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町村悠香〜町田市立国際版画美術館「横尾忠則 HANGA JUNGLE」2017年4月22日〜6月18日

「横尾忠則 HANGA JUNGLE」展 版画による横尾忠則50年の冒険

町田市立国際版画美術館学芸員 町村悠香


 現在、町田市立国際版画美術館では「横尾忠則 HANGA JUNGLE」展が開催されている。1960年代から新作までのほぼ全版画約230点と、これまでポスターに分類されてきた「版画」約30点を一堂に会した、版画による横尾の大回顧展である。
 横尾忠則は、1960年代にアンダーグラウンド演劇のポスターをエロスと妖しさがただよう総天然色のデザインで制作して以来、グラフィズムによって時代の流行をつくりだし、若者カルチャーをリードするデザイナーとして注目を浴びてきた。「時の人」としてさまざまなメディアに取りあげられ、1970年代のロックやヒッピー・カルチャー、インド、精神世界への傾倒は当時の若者達に絶大な影響を与えた。1982年の「画家宣言」以降はペインティングに仕事の比重を移し、いまなお衰えないエネルギッシュな創作を続けている。
 本展覧会は横尾忠則現代美術館と当館に作家本人から多くの版画作品をご寄贈いただいたことをきっかけに、版画を通して横尾の創作の全貌に迫ることを狙いとした。横尾の展覧会はこれまで国内外で数多く開催されているが、版画の大回顧展は1990年以来27年ぶりである。総天然色の版画が壁を埋め尽くす本展を見渡すことで、1968年に版画制作を開始して以降、ペインティング、グラフィックと平行して生み出されている横尾の版画作品は、彼の創作活動を通観できる重要な柱の一つであることが分かるだろう。
 メディア横断的な横尾の版画制作の軌跡を追うことができる代表的な存在が『Wonderland』シリーズだ。1973年に刊行された版画集『Wonderland』と、1995年に発表された『W Wonderland』には、グラフィック、浮世絵、コミック、芝居、音楽などさまざまなジャンルの表現が織り込まれている。

001《Blue Wonderland》
1973年
シルクスクリーン・紙
206×292cm
町田市立国際版画美術館蔵


002《Red Wonderland》
1973年
シルクスクリーン・紙
206×292cm
横尾忠則現代美術館蔵


 1973年7月にギャルリー・ムカイから版画集として発行された『Wonderland』は、ユートピアを求め、南国の島々への憧憬を深めていた当時の横尾の志向を凝縮している。《Blue Wonderland》と《Red Wonderland》の2バージョンから成り、B1判8枚のピースが組み合わさって、縦206×横292cmの画面を構成する巨大な作品だ。版画集と銘打ちながらも卓上で楽しめる規模を遙かに超え、鮮やかな色彩を用いて、グラフィックやイラスト、コミックなどスタイルの異なるイメージが渾然一体となった吸引力を持っている。
 本作の下敷きとなっているのは海岸に裸の女性が置かれ、右端からコミック版のターザンが顔をのぞかせる「版画」作品、《Wonderland》だ。1971年の第10回現代日本美術展にB1判ポスターの形式をとった「版画」作品として出品し、街頭のポスターに見立てて壁に画鋲で留めただけで展示したところ、会期中に盗難にあったというエピソードがある。長らくポスターとして区分されてきたこの作品は、もともと美術作品として制作されたことに立ち返り本展では「版画」と捉えて出品している。

003《Wonderland》
1971年
オフセット・紙
73.5×104.3cm
作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)


『Blue/Red Wonderland』はこのB1判作品を8倍に拡大・分割したイメージに、さらに2つのポスターの要素が加わっている。一つ目は中央下部の波と薄く見える浮世絵風の絵柄で、1971年の国立劇場11月文楽公演「通し狂言 椿説弓張月」ポスターの引用だ。このポスターは1969年に三島由紀夫が手がけた新作歌舞伎「通し狂言 椿説弓張月」の文楽版公演のために歌舞伎版ポスターの版を組み替えて制作されたものだ。歌舞伎版初演のポスターは三島たっての希望で横尾が起用され、葛飾北斎の読本挿絵の模写にサイケデリックな色彩を施した仕上がりとなっている。左から中央にかけての印刷の網点が露出した虹は、1970年に結成された人気ロックバンド《EMERSON LAKE & PELMER》のポスターである。このようにファイン・アートとコマーシャル・アートの垣根を越え、もとのイメージが持つコンテクストの興奮を引き継ぎながら、それを知らない者にとっても高揚感を与える『Blue/Red Wonderland』。版を用いたコラージュの遊びが、ここではないどこかに連れて行ってくれそうな高揚感を高めてくれるのだ。
 この作品を制作した翌1974年は版画集『聖シャンバラ』や『ターザンがやってくる』など多数の版画作品を制作したが、以降は版画への興味が薄れ制作が途絶えた。1980年代はじめの「画家宣言」と平行して版画制作を再開したのは、ペインタリーな手法を採り始めた横尾が、シムカ・プリント・アーティスツで試みた版に直接描くシルクスクリーンの描画法に魅力を感じたことが1つのきっかけだった。この頃は木版画やリトグラフ作品でも絵画的表現の実験を試みている。1980年代半ばにはアメリカ人の女性ボディビルダー、リサ・ライオンらをモデルに「自然と肉体」をテーマとした作品群を発表。油彩画にさらに本格的に取り組むにつれ、1980年代後半には西洋美術史の名画と共鳴したシリーズを発表していく。これらは1987年に西武美術館で行われた絵画による大規模個展「横尾忠則展 ネオロマンバロック」に集大成していった。ペインティングにおける自他イメージの引用と増殖を経て、その熱は版画にも飛び火し、版画の領域でもイメージが重層的に重なり合う、大作絵画並の大型版画に挑んでいった。
 『Blue/Red Wonderland』の22年後、1995年に制作された『W Wonderland』は、西洋名画との交感を深めた作品を発表した後、自身の少年時代に目を向けていた時期に制作された。『Blue/Red Wonderland』の上に新たな版を刷り重ね、ピースを組み替えたことで、ビビッドな色彩と時空が歪んだかのように入り乱れるイメージの重層性と無秩序さがさらに増幅している。

01《W Wonderland 機1995年、シルクスクリーン・紙、206×292cm、作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)
《W Wonderland 供1995年、シルクスクリーン・紙、206×292cm、町田市立国際版画美術館蔵
展示風景


 新たに加えられたイメージは、同年に手がけたペインティング《6月27日の子宮内での出来事》から引用した。自らの内面を掘り下げる「私的絵画」を制作していた横尾が、少年時代に熱中した山川惣治の和製ターザン物語『少年王者』のワニと格闘する姿と、江戸川乱歩の『少年探偵団』の後ろ姿を描きこんだ作品である。『W Wonderland』は、『Blue/Red Wonderland』の南国の楽園と1936年6月27日に生を得た西脇での幸福な思い出が重なり、二重写しの「楽園」が表現されている。それは単なるノスタルジーではなく、母親の胎内で身体が出来上がる前の、自と他が混交した状態とも解釈できるかもしれない。
 本作で新しく加えた版は『W Wonderland』を制作途中に2点のシリーズとして独立させることを思いつき、『少年時代』と命名された。そのうち《少年時代 A》は横尾の二十歳までの自伝『コブナ少年−横尾忠則十代の自伝』(文藝春秋、2001年)の装画に、またジャングルにまつわる作品《少年時代 B》は本展の公式カタログ『横尾忠則全版画 HANGA JUNGLE』(国書刊行会、2017年)の表紙に使用され横尾のイメージの引き出しの一つとして活用されるに至っている。

