瀧口修造の世界

清家克久のエッセイ「瀧口修造を求めて」第9回

清家克久のエッセイ「瀧口修造を求めて」第9回

 瀧口修造が亡くなって三年後の1982年7月から9月にかけて郷里の富山で「第1回現代芸術祭 ― 瀧口修造と戦後美術」展(富山県立近代美術館)が開催された。瀧口と交流のあった作家の作品を通して戦後のアバンギャルド芸術において指導的立場にあった瀧口の存在が改めてクローズアップされる展示だった。

1 「瀧口修造と戦後美術」展チラシ「瀧口修造と戦後美術」展チラシ


2 同上出品リスト同上出品リスト


3 同上カタログ同上カタログ


 このとき瀧口の書斎にあった作家たちから贈られた作品やオブジェなどが初めて公開された。だが、かつて「私の部屋にあるものは蒐集品ではない。その連想が私独自のもので結ばれている記念品」(「白紙の周辺」より)であったはずの「物」たちは主を失い、どこか所在なげに私の目には映った。一方で、デカルコマニーの連作「私の心臓は時を刻む」(1962年南画廊個展発表)には、まさにその「発生の現場」に私自身も立ち会っているような感動を覚えた。

4 瀧口修造の書斎(美術手帖1981年8月号より)瀧口修造の書斎(美術手帖1981年8月号より)


5 瀧口修造個展カタログ(1962年南画廊)瀧口修造個展カタログ(1962年南画廊)


 その後十六年間、美術館で瀧口修造をテーマとした展覧会は開催されることがなかったが、1991年から刊行が始まった著作集「コレクション瀧口修造」(みすず書房)が1998年7月に全13巻・別巻1をもって完結するのに合わせるかのように大阪の国立国際美術館で「瀧口修造とその周辺」展が開催されることになった。

6 コレクション瀧口修造全13巻・別巻1(みすず書房)コレクション瀧口修造全13巻・別巻1(みすず書房)


 同展の企画に協力していた土渕信彦さんから、このカタログの瀧口修造展覧会歴に私が松山で行った「滝口修造と画家たち展」(1989年)を載せるので、担当学芸員の島敦彦さんへその時の資料を送ってほしいとの連絡を受けた。ささやかな小展示が公の展覧会カタログに紹介されることになろうとは思いも寄らなかった。やがて招待状と素晴らしいポスターが届きオープンの日に合わせて見に行くことになったが、その会場で新たな出会いが待っていたのである。

7 「瀧口修造とその周辺」展ポスター(国立国際美術館)「瀧口修造とその周辺」展ポスター(国立国際美術館)


 本展は先の富山における展覧会の趣旨を受け継ぎながらも、海外の作家を含めてグローバルな瀧口の活動を紹介するものとなり、カタログもコンパクトに纏められ島さんの解説と資料が大変参考になった。

8 同上パンフレット(表)同上パンフレット(表)


9 同上(裏)同上(裏)


10 展示風景展示風景


11 同上カタログ同上カタログ


 この会場で土渕さんからマン・レイ・コレクターの石原輝雄さん、多摩美術大学図書館の恩蔵昇さん、富山県立近代美術館学芸員の八木宏昌さん、瀧口ファンの竹内一人さんたちを紹介された。そして、同館のシンボルとなっているミロの巨大な陶板画「無垢の笑い」の前で記念写真を撮った。後日、撮影者の石原さんから写真と共に手紙をいただいたが、親しみと共感を抱く内容で、これが機縁となって瀧口に関連した展覧会などでお会いするようになり交友が深まっていった。

12 ミロ陶板画前にて記念写真(撮影・石原輝雄)ミロ陶板画前にて記念写真(撮影・石原輝雄)


13 石原さんからの手紙石原さんからの手紙


 石原さんについては「カメラ毎日別冊・マン・レイ」(1984年刊)や「第9回オマージュ瀧口修造―マン・レイ展」(佐谷画廊1989年)の執筆者の一人として名前は知っていたが、土渕さんから送っていただいた「石原輝雄コレクション 我が愛しのマン・レイ展」(名古屋市美術館1996年)のカタログを拝見して、筋金入りのコレクターにして研究者であることを了解した。
14 カメラ毎日別冊カメラ毎日別冊


15 「第9回オマージュ瀧口修造―マン・レイ展」カタログ「第9回オマージュ瀧口修造―マン・レイ展」カタログ


16石原輝雄コレクション展カタログ(名古屋市美術館)


 マンレイスト(Man Ray Ist)を名乗り、銀紙書房と名付けた全てが石原さんの手に成る個人出版によってその収集と研究の成果を次々と発表され、いずれも少部数だが手作り本としての魅力にあふれている。2005年に刊行された「マン・レイの謎、その時間と場所」は、日本での大規模な巡回展の様子を伝えるとともに石原さんによるマン・レイ作品の謎を巡る旅のドキュメントである。一見市販本と見紛う体裁だが中身は石原さんならではの仕掛けが施され、限定50部というのがいかにも惜しまれる。石原コレクションで特筆すべきは数千点に及ぶというエフェメラ(カタログ、ポスター、案内状など)であろう。過去から現在に至る世界各地で開催された展覧会資料等の追跡の様子が石原さんのブログ「マン・レイと余白に」で逐次報告されている。

17 石原輝雄著「マン・レイの謎、その時間と場所」(銀紙書房)石原輝雄著「マン・レイの謎、その時間と場所」(銀紙書房)


18 同書より同書より


 恩蔵昇さんは「第13回オマージュ瀧口修造―アンドレ・ブルトンと瀧口修造展」(佐谷画廊1993年)カタログの執筆者として初めてその名前を知ったが、「瀧口修造の書斎」と題されたその文章に魅かれるものを感じた。写真で見る瀧口の書斎にある作品やオブジェ、本などに目を凝らしていたかつての自分を重ね合わせて読んでいた。

19「第13回オマージュ瀧口修造展アンドレ・ブルトンと瀧口修造」カタログ


 瀧口の蔵書のほとんどが綾子夫人から多摩美術大学図書館に寄贈され「瀧口文庫」として書庫に収められることになり、その整理を担当していたのが恩蔵さんだった。1996年に「瀧口文庫」コレクションの中からポスターだけを選んだ展示が行われるとの情報が土渕さんからあり、そのカタログを注文するために恩蔵さん宛に手紙を出したが、その返事には是非「文庫」を見に来ていただきたいと書かれてあった。恩蔵さんによれば「資料の内容は、和書約3,500冊、洋書2,500冊、雑誌3,000冊さらにポスター約200点およびグルッポTの作品資料など約一万点におよぶ。」という膨大な量である。1999年の6月に多摩美術大学上野毛図書館に資料展示室が開設されたとの手紙と資料を送っていただいたので、その夏に恩蔵さんを訪ねて「瀧口文庫」を見せてもらったが、その数の多さからほとんど眺めるだけで終わってしまった。

20 「瀧口修造文庫ポスターコレクション」展チラシ「瀧口修造文庫ポスターコレクション」展チラシ


21 同上カタログ同上カタログ


22 同上カタログより同上カタログより


 八木宏昌さんは私たちよりも若い世代で学芸員の仕事を通して瀧口をどのように捉えているか興味を感じていた。大阪で初めてお会いした後に富山県立近代美術館から刊行されたばかりの「私の心臓は時を刻む」の作品図録を送っていただいた。瀧口のデカルコマニー連作百点が全てカラーで、しかも一点一点の作品データまで収録されている。瀧口修造初の造形作品集として私にとっても待ち望んでいたものだった。

23 瀧口修造「私の心臓は時を刻む」(富山県立近代美術館)瀧口修造「私の心臓は時を刻む」(富山県立近代美術館)


24 同書より同書より


 八木さんからの手紙には「今という時は、瀧口さんを語るうえで客観的な見方のできる時代だと思います。(中略)現代的な仕事をしながら瀧口さんを追い求めることに疑問を覚えられるかもしれません。しかし、私にとっては、今なお開かれた瀧口さんの目というものが、私の現代美術を見る目に大きく影響しているのです。」と書かれてあった。
せいけ かつひさ

■清家克久 Katsuhisa SEIKE
1950年 愛媛県に生まれる。

●今日のお勧め作品は、瀧口修造です。
20171120_瀧口修造瀧口修造
《-06》
水彩、墨、紙
Image size: 31.7x16.8cm
Sheet size: 31.7x16.8cm
Signed


こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

本日11月20日(月)17時から銀座のギャラリーせいほうで宮脇愛子展のオープニングが開催されます。皆さまお誘いあわせの上、是非お越しください。私達もスタッフ全員参加します。
201711MIYAWAKI「宮脇愛子展 last works(2013〜14)」
会期=2017年11月20日[月]〜12月2日[土]
※日・祝日休廊

会場=ギャラリーせいほう 
〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目10-7 東成ビル1F
電話:03-3573-2468
最後の新作である油彩を中心に立体(ガラス、真鍮)、ドローイング、版画など。


