年(昭和17年)真岡の久保邸内に遠藤新設計の「久保ギャラリー」を竣工。
1945年(昭和20年)3月10日の東京大空襲で牛込の久保邸が焼失。
1951年(昭和26年)瑛九、泉茂らがデモクラート美術家協会を結成、外部から支援する。
1952年(昭和27年)創造美育協会(創美)を創立。瑛九、藤沢典明、嘉門安雄、瀧口修造、田近憲三、宗像誠也、周郷博、室靖、北川民次、木水郁男、久保らが委員となる。全国で創美ゼミナールを開催。
真岡町教育委員に公選制で就任(〜54年3月)
1954年(昭和29年)久保コレクション泰西名画展を本間美術館(山形県酒田市)で開催。
瀧口修造の詩による版画集『スフィンクス』を刊行。
1956年(昭和31年)瑛九の主唱で「よい絵を安く売る会」を発足させ第1回展を東京・檪画廊で開催。小コレクター運動を展開、池田満寿夫靉嘔磯辺行久ら若い作家たちを支援する。
1957年(昭和32年)読売新聞社主催「第1回東京国際版画ビエンナーレ」開催に協力、審査員を務める。美術出版社内に「版画友の会」を設立、大下正男、今泉篤男とともに顧問となる。
1959年(昭和34年)跡見学園短期大学で児童美術、美術鑑賞の講座を担当し、多くの教え子たちを美術の世界に導く。
1965年(昭和40年)オノサト・トシノブ、瀧口修造、木水育男、杉田都、杉田正臣、山田光春、尾崎正教らと「瑛九の会」を結成。
1966年(昭和41年)ヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表を務める(オノサト・トシノブ、池田満寿夫、靉嘔、篠田守男が出品)。
1974年(昭和49年)現代版画センター(〜1985年)が設立され、顧問に就任。
1977年(昭和52年)跡見学園短期大学 学長に就任(〜85年)
1986年(昭和61年)町田市立国際版画美術館 初代館長に就任(〜93年)。
久保講堂移築。
1989年(平成1年)日本エスペラント学会会長に就任。
1993年(平成4年)町田市立国際版画美術館で「久保貞次郎と芸術家展」が開催される。
1996年(平成8年)10月31日 逝去、享年87 (長連寺に納骨)。
著書:『ブリウゲル』(美術出版社)、『シャガール』(みすず書房)、『児童画の見方』(大日本図書)、『児童美術』(美術出版社)、『子どもの創造力』(黎明書房)、『児童画の世界』(大日本図書)、『ヘンリー・ミラー絵の世界』(叢文社)、『久保貞次郎 美術の世界』全12巻(叢文社)他。

●今日のお勧め作品は久保エディションから桂ゆきです。
桂ゆき「虎の〜」桂ゆき
虎の威を借る狐
1956年 リトグラフ
38.8×55.8cm
Ed.100  signd

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●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18〜24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜19時。日・月・祝日は休廊。
ただし9月20日[木]―9月29日[土]開催の野口琢郎展は特別に会期中無休です
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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駒井哲郎を追いかけて 第66回

先月末をもって、shumoku galleryのスペースをクローズしました。古い建物をリノベーション工事してからまだ4年足らず。ようやく内部も整いまだまだこれからというところに突然、貸主都合での建て替えを申し渡され、抵抗虚しく撤退を決めました。
思えば当初はただ、当時あまり知られていなかった60年代の戦後美術を紹介するギャラリーを名古屋に、そして当時の建物に飾って文化を伝えようという、徒手空拳なスタートでした。
しかしスペースを持つというのは面白いもので、この場で素晴らしい作家たちと出会い、多くの展覧会を開催することになりました。
美術にかぎらず全ての価値基準は、人の主観によって無限の広がりがあるもので、それにある基準を提示するのがギャラリーと思います。ここで自分が紹介できた美術もほんのちょっとの要素だったと思いますが、ここでは、なるべく広い分野の展示をするよう心がけました。もともと好きな分野を見るだけで終わるのではなく、美術という軸を通して色々な時代や感性のものを見て、好奇心を刺激して、関心をもつことが、大切と思っています。
何人かの方の好奇心を刺激し、扉を開くものであったら、この場を作って良かったと思います。
また、いつかどこかに良いスペースを作れるよう、引き続き努力します。
これまで訪れて頂いた皆様、ありがとうございました。

