磯崎新『百二十の見えない都市』

磯崎新『偶有性操縦法 何が新国立競技場問題を迷走させたのか』

3月31日建築家のザハ・ハディッドさんが急逝されました。
無名だった彼女を最初に認め、建築界の大舞台に引き上げたのが磯崎新先生でした。
建築のみならず、思想、美術、デザイン、映画などの国際的な舞台で活躍、評論や設計競技の審査を通じて、世界のラディカルな建築家たちの発想を実現に導くうえでのはかり知れない支援を果たしてきた磯崎新先生の新著が刊行されましたのでご紹介します。

20160412磯崎新
『偶有性操縦法(コンティンジェンシーマニュアル)
何が新国立競技場問題を迷走させたのか』

2016年
青土社 発行
213ページ
19.0x13.2cm
1800円(税別)

目次:
まえがき 都市モデルと戦争モデル

I 理不尽なアーキテクチュア
 1 うつふね ARK NOVA
 2 フクシマで、あなたは何もみていない。
 3 近代国家のエンブレム
 4 瓦礫と隊列
図版 成都の巨大建築とザハ・ハディド案

II 偶有性操縦法(コンティンジェンシーマニュアル)
 1 「ハイパー談合システム」
 2 「日の丸」排外主義(ショービズム)
 3 奇奇怪怪建築(ウィアード・アーキテクチュア)
 4 「魔女狩り」
 5 「空地」が生まれた
図版 祝祭都市構想―プラットフォーム2020

あとがき 磯崎新私譜
〜〜〜〜〜
内容についてはぜひ書店でお求めになって読んで欲しいのですが、今回亭主が注目したのは<あとがき 磯崎新私譜>でした。
数字遊びの好きな磯崎先生らしく、満州事変のあったゼロ歳から、3.11の80歳まで十年刻みでご自分の生涯のできごとを語っています。そのまま引用します。

●あとがき 磯崎新私譜(212ページより)
一九三一年(〇歳)満州事変
物心ついてすぐに、我が家の先祖は慶長大地震の際、別府湾の海中に沈んだと伝えられる瓜生島から流れ着いた、と聞いた。

一九四一年(一〇歳)日米開戦
小学生の頃、軍艦のデザインをやりたいと考えていた。動くものの設計に興味を持っていた。

一九五一年(二〇歳)朝鮮戦争
両親を亡くし、自宅は焼失、家財はのこらず処分されて上京。住所は転々と変り、東京流民となる。

一九六一年(三〇歳)キューバ革命
グランド・ツアーとしての世界の旅に出た。建築は現場に立って考えるものだと悟り、仕事場をアトリエと呼んだ。各地を渡り歩く「流れ」職人を、モデルにする。

一九七一年(四〇歳)世界文化大革命
旅先で「方丈記」を英訳でよんで、はじめてこれが災害の書であったことを思い知る。仮設の小屋こそが「建築」なのではないか。

一九八一年(五〇歳)イラン革命
「時は飛去する」とする道元の言葉を手がかりに「有時庵」を構想した。この頃、マンハッタンとサンタ・モニカのホテルが仮の栖であった。

一九九一年(六〇歳)ソ連崩壊
還暦を機に、「無所有」を私の人生の信条と決めた。つまり流民のままでいること。マカオ沖に蜃気楼のように立ち現われる「海市」展を構成する。

二〇〇一年(七〇歳)九・一一
近代住宅の名作をえらんで『栖十二』をメールアートの形式で発行した。自邸はふくまれていない。誰もが「流れ」建築家だった。さしあたり私はパラサイト。

二〇一一年(八〇歳)三・一一
まれびとが「うつふね」に乗って訪れる民話から移動演奏会場ARK NOVAのアイディアがうまれた。「方丈」が大八車で運ばれたように、これは折りたたまれてコンテナーに収まっている。いまでも次の寄港地をさがしている。
〜〜〜

七〇歳の項で<近代住宅の名作をえらんで『栖十二』をメールアートの形式で発行した>とあります。
ときの忘れもののエディションである『栖十二』とは、1998年夏から一年間にわたり、磯崎先生が住まいの図書館出版局(植田実編集長)の企画でひそかに発信し続けた書簡形式の連刊画文集『栖 十二』のことで、十二章のエッセイと十二点の銅版画よりなり、十二の場所から、十二の日付のある書簡として限定35人に郵送されました。
その後、十二章のエッセイは、1999年に住まい学大系第100巻『栖すみか十二』として出版されました。

磯崎先生の版画制作は1977年から始まりますが、フリーハンドによる描画を極力抑制してきたのが、このときばかりは一挙にフリーハンドによる制作に集中され、実に50点もの銅版画を生み出しました。
そのうちの12点が、ファーストエディションとして書き下ろしエッセイとともに、十二の場所から、十二の日付のある書簡として限定35人に郵送されました
メールアート形式によるファーストエディションが完了後に、40点(内12点はセカンド・エディション、28点は未発表)を選び『磯崎新 銅版画集 栖 十二』にまとめることができました(A版(手彩色)が限定8部(VIII)、B版(単色刷り)が限定27部)。

メールアートの形式で発行した連刊画文集『栖 十二』の制作から郵送までの経緯は以前、このブログでご紹介しました。下記のリンクでお読みいただけます。

第1信より挿画1_A
磯崎新
〈栖 十二〉第一信より
挿画1
クルツィオ・マラパルテ[カサ・マラパルテ] 1938-40 カプリ島
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

第2信より挿画5_A
磯崎新
〈栖 十二〉第二信より
挿画5
ル・コルビュジエ[母の小さい家] 1923-24 レマン湖畔
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

第3信より挿画7_A
磯崎新
〈栖 十二〉第三信より
挿画7
アドルフ・ロース[ミュラー邸] 1928-30年 プラハ
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:15.0×10.0cm
シートサイズ:38.0×28.5cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

第4信より挿画13_A
磯崎新
〈栖 十二〉第四信より
挿画13
アンドレア・パッラディオ[ラ・マルコンテンタ(ヴィッラ・フォースカリ)] 1559-60年 ヴェネツィア西郊
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

第5信より挿画17_A
磯崎新
〈栖 十二〉第五信より
挿画17
チャールズ・レニー・マッキントッシュ[ヒル・ハウス] 1902-03年 ヘレンズバラ
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:15.0×10.0cm
シートサイズ:38.0×28.5cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

第6信より挿画19_A
磯崎新
〈栖 十二〉第六信より
挿画19
アイリーン・グレイ[ロクブリュヌE1027] 1926-29年 カプ・マルタン
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

第7信より挿画22_A
磯崎新
〈栖 十二〉第七信より
挿画22
コンスタンティン・メルニコフ[メルニコフ自邸] 1927年 モスクワ
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

第8信より挿画25_A
磯崎新
〈栖 十二〉第八信より
挿画25
ルートウィッヒ・ウィトゲンシュタイン[ストンボロウ邸]
1928 ウィーン
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

第9信より挿画28_A
磯崎新
〈栖 十二〉第九信より
挿画28
フランク・ロイド・ライト[サミュエル・フリーマン邸] 1924-25 カルフォリニア州ハリウッド
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