004《少年時代A》
1996年
シルクスクリーン・紙
103.2×74.2cm
町田市立国際版画美術館蔵


005《少年時代B》
1996年
シルクスクリーン・紙
103.2×74.2cm
町田市立国際版画美術館蔵


 本展覧会のタイトルにつけた「HANGA」と「JUNGLE」というキーワードは、打合せのなかで横尾自身が重要視していった言葉だ。この2語は本展のテーマであり、またグラフィックや絵画との連続性を持つ横尾の版画の制作を解釈する上で重要なキーワードでもある。自身のツイッターでも以下のように述べている。

「版画といえば、木版画を想像されるけど、僕の場合、大半がシルクスクリーン(勿論、木版もリトグラフ、エッチングもあるけれど)です。ウォーホルは全てシルクスクリーン。」
「『版画』は古くさいのでぼくは『HANGA』と呼ぶ。展覧会名は『HANGA JUNGLE』。」(2017年2月8日)
「版画家を本職と思ったことは一度もないせいか、いつも出たとこ勝負のスタイルで一貫性のないのが僕のスタイルです。」(2017年4月18日)
「展覧会名『HANGA JUNGLE』の説明しましたっけ?密林には様々な樹木が共生しているように僕の版画もバラバラの様式が密林のように一個所に集まっているところから、こんなネーミングをつけました」(2017年5月2日)

 これらの発言は、伝統的木版画を制作する職人や専業の版画家としてではなく、グラフィック・デザイナーを経て、画家として活動するなかで、多くの作品を生み出してきた横尾の思いが表れている。横尾はデザイナーとして印刷に、そして画家・美術家として絵画に携わってきた。その双方に跨がる表現分野である版画はフラットでありながら、グラフィカルにもペインタリーにもマチエールを表現することができ、横尾のグラフィックと絵画両方の魅力を引き出せるジャンルだ。本業としてきた分野から少しはみ出した版画のフィールドだからこそ、その時々のスタイルを用いた冒険的で遊び心溢れる表現のエネルギーに満ちているのだ。
 ぜひ先入観を持たず、展示室の壁を覆うような総天然色の色彩の氾濫に身を委ね、生命力溢れる「HANGA JUNGLE」の世界を体感していただきたい。ここまで述べた言葉よりもその空間に置くだけで、ペインティング、グラフィックと平行して生み出されてきた横尾の版画制作は、彼の創作活動のなかで重要な柱の一つであることが分かるだろう。それが理性や概念よりも直感と衝動を信じて行動する、横尾流だ。

*画像は展覧会で展示している作品に限って掲載いたしました。

まちむら ゆうか

●展覧会のご紹介
20170518_520170518_4
「横尾忠則 HANGA JUNGLE」
会期:2017年4月22日[土]〜6月18日[日]
会場:町田市立国際版画美術館
時間:平日/10:00〜17:00、土・日・祝日/10:00〜17:30(入場は閉館の30分前まで)
休館:月曜

〜〜〜横尾忠則は1960年代にアンダーグラウンド演劇のポスターをエロスと妖しさがただよう総天然色のデザインで制作して以来、グラフィズムによって時代の流行をつくりだし、日本文化をリードするデザイナーとして注目を浴びました。それ以後「時の人」としてさまざまなメディアに取り上げられますが、その一方でHANGAの制作にも積極的に取り組んでいきます。1982年に「画家宣言」を発した後もペインティングと併行して、版画の枠を超えた作品を制作し続けています。〜〜〜(町田市立国際版画美術館HPより)

20170521横尾忠則『横尾忠則全版画 HANGA JUNGLE』
2017年
国書刊行会 刊行
260ページ
30.5x23.6cm
アートディレクション:横尾忠則
デザイン:相島大地(ヨコオズ・サーカス)
翻訳:クリストファー・ディケンズ
執筆:
・椹木野衣(美術評論家、多摩美術大学教授)
・滝沢恭司(町田市立国際版画美術館学芸員)
・町村悠香(町田市立国際版画美術館学芸員)
・山本淳夫(横尾忠則現代美術館学芸課長)
税別2,800円


●今日のお勧め作品は、『今日の問題点』です。
20170521_box池田満寿夫、横尾忠則、吉原英雄、永井一正、野田哲也、福田繁雄、靉嘔
オリジナル作品集『今日の問題点』
限定70部
1969年
21.5×21.5×21.5cm


企画・製作:海上雅臣
デザイン:福田繁雄
発行:壹番館画廊
各作品に作家サインあり

20170521_ikeda_01池田満寿夫
作品集『今日の問題点』より
《この空の上》

1969年
エッチング、ルーレット
イメージサイズ:16.1×14.2cm
シートサイズ :20.0×20.0cm
鉛筆サインあり


20170521_yokoo2横尾忠則
作品集『今日の問題点』より
《写性》

1969年
シルクスクリーン
イメージサイズ:19.0×13.6cm
シートサイズ :19.8×19.8cm
鉛筆サインあり


20170521_yoshihara吉原英雄
作品集『今日の問題点』より
《オレンジ色のしずく》

1969年
リトグラフ
イメージサイズ:16.0×13.0cm
シートサイズ :19.8×19.8cm
鉛筆サインあり


20170521_nagai永井一正
作品集『今日の問題点』より
《変点》

1969年
凹版、オフセット
イメージサイズ:16.4×17.3cm
シートサイズ :19.8×19.8cm
鉛筆サインあり


20170521_noda野田哲也
作品集『今日の問題点』より
《日記1969年2月28日》

1969年
木版、シルクスクリーン
イメージサイズ:14.9×14.9cm
シートサイズ :19.8×19.8cm
鉛筆サインあり


20170521_fukuda福田繁雄
作品集『今日の問題点』より
《正3面体の展開図》

1969年
平凹版
イメージサイズ:15.0×15.0cm
シートサイズ :19.8×19.8cm
鉛筆サインあり


20170521_ay-o6靉嘔
作品集『今日の問題点』より
《レインボールームの中の一匹の虫》

1969年
オフセット、シルクスクリーン
イメージサイズ:18.0×18.0cm
シートサイズ :18.0×18.0cm
4枚一組の作品
裏面に鉛筆サインあり

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ときの忘れものの通常業務は平日の火曜〜土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。

●今日(日曜)と明日(月曜)は休廊です。

◆ときの忘れものは青山に編集事務所を構えてから30年近くなりますが、諸般の事情によりここを引き払い移転することになりました。
ただいま開催中の「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」が青山での最後の企画展となります。
会期:2017年5月13日[土]―5月27日[土] *日・月・祝日休廊
201705UEDA_DM
初期名作から晩年のカラー写真など15点をご覧いただきます。出品リストはコチラをクリックしてください。

広島、豊田、町田で三つの展覧会

先日お伝えしたとおり、30年余りを過ごしてきたこの青山を去ることになりました。
早ければ来月にも別の街の、新しい空間に移転します。

貧乏画廊でも長くやっているといろいろな作家、作品とめぐり会う機会も少なくない。
当時はごく普通のことだと思っていたことどもも、40年も経つと、その時代を知っていた人もいなくなり(少なくなり)、自分の常識が若い世代にはまったく通用しないのだと気づくことになります。