(居松 篤彦さんのfacebookより 20180902)>

昨年春、同じように突然青山を引き払わざるを得なかった私たちですが、居松さんの無念なお気持ち、身につまされます。
一時は廃業まで考えた私たちですが、おかげさまで駒込に新天地を求めることができました。
居松さんの次なる飛躍と展開を心より期待します。

とろこで駒井哲郎(1920-1976)は亭主が1974年に美術界に入って以来、ずっと追いかけてきた作家ですが、今秋嬉しい展覧会が西と東と二つあります。

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●「山と樹を描く
会場:中野美術館
〒631-0033 奈良市あやめ池南9丁目946-2
電話・FAX:(0742)48-1167
会期:前期・2018年9月7日(金)〜10月8日(月・祝)
   後期・2018年10月13日(土)〜11月11日(日)
休館日:毎週月曜日  ※月曜祝日は開館し、翌日休館
開館時間 午前10時〜午後4時
中野美術館は奈良の大和文華館近くにあり、村上華岳(所蔵点数43点)のコレクションで有名ですが、入江波光、土田麦僊、榊原紫峰など国画創作協会のメンバーはじめ、富岡鉄斎、横山大観、冨田溪仙、小林古径、徳岡神泉など近代日本の巨匠たちの作品を収蔵しています。洋画も須田国太郎を中心に、青木繁、萬鉄五郎、中村彝、岸田劉生、小出楢重、古賀春江、村山槐多、三岸好太郎、熊谷守一、松本竣介などを所蔵、版画では長谷川潔、駒井哲郎、浜口陽三恩地孝四郎、清宮質文など実にオーソドックスなコレクションが光ります。
今回は駒井哲郎の「大きな樹」が展示されるので楽しみです。
「大きな樹」は文字とおり、駒井作品の中でも異例なほど大判作品ですが、なかなか市場には出てきません。そのあたりの事情は「駒井哲郎を追いかけて 第57回」で書きましたのでお読みください。

横浜では久しぶりに駒井哲郎の大規模な展覧会が開催されます。
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「駒井哲郎―煌(きら)めく紙上の宇宙」
会場:横浜美術館
会期:2018年10月13日(土)〜12月16日(日)
横浜美術館は長谷川潔のコレクションで有名ですが、今回は福原義春氏コレクション(世田谷美術館蔵)を核とした色鮮やかなカラーモノタイプ(1点摺りの版画)を中心に、駒井の版画作品や詩画集など約210点を展示、レンブラント・ハルメスソーン・ファン・レイン/ジェームス・マクニール・ホイッスラー/ オディロン・ルドン/パウル・クレーマックス・エルンストジョアン・ミロ/ 恩地孝四郎/長谷川潔/岡鹿之助/瀧口修造/安東次男/北代省三/粟津則雄/ 湯浅譲二/谷川俊太郎/大岡信/中林忠良など関連作家の80点を含む華やかな展示になるようです。
期待したいですね。

それにしても一昔前なら駒井=白と黒の造形、と相場は決まっていたのに、福原コレクションの圧倒的な色彩世界(主にモノタイプ作品)が常識を覆し、今では学校の教科書にすらカラー作品が紹介される時代になりました。
色彩を愛しながら、生前は「白と黒の造形」という名声に呪縛され、色彩作品の公開に消極的にならざるをえなかった駒井先生、今回の色彩あふれる展覧会をどう天上からご覧になるでしょうか。
横浜では初の駒井展、幾度か通わなければなりませんね。

上掲の二つの展覧会は、美術館から送っていただいたチラシをコピーして紹介しました。
このブログでは亭主が面白いと思い(独断)、あまり人が入っていなそうな展覧会(偏見)をなるべくご紹介したいと思っています。
ありがたいことに各地の美術館がチラシ(フライヤー)を送ってくださる。それをコピーしてブログに載せているのですが、どうしても東京近辺が多くなってしまいます。なかなか西の美術館からはチラシが届きません。
某月某日、スタッフがとある西の美術館にウエブサイトに掲載されているチラシをスキャンしたいと許可を求めたらしい。そうしたらですね「一応どんな紹介になるのか事前に掲載文を送って欲しい」と言われたとか。
亭主は例によってかっとなり「それって検閲でしょ」とスタッフに八つ当たりしてしまいました。
美術館が公共のサービスとして四方八方に送っている(しかしたまたま私どもの画廊には来ていない)チラシをスキャンして掲載するのに、事前に文章のチェックが必要だなんて。
もちろん上掲の美術館ではありません。
いつから学芸員は検閲官になってしまったのでしょうか。日本の未来は・・・暗いなあ。