第10信より挿画31_A
磯崎新
〈栖 十二〉第十信より
挿画31
小堀遠州[孤篷庵 忘筌] 1643(寛永20)年 京都
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

第11信より挿画37_A
磯崎新
〈栖 十二〉第十一信より
挿画37
ミース・ファン・デル・ローエ
[レイクショア・ドライヴ] 1948-51年 シカゴ
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:15.0×10.0cm
シートサイズ:38.0×28.5cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

第12信より挿画40_A
磯崎新
〈栖 十二〉第十二信より
挿画40
磯崎新[ルイジ・ノーノの墓] 1994年 ヴェネツィア サン・ミケーレ島
1998年
銅版・手彩色・アルシュ紙
イメージサイズ:15.0×10.0cm
シートサイズ:38.0×28.5cm
Ed.8(E.A.)
サインあり

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【磯崎新連続対談 第1回 祝祭都市:日本】

Serial interview with Arata ISOZAKI - Vol.1 Festive City: Japan

7月には84歳を迎える建築家・磯崎新先生ですが弱輩の私たちから見ると信じられないくらいお元気です。
全国各地を飛び回り、講演会や対談を精力的にこなされています。
今月から青山ブックセンターで新たな対談シリーズが始まります。
対談の相手は『大正天皇』や鉄道を通して鮮やかな切り口で日本の近現代史に挑んでいる原武史さん、いつもながら若い世代を選ぶ磯崎先生の目の高さ、広さに驚きます。
磯崎ファンは見逃せません。

【磯崎新連続対談 第1回 祝祭都市:日本】
磯崎新 × 原武史 松井茂(司会)
「未完のプロジェクトの現場から 日本・中国・チベット・イスラムの都市と文化」

2015年4月26日13:00 - 15:00
青山ブックセンター
〒150-0001 東京都 渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F

 磯崎新が近年手がける非ヨーロッパ圏のプロジェクトは、近代(モダニズム)文化空間の枠組みを超える構想を背景に持っています。そのため、多くが未完となっています。プロジェクトは新興国における都市化と関係しており、磯崎は国家や現地の住民など、様々な人や社会とつきあい、事件に巻き込まれながら、異文化の中で闘ってきました。そこではどのような新たな問題が起こっているのか。
 日本・中国・イスラム・チベットにおける未完のプロジェクトの背景を磯崎が紹介しながら、都市の場にまつわる文化を研究している識者と討議をしていく全4回の連続対談! 異文化の現在を捉え、21世紀を読み解くための鍵を探ります。
 第1回目は、原武史さんをお招きして、「皇居前広場」(東京)と「天安門広場」(北京)を対比させながら、これからの都市空間について考えていきます。
(青山ブックセンターHPより引用)

・料金1,944円(税込)
・定員100名
・お問合せ先:青山ブックスクール
電話:03-5485-5513
メール:culture@boc.bookoff.co.jp

磯崎 新(いそざき・あらた)
1931年大分県生まれ。東京大学大学院建築学博士課程修了。丹下健三に師事。63年磯崎新アトリエを設立。世界各地で建築・都市の設計に携わり、展覧会を開催。多くの国際コンペ審査員を務める。東京大学、ハーバード大学、カリフォルニア大学ほかで客員教授を歴任。英国王立芸術院・米国芸術文学アカデミー名誉会員。建築作品に≪旧大分県立図書館(現アートプラザ)≫、≪群馬県立近代美術館≫、≪つくばセンタービル≫、≪ロサンゼルス現代美術館≫、≪上海証大ヒマラヤ芸術センター≫、≪カタール国立コンベンションセンター≫など。著書は『磯崎新建築論集』全8巻(岩波書店)、『挽歌集――建築があった時代へ』(白水社)など多数。

原 武史(はら・たけし)
1962年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本経済新聞社勤務を経て、1992年東京大学大学院博士課程中退。現在、明治学院大学国際学部教授。専攻は日本政治思想史。『「民都」大阪対「帝都」東京』(講談社)でサントリー学芸賞、『大正天皇』(朝日選書)で毎日出版文化賞、『滝山コミューン一九七四』(講談社)で講談社ノンフィクション賞、『昭和天皇』(岩波新書)で司馬遼太郎賞受賞。著書はほかに『<出雲>という思想』(講談社学術文庫)、『思索の源泉としての鉄道』(講談社現代新書)、『昭和天皇』(岩波新書)、『完本 皇居前広場』(文春学芸ライブラリー)、『皇后考』(講談社)など多数。

司会:松井 茂(まつい・しげる)
1975年東京都生まれ。詩人。「磯崎新12×5=60」展(ワタリウム美術館、2014-15年)を監修。 2015年より、IAMAS(情報科学芸術大学院大学)准教授。

●今日のお勧めは磯崎新先生が世界にはばたいた記念碑的作品「MoCA」シリーズです。
磯崎新MoCA#1磯崎新 Arata ISOZAKI
「MOCA #1」
1983年
シルクスクリーン
イメージサイズ:46.5×98.0cm
シートサイズ:73.0×103.5cm
Ed.75 Signed

磯崎新MoCA#2磯崎新 Arata ISOZAKI
「MOCA #3」
1983年
シルクスクリーン
イメージサイズ:46.5×46.5cm
シートサイズ:73.0×51.5cm
Ed.75 Signed

磯崎新MoCA#3磯崎新 Arata ISOZAKI
「MOCA #4」
1983年
シルクスクリーン
イメージサイズ:46.5×46.5cm
シートサイズ:73.0×51.5cm
Ed.75 Signed

磯崎新MoCA#4銅版磯崎新 Arata ISOZAKI
「MOCA #4」
1983年 銅版
イメージサイズ 15×20cm
シートサイズ  28×38cm
Ed.100 Signed

磯崎新MoCA#5銅版磯崎新 Arata ISOZAKI
「MOCA #5」
1983年 銅版
イメージサイズ 15×20cm
シートサイズ  28×38cm
Ed.100 Signed

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●ついでにと言っちゃあなんですが、磯崎新先生が1967年に天童木工につくらせたモンローチェアーの原型ともいえる椅子を紹介しましょう。
isozaki_30isozaki_30-2

磯崎新
「椅子(福岡相互銀行大分支店特注)」
1967年制作(天童木工)
幅63cm、奥行69cm、高さ99cm
※2脚あり(サインあり1脚、サインなし1脚)
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isozaki_30-3のちのモンローカーブを想起させる優雅な曲線。


isozaki_30_size1
自作の椅子に座る磯崎先生
後ろは社長
於・ときの忘れもの

尾立麗子「磯崎新 都市ソラリス」展レポート 12月14日〜2014年3月2日

展覧会レポート  尾立麗子

植田実先生と綿貫さんと「磯崎新 都市ソラリス」展の内覧会に行ってきました。
会場となったNTTインターコミュニケーション・センター [ICC] は、日本の電話事業100周年(1990年)の記念事業として1997年4月19日に東京/西新宿・東京オペラシティタワーにオープンした文化施設です。

磯崎新 都市ソラリス
会期:2013年12月14日(土)—2014年3月2日(日)
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC] ギャラリーA

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1960年代から今に至る磯崎新先生が手がけた都市計画プロジェクトが展示されています。

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右は空中都市、左は孵化過程。『百二十の見えない都市』第二期(未完成)にも入っているプロジェクトです。第二期を早く完成させなければ!