◆「メキシコ地震被災地支援・チャリティー頒布会」の予約申し込みを連日、多くの方からいただき、スタッフはその対応にてんてこ舞いです。ミロ、シャガール、向井良吉、吉仲太造などに申し込みが集中しており、抽選になります。このままだと一点もお買いになれない方が続出し、せっかくのメキシコ地震被災地支援のお気持ちが無になりかねません
どうぞ皆さん、複数の作品を申し込んでください。
201711mexico
会期:2017年11月28日(火)〜12月2日(土)
出品100点のリストは11月11日ブログに掲載し、予約受付を開始しました。
全作品、一律8,000円で頒布し、売上金全額を被災地メキシコに送金します。
※お申込みの返信は、翌営業日となります。(日・月・祝日は休廊です。)


◆ときの忘れものは「細江英公写真展」を開催しています。
会期=2017年10月31日[火]―11月25日[土]
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細江先生は秋の叙勲で旭日重光章を受章されました。
●会期中、細江英公サイン入り写真集を特別頒布しています。

●書籍のご案内
TAKIGUCHI_3-4『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録
2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別)*送料別途250円

*『瀧口修造展 I』及び『瀧口修造展 II』図録も好評発売中です。


安藤忠雄の奇跡安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言
2017年11月
日経アーキテクチュア(編)
B5判、352ページ
(NA建築家シリーズ 特別編 日経アーキテクチュア)
価格:2,700円+税 *送料:250円
亭主もインタビューを受け、1984年の版画制作始末を語りました。
安藤先生のサイン本をときの忘れもので扱っています。

六本木の国立新美術館では「安藤忠雄展―挑戦―」が開催されています。
会期:2017年9月27日[水]〜12月18日[月]
番頭おだちのオープニング・レポートはコチラを、光嶋裕介さんのエッセイ「安藤忠雄展を見て」と合わせてお読みください。
ときの忘れものでは1984年以来の安藤忠雄の版画、ドローイング作品をいつでもご覧になれます。

●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜18時。日・月・祝日は休廊。

JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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◆ときの忘れもののブログは下記の皆さんのエッセイを連載しています。
 ・大竹昭子のエッセイ「迷走写真館 一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新です。
 ・frgmメンバーによるエッセイ「ルリユール 書物への偏愛」は毎月3日の更新です。
 ・小国貴司のエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」は毎月5日の更新です。
 ・佐藤研吾のエッセイ「大地について―インドから建築を考える―」は毎月7日の更新です。
 ・杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。
 ・関根伸夫のエッセイ「〈発想〉について[再録]」は毎月12日の更新です。
 ・野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
 ・倉方俊輔のエッセイ「『悪』のコルビュジエ」は毎月17日の更新です。
 ・小林紀晴のエッセイ「山の記憶」は毎月19日の更新です。
 ・清家克久のエッセイ「瀧口修造を求めて」は毎月20日の更新です。
 ・小林美香のエッセイ「写真集と絵本のブックレビュー」は毎月25日の更新です。
 ・スタッフSの「海外ネットサーフィン」は毎月26日の更新です。
 ・森本悟郎のエッセイ「その後」は毎月28日の更新です。
 ・笹沼俊樹のエッセイ「現代美術コレクターの独り言」はしばらく休載します。
 ・大野幸のエッセイ<ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート>は随時更新します。
 ・植田実のエッセイ「美術展のおこぼれ」は、更新は随時行います。
  同じく植田実のエッセイ「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」と合わせお読みください。
  「本との関係」などのエッセイのバックナンバーはコチラです。
 ・中村茉貴のエッセイ「美術館に瑛九を観に行く」は随時更新します。
 ・飯沢耕太郎のエッセイ「日本の写真家たち」英文版とともに随時更新します。
 ・深野一朗のエッセイは随時更新します。
 ・「久保エディション」(現代版画のパトロン久保貞次郎)は随時更新します。
 ・藤本貴子のエッセイ「建築圏外通信」は終了しました。
 ・森下隆のエッセイ「鎌鼬美術館——秋田県羽後町田代に開館」は終了しました。
 ・芳賀言太郎のエッセイ「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いた1600km」は終了しました。
 ・夜野悠のエッセイ「書斎の漂流物」は終了しました。
 ・普後均のエッセイ「写真という海」は終了しました。
 ・八束はじめ・彦坂裕のエッセイ「建築家のドローイング」(再録)は終了しました。
 ・光嶋裕介のエッセイ「和紙に挑む」は終了しました。
 ・石原輝雄のエッセイ「マン・レイへの写真日記」は終了しました(時々番外編あり)。
 ・荒井由泰のエッセイ「いとしの国ブータン紀行」は終了しました。
 ・森下泰輔のエッセイ「戦後・現代美術事件簿」は終了しました。
 ・「殿敷侃の遺したもの」はゆかりの方々のエッセイや資料を随時紹介します。
 ・「オノサト・トシノブの世界」は円を描き続けた作家の生涯と作品を関係資料や評論によって紹介します。
 ・「瀧口修造の世界」は造形作家としての瀧口の軌跡と作品をテキストや資料によって紹介します。
土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」、「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。
 ・「関根伸夫ともの派」はロスアンゼルスで制作を続ける関根伸夫と「もの派」について作品や資料によって紹介します。
 ・「現代版画センターの記録」は随時更新します。
今までのバックナンバーの一部はホームページに転載しています。

敬愛に裏付けされた情熱が、人の心を豊かにする

瀧口修造の造形的仕事を青山時代から継続して紹介してきた、東京・本駒込のギャラリー・ときの忘れものが、2014年と2015年の展覧会を記録した図録『瀧口修造展III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』を刊行した(9月1日付)。
デュシャンに関係した瀧口の仕事と、瀧口と交流した芸術家たちの作品が図録で共演し興味深い。テキストも適切で、晩年にかけての瀧口の仕事が整理され、俯瞰し見せていただけた感覚。実際の展示に立ち会えなかったので、ジャスパー・ジヨーンズの『夏の批評家』(セメント、ガラス、他)や荒川修作の<棺桶シリーズ>のミクストメデイアなどを図録で楽しませていただいた(感謝)。デカルコマニーの兄弟や姉妹や夫婦たちが、見開きのページで紹介されると、紙を剥がしている瀧口の「手」を連想してしまった、上手い仕掛けである。こうした「図録」に接すると、公立の美術館に苦言を呈したくなってしまう、いつも、敬愛に裏付けされた情熱が、人の心を豊かにする。--- 批評ではなく情熱を、学者ではなく在野を、無名をつらぬき、好きな事だけを続ければ、花開き、実を結ぶ。コレクターとして美術品の世界が個人的である事を願う。尚、「図録」は一冊2,500円(税別)で10月末までに申込された方には、税、送料サービスとの有り難い提案。英文併記なので、瀧口の仕事がますます世界に拡がると期待している。

石原輝雄さんのブログより)

マン・レイになってしまったひと、京都の石原輝雄さんが暖かな心のこもった書評を書いてくださいました。ありがとうございます。

かなり強い台風が西日本を襲いました。被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

このブログを書いているときに気がついたのですが、おかげさまで数日前に日々の訪問者数が累計で100万人を超えました
息子たちがHPを開設してくれたのが1998年でした。その後、ブログという素人にも書き込める便利なものができ、更新せよという息子たちの命令に従い、ひたすら記事を書き、さらに多数の執筆者の皆さんの躍動感あふれる投稿によって、とうとう100万を超えました。
毎日更新が始まったのは2005年6月13日「ギャラリー新人日記」からです。この日入社したばかりの尾立麗子に「今日から毎日日記をつけブログに掲載するように」と社命をくだしたのですが、さすが薩摩の女傑だけあって無遅刻、無欠勤、休日を除いて一年間日記を書き続けました。
最初の読者は鹿児島のお母さんでした。「あの子が・・・・」と泣きながら毎日読んだと後に聞かされました。
あらためて読んで下さる皆様に心より御礼申し上げます。
これからも私たちが敬愛する作家たちの紹介と、お客様に楽しんでいただける内容の充実に努めたいと思っています。

造形作家としての瀧口修造を展示と図録によって紹介していきたいと「瀧口修造展-」を開催したのは2014年1月でした。
監修を瀧口研究の第一人者・土渕信彦さんにお願いし、ご遺族の全面的な協力を得て、『瀧口修造展 I』、『瀧口修造展 II』と図録を刊行し、ようやく今回『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』にこぎつけました。二回の展覧会の記録を収めたのでページ数もぐっと増えました。

2017年10月末までにお申し込みいただいた方には特別価格:2,500円(税、送料サービス)でおわけします。メールにてお申し込みください。請求書を同封して代金後払いで発送します。
E-mail. info@tokinowasuremono.com

TAKIGUCHI_3-4『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』
2017年
ときの忘れもの 発行
92ページ  21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
ハードカバー  英文併記
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
通常価格:2,500円(税別)、送料250円