倉庫に山と積まれた作品群も公認会計士からは「不良在庫」扱いされるのに、新米の学芸員には「えっ、こんな珍しい作品、初めてみました〜」とか言われ、ついついニヤニヤしてしまう、困ったもんです。

この春、たまたま私たちが出品などでお手伝いした展覧会が重なりました。
広島には殿敷侃、豊田には瑛九ル・コルビュジエ、町田には横尾忠則のそれぞれ作品を貸し出ししています。
全会場に伺わねばならないのですが、町田はともかく、広島、豊田はちと遠い。そうでなくても引越し騒ぎで通常の作業も遅れ勝ち、会期はまだあるから・・・などと油断していると終わってしまいかねない。
ということで、先日一番遠い広島に行ってまいりました。豊田、町田にも近々伺うつもりです。

●広島市現代美術館
殿敷_1200殿敷2_1200
「殿敷侃:逆流の生まれるところ」
会期:2017年3月18日[土]〜5月21日[日]
会場:広島市現代美術館
時間:10:00〜17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館:月曜日

広島には幾度も行っていますが、山の上にある黒川紀章設計(1989年開館)の広島市現代美術館にはオープン直後に来たことがあるだけで長いことご無沙汰でした。没後25年を迎えた殿敷さんの短くも果敢な生涯を振り返った本展については、既に担当学芸員の松岡剛先生と、アート・ウオッチャーの佐藤毅さんに寄稿していただいています。
正直言って打ちのめされました。初期の微細な点描作品や晩年のインスタレーションの仕事は少しは知っていたつもりでしたが、薄暗い会場に展示されたキノコ雲の写真を拡大・反復させた巨大シルクスクリーン、鉛筆やボールペン、あるいはスタンプで描いた無数の点や線の集積からなる大作群ははじめて見るものばかりでした。
廃棄物や漂流物を周囲の人々を巻き込みながら集め、繰り広げたダイナミックなインスタレーションの記録(映像、写真、記録文書)も重要ですが、むしろそういう激しい活動の裏で日常的に孤独な制作作業の末に生み出されたであろう静寂な画面の美しさに圧倒されました。

呆然としたまま山を下り、40年もの長い付き合いになるギャラリーたむらのご主人と飲んだ翌朝、いつもは外から見るばかりだった広島平和資料記念館にはじめて入りました。
多くの中学生、そして海外の人たち(こんなに多くの人が訪れていることにも驚きました)に混じり、原爆で亡くなった子供たちの遺品(学生服、弁当箱・・・)と死ぬ間際に残した言葉、ご遺族の無念のにじむ手記などを読みながら、涙がとまりませんでした。
殿敷侃展は会期終了まで残り僅かですが、ぜひご覧になってください。
展覧会図録はときの忘れものでも扱っています。
20170414『殿敷侃:逆流の生まれるところ』図録
2017年
広島市現代美術館 発行
278ページ
25.7x18.7cm
価格3,400円(税別) 
※送料別途250円

目次:
・序にかえて―殿敷侃についての覚書 寺口淳治
・I 何くそ、こんな絵は…:初期具象からポップアート的絵画へ 1964-1970
・II たたみ込まれた執念:点描と銅版画の実験 1970-1980
・III 上手く描くと忘れ物をする:長門という場所での創作
・VI 埋め尽くすものと、隙間からのぞくもの:反復と集積による表現 1980-1985
・V 逆流する現実:廃材によるインスタレーション 1983-1991
・逆流の生まれるところ 松岡剛
・年譜
・文献リスト
・出品リスト

〜〜〜〜
●豊田市美術館
20170404172223_00001

20170404172223_00002
「岡乾二郎の認識―抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜」
会期:2017年4月22日(土)〜6月11日(日)
会場:豊田市美術館 展示室1〜4
休館日:月曜日
開館時間:10:00〜17:30(入場は17:00まで)
企画監修:岡乾二郎(造形作家)

論客の岡乾二郎さんを監修に迎え、美術館のコレクションを中心に他からも借り集めて構成した異色の展覧会で、巷の噂ではめっぽう評判がいい。岡さんならではの近代美術史を大胆に読み直す試みについては、担当学芸員の千葉真智子先生に先日ご寄稿いただきましたので、ぜひお読みください。

〜〜〜〜
●町田市立国際版画美術館
20170518_520170518_4
「横尾忠則 HANGA JUNGLE」
会期:2017年4月22日[土]〜6月18日[日]
会場:町田市立国際版画美術館
時間:平日/10:00〜17:00、土・日・祝日/10:00〜17:30(入場は閉館の30分前まで)
休館:月曜

亭主が美術界に入った時代(1970年代)のスターとは「社会面に載る人」のことでした。
横尾忠則と池田満寿夫がまさにスターでした。
本展に関しても、担当学芸員の町村悠香先生にご寄稿をお願いしており、5月21日に掲載予定です。ホントはもう少し早く掲載したかったのですが、予想外(!)に人気で(あの町田に続々と横尾ファンが押し寄せている)、原稿の執筆どころじゃないらしい。

〜〜〜横尾忠則は1960年代にアンダーグラウンド演劇のポスターをエロスと妖しさがただよう総天然色のデザインで制作して以来、グラフィズムによって時代の流行をつくりだし、日本文化をリードするデザイナーとして注目を浴びました。それ以後「時の人」としてさまざまなメディアに取り上げられますが、その一方でHANGAの制作にも積極的に取り組んでいきます。1982年に「画家宣言」を発した後もペインティングと併行して、版画の枠を超えた作品を制作し続けています。〜〜〜(町田市立国際版画美術館HPより)

広島、豊田、町田いずれも担当学芸員たちの熱意あふれる展覧会です。
どうぞお出かけください。

●今日のお勧め作品は瑛九横尾忠則殿敷侃です。
20170518_1_qei_165瑛九
《花々》
1950年
油彩
45.5×38.2cm(F8)


20170518_2_yokoo_04_tahiti_1a_mimi横尾忠則
《タヒチの印象 I-A(耳付)》
1973年
スクリーンプリント・和紙(耳付)
イメージサイズ:85.0×60.5cm
シートサイズ:112.0×72.5cm
Ed.100の内、T.P.(数部)
サインあり
※レゾネNo.36(講談社)


20170518_3_14_insect殿敷侃
《地中の虫》
リトグラフ
イメージサイズ:21.2×35.9cm
シートサイズ :36.2×45.1cm
Ed.30
サインあり


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◆ときの忘れものは「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」を開催しています。
会期:2017年5月13日[土]―5月27日[土] *日・月・祝日休廊
201705UEDA_DM
初期名作から晩年のカラー写真など15点をご覧いただきます。出品リストはコチラをクリックしてください。

秋葉シスイが東京で、渡辺貴子が山梨で展覧会に参加します。

秋葉シスイが東京で、渡辺貴子が山梨で展覧会に参加します。

「そんなわけで4人展」
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「そんなわけで4人展」
会期:2017年5月12日[金]〜5月23日[火]
会場:cafe+gallery 芝生
   〒156-0052 東京都世田谷区経堂2-31-20
時間:13:00〜19:00(最終日は18:00)まで
休み:水曜・木曜

大学で同じゼミだった人たちが集まりました、そんなわけで4人展に参加します。
作風もばらばら、性格もばらばら、
それでもなんとなく続いている接点。
ほどよい距離間の4人です。