●今日のお勧め作品は駒井哲郎です。
駒井哲郎「岩礁」1970駒井哲郎「岩礁にて
1970年 銅版(カラー)
23.0×35.0cm
Ed.500 Signed
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埼玉県立近代美術館・MOMAS COLLECTION第二期〜宮脇愛子

この夏の猛暑にはほんとうに参りますね。
7月後半の体温より高い温度の日々は思い出すだけでもクラッとなります。
加えて、西日本の皆さんがかつてない豪雨に見舞われ、今もご苦労が続いています。
あらためて被災地の皆さんにはお見舞いを申し上げます。

8月中旬、画廊の夏休みが10日間ありました。
亭主と社長はまず溜まった仕事や家事の片付けに二日、懸案だった病院(亭主のアレルギー症状)の検査で二日を費やし、墓参で少し遠出。
あとの5日はのんびりさせていただきました。
映画を二本、コンサートを二つ。

えっ、それじゃあ美術館がないじゃないかと訝しがる方もいらっしゃるでしょうね。
その通りで、すいません、暑さを言い訳に、この夏は美術館ゼロでありました。
もちろん、行かねばならぬ展覧会も多々あります・・・

その筆頭は、埼玉県立近代美術館の「MOMAS COLLECTION第二期
会期:2018年7月14日〜10月14日
出品リストをご覧ください。
埼玉近美コレクション展示201807
現代版画センターのエディション作家など45人の作品278点を埼玉県立近代美術館に寄贈したことは7月6日のブログでご報告いたしました。
寄贈作品は順次、同美術館のコレクション展などで公開されると伺っています。
宮脇愛子先生の作品が現在展示されています。
063
寄贈した宮脇愛子作品、埼玉県立近代美術館「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展の展示スナップより

065同上

1982年4月9日_ギャラリー方寸 (8)
宮脇愛子先生
1982年4月9日ギャラリー方寸
第3回プリントシンポジウム展」オープニングにて

●今日のお勧め作品は宮脇愛子です。
宮脇愛子『GOLDEN EGG(A)』
宮脇愛子「GOLDEN EGG(A)」 1982年 ブロンズ
21×12×4.5cm  限定50 刻印及びケースに自筆サインあり
*現代版画センターエディション
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜〜土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。


●編集思考室シオング「Colla:J」編集局の塩野哲也さんから、月刊フリーWebマガジン Colla:J(コラージ)の最新号のご案内をいただきました。
愛媛 瀬戸内の島々・大洲の夏 」を発行しました(閲覧無料です)。
 http://collaj.jp/
(ご覧になれない場合は下記をクリックください)
 http://collaj.jp/data/magazine/2018-08/

 愛媛県 今治の大三島、伯方島と大洲市を訪ねました。
 瀬戸内の島々は、土石流などの被害を受けながら、
 一歩づつ復興への道をあゆんでいます。
 大三島では大山祇神社や伊東豊雄建築ミュージアムを訪ねつつ、
 被害の大きかった多々羅温泉や伯方島の有津地区に向いました。
 愛媛の小京都 大洲市も、肱川の洪水により浸水しましたが、
 市街地は大半が復興し、臥龍山荘や大洲城は平常どおり公開され、
 夏の風物詩「うかい」も再開されています。

 [ 特集 ]愛媛 瀬戸内の島々・大洲の夏
 今治「瀬戸内の島々と豪雨災害」
 多々羅大橋 / 多々羅温泉 /
 大山祇神社 / ところミュージアム大三島 /
 今治市伊東豊雄建築ミュージアム /
 伯方島 有津地区
 愛媛の小京都 大洲と肱川
 肱川に咲く数寄「臥龍山荘」
 市民の力で甦った天守閣「大洲城」

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 までご連絡くださいませ。
 編集思考室シオング「Colla:J」編集局・編集兼発行人 塩野哲也

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名古屋ボストン美術館が10月で閉館

名古屋に居ながらにして、米国が世界に誇るボストン美術館のコレクションを鑑賞できる姉妹館名古屋ボストン美術館は、使命を全うして、10月8日(月・祝)をもって閉館することとなりました。
20年間、当館をお支えいただいた皆様に感謝を込めて、最終展として「ハピネス〜明日の幸せを求めて」を開催します。
美術の目指すところも究極的には人間の幸福感とは―、と問い返すところにあるように思います。この最終展をご覧いただき、その問い返しにそれぞれの思いを重ねていただける事を願っております。
これまで当館を愛し、ご支援いただいた皆様に心から熱くお礼申し上げます。どうぞ、名古屋ボストン美術館の最後の展覧会をお楽しみください。
   名古屋ボストン美術館館長 馬場駿吉