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磯崎新先生にご挨拶。磯崎先生は首にコルセットをはめていますが、いつも若々しいです。

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模型は大分のアートプラザから持ってきたそうです。

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1986年に実施された東京新都庁舎のコンペに提出するために制作されたシルクスクリーン。
刷りはもちろん石田了一さん。

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磯崎新先生のドローイングと篠山紀信さんの写真。

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1994年に中国珠海市からの依頼により構想が開始された「海市」。

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磯崎新《海市計画(模型)》1996年制作
撮影:高瀬良夫

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現在中国で進行中の最新プロジェクト「鄭州都市計画」。基本計画案はコンペ1等になった黒川紀章氏が立案し、2007年黒川氏亡き後は磯崎先生が引き継いでいるそうです。

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とても実在するとは思えない都市に思えるのですが、いくつかは完成し、機能しているというので驚き。完成に近づいたときには、この眼でこの都市を見てみたいです。

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植田実先生に東京新都庁舎のコンペ案模型の前で撮ってと頼まれました。「これから僕の写真はこれを使ってね」と。

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中央は写真家の宮本隆司さん

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建築家の石山修武先生(右)

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この日はいつも会う、以前磯崎アトリエに在籍していた平田さんや藤本さんがここにいないことが少し淋しく感じました。みなさんそれぞれの舞台でご活躍されているので、それはそれで嬉しいのですが、なんだか一人しみじみとした気分になりました。(おだちれいこ

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「都市ソラリス」展について 
磯崎新


 わが宇宙船地球号は,その表層をうずめる都市環境に狂いが生じて,航行不能に陥りつつあります.新しい操縦マニュアルを必要としています.
 20年昔,グローバリゼーションの大津波がおそい,全球が領土化(テリトリアリゼーション)され,都市化したためです.

津波通過の跡には澱(おり)がたまり,これが触媒となり,あらたに〈しま〉が出現するだろうと予測され,かつて大航海の果てに発見されたといわれる「ユートピア」(トーマス・モア,1516)を手がかりに,「海市——もうひとつのユートピア」展(ICCオープニング企画展,1997)が立ち上げられ,プロトタイプ,シグネチャーズ,ヴィジターズ,インターネットの〈しまじま〉を生成させてみましたが,蜃気楼のごとくに消え去り,蘇東坡の詩『登州海市』にちなんで「海市」と呼ばれました.
 〈しま〉に収容される住民は「海市」の作業のなかでは「リヴァイアサン」(トーマス・ホッブズ)に統治される〈ビオス〉(ミシェル・フーコー)として扱われていました.しかしモナドとしての〈ビオス〉には,「意識」,そして「知」がそなわっています.そこで地表の都市は,渾沌(『荘子』応帝王篇)=カオス(複雑系)状態をみせるのです.
 〈しまじま〉がギャラクシーに成長しつつある現在,『惑星ソラリス』(スタニスワフ・レム原作,アンドレイ・タルコフスキー監督,1972)を参照しながら,集合知,免疫性(イムニタス)などを都市論として討議する場をつくりだしたいと考えます.今回もそのあげくに展覧会の正式呼称がきまるでしょう.

●展示概要
「磯崎新 都市ソラリス*」展は,ICCオープニング企画展「海市——もうひとつのユートピア」(1997)を監修した建築家磯崎新を再び迎えて,これまでの都市デザイン,アーキテクチャ論を超える新たな都市像を考える場として企画されました.会場では,1960年代から現在に至るまで磯崎が手がけてきた都市計画プロジェクトの変遷をたどりながら,複数の参加者の介入によって変化していくワーク・イン・プログレスの展示が展開されます.この舞台となるのは,2012年の展示「Run after Deer!(中原逐鹿)」(パラッツォ・ベンボ,ヴェネツィア建築ビエンナーレ)でも取り上げられた,現在中国で進行中の磯崎の最新のプロジェクト「鄭州都市計画」です.会期中は,祝祭空間としての都市をメディア・アーティストの提案によって実現するなど,ワークショップやディスカッションなどを通じて,高度情報化時代における都市像を模索しつつ,動的な「都市形成装置」としての都市を試みます.

*ソラリス(Solaris):スタニスワフ・レムによって宇宙開発時代さなかの1961年に発表されたSF小説.日本でも1964年に邦訳『ソラリスの陽のもとに』(飯田規和訳,早川書房)が,さらに2004年に新訳『ソラリス』(沼野充義訳,国書刊行会)が刊行されている.また,1972年に映画化された『惑星ソラリス』(アンドレイ・タルコフスキー監督)は,SF映画の名作として現在まで高い評価を得ている.(同館HPより)

「トークセッション テーマ『都庁』」
12月23日(月・祝)午後3時30分より

出演:高山明,磯崎新.
ゲスト:五十嵐太郎,宮本隆司.
会場:ICC4階特設会場.
定員:150名(当日先着順).
入場無料.

『磯崎新建築論集』刊行!

『磯崎新建築論集』刊行!

浜田宏司


磯崎新ファン待望の著作論集の刊行が始りました。実際にまだ本書を手にしていないのですが、公表されている情報を元に、その魅力に迫ります。

【『磯崎新建築論集(全8巻/岩波書店)』第1巻 
散種されたモダニズム ― 「日本」という問題構制 ― 横手 義洋 編】


出版社のサイトには、建築家磯崎新が長年にわたって発表してきた活字の仕事を体系ごとに整理し、十数編の意欲的書下ろし論考と著者自身による各巻解題を収録した”集大成的著作論集”と本著作集の方向性が示されています。これは、今までに刊行された著作の編集スタイルを踏襲した構成でもあるのですが、大きく異なるのは、過去に発表された文章を各刊に設定されたテーマにシャッフルされ「建築論」の名の基に、あらたに紐付けされた点。加えて、各書には次世代を担う建築家・建築史家を編集協力者に起用し、”今の時代の視点”を新しいエッセンスとして含ませています。若い世代の客観的な評価が、古くは半世紀以上前のテキストに対して新鮮な空気を送り込み、”古い読者”の印象を大きく変えるでしょう。

本建築論集の「特色」を読む限り、〈全8巻を通して体系的に建築論を構築する〉といった展開ではなく、過去に発表された文章をベースにして、ハードな「建築論」とソフト的な「応用編」2本立ての構成のようです。前半(1〜6巻)が、著者の建築に対する問題意識の展開を大きなテーマにまとめた、ある意味今回の著作集の骨格となる「建築論」。そして残りの2巻(7、8巻)で、前半の刊行分で展開した「建築論」を解題として、さまざまなプロジェクトの生成プロセスや思考の変遷がひも解かれていく展開のようです。