会場の「芝生」は、小さな小さなギャラリーです。
小屋のような室内へ一歩踏み入れると、秘密基地のような感覚を憶えます。

小田急線の経堂駅からなかなか距離がありますが、「芝生」が面したすずらん通りには、たい焼き屋があったり、インドカレー屋があったり、すこし変わった雑貨屋があったり。
車もほとんど通らない和やかな通りです。
4人全員が小田急線沿いに住んでいて、みんななんとなく経堂が好きで、ここにしようと決まりました。

自分は小さい絵を8点ほど出します。

近くにお越しの際は、
また気が向いたら、
ご覧いただければさいわいです。
あきば しすい

02_rokugo秋葉シスイ
「rokugo」
2017年
油彩、キャンバス
31.8x41.0cm(F6号)
サインあり


03_nocturne秋葉シスイ
「nocturne」
2017年
油彩、キャンバス
31.8x41.0cm(F6号)
サインあり


04_雪星秋葉シスイ
「雪星」
2017年
油彩、キャンバス
24.2x33.3cm(F4号)
サインあり


05_次の嵐を用意している秋葉シスイ
「次の嵐を用意している」
2017年
油彩、キャンバス
24.2x33.3cm(F4号)
サインあり


06_farewell秋葉シスイ
「farewell」
2017年
油彩、キャンバス
27.3x27.3cm(S3号)
サインあり


〜〜〜〜
「シリーズ/山梨の現代美術作家 Vol.3 瀬古徹×渡辺貴子
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「シリーズ/山梨の現代美術作家 Vol.3 瀬古徹×渡辺貴子」
会期:2017年5月21日[日]〜6月18日[日] ※開廊日:木・金・土・日
会場:art and little shop iGallery DC
   〒406-0031 山梨県笛吹市石和町市部789-99
時間:12:00〜19:00

以前こちらで展示をさせていただいた時だったと思います。
「作品から音が聞こえてくるみたいです」
と見てくださった方が言った
その言葉がとても印象に残っています。

音、おと、オト、

眺めたら
近くを通ったら
触ったら
吹いたら

聞こえる 音、おと、オト…

聞いたことのない音を
聞いてみたくなりました

聞こえるでしょうか
わたなべ たかこ

渡辺貴子渡辺貴子
「オト 000」
W13.0xD6.0xH15.0cm


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ときの忘れものの通常業務は平日の火曜〜土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。

◆ときの忘れものは「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」を開催します。
会期:2017年5月13日[土]―5月27日[土] *日・月・祝日休廊
201705UEDA_DM
初期名作から晩年のカラー写真など15点をご覧いただきます。出品リストはコチラをクリックしてください。
●イベントのご案内
5月13日(土)17時より、写真史家の金子隆一さんによるギャラリートークを開催しますが、既に定員に達したので、予約受付は終了しました。

千葉真智子「岡乾二郎の認識―抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜」展

「岡乾二郎の認識―抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜」展

豊田市美術館 千葉真智子


 タイトルにあるとおり、本展は、造形作家であり、批評家・研究者としても重要な仕事をしてこられた岡乾二郎さんに企画監修をお願いし、豊田市美術館のコレクションに館外からお借りした作品を加えて構成された展覧会である。
 当館のコレクションの大きな特色は、一般的な日本の美術館がまず収集対象に掲げるであろう、近代でいえば、印象派やキュビスムなどのフランス美術、そして戦後でいえば、アメリカ型の抽象表現主義美術、この二大巨頭がほぼゼロなことで、かわりに、近代ではウィーンの美術・応用芸術、戦後に関してみれば、イタリアのアルテ・ポーヴェラやヨーゼフ・ボイスらドイツ系の作家たちの作品が多いという点にある。こうした特色を考慮しながら、さらに岡さんがこれまで熱心に研究し、折に触れて言及してきた作家や美術の動向をも盛り込んで構想されたのが、「抽象芸術」の本来の意味を探るという、本展の趣旨である。それは、言ってみれば、キュビスムから派生し、戦後アメリカの抽象芸術に辿り着いたとされる、あの有名なアルフレッド・バーによるモダニズムの進化のチャートをまるごとひっくり返す試みであり、ここには、キュビスムから抽象表現主義へという美術史の物語によって、視覚の問題にのみ収斂してしまった「抽象」を、そうではなく、非常に身体的、具体的、直接的なものなのだとして、作品と自身の見方・言葉でもって「具体的に」描き直そうとする強い思いがある。
 
 作家である岡さんの確信が根底にあるからこその展覧会だと実感する。会場は、常にはないような豊かさと自在さに満ち、その一方で深部にぐっとくるような切実さも備えている。

 そもそも、展示の始まりが教育遊具だなどと想像して見に来る人などいないのではないだろうか。早くも日本で明治時代に導入されたフレーベルの恩物や、その後展開したモンテッソーリ、シュタイナーの玩具は、それらに直接触れることを通して、私たちにモノそのものの本質を垣間見せ、また私たちをしかるべき行動に導いてくれるものとして考案されたという。そして、そうした幼児期の原初の具体的体験こそが、作家たちの創造の根底にあり、抽象芸術の本質に繋がることを、会場の真ん中に置かれたテーブルの上の玩具と、それを取り囲む現代美術の作品たちとの関係―積み木の傍に置かれたリュックリームの石組みのドローイング、熱で形態変化する蜜蝋粘土の傍に置かれた脂肪の詰まったボイスのジョッキー帽、カラフルなフレーベルの恩物の球に向かい合う田中敦子の円と電気コードの描写から成る絵画―が浮かびあがらせてくれる。通常の美術展では、玩具といっても、名前のある作家のものであるか、あるいは、あくまでも文化史としてしか紹介できないところを、入念な調査を経たうえで、確信をもって、ヒエラルキーを覆して、抽象芸術の始まりとして鮮やかに披露する。

 こうしたはっとするような軽やかな振る舞いの一方で、展示には、岡さんが作品制作で追求してきたことに接続する、切実さが折り込まれてもいるのも実感できる。作り手として実現したいこと。作り手だからこそ他の作品から読み取れること。
 岡さんがしばしば言及してきた坂田一男は、師匠とされてきたレジェと並べて、展示室4のメインを張るが、そこで試みられるのは、レジェの影響という通俗的な理解の解体である。坂田の向かいには、マルチブロック・プリントという複数の版木の重ね合わせで作られた恩地孝四郎の版画があり、無関係なモノを一つに印画紙の上に定着させた瑛九のフォトデッサンと型紙があり、その先には、目に見える対象を超えた「無形なもの」の表現向かった岸田劉生の「デロリ」の絵画と、絵画の向こうにあるはずの充満した空虚を表現しようとしたルーチョ・フォンターナの深い穴が並ぶ。到底簡単にまとめられるものではないが、敢えていえば、それらは、空間の可変性や対象の不確実性に気づきながらも、そのこと自体を一つの作品のなかに実現しよう(ここにない空間を、その作品のなかのみ出現させよう)という果敢な取り組みであり、こうした作品と手に手を取ることで、坂田の絵が、レジェの半幾何学的な一枚の画面とは異なり、それぞれの対象の外側にあるそれぞれの地を、複数のネガティブな空間としてそのまま一枚の絵の中に共存させる試みだったことが強度をもって説明されることになる。こうした理解の核心には、岡さんが初期のレリーフから現行の絵画までを貫いて実践してきた、空間の創出に関わる追求に、深い根拠があるのだろうと思う。