目次(抄):
・Personally Speaking 瀧口修造(再録)
・マルセル・デュシャン語録について 瀧口修造(再録)
・檢眼圖 だれの証拠品、だれが目撃者? 瀧口修造(再録)
・私製草子のための口上 瀧口修造(再録)
・「オブジェの店」を開く構想に関するノート 土渕信彦
・マルセル・デュシャンとマルチプル 工藤香澄

刊行を記念して◎10月27日(金)18時〜中尾拓哉さんによるギャラリートーク<マルセル・デュシャン、語録とチェス>を開催します。
*要予約
:参加費1,000円(受付終了)
生誕130年、レディメイド登場100年! 現代美術の父マルセル・デュシャンの制作論における秘密を、チェスを手がかりに精緻に読み解いた力作『マルセル・デュシャンとチェス』の著者中尾拓哉さんを講師に迎えます。

中尾拓哉(なかお・たくや)
美術評論家。1981年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。2014年に論考「造形、その消失において――マルセル・デュシャンのチェスをたよりに」で『美術手帖』通巻1000号記念第15回芸術評論募集佳作入選。単著に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017年)。

◆ときの忘れものでは「今週の特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン」を開催しています
会期:2017年10月24日[火]〜10月28日[土] 11:00〜18:00
201710_TAKIGUCHIときの忘れもので2014年と2015年に開催した「瀧口修造展」の合同図録『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』が完成しました。 その刊行を記念して、中尾拓哉さんを講師に迎えてギャラリートークを開催するとともに、瀧口修造のロトデッサンや水彩作品と『デュシャン語録』など、約10点をご覧いただきます。


中村美奈子さんが瀧口修造にオマージュした文鎮を制作しました。
中村美奈子 文鎮こげ茶、赤、緑、オレンジの4色あります。
一個:大5,500円 小5,000円(税別)
二個組:10,000円(税別)
三個組:14,000円(税別)
紙ケース付、送料は一律500円(何個でも)。
瀧口ファンならずとも手元に置きたくなるような色彩豊かな佳品です。特別頒布中ですのでどうぞご注文ください。


●六本木の国立新美術館で「安藤忠雄展―挑戦―」が開催されています。
会期:2017年9月27日[水]〜12月18日[月]
オープニングのレポートはコチラをご覧ください。

●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜18時。日・月・祝日は休廊。

JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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オマージュ瀧口修造〜中村美奈子さんによる文鎮を特別頒布します。

昨2016年11月に開催した「ルリユール 書物への偏愛―テクストを変換するもの―」で大好評で完売したのが、中村美奈子さん制作の文鎮でした。
ずっしりとした鉄の塊に山羊革、金箔とパラジウム箔で箔押しした文鎮は美しくまるで小さな宝石箱のようでした。

中村さんはU.C.A.D(パリ工芸製本専門学校)で製本・箔押しを学んだ後、ヴェジネ市立製本学校にて箔押しを専門的に習得し帰国。 2006年より天金と箔押しを受注制作していますが、注文に応えて文鎮の制作もされています。

今回「今週の特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン」に合わせて、瀧口修造へのオマージュとして、ときの忘れもののために文鎮を制作してくださいました。
サイズ大)32×32×32mm
サイズ小)28×28×28mm

一個:大5,500円 小5,000円(税別)
二個組:10,000円(税別)
三個組:14,000円(税別)
紙ケース付、送料は一律500円をいただきます(何個でも)。
お申し込みは電話、メールにてどうぞ。

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こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

●本日のお勧めは、瀧口修造です。
瀧口修造 V-09瀧口修造
"V-09"

水彩、インク、色鉛筆、紙
Image size: 27.5×22.7cm
Sheet size: 31.5×26.8cm
サインあり

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

■『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』を刊行しました。
瀧口修造展 I』、『瀧口修造展 II』よりページ数も増えました。
TAKIGUCHI_3-4『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』
2017年
ときの忘れもの 発行
92ページ  21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
ハードカバー  英文併記
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
通常価格:2,500円(税別)、送料250円

刊行を記念して◎10月27日(金)18時〜中尾拓哉さんによるギャラリートーク<マルセル・デュシャン、語録とチェス>を開催します。
*要予約:参加費1,000円(受付終了)
生誕130年、レディメイド登場100年! 現代美術の父マルセル・デュシャンの制作論における秘密を、チェスを手がかりに精緻に読み解いた力作『マルセル・デュシャンとチェス』の著者中尾拓哉さんを講師に迎えます。

中尾拓哉(なかお・たくや)
美術評論家。1981年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。2014年に論考「造形、その消失において――マルセル・デュシャンのチェスをたよりに」で『美術手帖』通巻1000号記念第15回芸術評論募集佳作入選。単著に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017年)。

ときの忘れものは短い会期ですが「今週の特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン」を開催します
会期:2017年10月24日[火]〜10月28日[土] 11:00〜18:00
201710_TAKIGUCHIときの忘れもので2014年と2015年に開催した「瀧口修造展」の合同図録『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』が完成しました。 その刊行を記念して、中尾拓哉さんを講師に迎えてギャラリートークを開催するとともに、瀧口修造のロトデッサンや水彩作品と『デュシャン語録』など、約10点をご覧いただきます。

●六本木の国立新美術館で「安藤忠雄展―挑戦―」が開催されています。
会期:2017年9月27日[水]〜12月18日[月]
オープニングのレポートはコチラをご覧ください。

●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜18時。日・月・祝日は休廊。

JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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特集展示=瀧口修造とマルセル・デュシャン〜10月24日〜28日

「安藤忠雄展 ドローイングと版画」は昨日10月21日、盛況のうちに終了しました。
1984年の初期版画から、今年描いた新作ドローイングまで15点ほどの展示でしたが、たくさんの方にお出でいただきました。
01
《中之島プロジェクト II[アーバンエッグ2]》(右)と《SCENE I /WALL》(左)
02
《水の教会》(左)、《風の教会》(右)

来場者の平均年齢が30歳を切ったのは何年ぶりでしょうか。
最年少が新米パパに抱かれたゼロ歳のご近所の赤ちゃん、最年長は大阪から来られた三島喜美代先生85歳(昭和7年生まれ)。私たちとは40年以上のお付き合いです。
三島喜美代
三島先生を囲んで、右はMEMの石田克哉さん

最終日近くとなるとどこで聞いたのか若い学生さんがぞろぞろ、皆さん珍しそうにあっちこっちうろうろ、長期滞在は亭主の望むところであります。
作品をお買い上げいただいたお客様(今回はイギリス、シンガポール、アイルランドなど海外の方が多かった)には心より御礼申し上げます。
息子さんや、恋人の誕生日祝いに送るという方が二人もいたのには驚きました。
プレゼントに使われるくらい、「アンドー」はよく知られているのでしょう。
おかげさまで光、風、水の教会三部作は完売いたしました。

駒込の展示は終わりましたが、六本木の国立新美術館での「安藤忠雄展―挑戦―」はまだまだ続きます。
会期:2017年9月27日[水]〜12月18日[月]
六本木の安藤先生の大個展は日本における「建築展」の歴史をかえる大きなイベントになりつつあります。建築関係ではない一般の人たちがこれほどたくさん入場料を払い、何時間も見て飽きさせない展示にした安藤先生の才能には脱帽します。
振り返ってみれば、安藤先生は「展示の天才」でもあります。
2003年6月21日〜8月31日に東京都現代美術館で開催された「田中一光 回顧展」の展示デザインを担当した安藤先生はあの大会場の壁面を24,000個の透明のペットボトルで埋め尽くした。きらきら光るペットボトルの壁に田中一光さんのポスター群が浮き上がる、誰も思いつかないような画期的な会場構成で、見事な「建築作品」でした。今回の六本木もドローイングを主体とした素晴らしい展示です。
ブームを呼んでいる今回の安藤展、長年「建築家の版画とドローイング」を扱ってきた私たちには追い風です。磯崎新先生の版画をエディションし始めたのが1977年の「現代と声」企画から、継いで安藤先生の版画をエディションしたのが1984年でした。当時の建築界や美術界の反応は「余技」だの「道楽」だの、まともに取り上げてくれなかった。面と向って「どうせゼネコンに売りつけるんでしょ」と言われたことすらあります。
援助を乞うた親しい友人には「他人の家の図面みたいな版画を誰が買うんですか」と諫言されました。
風は最初は海外からでした。
バブル崩壊、リーマンショックで国内の市場は冷え切り、やむなく海外のアートフェアに私達は活路を見出しました。どこでも飛んで行ってくれる若いスタッフたちに恵まれたこともあり、韓国、台湾、スイス、シンガポール、インドネシア、アメリカ、どこに行っても「アンドーとクサマ」を知らない人はいなかった(草間彌生先生のエディションを開始したのは1982年です)。この二人さえ持っていけばブース代を賄うことができました。
倉庫に積んであった在庫のも、最近ではから平原になりつつあります。
画廊の展示は終わりましたが、安藤作品はいつでもご覧になれますので、どうぞ六本木の展覧会で「私も欲しい!」と思ったら迷わず駒込にお運びください。
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さて、今日と明日は休廊ですが、明後日10月24日からは短い会期ですが、「特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン」を開催します。
会期=2017年10月24日[火]―10月28日[土]
2017年はデュシャン生誕130年の記念すべき年であり、また現代美術史最大の事件となった既製の便器にR・MUTTとサインしただけの〈泉〉を発表してから(ただし実物は現存せず)、ちょうど100年にあたります。ときの忘れものもささやかですが、デュシャン顕彰の試みとして小展示と中尾拓哉さんのギャラリートークを開催します。
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『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』刊行記念
ギャラリートーク<マルセル・デュシャン、語録とチェス>
日時:2017年10月27日(金)18時より
講師:中尾拓哉
*要予約(既に定員に達したので締切りました)