刊行にあたっての著者メッセージとして『・・・私が記した文章は,調査研究というよりはプロジェクトであり,「日付けのついたエッセイ」としての論考である.・・・(岩波書店HPより抜粋)』と本人が語っているように、自身の文章の立ち位置を常に「エッセイ」と表現していた磯崎新が発表する初の「建築論集」。個人的には、80年代に一大ムーブメントを巻き起こした「ポストモダン」に関する現時点での評価や論考に期待しているのですが、目次を読む限り、第1巻「散種されたモダニズム」にそのあたりの考察が仕込まれているのではないかと推測されます。初回刊行分から期待大です!
浜田宏司/Gallery CAUTION
磯崎新建築論集 表紙磯崎新建築論集 中

磯崎新建築論集 裏1磯崎新建築論集 裏2

『磯崎新建築論集』 全巻構成

第1巻 散種されたモダニズム ――「日本」という問題構制
[解説]横手義洋(東京電機大学)
 ■体裁=四六判・上製・カバー・292頁
 ■定価 3,780円(本体 3,600円 + 税5%)
 ■2013年2月26日
 ■ISBN978-4-00-028601-5 C0352

(第2回/3月26日発売)
第2巻 記号の海に浮かぶ〈しま〉――見えない都市
[解説]松田達(松田達建築設計事務所)

第3巻 手法論の射程――形式の自動生成
[解説]日埜直彦(日埜建築設計事務所)

第4巻 〈建築〉という基体――デミウルゴモルフィスム
[解説]五十嵐太郎(東北大学)

第5巻 「わ」の所在――列島に交錯する他者の視線
[解説]中谷礼仁(早稲田大学)

第6巻 ユートピアはどこへ――社会的制度としての建築家
[解説]藤村龍至(藤村龍至建築設計事務所)

第7巻 建築のキュレーションへ――網目状権力と決定
[解説]南後由和(明治大学)

第8巻 制作の現場――プロジェクトの位相
[解説]豊川斎赫(国立小山工業高等専門学校)
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著者からのメッセージ
 半世紀ほどむかし、海外の建築家、批評家、芸術家たちと知り合いになった。彼等と対等にやり合うには、フリーランスでプロジェクトを制作することしかないと知った。
 私は公職や教職につかずに、アーティスト=アーキテクト=アーバニストとして、国際的な建築・都市の設計や芸術展に参入することにした。その際の提案手段は、スケッチや、ドローイングや、それに若干の言葉であった。いくつかは実現したが、大部分は未完(アンビルト)のままである。
 その間に私が記した文章は、調査研究というよりはプロジェクトであり、「日付けのついたエッセイ」としての論考である。時と場に応じて、特定の相手へむけている。ときに、〈芸術〉〈建築〉〈都市〉などメタレベルを論じ、脱領域しているのは、変化生成する都市的文化にかかわっているからである。しかしいずれの場合にもそこに通底するのは、私が思考の拠りどころにしている「建築」である。
 このたび〈建築論集〉として整理編集するにあたり、主題ごとに、ひと世代以上若い方々にご協力していただいた。私は〈いま〉を補完する新稿を加えた。さらに半世紀後の世代に読みつがれてほしいと考えたためである。
磯崎新
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*画廊亭主敬白
磯崎ファンの浜田さんに今回の建築論集紹介をお願いしたのですが、原稿をいただいたときにはまだ配本されていませんでした。
先日岩波書店から献本が届き、早速読みふけっています。
『磯崎新建築論集 1』 表紙

各巻の表紙には、磯崎新連刊画文集『百二十の見えない都市』(ときの忘れものエディション)のために制作されている銅版画が使われます。この銅版画が挿入される第二期エディションは途中で制作がストップしていて未完のため、まだ頒布されていません。一足先に本の表紙でお目見えという次第です。
また各巻の月報にも、磯崎新先生の銅版画が使われます。
こちらの方はやはりときの忘れものエディションから磯崎新銅版画集『栖 十二』の銅版画(手彩色)が各号数点づつ使われる予定です。
第一巻月報の執筆は、石山修武先生と岡崎乾二郎先生です。
『磯崎新建築論集 1』 冊子1『磯崎新建築論集 1』 冊子2

第7信より挿画23_A磯崎新〈栖 十二〉第七信より《挿画23
コンスタンティン・メルニコフ[メルニコフ自邸] 1927年 モスクワ

*磯崎新〈栖 十二〉第七信についての詳細はコチラをお読みください。
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◆ときの忘れものは2013年3月15日[金]―3月30日[土]「具体 Gコレクションより」展を開催します(※会期中無休)。
233_GUTAI
企画・監修=石山修武
出品:白髪一雄、吉原治良、松谷武判、上前智祐、堀尾貞治、高崎元尚、鷲見康夫

※3月16日(土)17時より、石山修武さんと河晃一さんによるギャラリートークを開催します。
河晃一
造型作家、美術館学芸員。
1952年兵庫県芦屋市生まれ。甲南大学経済学部卒業。卒業後、染色家中野光雄氏に師事、80年から毎年植物染料で染めた布によるオブジェを発表。87年第4回吉原治良賞美術コンクール展優秀賞、第18回現代日本美術展大原美術館賞受賞。
『画・論長谷川三郎』の編集、甲南学園長谷川三郎ギャラリーや芦屋市立美術博物館の開設に携わり「小出楢重と芦屋展」「吉原治良展」「具体展」「阪神間モダニズム展」「震災と表現展」などを企画した。93年にはベネチアビエンナーレ「東洋への道」の具体の野外展再現、99年パリジュドポムの「具体展」など海外での具体の紹介に協力。06年よりは兵庫県立美術館に勤務されました。
(要予約/参加費1,000円)
メールにてお申し込みください。
E-mail: info@tokinowasuremono.com

『松本竣介展』図録
価格:800円(税込、送料無料)

執筆:植田実、16頁、図版30点、略歴
※お申し込みはコチラから。

磯崎新展

先週から開催してきた「第21回瑛九展 46の光のかけら/フォトデッサン型紙」も明日が最終日となりました。
ときの忘れものでは珍しくも初日に赤丸がびっしりとつくという異変があり、社長もご機嫌であります。
生誕100年記念瑛九展」が埼玉県立近代美術館と、うらわ美術館の2会場で同時開催されていることもあり(9月10日(土)〜11月6日(日))、関心が高いのでしょう。
昨日は、埼玉県立近代美術館の担当学芸員・梅津先生がわざわざいらしてくださいました。申し訳ないのですが亭主と社長は宮崎のオープニングに出席し全貌を見ていることもあり、埼玉とうらわの二会場にはまだ行っていません。来週からは韓国なので、10月に入ってから皆さんを誘って「瑛九ツアー」を組みたいと思っています(10月15日を予定)。

作品(型紙)が売れているのはとても嬉しいのですが、付随して瑛九の貴重な情報が入ってくることもことも大きな収穫です。。
油彩やフォトデッサン、版画などをお持ちの方が何人もいらして下さいました(おかげでせっかく売れたのにまた在庫が増えてしまった)。

さて、白金にあるMISA SHIN GALLERYで、磯崎新先生の個展が始まりました。
磯崎新展<ISOZAKI Arata 過程 PROCESS>
会期=2011年9月9日〜10月29日
会場=MISA SHIN GALLERY