坂田一男 コンポジション1949坂田一男
《コンポジション》
1949年
個人蔵

22_葉っぱと雲恩地孝四郎
《ポエムNo.22葉っぱと雲》
1953年
和歌山県立近代美術館蔵

qei_nemuri-cover瑛九
《眠りの理由(表紙)》
1936年
個人蔵

岸田劉生「鯰坊主」岸田劉生
《鯰坊主》
1922年
豊田市美術館蔵

 展示の仕方も同様である。何がその作品にとって大事なのか、それを適確に見せる。それぞれの作品が置かれる場所には、その壁、その空間における他の作品との関係から導かれる確固とした根拠がある。
 愉しいのに気の抜けない、隙のない、情報のいっぱいつまった展覧会となっている。

DSC00404会場風景
撮影:青木兼治

DSC00420会場風景
撮影:青木兼治

 是非、多くの方に見ていただきたいと切に思う。

ちば まちこ

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「岡乾二郎の認識―抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜」
会期:2017年4月22日(土)〜6月11日(日)
会場:豊田市美術館 展示室1〜4
休館日:月曜日(5月1日は開館)
開館時間:10:00〜17:30(入場は17:00まで)
主催:豊田市美術館
観覧料:一般800円(700円)/高大生500円(400円)/中学生以下無料
     *( )内は20名以上の団体料金
企画監修:岡乾二郎(造形作家)
関連プログラム
◎講演会「抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜」
 日時:5月14日(日)午後2時〜(午後1時30分開場)
 講師:岡乾二郎(本展監修者・造形作家)
 会場::美術館1階講堂(定員172名、先着順、聴講無料)

*画廊亭主敬白
豊田市美術館といえば谷口吉生の設計で知られ(1995年11月開館)、設立時の思い切った蒐集方針によって国内の美術館では異彩をはなっている。
本エッセイの筆者・千葉真智子さん(同館学芸員)が<一般的な日本の美術館がまず収集対象に掲げるであろう、近代でいえば、印象派やキュビスムなどのフランス美術、そして戦後でいえば、アメリカ型の抽象表現主義美術、この二大巨頭がほぼゼロ>と高らかに断言している通りである。いい意味で偏ったコレクションをもとにした今回の企画は通常ならば「コレクション展」とか「常設企画」と呼ばれるものですが、監修を依頼した相手が悪かった(つい口が滑ってごめんなさい、凄い人に頼んだものです)、岡さんの企画への集中と情熱がどんどん過熱する、どんどん内容が膨らむ、目にみえるようですね。同館のコレクションだけでは間に合わず、四方八方から集めたらしい。
ときの忘れものが協力を依頼されたのは、先ず瑛九、そしてジョン・ケージル・コルビュジエでした。
あの豊田で瑛九が展示されるならば本望であります。今まで扱ってきた中でとびきりの名品を所蔵家のご協力を得て、出品することができました。
同館のホームページをご覧になればわかりますが、メインは「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」です。瑛九がならぶ「岡乾二郎の認識―抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜」展をぜひご覧になってください。

◆ときの忘れものは「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」を開催します。
会期:2017年5月13日[土]―5月27日[土] *日・月・祝日休廊
201705UEDA_DM
初期名作から晩年のカラー写真など約15点をご覧いただきます。どうぞご期待ください。
●イベントのご案内
5月13日(土)17時より、写真史家の金子隆一さんによるギャラリートークを開催します(要予約/参加費1,000円)。
必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申し込みください。
info@tokinowasuremono.com

写大ギャラリーでロベール・ドアノー写真展「ドアノーのパリ劇場」2017年4月17日〜6月11日

写大ギャラリーでロベール・ドアノーの写真展が開催されています。

2017050420170504_裏

ロベール・ドアノー写真展「ドアノーのパリ劇場」
―写大ギャラリー・コレクションより―

会期:2017年4月17日[月]〜6月11日[日]
会場:東京工芸大学 写大ギャラリー
   〒164-8678 東京都中野区本町2-4-7
   東京工芸大学中野キャンパス・芸術情報館2階
   TEL:03-3372-1321(代表)
時間:10:00〜20:00
会期中無休・入場無料
モノクロ写真作品約40点を展示

写真教育の“創造的現場”として、1975年開設された写大ギャラリーは、海外の著名写真家の日本における初個展をはじめとして、数々のユニークな写真展を開催してきました。
写真展期間中には、その作家を招聘して学生への授業だけでなく、一般公開しているギャラリー・トークも開催しています。また、ギャラリーは写真展の開催だけでなく、国内外の写真家の貴重なオリジナル・プリントを1万点以上コレクションし、展示や研究にと活用しています。
日本のみならず海外でも“SHADAI GALLERY”として知られているユニークなギャラリーです。(写大ギャラリーHPより転載)

「レンズは主観的だ。この世界をあるがままに示すのではない。私が気持ちよく感じ、人々が親切で、私が受けたいと思うやさしさがある世界だ。私の写真はそんな世界が存在しうることの証明なのだ。」
自作についてこのように語ったロベール・ドアノーは、パリの街や郊外において、一般市民の混沌とした日常生活のなかで起きる、予想できない奇跡的な瞬間をユーモアと情念を持って撮影し続けます。
街の中の人物、建物、背景などを前に「感嘆する瞬間」が訪れるのを忍耐強く待ち、カメラにおさめたのでした。
1994年に亡くなったロベール・ドアノーは市井の人々のかけがえのない一瞬や、心に沁み入る瞬間をとらえる類希な洞察力によって、日常のドラマを写真に紡ぎ、独自の世界を築いた写真家として、時代や国境を越えて、人々を魅了し続けています。代表作《パリ市庁舎前のキス》(1950年)は、世界で最も良く知られた写真の一枚でしょう。
生涯で約45万点のネガを残しましたが、近年は、その膨大なアーカイヴから、様々な新機軸による展覧会・出版によってますます評価が高騰しています。

本展は、写大ギャラリーがコレクションするオリジナルプリントの展覧会です。
ドアノーの作品を「こども」「パリ郊外」「街」「物陰のパリ」「恋人たち」「芸術家」の6つのテーマに沿って選び、構成されています。

ロベール・ドアノー Robert Doisneau(1912-1994)
1912年パリ郊外のジョンティイ生まれ。印刷会社でリトグラフの仕事を経験後、1931年写真家に転向。1934年ルノー自動車で広告、工業写真家として勤務し、1939年に独立するが、すぐに召集を受ける。パリ陥落後はレジスタンス活動に加わる。戦後は1946年にラフォ通信社に参加し、フリー写真家として「パリ・マッチ」などのフォトジャーナリズム分野で活躍。一方、1948年から1952年まではファッション誌の「ヴォーグ」の仕事も行う。
パリの庶民生活をエスプリを持って撮影し、もっともフランス的な写真家として根強い人気がある。1947年にコダック賞、1956年にニエペス賞を受賞。また、シカゴ美術館(1960年)、フランス国立図書館(1968年)、ジョージ・イーストマン・ハウス(1972年)をはじめ世界中の主要美術館で回顧展が開催されています。1994年、歿。

●ときの忘れもののコレクションからロベール・ドアノーの作品をご紹介します。
01doisneau_04_kyabareロベール・ドアノー
"L'ENFER"
キャバレー地獄

1952年
ゼラチンシルバープリント
35.0×24.5cm
サインあり


09doisneau_06_Un-regard-obliqueロベール・ドアノー
"Un regard oblique"
斜めの視線

1948年撮影(1978年プリント)
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:33.5x37.7cm
シートサイズ:50.7x60.8cm