中尾拓哉さんからのメッセージ
 この度、『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』の刊行を記念し、自著『マルセル・デュシャンとチェス』を軸にした、お話をさせていただきます。
デュシャンがマン・レイとチェスをしている映画『幕間』のシーンに始まり、「デュシャンはこの世界を相手にチェスをしてきたのだろうか、あるいはそうかも知れない」と終わっていく、瀧口修造による『マルセル・デュシャン語録』。その中に散りばめられた言葉とともに、デュシャンがチェスにたいして語った言葉を読みながら、彼がいわゆる「制作」をせずに没頭したとされ、「芸術の放棄」の代名詞となった「チェス」の謎を紐解き、多くの人々を魅了したこの人物の営為に迫ります。


中尾拓哉(なかお・たくや)
美術評論家。1981年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。2014年に論考「造形、その消失において――マルセル・デュシャンのチェスをたよりに」で『美術手帖』通巻1000号記念第15回芸術評論募集佳作入選。単著に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017年)。
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●書籍のご案内
TAKIGUCHI_3-4『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録
2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別)*送料250円

10月末までにお申し込みいただいた場合は特別価格:2,500円(税、送料サービス)でおわけします。メールにてお申し込みください。請求書を同封して代金後払いで発送します。

目次(抄):
・Personally Speaking 瀧口修造(再録)
・マルセル・デュシャン語録について 瀧口修造(再録)
・檢眼圖 だれの証拠品、だれが目撃者? 瀧口修造(再録)
・私製草子のための口上 瀧口修造(再録)
・「オブジェの店」を開く構想に関するノート 土渕信彦
・マルセル・デュシャンとマルチプル 工藤香澄
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20170930中尾 拓哉 (著)
『マルセル・デュシャンとチェス』

2017年
平凡社 発行
396ページ
21.6x15.8cm
価格:4,800円(税別)*送料250円
*著者サイン入り
ときの忘れもので扱っています。

気鋭の美術評論家がチェスとデュシャンの失われた関係を解き明かし、制作論の精緻な読み解きから造形の根源へと至る、スリリングにしてこの上なく大胆な意欲作。生誕130年、レディメイド登場100年!
「チェスとデュシャンは無関係だという根拠なき風説がこの国を覆っていた。やっと霧が晴れたような思いだ。ボードゲームは脳内の抽象性を拡張する」──いとうせいこう氏推薦(本書帯より転載)
目次(抄):
・序章 二つのモノグラフの間に
・第一章 絵画からチェスへの移行
・第二章 名指されない選択の余地
・第三章 四次元の目には映るもの
・第四章 対立し和解する永久運動
・第五章 遺された一手をめぐって
・第六章 創作行為、白と黒と灰と
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●本日のお勧め作品は、瀧口修造『マルセル・デュシャン語録』です。
20161217_takiguchi2015_selected_words瀧口修造
『マルセル・デュシャン語録』
1968年
本、版画とマルティプル
外箱サイズ:36.7×29.8×5.0cm
本サイズ:33.1×26.0cm
サインあり
A版(限定部数50部)
発行:東京ローズ・セラヴィ
刊行日:1968年7月28日
販売:南画廊

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

『マルセル・デュシャン語録』については土渕信彦さんのエッセイをお読みください。
11.『マルセル・デュシャン語録』(その1)20150713

12.『マルセル・デュシャン語録』(その2)20150813

13.『マルセル・デュシャン語録』(その3)20150913

●六本木の国立新美術館で「安藤忠雄展―挑戦―」が開催されています。
会期:2017年9月27日[水]〜12月18日[月]
オープニングのレポートはコチラをご覧ください。

●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
営業時間=火曜〜土曜の平日11時〜18時。日・月・祝日は休廊。

JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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清家克久のエッセイ「瀧口修造を求めて」第8回

清家克久のエッセイ「瀧口修造を求めて」第8回

 前回紹介した戦前におけるシュルレアリスムのグループ「繪畫」のメンバーのなかで最もダリの影響を受けた絵を描き、瀧口修造と晩年まで交流があったのは浜田浜雄である。戦中から戦後間もない時期にかけて頻繁に往来し、蔵書家でもあった浜田が戦火で一切の蔵書を失った瀧口の依頼を受けて美術関係書を貸したり、瀧口も浜田を気遣い創作への励ましや仕事の紹介をしていたことが浜田の日記や往復書簡によって知られている。(「生誕100年浜田浜雄展〜造形の遊戯場〜」米沢市上杉博物館・2015年刊より)

01浜田浜雄「タイム・キーパー」1938年作(生誕100年浜田浜雄展・米沢市上杉博物館)カタログより


02同展カタログ


 また、「みすず233」の瀧口修造追悼号に浜田は「あのころ」と題して寄稿し、1940年頃の交流の一端が綴られているが、「和製ブルトン氏」と称するほど畏敬し瀧口の存在なくしてシュルレアリスムの影響は考えられなかったのだろう。

03みすず233号(みすず書房1979.9-10)


04同上書より


 浜田は1951年に瀧口の勧めによりタケミヤ画廊で個展を行っているが、以後は画家としての影は潜め、大辻清司らと「グラフィック集団」を結成するなどグラフィックデザイナーとして活躍した。

05タケミヤ画廊個展案内状とポートレート(生誕100年浜田浜雄展カタログより)


06グラフィック集団について(同展カタログより)


 私は三輪田先生に連絡していただき1990年2月末、上京の折に渋谷区神宮前のマンションに一人で住んでおられた浜田さんを訪ねた。その時の経緯は瀧口修造研究会会報「橄欖」第一号にも書いたが、肝心の瀧口についての話を伺うことができなかった。その原因は私にあり、初対面とはいえ浜田さんについて無知に等しかったためである。

07「橄欖」第1号


 浜田さんは75歳になっており、独り暮らしが長かったせいか隠棲しているような印象を受けた。静かな口調で身辺のことを話されたり、ブルーノ・ムナーリの珍しい仕掛け本を見せていただいたりしたが、浜田さんのなかにイロニーの精神が潜んでいることを感じていた。後に三輪田先生が「彼は寡黙な人のようにも見えたが、澄んだ眼に薄笑いを秘めたような魅力があった。」(2006年米沢市上杉博物館「企画展浜田浜雄」カタログより)と述べていたのでデュシャンのイメージと重なるようなところがあったのかもしれない。グラフィックデザインやオブジェに見られるユーモアや風刺的な表現に加えて「たばこの灰で30センチぐらいの高さのオブジェを2か月位かかって作り上げたり、蝋燭で鳥や馬を作り羽根やたてがみが夏の熱さでグシャ!と突然壊れる」のを独りで楽しんでいたというのもダダの精神に通じるものだろう。(「浜田先生の思い出」薬師神親彦「E+D+P 癸苅機彭豕エディトリアルセンター1996年刊より)

08企画展浜田浜雄カタログ2006年


09グラフィックデザインの作品(生誕100年展カタログより)


10オブジェの作品(同上)


11「E+D+P 癸苅機1996年


12同上


 かつては同じ原宿にあった広い庭付きの家にアトリエを構え、夥しいオブジェに囲まれて眞記子夫人と優雅に暮らしていた。その頃の様子は「季刊銀花」(文化出版局1970年第4号・冬)に紹介されているが、浜田浜雄の頭文字の「二つのH」をフランス語に訳するとデブラーシスと読むところから自らをバロン・ダルゴス・デブラーシスと名乗り、高踏的な遊戯に興じていたりもした。1971年6月に夫人を亡くされてからこのマンションに移っていたのである。(瀧口は夫人の死去に際して浜田へ追悼詩を送っている。)

13「季刊銀花4号・冬」(文化出版局1970年)より


14追悼詩「コレクション瀧口修造」第5巻(みすず書房刊)より


 訪問から暫くして瀟洒な和紙の便箋に毛筆でしたためられたお手紙をいただいたが、その封筒の裏に「二つのH」を型取った封蝋が押されていたのも浜田さんならではのエスプリの名残りだったのだろう。