先日、「石神の丘美術館が25周年」と岩手の小さな町の美術館の健闘を称えたばかりですが、大都市名古屋の美術館が閉館となる残念なニュースです。

名古屋ボストン美術館には幾度か伺いましたが、亭主にとって一番印象の残る展覧会は、ボストンの名品ではなく、2008年に開催された館長の馬場駿吉先生のコレクション展でした。
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2017年2月「ART NAGOYA 2017」にて
馬場駿吉先生(左)

名古屋B駒井哲郎展表駒井哲郎展_名古屋B裏


駒井哲郎名古屋B美展図録馬場駿吉先生は人も知る駒井哲郎先生と親交厚かったコレクターです。
「一俳人のコレクションによる 駒井哲郎銅版画展〜イメージと言葉の共振〜」
会期:2008年4月26日〜9月28日
会場:名古屋ボストン美術館

 このときの名古屋ボストン美術館の案内には「名古屋在住の俳人で、芸術評論家としても活動している当館館長の馬場駿吉は、大学医学部の若き研究者だった1961年、市内の画廊が主催した個展で初めて駒井哲郎の作品を目にしました。そして、それまで味わったことのない衝動に駆られ、駒井の版画1点を購入します。それは馬場が生まれて初めて購入した美術品でした。その後、駒井自身とも知遇を得て、70点近くに及ぶ駒井作品のコレクションを築きました。馬場にとって彼の作品は現代美術への扉であると同時に、自らの俳句の源泉でもありま す。本展では、馬場の新旧の俳句を織り交ぜ、彼の目を通した駒井哲郎像、そして一俳人と銅版画家との領域を超えた響き合いを紹介します。」とあります。
 因みに上記の名古屋<市内の画廊>とあるのは、鈴木佐平が経営していた「サカエ画廊」のことですが、今でもサカエ画廊のシールがついた作品が市場に出ることがあります。名古屋では先駆的な画廊でした。鈴木佐平については、中村稔著『束の間の幻影 銅版画家駒井哲郎の生涯』222ページには馬場駿吉先生の文章を引用して<名古屋市中区東田町にサカエ画廊を自営し、引き続き駒井作品を名古屋周辺へ熱心に紹介しつづけた慧眼の画商であったが、残念ながら経営上の破綻によってやがて画廊は閉ざされ、氏も消息を絶った>とあります。

 この展覧会は駒井追っかけの亭主としては見逃すわけには行かず、名古屋まで遠征して出品作品一点づつを克明に見て、その限定番号をメモし、このブログで二回にわたり報告しました。
2008年9月16日ブログ「馬場駿吉コレクション〜駒井哲郎を追いかけて第30回
2008年9月22日ブログ「馬場駿吉宛書簡〜駒井哲郎を追いかけて第31回

 1615年創業の名古屋の老舗百貨店・丸栄百貨店が6月30日に閉店したニュースにも驚きました。
駒井追っかけとしては、1958年(昭和33)4月に丸栄百貨店で開催された「駒井哲郎版画展」は忘れることのできない重要な展覧会でした。
65回で中断したままの「駒井哲郎を追いかけて」を再開し、丸栄百貨店のことも書かねばなりませんね。

●ときの忘れものは昨年〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18〜24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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中谷芙二子先生が高松宮殿下記念世界文化賞を受賞

今年度の高松宮殿下記念世界文化賞を中谷芙二子先生が受賞されました。
おめでとうございます。


(*高松宮殿下記念世界文化賞は1988年に創設された文化賞。毎年、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の5部門で文化芸術の発展に寄与した世界の芸術家に贈られる。建築ではこれまでに丹下健三や安藤忠雄、フランク・ゲーリー、オスカー・ニーマイヤーらが、絵画では杉本博司やダニエル・ビュレン、彫刻では三宅一生、アニッシュ・カプーアらが受賞してきた。)

銀座メゾンエルメスフォーラムで開催された『グリーンランド/中谷芙二子+宇吉郎展』は霧のアーティストとしての面目躍如、連日若い人たちで賑わいました(2017年12月22日〜2018年3月4日)。この展覧会で中谷先生のことを知った人たちも多かったのではないでしょうか。