02doisneau_05_La-stricte-intimiteロベール・ドアノー
"La stricte intimite"
厳粛な関係

1945年撮影(1977年プリント)
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:37.5x34.0cm
シートサイズ:44.0x40.0cm


03doisneau_07_Les-cantinieres-be-la-foiロベール・ドアノー
"Les cantinieres be la foi"
1950年
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:24.0x27.2cm
シートサイズ:30.5x40.5cm
サインあり


04doisneau_10_Creature-de-reveロベール・ドアノー
"Creature de reve"
夢の想像物

1952年
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:38.5x32.5cm
シートサイズ:60.5x50.5cm


05doisneau_11_La-palme-de-Picassoロベール・ドアノー
"La palme de Picasso"
1952年撮影(1977年プリント)
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:22.3x34.0cm
シートサイズ:30.5x40.3cm
サインあり


06doisneau_12_Le-ptit-balconロベール・ドアノー
"Le ptit balcon"
かわいいバルコニー

1953年
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:24.0x34.5cm
シートサイズ:30.3x40.5cm
サインあり


07doisneau_13_Les-bouchers-melomanesロベール・ドアノー
"Les bouchers melomanes"
音楽狂の肉屋

1953年
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:29.5x40.0cm
シートサイズ:40.0x50.5cm


08doisneau_14_Jacques-prevertロベール・ドアノー
"Jacques prevert"
ジャック・プレヴェールのいる街角

1955年
ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:29.0x23.2cm
シートサイズ:40.3x30.5cm


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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください
ときの忘れものの通常業務は平日の火曜〜土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。

◆4月29日(土、祝日)から始まる連休中・日曜・月曜・祝日は休廊です(暦通り)。
5月2日(火曜)と6日(土曜)は開廊。連休明けは5月9日(火曜)から営業します。

◆ときの忘れものの次回企画は「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」です。
会期:2017年5月13日[土]―5月27日[土] *日・月・祝日休廊
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初期名作から晩年のカラー写真など約15点をご覧いただきます。どうぞご期待ください。
●イベントのご案内
5月13日(土)17時より、写真史家の金子隆一さんによるギャラリートークを開催します(要予約/参加費1,000円)。
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青山BA-TSU ART GYLLERYで「北澤敏彦展」2017年5月9日〜10日 

ときの忘れものの全ての印刷物のデザインを担当しているディスハウスの北澤敏彦さんが個展を開催します。
DM
「北澤敏彦展」
会期:2017年5月9日(火)・5月10日(水)
会場:バツ・アート・ギャラリー
   〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-11-5
※オープニングは行いません。
※5月8日(月)の午後は展示作業をしておりますが、入場はできます。(案内状より)

2日間の個展を開催します
 10年ほど前、100枚の絵を描こうと思い立ち、仕事場の机の前に「百枚の絵」と書いて貼っておいた。それを見られたのか、偶然なのか「ときの忘れもの」の綿貫さんから机からはみ出すほどの大判を含めて、分厚い水彩紙が10枚ほど送られてきた。「やってみたら」という叱咤である。以前、大判はクレヨンで描いていたのだが、まずその大判を水彩で描きつぶしてみた、が水彩になじめない。以来、油彩に浮気をし、墨を試し、そして水彩と油彩を併用するという具合に脈絡も無く、定まるところなく描いてきた。
 ここ2年は指と気力が動かず、目標の100枚にも届かず、頓挫していたところ、先月末に武道の師・清水伯鳳さんに、会場を押さえたから個展をやらないかと背をおされ、会場オーナー・松本ルキさんのご協力を得て、2日間の個展を開くことになった。今回は、約10年間に描きためた56点を展示予定。10年で割るとたいしたことの無い点数です。
 今、机の前の貼紙は、大型モニターに隠されている。

きたざわ としひこ

■北澤敏彦 Toshihiko KITAZAWA
1946年 長野県大町市生まれ。
1968年 桑沢デザイン研究所研究科卒業。
1969年 東京グラフィックデザイナーズ入社。
1974年 株式会社ディスハウス設立。

受賞
1979年 NAAC展・東京アートディレクターズクラブ推薦技術賞
1981年 東京アートディレクターズクラブ賞、他

個展
1979年 「肖像」西瓜糖
1995年 「またたび」ギャラリー&カンパニー

所属団体
日本タイポグラフィ協会OB会員
東京タイポディレクターズクラブ会員

*画廊亭主敬白
北澤さんと知り合ったのは30数年前、亭主が一時勤めていた虎ノ門の会社(フランス人経営)時代、坊主頭でいかにも気鋭のデザイナーらしくお洒落だった。
亭主「北澤さんはいいなあ、その頭、洗うのも楽でしょ」
北澤さん「ワタヌキさんも坊主にしたら」
亭主「そうしようかなあ」(既に薄くなっていましたが、まだ毛はあり、冗談半分の応答だった)
それから一時間もしないうちにいつもは印刷ゲラを運ぶバイク便で届いたのが高級電気バリカンだった!
以来、亭主は丸坊主になった次第です。

●北澤さんの出品作品をご紹介します。気に入った作品があったらぜひお問合せください
01北澤敏彦
「仙人掌と月」
2005年
水彩+油彩、紙
76.5×57cm


02北澤敏彦
「芥子の山」
2005年
水彩、紙
57.0×76.5cm


03北澤敏彦
「花瓶」
2003年
油彩、キャンバスボード
53.0×45.5cm


04北澤敏彦
「十八の視線」
2010年
油彩、キャンバスボード
53.0×45.5cm


05北澤敏彦
「初動」
2012年
墨、和紙(軸装)
90.0×60.0cm


06北澤敏彦
「始祖」部分
2012年
墨、和紙(軸装)
178.0×60.0cm


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ときの忘れものの通常業務は平日の火曜〜土曜日です。日曜、月曜、祝日はお問い合わせには返信できませんので、予めご了承ください。

◆4月29日(土、祝日)から始まる連休中・日曜・月曜・祝日は休廊です(暦通り)。
5月2日(火曜)と6日(土曜)は開廊。連休明けは5月9日(火曜)から営業します。

◆ときの忘れものは「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」を開催します。
会期:2017年5月13日[土]―5月27日[土] *日・月・祝日休廊
201705UEDA_DM
初期名作から晩年のカラー写真など約15点をご覧いただきます。
●イベントのご案内
5月13日(土)17時より、写真史家の金子隆一さんによるギャラリートークを開催します(要予約/参加費1,000円)。
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堀尾貞治『ドローイング集 あたりまえのことVol.2』

ブログ拝見。お引越しされるとのこと、驚きました。
私も自宅を先月引越したばかりで、まだ体中がギクシャクしてるので、他人事とは思えません。
良い行き先が決まることを願っています。
    Oさん(東京)


ブログ拝読。
大変な事態になっていたのですね、
心労お察し致します。
ネット画廊では、お二人とお話する機会が無くなってしまいますもの、ぜひ リアルな画廊が、彷徨することなく新天地で始動される事を強く望みます。
物件探しと引っ越しと
大変な仕事になると思いますが
「運」を見方に、益々のお仕事の隆盛を期待しております。
でも、無理をなされませんよう
お身体を大切になさって下さい。
    Iさん(京都)