15封筒裏の封蝋


 その後「太陽」の特集号「瀧口修造のミクロコスモス」(1993年4月平凡社刊)が出たとき、浜田さんにこの雑誌をお送りしたのだが、しばらく経って返送されて来た。実は浜田さんが写した瀧口の写真も掲載されており、ご本人はすでに持っておられたのである。にもかかわらず丁重な礼状をいただいたが、そこには病院を転々とし身体の不如意に悩まされていることなども記されていた。

16「太陽」1993年4月平凡社刊より


17浜田さんの手紙(1994年10月31日付消印)


 三輪田先生から浜田さんの訃報を受けたのは、それからわずか1か月半後のことだった。その臨終に立ち会ったのが弟子にあたる薬師神親彦さんである。薬師神さんは宇和島市出身のグラフィックデザイナーで、東京のデザイン事務所の代表を務めている。1961年に受験で上京し、三輪田先生の紹介で浜田のアトリエを訪ねてから交流が始まり、桑沢デザイン研究所在学中から薫陶を受け、晩年まで最も身近に接して厚い信頼を受けていた方である。浜田の歿後に遺された膨大な資料や蔵書の整理にあたられた薬師神さんから浜田が保存していた瀧口に関連する資料のコピーを頂戴する幸運に恵まれた。私が瀧口に関心を持っていることを三輪田先生から知らされていたのである。驚くことにその中に瀧口が戦時下に書いたと思われる未発表詩2編が含まれていた。これについては「橄欖」第三号に詳しく紹介しているが、「倭し美し」「城」と題され、明らかにあの実験的な詩群とは異なり時局への配慮を窺わせる内容である。おそらく他の詩人たちとのアンソロジーとして編まれ、ゲラ刷りの段階で何らかの事情により発表されなかったものと思われる。

18瀧口修造「倭し美し」


19瀧口修造「城」


20「橄欖」第3号


 1996年2月に渋谷区立松濤美術館で初の回顧展として「特別陳列 浜田浜雄―シュールレアリスムの世界―」展が開催されたが、ご遺族と薬師神さんの全面的な協力により実現したものである。

21「特別陳列浜田浜雄シュールレアリスムの世界」展パンフレット


22同展カタログ


 その3か月後に宇和島市の薬師神さんのご自宅でその作品の一部が公開されることになり、松濤美術館学芸員の瀬尾典昭さんや土渕信彦さんも宇和島に来られた。思うに、この宇和島で浜田浜雄作品展が開かれたのは薬師神さんのご尽力もさることながら、浜田・三輪田の二人の絆がもたらした出来事であり、土渕さんや私がその場に立ち会うことができたのも瀧口の導きであるような気がした。

23浜田浜雄作品展(宇和島市・薬師神邸)


24同上


25同展にて(左より三輪田俊助、土渕信彦、清家克久、薬師神親彦)


26同上記事(愛媛新聞)


せいけ かつひさ

■清家克久 Katsuhisa SEIKE
1950年 愛媛県に生まれる。

◆清家克久のエッセイ「瀧口修造を求めて」は毎月20日の更新です。

●今日のお勧め作品は、瀧口修造です。
20171020_takiguchi2014_II_03瀧口修造
《II-3》
デカルコマニー、水彩、紙
イメージサイズ: 14.2×5.1cm
シートサイズ : 14.2×5.1cm


こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

■『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』を刊行しました。
瀧口修造展 I』、『瀧口修造展 II』よりページ数も増えました。
2017年10月末までにお申し込みいただいた方には特別価格:2,500円(税、送料サービス)でおわけします。メールにてお申し込みください。請求書を同封して代金後払いで発送します。
E-mail. info@tokinowasuremono.com

TAKIGUCHI_3-4『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』
2017年
ときの忘れもの 発行
92ページ  21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
ハードカバー  英文併記
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
通常価格:2,500円(税別)、送料250円

『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』刊行

先ずは嬉しいニュースを。
<今週末10月7日(土)から、「MOMASコレクション第3期」が開幕します。今回は、「セレクション:ピサロとか岸田劉生とか」「描かれたこどもの世界」「明治・大正の日本画−江森天寿を中心に」「近代浦和・文化の景色」の4つのテーマで収蔵品を展示します。
そしてもう1つ、新たに収蔵品に加わった瑛九(えいきゅう)の作品「手」を初披露します。
浦和の地で精力的な活動を行った画家・瑛九は、幻想的な表現を含む多くの実験的な作品を制作し、後半は点描による抽象絵画を多く発表しました。「手」は、1957年(昭和32年)に制作され、吹付技法を用いて瑛九独特の夢幻的な色彩と空間が魅力的に描かれています。吹付技法による瑛九の絵画作品は作例が少なく、最晩年の、微細な点描の油彩画への展開を示す貴重な作品です。制作には、写真作品(フォト・デッサン:瑛九独自の写真作品)と同様の型紙が使われており、瑛九におけるフォト・デッサンと油彩画の有機的な関連が明快に示された、極めて重要な作品です。
ぜひご覧ください!!  瑛九《手》1957年

http://www.pref.spec.ed.jp/momas/?page_id=355
埼玉県立近代美術館のfacebookより)>

qei_154瑛九「手」
1957年
板に油彩吹き付け
46.4×38.3cm (F8号)
埼玉県立近代美術館所蔵
※山田光春『私家版・瑛九油絵作品写真集』(1977年刊)No.286
※宮崎県立美術館他『生誕100年記念 瑛九展』図録所収・油彩画カタログレゾネ(2011年刊)No.346


瑛九の「手」は1981年3月渋谷の松濤にオープンした現代版画センターの直営店「ギャラリー方寸」開廊記念展の出品作で、福井県勝山のNさんの旧蔵作品でした。

12月24日まで「2017 MOMASコレクション 第3期」として埼玉県立近代美術館一階に展示されていますので、ぜひご覧になってください。
10月21日からは、同館開館35周年記念展「ディエゴ・リベラの時代 メキシコの夢とともに」が開催されます。20世紀のメキシコを代表するディエゴ・リベラ(1886-1957)はメキシコ革命後の1920年代、リベラはその思想を民衆に伝えるために公共空間に壁画を描く「メキシコ壁画運動」の代表者となり、世界的な注目を集めました。
招待券ご希望の方は、メールにてお申し込みください。
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ときの忘れもので2014年と2015年に開催した「瀧口修造展」の合同図録『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』がようやく完成しました。
作品をお買い上げいただいた皆さん、ご執筆いただいた土渕信彦さん、工藤香澄さんには長いことお待たせしてしまいました。お詫びします。
瀧口修造展 I』、『瀧口修造展 II』よりページ数も増えました。

2017年10月末までにお申し込みいただいた方には特別価格:2,500円(税、送料サービス)でおわけします。メールにてお申し込みください。請求書を同封して代金後払いで発送します。
E-mail. info@tokinowasuremono.com

TAKIGUCHI_3-4『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』
2017年
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
ハードカバー
英文併記
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別)、送料250円

「瀧口修造展 III 瀧口修造とマルセル・デュシャン」
会期=2014年11月5日[水]―11月22日[土]
会場:ときの忘れもの(南青山)

「瀧口修造展 IV」
会期=2015年10月17日[土]―10月31日[土]
会場:ときの忘れもの(南青山)

目次(抄):
・Personally Speaking 瀧口修造(再録)
・マルセル・デュシャン語録について 瀧口修造(再録)
・檢眼圖 だれの証拠品、だれが目撃者? 瀧口修造(再録)
・私製草子のための口上 瀧口修造(再録)
・「オブジェの店」を開く構想に関するノート 土渕信彦
・マルセル・デュシャンとマルチプル 工藤香澄

刊行を記念して◎10月27日(金)18時〜中尾拓哉さんによるギャラリートーク<マルセル・デュシャン、語録とチェス>を開催します。
*要予約
:参加費1,000円

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●中尾拓哉 著『マルセル・デュシャンとチェス』のご紹介
現代美術の父マルセル・デュシャンの制作論における秘密を、チェスを手がかりに精緻に読み解く、気鋭の美術評論家による力作。
20170930中尾拓哉 著
『マルセル・デュシャンとチェス』

2017年
平凡社 発行
396ページ
21.6x15.8cm
価格:4,800円(税別)※送料別途250円
*著者サイン入り
ときの忘れもので扱っています。


気鋭の美術評論家がチェスとデュシャンの失われた関係を解き明かし、制作論の精緻な読み解きから造形の根源へと至る、スリリングにしてこの上なく大胆な意欲作。生誕130年、レディメイド登場100年!
「チェスとデュシャンは無関係だという根拠なき風説がこの国を覆っていた。やっと霧が晴れたような思いだ。ボードゲームは脳内の抽象性を拡張する」──いとうせいこう氏推薦(本書帯より転載)