東京では久しぶりの個展とあって、オープニングには伊東豊雄、石山修武、鈴木博之、藤森照信など建築界のスターたちが勢ぞろいしました。
展示では、ときの忘れもののエディションである「百二十の見えない都市」に収録予定の作品も展示されています(ただし、未刊行なので非売)。
磯崎新展5


磯崎新展6
携帯電話もパソコンに無い植田実先生が、デジカメを使い始めた(!)。


磯崎新展4


磯崎新展3
とても80歳を迎えたとは思えぬお元気な磯崎新先生。
何とか滞っている原稿をよろしくお願いします(と祈る)。


磯崎新展2


磯崎新展1
磯崎新連刊画文集『百二十の見えない都市』第2期に挿入予定の銅版画シリーズ。


予約購読者(パトロン)の皆様には長らくお待たせしており、申し訳ありません。
(下記は、限定35部で刊行予定の磯崎新連刊画文集『百二十の見えない都市』第2期の内の<円柱>、ご覧のような3点組が12都市続きます。パンフレットご希望の方は、メールにてお申し込みください。)
磯崎新「円柱」600


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磯崎新『日本の建築遺産12選』

もう何年も中断したままになっている磯崎新連刊画文集「百二十の見えない都市」第二期のエディション制作は今年こそ完成させないと、予約購読されているパトロンの皆さんに顔向けができない。
ほんとうに申し訳ありません。
この月末には80歳を迎え(とてもそんな風には見えない、同じ蟹座ですがこの調子だと亭主の方が先に逝くことになりそうです)ますますお元気な磯崎新先生がまた本を出されました。
雑誌『芸術新潮』2004年6月号の特集<磯崎新 日本建築史を読みかえる6章>を増補、再編集した『日本の建築遺産12選』が新潮社のとんぼの本の一冊として刊行されました。
磯崎新_日本の建築遺産12選600
磯崎新著
『日本の建築遺産12選
語りなおし日本建築史』
2011年 新潮社 
125ページ
1600円(税別)

いわば磯崎先生による日本建築史ですが、<僕にとっての「建築」とはなにかと問われたら、それは「構築する力」であるとこたえたい。人間をつつみこむ自然のうちにあって、その時代に利用可能なテクノロジーをもちいながら、目に見える非自然・人工の存在を構築しようとする意志といとなみ。それが近代の、すなわち西欧起源の建築手法をまなび、実践してきた僕が理解する「建築」です。>と言い切って、「構築する力」を感じさせる古代から20世紀まで12件の建築を選んでいます。
そのキーワードは「垂直の構築」と「水平の構築」。
例によって磯崎先生の好きな12尽くしで選ばれたのは、出雲大社、伊勢神宮、浄土寺浄土堂、唐招提寺金堂、円覚寺舎利殿、三十三間堂、三仏寺投入堂、西本願寺飛雲閣、さざえ堂、修学院離宮上の御茶屋、代々木オリンピックプール、水戸芸術館アートタワー。
法隆寺や平等院、桂離宮などの有名建築はなし。
近代100年のあまたある建築の中からは師・丹下健三の代々木オリンピックプール(磯崎先生も当時の丹下研スタッフとして関わった)と自身の水戸芸術館アートタワーをあげるなんて磯崎先生しかできない芸当ですね。
日本建築を語りながら、西欧建築にも縦横無尽に話が飛ぶ。
建築好きの方、必読の書です。

この本の中には、スケッチブックに筆を走らせる磯崎先生のスナップがいくつか掲載されています。
どんな旅にもスケッチブックを持参し、描き続けてきた。学生時代からのそれらスケッチブックの量は膨大です。
だから、版画をつくるときも、すらすらと私たちの眼の前で版に直接描き出せるんでしょうね。
●磯崎新画文集「栖 十二」は植田実さん企画による名著ですが、オリジナル版に挿入された版画は磯崎新先生がエッチング技法で制作されました。
下の3点は大徳寺孤篷庵忘筌を描いたもの。
磯崎新第一信より 挿画31 (A)600磯崎新 Arata ISOZAKI
栖 十二 挿画31
1998年 銅版・手彩色
10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.) サインあり

磯崎新第一信より 挿画33 (A)600磯崎新 Arata ISOZAKI
栖 十二 挿画33
1998年 銅版・手彩色
10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.) サインあり

磯崎新第一信より 挿画34 (A)600磯崎新 Arata ISOZAKI
栖 十二 挿画34
1998年 銅版・手彩色
10.0×15.0cm
シートサイズ:28.5×38.0cm
Ed.8(E.A.) サインあり

●「闇」の連作は、奈良の「なら100年会館」をモチーフとした作品です。
磯崎先生はこの作品がお気に入りで、アトリエの客を迎えるミーティングルームにはこの作品が掛かっています。
磯崎新「闇1」小磯崎新 Arata ISOZAKI
「闇 1」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

礒崎新「闇2」小磯崎新 Arata ISOZAKI
「闇 2」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

●「影」連作は、アメリカのティーム・ディズニー・ビルディングがモチーフ。
池に囲まれた建物を大胆に抽象化しています。
礒崎新「影1」600磯崎新 Arata ISOZAKI
「影 1」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

礒崎新「影2」600磯崎新 Arata ISOZAKI
「影 2」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

●「霧」連作は、秋吉台国際芸術村(山口県)がモチーフで、今はない初期の大分の住宅を再現したものや、今回の本でもたびたび言及している列柱の美しい文字通り名建築です。
礒崎新「霧1」600磯崎新 Arata ISOZAKI
「霧 1」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

礒崎新「霧2」600磯崎新 Arata ISOZAKI
「霧 2」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

礒崎新「霧3」600磯崎新 Arata ISOZAKI
「霧 3」
1999年 シルクスクリーン
イメージサイズ:58.3×77.0cm
シートサイズ:70.0×90.0cm
Ed.35
サインあり

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◆ときの忘れものは、2011年7月26日[火]―7月30日[土]「クレー、カンディンスキーと恩地孝四郎展」を開催します。

◆ときの忘れものは、2011年8月5日[金](プレス、招待客のみ)、6日[土]、7日[日]にウェスティンナゴヤキャッスル9Fで開催される「ART NAGOYA 2011」に出展します。
ときの忘れもののブースは908号室です。

◆ときの忘れものは、2011年8月8日[月]―8月15日[月]まで夏季休廊となります。夏休みをとるのは数年ぶりですので、営業日に関してどうぞお間違いのないようお願いいたします。

今月のWEB展は福田勝治展です。

全身建築家・磯崎新、そして「困っているひと」

先日のセールが成功したのも束の間、スタッフは次回「エドワード・スタイケン写真展」の準備に追いまくられています。
それにしてももう12月も半ば。
月日の経つのは早いもので、今年はやる! と宣言していたいくつもの公約が頭の中をぐるぐると駆け巡っています(痛っ)。
最大の公約はもちろん磯崎新連刊画文集『百二十の見えない都市』第二期の完成ですが、春には一気に進捗かと期待できる状況だったのですが、・・・・・・・
公約違反が続き、お待たせしているパトロンの皆様のお怒りを思うと、ただただ恐縮するばかりです。
磯崎新「円柱」
磯崎新『百二十の見えない都市』第二期より
「円柱」シルクスクリーン1点+銅版2点