私たちが中谷先生の存在を知ったのは1970年代に遡りますが、霧の彫刻家としての活動より(これは極く限られた場所で短期間の展示のため実際に見る機会は少なかった)、ビデオアートの先駆者であり、1980年に開始された実験的なギャラリー活動「ビデオギャラリーSCAN」(原宿にあった)にたいへん刺激されました。1983年には草間彌生先生の個展も開催され、そのときのポスターは今見てもパワーと品に満ちています。
プロセスアート」を設立し、SCANで国内外のビデオ作品の個展を開催し、多数のビデオアーティストを世界に送り出した功績はもっともっと評価されていいと思います。

またあまり知られていないことですが、アンディ・ウォーホルの友人として日本への紹介に尽力し、1974年の大丸のウォーホル展の影の功労者でもあります。
1983年現代版画センターが企画した「アンディ・ウォーホル全国展」にもご協力いただきました。

中谷芙二子「ウォーホル 東京の夜と朝

青山にときの忘れものをオープンして11年目に私たちの画廊の画期となる「トリシャ・ブラウン ドローイング展 思考というモーション」を開催したのですが(2006年3月22日〜4月8日)、自らのダンス・カンパニーを率いて18年ぶりの来日公演(彩の国さいたま芸術劇場)をしたトリシャ・ブラウンさんとの仲介をして下さったのも中谷先生でした。
DSCF6532トリシャブラウン展オープニング2006年3月22日中谷芙二子
2006年3月22日ときの忘れものにて
中谷芙二子先生(左)と、トリシャ・ブラウンさん(右)
トリシャ・ブラウン
『トリシャ・ブラウン―思考というモーション』
2006年  ときの忘れもの 発行
デザイン:北澤敏彦
編集:尾立麗子
執筆:トリシャ・ブラウン、岡崎乾二郎、スティーヴ・パクストン、マース・カニングハム、ウィリアム・フォーサイス、ジョナス・メカス、中谷芙ニ子、石井達朗、黒沢美香、岡田利規
112ページ  A5版
価格:2,571円*送料別途


今秋10月には水戸芸術館で初めての大規模な個展(10月27日〜 2019年1月20日[)が開かれるそうです。
ますますのご健康とご活躍を期待しています。
〜〜〜〜〜〜

今年の高松宮殿下記念世界文化賞には中谷先生のほかに、建築部門ではクリスチャン・ポルザンパルクが、絵画部門ではピエール・アレシンスキー、音楽部門はリッカルド・ムーティ、演劇・映像部門はカトリーヌ・ドヌーヴが受賞しました。
いずれも日本には馴染みの深い人たちですね。

●本日のお勧め作品は、ピエール・アレシンスキーの1960年の版画集です。
Alechinsky_1ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"

1960年
リトグラフ7点組
タトウサイズ:57.5×39.0cm
Ed.65

Alechinsky_2ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(1)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_3ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(2)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_4ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(3)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_5ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(4)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_6ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(5)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_7ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(6)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

Alechinsky_8ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
"LA REINE DES MURS"(7)

1960年
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×48.0cm
シートサイズ:38.0×56.5cm
サインあり

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください


ピエール・アレシンスキー Pierre Alechinsky
ベルギーのブリュッセルに生まれ、高校卒業後、市内の美術工芸学校で本の装丁の課程に入学。ここでは芸術家としての道を拓くことになる版画も学んだ。1948年結成の国際的な前衛美術集団「コブラ(CoBrA)」(1951年解散)で活躍。その後、パリに移住した。
京都の前衛書道家、森田子龍と交流を深め、1955年に初来日。『日本の書』という短編映画を製作した。書道の影響を受けた自由な筆さばきと、乾きやすいというアクリル絵具の特性を活かし、自身の内面を大胆に表現する。鮮やかな色彩と、複雑かつ有機的、躍動感と生命感にあふれた線描で、独自のスタイルを確立。1960年と1972年にはベルギー代表としてヴェネツィア・ビエンナーレに出品。2016−17年には日本初の大規模回顧展が日本・ベルギー国交関係樹立150年を記念して東京と大阪で開かれた。

内間安瑆・内間俊子展のご報告

先週末に終了した「内間安瑆・内間俊子展」のご報告もしないうちに、ときの忘れものは夏季休廊に突入しました。
例年通り8月11日〜20日まで、10日間の休みをスタッフたちはゆっくりのんびり過ごしている(に違いない)。
ブログは執筆陣の皆様にお願いしていつもより締切りを早めて予約投稿していますので、画廊は休みですが無休で更新しています。どうぞご愛読ください。