目次(抄):
・序章 二つのモノグラフの間に
・第一章 絵画からチェスへの移行
・第二章 名指されない選択の余地
・第三章 四次元の目には映るもの
・第四章 対立し和解する永久運動
・第五章 遺された一手をめぐって
・第六章 創作行為、白と黒と灰と

中尾拓哉(なかお・たくや)
美術評論家。1981年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。2014年に論考「造形、その消失において――マルセル・デュシャンのチェスをたよりに」で『美術手帖』通巻1000号記念第15回芸術評論募集佳作入選。単著に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017年)。

土渕信彦「富山県美術館の開館」後編

瀧口修造とマルセル・デュシャン(補遺2)―富山県美術館の開館 [後編]

土渕信彦


展示室6はさらに2つの部屋に分かれ、手前の部屋には、旅先の記念品やアーティストから贈られたオブジェなどが、壁の裏側の部屋には主に瀧口本人や他のアーティストの平面作品が展示されている。手前の部屋の両側の壁面全体に本棚のような棚が設けられており、オブジェや記念品が、分けられた小棚の中に収納・展示されている(図15)。ガラス越しにひとつひとつ見ていくと、瀧口との関わりやエピソードが次々と思い出されて、なかなか先に進めない。小棚それぞれがジョゼフ・コーネルの箱のように見えて、心を打たれた。

図15
図15
瀧口修造の部屋のオブジェなど

展示棚には、「瀧口修造コレクション」および「瀧口修造の書斎」のパネルも掲げられている(図16,17)。これを読めば、予備知識のない一般の人でも、瀧口の人物像やオブジェ・記念品などに親しみを覚え、興味深く展示を観ることができるだろう。(実際に会場で、「名前は聞いたことがあったけれど、こんなにハイカラなおじいちゃんだったのね」という囁きを聞いた。)

図16 瀧口修造コレクション図16
パネル「瀧口修造コレクション」


図17 瀧口修造の書斎図17
パネル「瀧口修造の書斎」


壁の裏側の部屋には、瀧口自身のデカルコマニー連作100点の第1部や、友人の作家たちから贈られた平面作品、さらにはマルチプル「檢眼圖」も展示されている(図18,19,20)。照明が落とされ、美しくレイアウトされていた。

図18 連作100点図18
瀧口修造連作100点「私の心臓は時を刻む」より


図19 平面図19
瀧口修造の部屋の作品


図20 「檢眼圖」図20
マルチプル「檢眼圖」(岡崎和郎との共作)


一つ気になったのは、前出の「瀧口修造コレクション」Exhibition Room for Shuzo Takiguchi Collection、「瀧口修造の書斎」The Study of Shuzo Takiguchiというパネルである。デカルコマニー連作百点や「檢眼圖」などは「コレクション」ではないのだし、何よりも瀧口自身が「自分は蒐集家ではない」「部屋に在る作品やオブジェは、いわゆるコレクションや蒐集ではなく、一種の記念品である」という趣旨を、比較的有名なエッセイ「白紙の周辺」「物々控」「自成蹊」などで語っているのだから、タイトルと解説文中に用いられた「コレクション」「書斎」という言葉は、実態に合わないように思われる。この趣旨を述べた個所の引用も展示棚の中に掲示されているので(図21,22,23)、それなりの配慮が示されているのは確かだが、物事の通常の在り方に疑問を投げかけ、別の在り方を志向するところにこそ瀧口の真骨頂が顕れているとするなら、ありきたりの「コレクション」「書斎」という言葉は避けるべきではなかろうか。さまざまな記念品が集積していただけでなく、デカルコマニーなどの制作、「オブジェの店をひらく」構想、『マルセル・デュシャン語録』の刊行など、すべてがこの部屋の中で進められた点も視野に入れると、パネルのタイトルは「瀧口修造記念室」Exhibition Room for Shuzo Takiguchi、「瀧口修造の部屋」「瀧口修造のスタジオ」The Studio of Shuzo Takiguchiなどに改めた方が良いように思われる。

図21 白紙の周辺図21
パネル「白紙の周辺」


図22 物々控図22
パネル「物々控」


図23 自成蹊図23
パネル「自成蹊」


それはともかく、常設展示室が設置され、心のこもった展示がされていると確認できて安堵した。部屋を出ると、通路の右側にも展示室6の別室があり、ここにはバイオリニストのシモン・ゴールドベルク夫人でピアニストの山根美代子さんから寄贈されたゴールドベルク遺愛の美術品が展示されていた。

3階から屋上に上がると芝生の庭園になっており、樹脂製の雲のようなトランポリン「ふわふわドーム」などの遊具も置かれていた(図24)。屋上庭園全体がこの「ふわふわ」を敷衍して「オノマトぺの屋上」と命名されている。親子連れでにぎわっていた(図25)。なかなか眺望が良く、晴れた日には立山・剣岳・乗鞍岳なども見えるそうだが、この日はあいにく雲がかかって見えなかった(図26)。

図24 フロアマップ屋上図24
屋上フロアマップ(美術館ホームページより)


図25 屋上図25
屋上庭園


図26 屋上から図26
屋上からの眺め


最後に、企画展示「開館記念展 LIFE」にも簡単に触れておきたい。開催趣旨は以下のとおりである。

「開館記念展の第一弾として、アートの根源的なテーマである「LIFE」を「『すばらしい世界=楽園』をもとめる旅」ととらえ、「子ども」「愛」「日常」「感情」「夢」「死」「プリミティブ」「自然」の8つの章により構成し、国内外の美術館コレクションの優品を中心とした約170点を紹介するものです」(同館ホームページより)

展示リスト
http://tad-toyama.jp/wp-content/uploads/2017/07/6bd3241dbd2918e046a5cce21da783a8.pdf

素晴らしい企画展なので、是非ご覧になるようお勧めしたい(11月5日まで。水曜日休館)。上のリストでお判りのとおり、展示作品は全国各地の美術館から集められた名品ばかりだが、特に第5章に展示されたエーリッヒ・ブラウァー「かぐわしき夜」(新潟市美術館蔵)について、ご紹介したい。原題は単に「おやすみなさい」の意味だが、これを「かぐわしき夜」と訳したのは瀧口修造である旨の解説パネルが付され、以下の瀧口訳のブラウアーの言葉も引用されていた。このあたり、美術館の見識が感じられた。

「幸福なとき、わたしは2つ半の幼児のようにものを見る―信じられないような、怖ろしい、壮大なものが、わたしの頭上にただよっているのを見ることがある。―年を経るにつれて、われわれの眼はみずみずしさを失い、盲目同然になる。
私の目的は世界をほんとうにあるがままの姿に描くことだ―それは胸がわくわくするように絡み合い、花のように輝き、楽園のように壮大な景観なのだ。」(初出は青木画廊「夜想」展カタログ、1965年4月)

つちぶち のぶひこ

前編はこちら。

●展覧会のご紹介
チラシ1チラシ2


チラシ3チラシ4

「富山県美術館開館記念展 Part1 生命と美の物語 LIFE − 楽園をもとめて」
(同時開催:コレクション展 I)
会期:2017年8月26日[土] 〜11月5日[日]
会場:富山県美術館
時間:9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館:水曜日(祝日を除く)、祝日の翌日 ※11月4日は臨時開館

古来より現在まで、多くの作品が「生命=LIFE」をテーマに生み出されてきました。古今東西の芸術家たちがこのテーマに関心を持ち、作品を通してその本質を明らかにしようとしてきたのは、それが私たち人間にとってもっとも身近で切実なものであったからにほかなりません。      本展は、富山県美術館(TAD)の開館記念展の第一弾として、アートの根源的なテーマである「LIFE」を「『すばらしい世界=楽園』をもとめる旅」ととらえ、「子ども」「愛」「日常」「感情」「夢」「死」「プリミティブ」「自然」の8つの章により構成し、国内外の美術館コレクションの優品を中心とした約170点を紹介するものです。ルノワールなどの印象派から、クリムト、シーレなどのウィーン世紀末美術、ピカソ、シャガールなどの20世紀のモダンアート、青木繁、下村観山などの日本近代絵画、折元立身、三沢厚彦などの現代アートまで、生命と美の深い関わりについて考察し、この富山県美術館でしか体験できない、新たなアートとの出会いを創出します。(富山県美術館HPより転載)

●今日のお勧め作品は、瀧口修造です。
20171009_v-09瀧口修造
《V-09》
水彩、インク、色鉛筆、紙
Image size: 27.5x22.7cm
Sheet size: 31.5x26.8cm
サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください