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磯崎新先生自身は80歳を迎えてもますます元気で(いや、ときどき体調を崩して私たちもハラハラしているのですが)、特に若い人たちへのレクチャーには相変わらず意欲的に付き合っています。せめてその何分の一かを、『百二十の見えない都市』の原稿執筆に向けてもらいたいと願うばかりです。

ときの忘れもののお客様には磯崎ファンが多いのですが、そのお一人Fさんのブログに先日ワタリウムで開催された磯崎新先生のレクチャーの感想が書かれていました。

泳がないと死んでしまうマグロ。
描かないと死んでしまう草間彌生。
そして建築のことを考えていないと死んでしまう磯崎新


思わず笑ってしまいましたが、Fさんのブログにはアートばかりでなく、ご専門の経済のことなども論じておられ、いつも読みふけってしまいます。
草間彌生「帽子」600
草間彌生「帽子」
1983年 シルクスクリーン
レゾネNo.22
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Fさんばかりでなく、ご自分の考えをブログや、最近はtwitterで発信される方が多い。
過激なものより、バランス感に富み、成熟した思考を展開される方の文章を読むと日本も捨てたもんじゃあないなと、感銘をあらたにします。

************
twitterといえば、実は使い方がいまだによくわからない。
スタッフに聞いても要領を得ない。つまり彼等もよくわからないらしい。
とりあえずTwitterのページを開けると、フォローもしていない、フォローもされていない見知らぬ人のつぶやきがだだだーと出てくる。
先日、気になるのがあったので読んだのは、「wsary」大野更紗さんという方のつぶやきでした。

以下、大野さんのつぶやきからの引用です。

あいたいひとに、あえるように。いきたいところへ、いけるように。あいしてるひとに、あいしてるといえるように。泣いているとき、せめて寄りそうものがあるように。誰もにとっての「社会」が。今日もいたってしんどいが、まったく癪だ、黙っておさらばするなんて。この、惨憺たる、いとしき世界で。

身体的苦痛にどれだけ逆らって物事を処理できるか。絶え間ない雑事、手続き、闘病。昏睡と覚醒を繰り返し、喰らうように、必死に、しがみつくようにしてそのなかで本を読む。勉強しなくてはならないことは、たくさん。たくさん。たくさん。時間が、ほしい。

「進まざるものは必ず退き、退かざるものは必ず進む。」進んでいるかは知らないが、退くのは癪である。眠ろう、明日が来る。アスクル。

難病患者と一言で言っても、さまざまな考え方、ライフスタイルのかたがたがいます。ただ、もし、いま、苦痛と絶望感にただひたすら耐え、打ちひしがれていたら(難病患者にかぎらず)。とりあえず、もうちょっと、死なないで、ふんばってみましょうぜ。一緒に。

「社会」は、「政治」は、わたし自身の「鏡」でもあります。わたし自身への無関心は、わたしの他者への無関心の「鏡」でもあります。そしていつか、そのツケを、誰かが引き受ける、しかも、もっとも弱い立場のひとから順番に。

わたしたちは、見たくないものや、逃げたいことからは、遠ざかりたいと感じます。わたしも、よくそう思います。「政治」なんて、うんざりだと。しかし、ある日突然、何らかの「当事者」となったとき、現実に愕然と立ち尽くします。なぜ、こんなことになっているのかと。

難病患者、内部疾患が障害者自立支援法の「制度の谷間」に落ち込み、サービスを受給できぬまま、見捨てられ続ける。誰かが、痛みと苦しみをただひたすら引き受け、それを共有するスペースを社会がもたない。障害者自立支援法と難病患者の姿は、この社会のひとつの「鏡」。

現場の、この国の弱者のすがたは、今があらゆる「臨界点」であることを、アラートする。あらゆるラインと分断(あまりに単純化された経済的合理主義の追及は「分断」を容易に構造化した)をこえようとしなければ、おそらく、その先は、ひたすらの「暗闇」が待っている。

「難病」や「死」。医療、介護、障害、社会保障は、ほぼ誰しもがいつでも突然「当事者」となる。そして、「当事者」となって、はじめて、その現実に立ち尽くす。声すら殺して泣いて、ただ耐えて、苦しみ抜いて、去っていく人たちを、数多く、みてきた。

その国の「本質」というのは、弱者の姿にあらわれる。難病患者だけにかぎった話ではない。あらゆる弱い立場の姿に、あらわれる。

***********
国家が自国の文化に対しても冷淡なのは、難病の弱者への姿勢と根本的に同じですね。
この大野更紗さん、ブログでも「困っているひと」というタイトルで、壮絶な、しかしユーモアあふれる闘病記を書かれています。

個人は非力です。
病める人に手厚い援助を差し伸べることが国家の最大にして最小限の務めだとつくづく亭主は思うのですが。

大野更紗(おおの・さらさ)さん
1984年、福島県生まれ。上智大学外国語学部フランス語学科卒。上智大学大学院グローバルスタディーズ研究科地域研究専攻博士前期課程休学中(なんとかして復学したい……)。
学部在学中にビルマ(ミャンマー)難民に出会い、民主化活動や人権問題に関心を抱き研究、NGOでの活動に没頭。大学院に進学した2008年、自己免疫疾患系の難病を発病する。1年間の検査期間、9か月間の入院治療を経て、現在も都内某所で絶賛闘病中。

◆ときの忘れものは、2010年12月15日(水)~12月25日(土)まで「エドワード・スタイケン写真展」を開催します(会期中無休)。
スタイケン案内状600
エドワード・スタイケンは、20世紀のアメリカの写真にもっとも大きな影響を与えた写真家であるだけでなく、キュレーターとして数々の写真展を企画し、写真界の発展に多大な貢献をしました。
1986年と1987年に写真家のジョージ・タイスによってオリジナルネガからプリントされた、1920年代か30年代の作品を中心に、ヌード、ファッション、風景、ポートレートなど17点を選び展示いたします。
ぜひこの機会に古典ともいうべきスタイケンの写真作品をコレクションに加えてください。
出品リスト及び価格はホームページに掲載しています。

◆第4回「写真を買おう!! ときの忘れものフォトビューイング」のご案内
日時:12月17日(金)19:00~20:00
ホスト:原茂(写真コレクター)
ゲスト:風間健介(写真家)
※要予約(参加費1,000円/まだ残席があります。参加ご希望の方は、電話またはメールにてお申し込み下さい。
Tel.03-3470-2631/Mail.info@tokinowasuremono.com
風間健介1_600
風間健介<風を映した街>より「三笠奔別炭鉱跡」
第4回目のゲストは、写真家・風間健介さんをお迎えして開催いたします。
炭鉱の町、夕張に暮らしながら撮り続けた作品をご紹介します。
特別に通常より割引価格でプリントをお求めいただけますので、ぜひご参加ください。

風間健介 Kensuke KAZAMA
1960年三重県生まれ。20代のときにカメラとともに日本を放浪した後、北海道に移住。2005年に出版した写真集『夕張』(寿郎社)によって、2006年日本写真協会新人賞、写真の会賞を受賞。