日曜日のブログ読みました。
いよいよ大河ドラマ風「風雲綿貫城」の様相。おんな城主令子社長の心労如何ばかりか、です。根をつめて体調を崩さないでください。
この時期、家老尾立さんの復帰は心強いです。
綿貫さんは何事も御城主と御家老に相談しましょう。(つまり、気になる作品があっても決める前に許可を得ましょう、の意。)
「いつまでも あると思うな 命とお金」ある賢人(?)の言葉。これを心に刻み・・・生きていこうと思います・・・ では。
    Tさん(広島)


皆様、お見舞いのメールをありがとうございます。
今直ぐ出て行けという話ではないのですが、30年ぶりの引越し騒ぎです。
若ければそんなこと苦にもならなかったのですが、亭主(リハビリ、気管支アレルギー)も社長(狭心症、神経痛)も医者通いの日常です。せめて体力が残っている間に最後の引越しをと思っています。

今と同じように駅から近い場所で、
今と同じように安い家賃で、
今と同じくらいの広さがあり、
今と同じように緑のある静かな環境で、
スタッフたちにとって居心地のいい空間。

そういう条件で出入りの不動産屋さんに頼んだら、
「ワタヌキさん、そんなところはここしかないですよ」と呆れられてしまった。

社長からも「あれもこれもは無理!」と冷たいお言葉。
ここ青山(港区)は東京で最も空き家率が低い地域で、当然ながら家賃も高い(らしい)。探索の範囲を港区以外にも広げなければ・・・
何かいい情報がありましたら、ぜひぜひお寄せください(藁にもすがる思い)。

もしいい物件が見つかったら即引越できるよう準備しておかねばなりません。従って数ヶ月先の予定(展覧会)はたてられない。翌月の展示は前月に企画するという綱渡りが続きます。どうぞご理解ください。

さて、先日のVol.1に引き続き、堀尾貞治『ドローイング集 あたりまえのことVol.2』のご案内です。
毎月2日に一巻ずつご紹介していきます。

●堀尾貞治『ドローイング集 あたりまえのことVol.2』
20131105堀尾貞治
「5 Nov 2013」
2013
ドローイング、コラージュ
38.0×27.0cm
Signed


20131108堀尾貞治
「8 Nov 2013」
2013
ドローイング
38.0×27.0cm
Signed


20131110堀尾貞治
「10 Nov 2013」
2013
ドローイング
38.0×27.0cm
Signed


20131113堀尾貞治
「13 Nov 2013」
2013
ドローイング
38.0×27.0cm
Signed


20131116堀尾貞治
「16 Nov 2013」
2013
ドローイング
38.0×27.0cm
Signed


20131202堀尾貞治
「2 Dec 2013」
2013
ドローイング
38.0×27.0cm
Signed


20161203堀尾貞治
「3 Dec 2013」
2013
ドローイング
38.0×27.0cm
Signed


20170118堀尾貞治
「18 Jan 2017」
2017
ドローイング
38.0×27.0cm
Signed


20170119堀尾貞治
「19 Jan 2017」
2017
ドローイング
38.0×27.0cm
Signed


20170122堀尾貞治
「22 Jan 2017」
2017
ドローイング
38.0×27.0cm
Signed


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堀尾貞治 Sadaharu HORIO(1939-)
1939年神戸に生まれる。三菱重工に勤務する傍ら、美術活動を精力的に継続。1957年より芦屋市展に連続出品。1964年より京都アンデパンダンに連続出品。
1965年第15回具体美術展に出品、翌年会員となり、1972年の解散まで参加。1968年吉原治良に師事する。「あたりまえのこと」をテーマに、年間100回以上の展示・パフォーマンスを行なっている。

◆4月29日(土、祝日)から始まる連休中・日曜・月曜・祝日は休廊です(暦通り)。
5月2日(火曜)と6日(土曜)は開廊。連休明けは5月9日(火曜)から営業します。

◆ときの忘れものの次回企画は「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」です。
会期:2017年5月13日[土]―5月27日[土] *日・月・祝日休廊
201705UEDA_DM
初期名作から晩年のカラー写真など約15点をご覧いただきます。どうぞご期待ください。
●イベントのご案内
5月13日(土)17時より、写真史家の金子隆一さんによるギャラリートークを開催します(要予約/参加費1,000円)。
必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申し込みください。
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新人Kの国立新美術館「草間彌生 わが永遠の魂」レポート(英文)

スタッフKの国立新美術館「草間彌生 わが永遠の魂」レポート(英文)

2017年2月22日から5月22日まで国立新美術館で開催されている個展「草間彌生 わが永遠の魂」を新人スタッフKこと勝見美生がレポートしました。
英文でのレポートですが、お付き合いいただければ幸いです。

20170430_kusama

REPETITION.
ACCUMULATION.
SELF OBLITERATION.


I encountered these three terms many times while browsing the Yayoi Kusama exhibition at the National Art Center, Tokyo (“YAYOI KUSAMA: My Eternal Soul,” February 22 - May 22). They seem to be the overarching motifs of her experience and body of work. Kusama turned 88 last month and has been making art for much of that time. The works represented in My Eternal Soul span 70 years from her early life in her hometown of Matsumoto, her time in New York City, and her activity today. The one Kusama exhibition I went to over a decade ago in DC is virtually gone from my memory, and I didn’t know much about her despite her cultural largeness, so I was excited to see such a wide range of her work.

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Works from the artist's latest series "My Eternal Soul". Around 130 works are on exhibit for the first time.

In the first small room I was surprised to find a series of paintings quite different from Kusama’s iconic style. Her whole body of works stems from her hallucinations and experience with mental illness but these early pieces were dark and heavy, similar to the ones she would create later in her life following a series of personal tragedies, and not very similar to her pop contemporary works. There was one 1948 work that caught my eye titled “Onions.” In it you could recognize the same polka dots and bulbous organic shapes that have become iconic today.

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Of course the majority of what was shown were her very recognizable works. An endless number of dots crowding around each other, the infinite stretching nets of paint, the multitude phallic “soft sculptures,” the layered collages of stickers and faces, etc. They showed her technique of repetition and accumulation, the same thing over and over creating a space that is infinite within itself. REPETITION and ACCUMULATION seems to be the method of that third key phrase, SELF OBLITERATION. In my reading, self obliteration seems like an act of disappearing - not the disappearance of the soul, but a dissolution of identity into the whole universe, becoming an abstraction like art itself.

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Outside of the gallery space proper was a small room where visitors could participate in a public piece, “Obliteration Room.” We each received a sheet of stickers that we were instructed to use up completely. The setting was a stark white furnished room, where certainly many people have felt anxiety in the face of that ideal of traditional domesticity - there we were given one output of destruction, in obliterating something terrible, the same space gained a new myriad meanings. ...Now I don’t know if that is valid but the exhibition seems have given me something to think about.

The video piece titled “Happening” was central to at least my understanding of Kusama’s work. “Happening” is a collection of performance art of Kusama putting dots on things in her environment - nature, animals, objects, and people, even on water. In one scene, she sits on a horse covered in dots - she reminded me perhaps of the fifth horseman, who uses her destructive powers to save humanity before the other four run through. The name of the exhibition and the series of panels, “My Eternal Soul,” is apt in that way, labeling Kusama’s body of work as the thing she will leave on Earth that dissolves into our culture and lives forever.