◆イベントのご案内
10月31日(火)16時〜「細江英公写真展」オープニング
細江先生を囲んでのレセプションはどなたでも参加できます。

11月8日(水)18時飯沢耕太郎ギャラリートーク<細江英公の世界(仮)
*要予約:参加費1,000円

11月16日(木)18時より 植田実・今村創平ギャラリートーク<ポンピドーセンター・メス「ジャパン・ネス 1945年以降の日本における建築と都市」展をめぐって(仮)>
*要予約:参加費1,000円
ギャラリートークへの参加希望は、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申し込みください。twitterやfacebookのメッセージでは受け付けておりません。当方からの「予約受付」の返信を以ってご予約完了となりますので、返信が無い場合は恐れ入りますがご連絡ください。
E-mail: info@tokinowasuremono.com

土渕信彦「富山県美術館の開館」前編

瀧口修造とマルセル・デュシャン(補遺2)―富山県美術館の開館 [前編]

土渕信彦


去る8月26日(土)、瀧口修造の故郷である富山に、新しい県立美術館「富山県美術館」が開館した。旧富山県立近代美術館は1981年の開館後35年間にわたって親しまれてきたが、老朽化したため2016年12月をもって閉館し、新設することになったそうである。単なる移転でないことは、名称から「近代」が外されていることからも判る。では何が異なるのだろう? 何よりも、同館が所蔵していた20世紀美術の素晴らしいコレクションや、内外のアーティストから瀧口に贈られ、没後、遺族から寄贈された貴重な作品やオブジェはどうなっているのだろう? 開館3日目の8月28日(月)に訪れ、実際に確認してきたので、以下、簡単にレポートする。

前週末から滞在していた大阪を午前7時過ぎに出発し、11時前に富山駅に到着した。新美術館は駅の北側(旧近代美術館とは反対側)の木場町に建設されており、新幹線改札口のある南口から、北口に回らなければならない。構内案内板に記載された南北自由通路は未完成とのこと。地下道を捜してやっと北口にまわる。地上に出ると、後の径路は判り易く、7〜8分ほどで神通川支流沿いの道に出る。空が大きく拡がって気持ちがよい。遠くに美術館の建物も見える(図1)。対岸に渡ると運河があり、周辺がカナルパーク「富岩運河環水公園」として整備されている。クルーズ船も就航している(図2)。公園内をぶらぶら歩き、美術館に到着(駅から15分ほど)。

図1 美術館遠望図1
美術館遠望


図2 クルーズ船図2
クルーズ船(帰路に撮影)


外壁がガラス張りの瀟洒な建物だ(図3,4)。設計は内藤廣建築設計事務所。近年ではこうしたガラス張りを取り入れた美術館や、周囲に水を湛えた美術館なども増加している。確かに建物自体の佇まいは美しく、親近感や開放感も演出できるが、将来、収蔵品の維持・管理や館全体の空調などに問題が出ないか、少し心配でもある。この美術館ではエントランスに水ではなく白い石材が貼り廻らされており、照り返しが少々キツかった(図5)。自動車普及率が1世帯平均1.7台と、全国でも1・2を争う富山県では、車での来館者が大半なのだろう。だが、海外・県外からの来館者のなかには、タクシー代を節約したいバッグパッカーや学生、私のような貧乏コレクターも居ることだろう。駅からのアクセスの整備、案内板の設置、コインロッカーの増設なども含め、もう少し徒歩の来館者に対する配慮があっても良いと思う。なお、路線バスが20分に1本運行されているようなので、付記しておく。

図3 建物1図3
美術館


図4 建物2図4
美術館全景(美術館ホームページより)


図5 照り返し図5
エントランス


入口正面の受付で、知り合いの学芸員氏が在館か尋ねたが、他の県立施設に出掛けていて不在とのこと。アポなしだから仕方がない。1階には小さな展示スペース「TADギャラリー」があり(図6)、道路側のガラス壁面沿いにはミュージアム・ショップ、その向こうにカフェが置かれるが、大半のスペースは屋内駐車場に充てられている。車での来館者には便利だろう。地下フロアがないのは地盤の制約なのかもしれない。

図6 フロアマップ1階図6
1階フロアマップ(美術館ホームページより)


エスカレーターで2階に上がると、ホワイエと常設展示室1・2となる(図7)。ここには旧近代美術館から引き継いだ20世紀美術のコレクションが展示され、「開館記念展 LIFE」は奥の展示室3・4で展示されていた。旧近代美術館では2階の常設展を観ずに、1階の企画展だけで帰る来館者もいたそうなので、工夫したようだ。常設展示が「自然・風景」「肖像」などのテーマ別なのも、親しみやすさを優先したものかもしれない(図8,9)。だが、名品が揃いなのに対して小さな壁面やブースが続き、少し息苦しさを覚えたのも事実である。「20世紀美術の流れ」に沿ってゆったりと廻廊を廻る、旧近代美術館の展示が懐かしく感じられた。

図7 フロアマップ2階図7
2階フロアマップ(美術館ホームページより)


図8 常設展示図8
常設展示


図9 展示常設2図9
同上


新収蔵品としてレオナール・フジタの「二人の裸婦」(1929年。油彩、178×94.2僉砲加えられ、作品の傍らに購入協力者や企業のリストも表示されていた。旧近代美術館のコレクションの欠落を補う作品と位置付けられているようだ。展示室を出ると、三沢厚彦の大きなシロクマが展示されている(図10)。同じポーズで記念撮影する人も見かけた。2階の屋外広場(テラス)にも小ぶりのクマが設置されている(図11)。人気コーナーとなることだろう。開館記念展については後で触れる。

図10 シロクマ図10
三沢厚彦「ANIMALS」より「クマ」


図11 屋外広場図11
屋外広場


3階に上がるとアトリエがあり、ワークショップなどに使われる。アトリエ奥の左側には、ポスターと椅子を展示する展示室5があり(図12)、右側はレストランとなる。東京日本橋の老舗洋食店が出店し、通路まで行列が続いていた。展示室5の内部には、左手にポスターが掛けられ、右手に椅子が展示されている。ガウディ・チェアなど、実際に腰かけられる椅子もある(図13,14)。右側の壁面に設けられた通路を入って、左側が展示室6となる。瀧口の遺族から寄贈された作品・オブジェなどはここに展示されている。「美術館の肝」とも言える最奥の位置だが、意識していないと見落すこともあるだろう。案内板か順路の表示が欲しいところだ。

図12 フロアマップ3階図12
3階フロアマップ


図13 展示室5図13
展示室5内部


図14 ガウディ・チェア図14
ガウディ・チェア


後編へつづく(明日掲載します)

つちぶち のぶひこ

●展覧会のご紹介
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「富山県美術館開館記念展 Part1 生命と美の物語 LIFE − 楽園をもとめて」
(同時開催:コレクション展 I)
会期:2017年8月26日[土] 〜11月5日[日]
会場:富山県美術館
時間:9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館:水曜日(祝日を除く)、祝日の翌日 ※11月4日は臨時開館

古来より現在まで、多くの作品が「生命=LIFE」をテーマに生み出されてきました。古今東西の芸術家たちがこのテーマに関心を持ち、作品を通してその本質を明らかにしようとしてきたのは、それが私たち人間にとってもっとも身近で切実なものであったからにほかなりません。      本展は、富山県美術館(TAD)の開館記念展の第一弾として、アートの根源的なテーマである「LIFE」を「『すばらしい世界=楽園』をもとめる旅」ととらえ、「子ども」「愛」「日常」「感情」「夢」「死」「プリミティブ」「自然」の8つの章により構成し、国内外の美術館コレクションの優品を中心とした約170点を紹介するものです。ルノワールなどの印象派から、クリムト、シーレなどのウィーン世紀末美術、ピカソ、シャガールなどの20世紀のモダンアート、青木繁、下村観山などの日本近代絵画、折元立身、三沢厚彦などの現代アートまで、生命と美の深い関わりについて考察し、この富山県美術館でしか体験できない、新たなアートとの出会いを創出します。(富山県美術館HPより転載)

●今日のお勧め作品は、瀧口修造です。
20171008_takiguchi_IV_02瀧口修造
《IV-02》
1961年
紙に水彩
イメージサイズ:9.7×9.0cm
シートサイズ:12.3×9.0cm
額裏にサイン・年記あり


こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

◆イベントのご案内
10月27日(金)18時〜中尾拓哉ギャラリートーク<マルセル・デュシャン、語録とチェス>
『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』刊行記念
*要予約:参加費1,000円

10月31日(火)16時〜「細江英公写真展」オープニング
細江先生を囲んでのレセプションはどなたでも参加できます。

11月8日(水)18時飯沢耕太郎ギャラリートーク<細江英公の世界(仮)
*要予約:参加費1,000円

11月16日(木)18時より 植田実・今村創平ギャラリートーク<ポンピドーセンター・メス「ジャパン・ネス 1945年以降の日本における建築と都市」展をめぐって(仮)>
*要予約:参加費1,000円
ギャラリートークへの参加希望は、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申し込みください。twitterやfacebookのメッセージでは受け付けておりません。当方からの「予約受付」の返信を以ってご予約完了となりますので、返信が無い場合は恐れ入りますがご連絡ください。
E-mail: info@tokinowasuremono.com