◆今月のWEB展は、11月16日から12月15日まで「小野隆生展」を開催しています。

◆ときの忘れものは通常は日曜・月曜・祝日は休廊ですが、企画展の開催中は会期中無休です。

磯崎新先生とカイ・ファルクマンさん来廊

マン・レイと宮脇愛子展」もいよいよ16日で終了です。
13日に宮脇愛子先生が来廊されましたが、
宮脇「ここは狭いけど天井が高くていい画廊ね」
亭主「は、それだけが採り得でして・・・・」
宮脇「誰も来ないのね、いつもこんなに静かなの」
というようなやりとりがあったのですが、その後をご報告しましょう。
最初の客青野尚子さん建築、アート、デザインの分野でライターとして活躍している青野尚子さんが来廊。亭主の冷や汗を救ってくれました。

ドローイングを挿入した造本をチェックする宮脇秋葉さんへ自著にサインして贈る宮脇さん左)一点一点描いたドローイングを挿入した『マン・レイへのオマージュ』の造本の出来具合をチェック
右)新進画家の秋葉シスイさんに自著にサインして贈る宮脇先生

ミラー作品の前、ファルクマン、磯崎新自作ポスターを指差す磯崎新左)スウェーデン俳句協会会長で同国外務省特別顧問でもあるカイ・ファルクマンさんが磯崎新先生と来廊。
右)自らデザインした「UTSUROHI」ポスターを指差す磯崎先生。

撮影写真を語る磯崎新瀧口作品の前で磯崎新、ファルクマン左)自ら撮影したマン・レイのアトリエ写真について説明する磯崎先生
右)瀧口修造の作品の前で

宮脇折本を見るファンクマン折本のドローイングを説明する社長左)『マン・レイへのオマージュ』をご覧になる
右)造本を手がける社長がご説明

オブジェを見るファルクマン、磯崎新「天文台の時刻にー恋人たち」を見上げるファルクマン左)宮脇先生に贈られたマン・レイのオブジェを前に
右)「天文台の時刻にー恋人たち」を見上げる

細江英公、朝山さん来廊細江英公と宮脇左)偶然、写真家の細江英公先生と、編集者の朝山耿吉さんが来廊(朝山さんとは1963年に出会って以来の長いお付き合いです)。思わぬ再会を喜ぶ。
右)旧交を温める細江英公先生と宮脇先生

亭主、ファルクマン、細江、朝山、宮脇、磯崎新宮脇、ファルクマン左)左から亭主、ファルクマンさん、細江先生、朝山さん、宮脇先生、磯崎先生
右)宮脇先生とファルクマンさん

自著にサインする磯崎新、ファルクマン2自著にサインする磯崎新、ファルクマン1
それぞれ、自著にサインする磯崎先生とファルクマンさん

カイ・ファルクマン『ロボットと人間』表紙
カイ・ファルクマン著『ロボットと人間ー発展のピラミッド理論ー』(西山佑司・小屋逸樹訳、1985年 新潮社)

日和崎尊夫句集を贈るファルクマンさん、自著について語る左)亭主からときの忘れものが刊行した『日和崎尊夫句集』を贈る
右)自著について語るファルクマンさん

DSCF9208_600DSCF9209_600この椅子、実は数年前に取り壊されてしまった磯崎新初期の名作・福岡相互銀行大分支店で使われていたもの。さりげなく画廊においたのですが、磯崎先生、見るや否や「どうしてあの椅子がここにあるんだ!」
サプライズ大成功!!

DSCF9214_600磯崎新、自作椅子に坐る左)モンローチェアの一種で、竣工当時、磯崎先生がデザインして天童木工に作らせたもの。坐り心地はなかなかのものですが、強度に問題があって量産はされず、天童木工のカタログにも載っていない幻の椅子です。
右)久しぶりに自作の椅子に座りゴキゲンな磯崎先生。

磯崎新、椅子にサイン自作の椅子にサインする磯崎新
早速、磯崎先生にはサインをお願いしました。

DSCF9213_600自作の椅子と磯崎新、後ろに細江英公左)1967 ARATA ISOZAKI 2010 のサイン
右)同じタイプの椅子を図書館の貴賓室用にもつくり、その椅子に天皇陛下が坐ったという昔話をファルクマンさんに説明する磯崎先生。階段のカメラマンに注目。

ミシマ写真を撮った細江英公を紹介する磯崎新ミシマ写真集、それを撮影する細江英公左)細江先生の写真集を開き、「ミシマを撮った日本を代表する写真家」についてファルクマンさんに説明する磯崎先生
右)自分の写真集を見るファルクマンさんを撮影する細江英公先生

ファルクマンさんに細江英公献呈ファルクマン句集を読む細江英公左)写真集にサインしてファルクマンさんに献呈
右)ファルクマンさん、宮脇先生とファルクマンさんの句集を読む細江英公先生

磯崎新、細江英公、綿貫談笑する磯崎新、ファルクマン、朝原
和やかな時間が続きました。

集合写真
記念写真

カイ・ファルクマン(Kai Falkman)
1934年コペンハーゲン生れのスウェーデン人。1954−55年ジュネーヴ大学でフランス文学を学び、のちストックホルム大学で法律を専攻。1959年スウェーデン外務省に入り、日本、ベトナム、イギリス、ポルトガル、アンゴラ等の大使館に勤務。1980−84年駐日スウェーデン公使。現在ストックホルムの国際事情研究所に所属。ヨーロッパでは既にユニークな文筆家として知られ、旺盛な執筆活動を続けている。著作には「外交官用の特別郵便袋」「ピカソと脳」などのアフォリスティックな文明評論があり、小説に「言葉と山脈」がある。「ロボットと人間―発展のピラミッド理論」は1985年新潮社から刊行(西山佑司訳)。最近、ファルクマンさんが選句に携わった「四月の雪―スウェーデンの俳句百句 日本の俳句百句」が大日本印刷から刊行された。

◆最後に磯崎先生関連の展覧会情報を。
2010年10月14日より11月7日まで、都市と建築をテーマにした「Struggling Cities: from Japanese Urban Projects in the 1960s ストラグリング・シティーズ — 60年代日本の都市プロジェクトから」展が上海世界金融センターにて開催される。
建築家の日埜直彦が企画した本展は、1960年代に日本で隆盛を見せた都市への実験的な提案を入口に、現代に至るまでの都市を取り巻くさまざまな状況や、現在の東京に見られる特異性を、模型のみならず、アニメーション、写真スライド、映像といった多様なメディアを交えながら検証する。都市計画とその実現の過程における課題や、実現後との対比など、当時のプロジェクトを事例にとりながら、現代および未来に向けて都市計画のあるべき姿を考察する契機となる展覧会である。
なお、本展は国際交流基金主催による海外巡回展として、上海での展示を皮切りに長期にわたり世界各地を巡回する予定。上海での展示期間中の10月16日には、特別シンポジウム「超都市 上海」として、磯崎新による講演と伍江との対談が同済大学にて予定されている。