01
内間安瑆作品

05
内間俊子作品

今回の「内間安瑆・内間俊子展」は会期も7月17日〜8月10日と長めにとり、NY在住のご遺族をお迎えして私たちも張り切って開催したのですが、思いもかけない災害級の猛暑にぶつかってしまいました。
20180722内間家と会食2018年7月22日
東洋文庫カフェにて、内間家の皆さん、社長の跡見の後輩たちと会食

燃えるような暑さの中を4日間も在廊してお客様に対応して下さった内間家の皆様に感謝するととともに、会期の設定を間違ったことへの悔いが残ります。
きっと来たくても来られなかったお客様も多かったはず。
最後の週になってようやく普通の暑さ(それでも暑い!)に戻り、来廊者も増えました。

2014年9月12日付ブログ用画像_08
1982年の内間安瑆先生と俊子夫人
この写真を撮った僅か半年後、安瑆先生が病に倒れ、18年間に渡る長い闘病生活が続きます。
2000年に相次いで亡くなられた内間ご夫妻には私たちは言葉に尽くせぬほどお世話になりました。

これほどの優れた作家が忘れられ、貴重な作品が人々の目に触れられる機会が少ないのは残念でなりません。
今回二人展として展示したのは、美術史の空白ともなっている1950年代に活躍し、1960年代以降は太平洋をはさみ日米の架け橋ともなったお二人の活動を記録し、伝えてゆくことが私たちの務めと思っているからです。

幸い、多くの美術館学芸員にお二人の作品を見ていただくことができました。きっと遠くない将来に美術館レベルでの展示が実現するでしょう。

○神奈川県立近代美術館館長の水沢勉先生には、ご多忙の中、お二人について素晴らしい文章をご寄稿いただきました(8月4日ブログ「ふたりでひとり―内間安瑆と内間(青原)俊子」)。
20180720水沢勉先生と内間安樹さん
2018年7月20日ときの忘れものにて
内間安樹さん(左)と水沢勉先生

○水沢先生には版画掌誌「ときの忘れもの」第04号にもご執筆いただいています。
水沢勉版の音律―内間安瑆の世界
版画掌誌第4号には、安瑆先生の作品(後刷り)が挿入されており、ぜひご購読ください。

お元気ならば俊子先生が100歳、安瑆先生は97歳です。
日本に在住していた頃のお二人を良く知る方に再会できたことも、大きな収穫でした。
斎藤玲子さん20180810
2018年8月10日最終日に来廊された斎藤玲子さん(右)。
お二人の1950年代、青原俊子さんと安瑆先生を良く知るご友人です。


○7月21日ブログ「流政之と内間安瑆・内間俊子
○7月24日ブログ:内間安樹「My parents: A Reflection  追想:両親のこと
○7月25日ブログ「オリヴァー・スタットラーと内間安瑆〜名著『Modern Japanese Prints: An Art Reborn』
○7月28日ブログ「イサム・ノグチと内間安瑆〜東京オペラシティでイサム・ノグチ展
○7月30日ブログ「内間安瑆先生と早稲田の友人たち

内間安瑆先生については、以前ブログで紹介した下記の論文、インタビューもご参照いただければ幸いです。
永津禎三内間安瑆の絵画空間
内間安瑆インタビュー(1982年7月 NYにて)第1回第2回第3回

今回の展覧会の出品作品は7月14日ブログに掲載しましたので、ご覧ください。
展覧会が終了したので一部は倉庫に戻しますが、事前にご連絡いただければご用意しますので、どうぞご興味のある作品がありましたら、ご連絡ください。

『内間安瑆・内間俊子展』カタログ
2018年 ときの忘れもの 刊行
B5判 24ページ 図版:51点、略歴収録
テキスト:内間安樹(長男、美術専門弁護士/ニューヨーク州)
デザイン:岡本一宣デザイン事務所
編集:尾立麗子
編集協力:桑原規子
翻訳:味岡千晶、他
価格:税込800円 ※送料別途250円

表紙_表1_内間展_修正_0628_600表紙_表4_内間展_修正_0628_600

作品をお買い上げいただいたお客様、炎暑の中をお運びいただいた皆様、そしてNYから展覧会にかけつけてくださった内間家の皆様には心より御礼を申し上げます。
ほんとうにありがとうございました。
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ギャラリー&編集事務所「ときの忘れもの」は建築家をはじめ近現代の作家の写真、版画、油彩、ドローイング等を扱っています。またオリジナル版画のエディション、美術書・画集・図録等の編集も行なっています。
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