中尾拓哉「マルセル・デュシャン、語録とチェス」ギャラリートークのご案内

今日10月2日はマルセル・デュシャン(1887年7月28日生〜1968年10月2日没)の命日です。
2017年は生誕130年の記念すべき年であり、また現代美術史最大の事件となった既製の便器にR・MUTTとサインしただけの〈泉〉を発表してから(ただし実物は現存せず)、ちょうど100年にあたります。
東より西で関連の企画が種々開催されており、その一端は石原輝雄さんのレポートに詳しい。
ときの忘れものもささやかですが、デュシャン顕彰の試みとして下記の展示とトークショーを開催します。

ときの忘れもので2014年11月2015年10月に開催した「瀧口修造展」の合同図録『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』が諸々の事情で予定よりかなり遅れてしまいましたが、ようやく完成の運びとなりました。
その刊行を記念して、安藤忠雄展の終了後、短い会期ですが「特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン」を開催し、中尾拓哉さんを講師に迎えてギャラリートークを開催します。

ギャラリートーク<マルセル・デュシャン、語録とチェス>
日時:2017年10月27日(金)18時より
講師:中尾拓哉
*要予約:参加費1,000円
必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申し込みください。定員(20名)に達し次第、締切ります。
E-mail. info@tokinowasuremono.com

特集展示:瀧口修造とマルセル・デュシャン
会期:2017年10月24日[火]―10月28日[土] 11:00〜18:00
201710_TAKIGUCHI
瀧口修造のロトデッサン、水彩、「デュシャン語録」などを展示します。

中尾拓哉さんからのメッセージ
 この度、『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』の刊行を記念し、自著『マルセル・デュシャンとチェス』を軸にした、お話をさせていただきます。
デュシャンがマン・レイとチェスをしている映画『幕間』のシーンに始まり、「デュシャンはこの世界を相手にチェスをしてきたのだろうか、あるいはそうかも知れない」と終わっていく、瀧口修造による『マルセル・デュシャン語録』。その中に散りばめられた言葉とともに、デュシャンがチェスにたいして語った言葉を読みながら、彼がいわゆる「制作」をせずに没頭したとされ、「芸術の放棄」の代名詞となった「チェス」の謎を紐解き、多くの人々を魅了したこの人物の営為に迫ります。


中尾拓哉(なかお・たくや)
美術評論家。1981年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。2014年に論考「造形、その消失において――マルセル・デュシャンのチェスをたよりに」で『美術手帖』通巻1000号記念第15回芸術評論募集佳作入選。単著に『マルセル・デュシャンとチェス』(平凡社、2017年)。

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●書籍のご案内
TAKIGUCHI_3-4『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録
2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別) *送料250円

目次(抄):
・Personally Speaking 瀧口修造(再録)
・マルセル・デュシャン語録について 瀧口修造(再録)
・檢眼圖 だれの証拠品、だれが目撃者? 瀧口修造(再録)
・私製草子のための口上 瀧口修造(再録)
・「オブジェの店」を開く構想に関するノート 土渕信彦
・マルセル・デュシャンとマルチプル 工藤香澄

〜〜〜〜

20170930中尾 拓哉 (著)
『マルセル・デュシャンとチェス』

2017年
平凡社 発行
396ページ
21.6x15.8cm
価格:4,800円(税別)*送料250円
*著者サイン入り
ときの忘れもので扱っています。

気鋭の美術評論家がチェスとデュシャンの失われた関係を解き明かし、制作論の精緻な読み解きから造形の根源へと至る、スリリングにしてこの上なく大胆な意欲作。生誕130年、レディメイド登場100年!
「チェスとデュシャンは無関係だという根拠なき風説がこの国を覆っていた。やっと霧が晴れたような思いだ。ボードゲームは脳内の抽象性を拡張する」──いとうせいこう氏推薦(本書帯より転載)
目次(抄):
・序章 二つのモノグラフの間に
・第一章 絵画からチェスへの移行
・第二章 名指されない選択の余地
・第三章 四次元の目には映るもの
・第四章 対立し和解する永久運動
・第五章 遺された一手をめぐって
・第六章 創作行為、白と黒と灰と
〜〜〜
*画廊亭主敬白
遅れに遅れていた『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』がようやく刊行の運びとなりました。デザインを担当した盟友北澤敏彦さんに謹んで捧げたいと思います。彼の生きているうちに出せればよかったのですが・・・

亭主は親の遺言で賭け事一切を禁じられました。籤運が悪い! 勝負事になるとカッカしてしまい前後の見境がつかなくなる。そんなわけで将棋もマージャンもゴルフもしない(できない)。
にもかかわらず親も想像できなかった「画商」といういわばギャンブラーになってしまった。
突如として現われた中尾拓哉さんの『マルセル・デュシャンとチェス』という分厚い本にここしばらく魅了され、読みふけっています。

●本日のお勧め作品は、瀧口修造です。
20161217_takiguchi2015_selected_words
瀧口修造
『マルセル・デュシャン語録』
1968年
本、版画とマルティプル
外箱サイズ:36.7×29.8×5.0cm
本サイズ:33.1×26.0cm
サインあり
A版(限定部数50部)
発行:東京ローズ・セラヴィ
刊行日:1968年7月28日
販売:南画廊
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください

●毎月2日は堀尾貞治先生の「ドローイング集 あたりまえのこと」を順次ご紹介していますが、今月は休載とします。来月2日をご期待ください。

棟方志功と瀧口修造

今日(23日)から25日までの三日間は画廊はお休みです。

今週の特集展示:駒井哲郎」は昨日終了しました。たくさんのご来場ありがとうございました。
昨日のブログでも書いた通り、埼玉近美での駒井展は10月9日までですので、まだの方はぜひ北浦和へ!

最近入手した作品をご紹介します。
20世紀を代表し国際的にも高い評価を得ている日本の画家は誰か、という問いに藤田嗣治と並び必ず挙げられるのが木版画の棟方志功でしょう。
40数年前、門外漢からいきなり美術の世界に入り、ドシロウトですね揶揄された亭主でさえ、棟方志功の名は知っていました。

方や詩人、美術評論家として大きな影響力を及ぼした瀧口修造。私たちは造型作家としての瀧口修造の再評価、顕彰に力を入れています。

この二人が、同い年だということに今回初めて気がつきました。
棟方志功は、1903年(明治36年)9月5日青森県生まれ。1975年(昭和50年)9月13日に没します。享年72。
瀧口修造は、1903年(明治36年)12月7日富山県生まれ。亡くなったのは1979年(昭和54年)7月1日でした。享年75。
数年ですが瀧口修造が長生きした。

●先ずは典型的な棟方志功の木版
munakata (2) _600棟方志功
柳緑花紅頌 松鷹の柵
1955年  木版
イメージサイズ:46.0×46.5cm
シートサイズ:59.0×56.0cm
サインあり

12点シリーズの中の一点。大原美術館にも収蔵されています。
■棟方志功(むなかた しこう)
1903年(明治36年)9月5日 - 1975年(昭和50年)9月13日)。青森生まれ。ゴッホを目指して上京、川上澄生の版画「初夏の風」を見た感激で、版画家になることを決意。第5回国画会入選を期に民芸運動に参加、仏典や日本神話などから着想を得た、土着性の強い木版画を制作し、国際的にも高く評価された。1942年以降、彼は版画を「板画」と称し、木版の特徴を生かした作品を一貫して作り続けた。
1956年ヴェネツィア・ビエンナーレに「湧然する女者達々」他を出品し、日本人として版画部門で初の国際版画大賞を受賞。1970年文化勲章を受章。

●デカルコマニーが良く知られる瀧口修造ですが、今回入手したのはかなり珍しいタイプの水彩です。
takiguchi_600瀧口修造
《-2》
1961年
紙に水彩
イメージサイズ:9.7x9.0cm
シートサイズ:12.3x9.0cm
額裏に献辞、署名・年記あり

瀧口作品でサインがあり、制作年代まで特定できるものはそう多くはありません。
ときの忘れものが刊行した図録『瀧口修造展 』(44点収録)『瀧口修造展 』(47点収録)に掲載した作品も多くは年代不詳です。
献辞(ここでは公開できませんが)の相手先も、瀧口の交友関係、1960年代のアートの動向をうかがえる貴重な情報であり、瀧口ファンにぜひお勧めの逸品です。

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◆ときの忘れものは「安藤忠雄展 ドローイングと版画」を開催します。
会期:2017年9月26日[火]〜10月21日[土] 11:00〜18:00 ※日・月・祝日休廊
201709_ando

●六本木の国立新美術館で「安藤忠雄展―挑戦―」が開催されます。
会期:2017年9月27日[水]〜12月18日[月]
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ギャラリー&編集事務所「ときの忘れもの」は建築家をはじめ近現代の作家の写真、版画、油彩、ドローイング等を扱っています。またオリジナル版画のエディション、美術書・画集・図録等の編集も行なっています。
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