◆ときの忘れものは、9月28日(火)〜10月16日(土)「マン・レイと宮脇愛子展」を開催しています(会期中無休)。
案内状 編集版_600
10月16日(土)17時からの巌谷國士さんのギャラリー・トークは既に定員に達しました。
トーク終了後の18時からクロージングパーティを開催します。こちらは予約無しで参加できますので、18時過ぎにご来場ください

マン・レイへのオマージュパンフ
マン・レイの折本仕立ての「回転扉(Pain Peint)」にインスパイアーされ、宮脇愛子がマン・レイへのオマージュとして制作した新作エディション、シルクスクリーン入り小冊子『Hommage a Man Ray マン・レイへのオマージュ』(DVD付き、限定25部)の予約申し込みを受け付けています。

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田中文男さんを偲ぶ会

昨13日夕方、宮脇愛子先生が画廊に来られました。
先日のレセプションにはたくさんのお客様が見えられましたが、昨日はいつもの通りの静かな一日でした。
宮脇「ここは狭いけど天井が高くていい画廊ね」
亭主「は、それだけが採り得でして・・・・」
宮脇「誰も来ないのね、いつもこんなに静かなの」
亭主(冷や汗、こういうとき誰が来てくれないと・・・)
というようなやりとりがありまして、その後の顛末は明日写真入りでご報告しましょう。

さて、10月11日「田中文男さんを偲ぶ会」に出席してきました。

 大工棟梁田中文男さんが、去る8月9日朝亡くなられました。享年78歳でした。
心より哀悼の意を表します。葬儀は8月11日と12日に、密葬にてしめやかに執り行われましたことをここにお知らせ致します。
 さて、生前の田中さんと親しく交際のあった大勢の方々からは、是非お別れの挨拶をしたいとの要望もあり、私ども発起人および世話人は、ご遺族のご了解のもと、「田中文男さんを偲ぶ会」を開催することに致しました。この会を、田中さんがされた仕事、やり残したこと等について賑やかに語り合う場にできればと思っております。(略)
 日時: 平成22年10月11日(月・祝)
 場所: ホテル ハイアット・リージェンシー東京

平成22年9月8日
   「田中文男さんを偲ぶ会」
     発起人代表 内田 祥哉
       同   松田 妙子
       同   鈴木 嘉吉
       同   大河 直躬
       同   磯崎 新
     世話人代表 渡邉 定夫
(偲ぶ会案内状より)

関東の住まい 山田文男大工・田中文男左)田中文男『関東の住まい』(1996年 INAX出版)
右)『大工・田中文男 普請研究第39号第二版』(2010年 普請帳研究会)

田中文男さんを偲ぶ会祭壇3田中文男さんを偲ぶ会式次第亭主は田中さんとは磯崎新先生の紹介で知り合い、ときの忘れものが取り組んでいる磯崎新連刊画文集『百二十の見えない都市』のパトロンのお一人になっていただきました。
第二期が未だ完成せず、田中さんのお元気なときにお届けできなかったことは、かえずがせすも残念で申し訳なく思っています。

田中文男さんを偲ぶ会祭壇1田中文男さんを偲ぶ会祭壇2

田中文男さんを偲ぶ会1田中文男さんを偲ぶ会2広い会場には生前田中さんとお付き合いのあった老若男女多数が集いましたが、画商というような生業の者は亭主一人だったでしょう。

磯崎新、岡崎亭主も含め出席者のほとんどは礼服またはスーツ姿(女性は和服の方も多かった)だったのに頭ぼさぼさ、ラフなシャツ姿の怪しい人が一人、画家の岡崎乾二郎さんでした(中央)。右は磯崎新先生。仲の良い二人は散会後いずこともなく消えました。

田中文男さんを偲ぶ会3田中文男さんを偲ぶ会4会の最後は、大工の田中さんらしく江戸木遣り唄で送られました。
田中さん、お世話になりました。合掌。

磯崎新のパフォーマンス/孵化過程

昨日から宮脇愛子先生が久しぶりの新作版画を発表する「マン・レイと宮脇愛子展」が始まりましたが、夫君の磯崎新先生はといえば、この近くの原宿で開催されている「CITY 2.0 WEB世代の都市進化論」という展覧会に若い世代に混じり出品しています。
期せずして夫婦ともに青山近辺での展覧会開催です。
9月24日に磯崎新先生の孵化過程のパフォーマンスが行なわれましたので、ちょっとご報告。
(詳しくは「主催者のホームページ」をご覧になってください。)

磯崎新CITY2.0〜1磯崎新CITY2.0〜2
会場は、GYRE(MoMAのショップなども入っているお洒落なビル)
東京都渋谷区神宮前5-10-1-3F

磯崎新CITY2.0〜3磯崎新CITY2.0〜4
石膏液を壁のパネルにぶちまける磯崎さん。79歳とは思えぬパワー。
もたもたしていた亭主はシャッターチャンスを逃してしまいました。

磯崎新CITY2.0〜5磯崎新CITY2.0〜6


磯崎新city2.0磯崎新city2.0綿貫
亭主も飛び入りでパフォーマンス!

磯崎新CITY2.0〜9
白い石膏が飛び散った二人の上着にご注目。


ときの忘れもののエディションとして進行中の連刊画文集『百二十の見えない都市』第二期にも「孵化過程」は版画3点組として挿入されます。「孵化過程」が版画となるのはこれが初めてです。
既に第二期12都市の版画(1都市3点×12都市=36点)はほとんど完成しているのですが、書き下ろしエッセイの執筆がなかなか進まず、既に取り掛かってから5年以上経ってまだ完成に至りません(泣)。ご覧の3点は完成しているのですが、そのまま発表の日を待ちわびながら眠っています。
お待たせしているパトロンの人たちにはまことに申し訳ないのですが、もうしばらくご猶予をお願いします。
またこの連作は限定35部ですが、まだ残席がありますので、参加ご希望の方は遠慮なくお問合せください。
進行状況はブログの「百二十の見えない都市」で随時ご案内します。

磯崎新「孵化過程」
磯崎新連刊画文集『百二十の見えない都市』第二期より
「孵化過程」
シルクスクリーン1点
銅版2点
書き下ろしエッセイ1篇

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◆ときの忘れものは、9月28日(火)〜10月16日(土)「マン・レイと宮脇愛子展」を開催しています(会期中無休)。
案内状 編集版_600
10月1日(金)17時〜18時半、宮脇愛子さんを囲んでのレセプションを開催します。

10月16日(土)17時より、巌谷國士さんを講師にギャラリー・トークを開催します(*要予約、参加費1,000円)
参加ご希望の方は、電話またはメールにてお申し込み下さい。
定員まであと数席しかありません。
Tel.03-3470-2631/Mail.info@tokinowasuremono.com

◆本展を記念して宮脇愛子の新作エディション、シルクスクリーン入り小冊子『Hommage a Man Ray マン・レイへのオマージュ』(DVD付き)を刊行します。
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ギャラリー&編集事務所「ときの忘れもの」は建築家をはじめ近現代の作家の写真、版画、油彩、ドローイング等を扱っています。またオリジナル版画のエディション、美術書・画集・図録等の編集も行なっています。
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