(かつみ みお)

*画廊亭主敬白
六本木の国立新美術館がたいへんなことになっているらしい。入場券を買うのに一時間待ちとかと聞いて、なるほどと納得しました。
いつもは招待券など余ってしまうのに、今回ばかりはあっという間になくなってしまった。海外からのお客様がみんな欲しがるのである。
これから行かれる人は、先ずコンビニで予め入場券を買ってから六本木に向かってください。

私は美術界とはまったく関係がない。絵描きの友達ともごぶさたしている。ただひたすら自分の中に入りこんでいく。オープニングの招待状はいっぱい来るが、みんな行かない。だから、交流はない。何々会の会員でもない。画壇の人とは話をしないし、画壇には出ていかない。酒は飲まないし、タバコはすわない。完全にセルフコントロールしている。とにかく、すべて芸術の制作に没頭している。そうして、一日一日を生きている。
草間彌生『無限の網ー草間彌生自伝ー』(新潮文庫)より

所謂画壇を無視してひたすらたった一人で闘ってきた草間先生、亭主が「泣きたいほど売れなかった」と愚痴ともつかぬ思い出話を書いたときでさえ、まさかまさかここまで人気と評価が沸騰するとは思いませんでした。
先日、大阪の安藤忠雄先生(秋に同館で大展覧会を予定)からいただいた電話でも草間展のフィーバーの影響で「主催者が15万人は入れてくれいうて困っとるんや」とのことでした(すいません、大阪弁詳しくないもんで)。
長生きはするもんですね。

●今日のお勧め作品はもちろん草間彌生です。
37_kusama_polkadots草間彌生
《夕映えの雨》
1992年
シルクスクリーン
52.5×45.5cm
Ed.75
サインあり
※レゾネNo.171(阿部出版 2005年新版)

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没後25年 日和崎尊夫×ディラン・トマス「緑の導火線(THE GREEN FUSE)」

今から25年前の1992年4月29日、日和崎尊夫先生が食道ガンのため高知市の図南病院で亡くなられました。50歳の若さでした。

portrait


〜〜〜
 今夏久しぶりに高知を訪れ、鬱蒼とした木々に埋もれた日和崎尊夫のアトリエで雅代夫人と語り合った。作家は私が美術界に入った1970年代、既に酒にまつわる数々の武勇伝に彩られたスターだった。小心者の私は敬して遠ざかり、現代版画センターのために珠玉の木口木版3点を制作してくれたにもかかわらず、一度として酒を酌み交わす機会を持たなかった。
あれは成田空港が開業して間もない頃、突然空港の公衆電話から電話がかかってきた。「日和崎です。これから出発します。」どきまぎしてろくに返事もできないまま電話は切れてしまった。シャイな風貌と、あのときの声を懐かしく思い出す。
 恩人Y氏のおかげで大切に保存されていた3点の木口木版画を20年ぶりに手にし、版画掌誌と日和崎尊夫句集に挿入できたが、あんなに早く逝ってしまうとは・・・、悔いばかりが残る。

         版画掌誌第5号編集後記(2005年11月 綿貫不二夫)より
〜〜〜
生きているときは敬遠して逃げ回っていたのに、亡くなられると懐かしさばかりがこみ上げてくる、そんな作家でした。
アトリエを守る雅代夫人の協力を得て、遺作展を開き、オリジナル版画入り『版画掌誌第5号』(後刷りではなく、生前の刷り)を刊行することができました。
望外の喜びだったのは、アトリエの壁に残されたおびただしい数の俳句・詩の中から50篇を選び、生前日和崎先生に作っていただいた木口木版画『鋼鉄の花』を挿入した句集を刊行できたことでした。

日和崎尊夫句集日和崎尊夫 Takao HIWASAKI
オリジナル版画入り『日和崎尊夫句集』
限定300部
サイズ:18.8×18.8cm
112ページ
俳句・短詩50、挿画50点、略歴
テキスト:日和崎雅代
オリジナル木口木版画『鋼鉄の花』1点を挿入


日和崎先生を偲び、代表作である詩画集「緑の導火線」(THE GREEN FUSE)をご紹介します。

日和崎尊夫 詩画集 緑の導火線(THE GREEN FUSE) 
詩/ディラン・トマス
木口木版/日和崎尊夫(10点組)
1982年
シートサイズ:40×29.5cm 
限定200部(うち日本語版が100部、英語版100部)
各作品に直筆サイン 
発行/大陸の対話社
(*レゾネNo.412〜422)
*各画像をクリックしてください、拡大します。
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瑛九誕生日に寄せて/梅津元「ガラスの光春 ― 瑛九の乱反射」

瑛九が生きていれば明日4月28日には106歳を迎えることになります。
浦和のアトリエはいまもあり、都夫人もご健在です。
瑛九1935-1937闇の中で「レアル」をさがす(表)瑛九1935-1937闇の中で「レアル」をさがす(裏)

東京国立近代美術館で昨年11月22日〜2017年2月12日の会期で「瑛九 1935-1937 闇の中で『レアル』をさがす」展が開催されました。
それに関連して先日、埼玉県立近代美術館の梅津元先生からお知らせをいただきましたので、ご紹介しましょう。

<東京国立近代美術館『現代の眼』(622号)に寄稿しました
少し前ですが、「瑛九 1935-1937 闇の中で『レアル』をさがす」のレビューを寄稿しました。
瑛九と山田光春の密接な交流に着目して、「ガラスの光春 ― 瑛九の乱反射」と題するテキストを書きました。

以下でPDFでもお読みいただけます。(p.10〜11)

http://www.momat.go.jp/ge/wp-content/uploads/sites/2/2017/02/622web_201702.pdf/

機会がありましたら、手に取り、お読みいただき、忌憚のないご意見・ご感想いただけましたら大変うれしく思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
梅津>

近美の企画担当者大谷省吾先生が「この展覧会の最大の収穫は梅津論文です」と激賞したように、画期的な論文です。
ぜひお読みください。

なき瑛九の106歳の誕生日を寿ぎ、都夫人のますますのご健勝を祈る次第です。
亭主は上記東京国立近代美術館の展覧会に合わせて2016年11月24日から最終日の2017年2月12日まで毎日<瑛九情報!>を発信しましたが、その総目次はコチラをご覧ください。
ときの忘れものは、今後も瑛九の顕彰紹介につとめてまいりますが、シリーズ企画「瑛九展」が一昨年の第26回展で中断したままです。この空間での最後の展示は瑛九でしめたいのですが、はたしてどうなることやら・・・・

●今日のお勧め作品は瑛九です。
瑛九「離陸」
瑛九「離陸
1957年 リトグラフ
イメージサイズ:32.0x21.0cm
シートサイズ:54.3x38.5cm
Ed.22(E.A.) サインあり

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◆4月29日(土、祝日)から始まる連休中・日曜・月曜・祝日は休廊です(暦通り)。
5月2日(火曜)と6日(土曜)は開廊。連休明けは5月9日(火曜)から営業します。

◆ときの忘れものの次回企画は「植田正治写真展―光と陰の世界―Part I」です。
会期:2017年5月13日[土]―5月27日[土] *日・月・祝日休廊
201705UEDA_DM
初期名作から晩年のカラー写真など約15点をご覧いただきます。どうぞご期待ください。
●イベントのご案内
5月13日(土)17時より、写真史家の金子隆一さんによるギャラリートークを開催します(要予約/参加費1,000円)。
必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申し込みください。
info@tokinowasuremono.com
tokinowasuremono
緑豊かな青山のギャラリー&編集事務所「ときの忘れもの」は建築家をはじめ近現代の作家の写真、版画、油彩、ドローイング等を扱い、毎月企画展を開催しています。またオリジナル版画のエディション、美術書・画集・図録等の編集も行なっています。
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