ギャラリー  ときの忘れもの

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カテゴリ: 松本竣介の世界

小松拓男のエッセイ「松本竣介研究ノート」第32回

松本竣介研究ノート 第32回 石膏デッサンについて 小松粼拓男  美術を学ぼうとする初学者が必ずやらされることに「石膏デッサン」なるものがある。ビーナス像などの西洋彫刻から型取りして作られた石膏の彫像を木炭や鉛筆などを使って写し取る、絵を描く技術の勉強方法の …
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小松拓男のエッセイ「松本竣介研究ノート」第31回

松本竣介研究ノート 第31回 東京人 小松粼拓男  「東京に上京した松本竣介」と書くのと、「ふるさと東京に戻った松本竣介」と書くのとは随分と印象が異なるように思う。盛岡から東京にやってきたという事実はまったく同じであるのにもかかわらず、イメージする像は、前者 …
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小松拓男のエッセイ「松本竣介研究ノート」第30回

松本竣介研究ノート 第30回 故郷 小松粼拓男  花巻、盛岡というと、松本竣介が幼少期に暮らした故郷、岩手という印象を受けるだろう。だが、もしこの故郷を生まれた場所、出生地だというなら、厳密な意味では、岩手が故郷であるというのは誤りになる。なぜなら、松本竣介 …
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小松拓男のエッセイ「松本竣介研究ノート」第29回

松本竣介研究ノート 第29回 都会の風景 小松粼拓男  以前にも指摘したことだが、松本竣介には自然を描いた風景画は、初期の学生時代に描いたもの以外にはほとんどない。どの風景画にも、自然にある樹木や空などだけではなく、必ず建物、つまり人工物が描かれていて、それ …
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アーティゾン美術館と、しもだて美術館で松本竣介

今年の美術界の話題の最たるものは2月にオープンしたアーティゾン美術館でしょう。 2015年5月から休館していたブリヂストン美術館が新館名で再開し、開館記念展「Steps Ahead: Recent Acquisitions 新収蔵作品展示」は度肝を抜く規模とレベルでした。 若い頃、都内にいくつ …
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小松拓男のエッセイ「松本竣介研究ノート」第28回

松本竣介研究ノート 第28回 情報官鈴木庫三について 下 小松粼拓男  ファシスト軍人鈴木庫三像が形成される元となった小説『風にそよぐ葦』の作者石川達三といえば、松本竣介が『みづゑ』に投稿した一文「生きてゐる画家」のタイトルの由来とされる、南京攻略戦を題材に …
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小松拓男のエッセイ「松本竣介研究ノート」第27回

松本竣介研究ノート 第27回 情報官鈴木庫三について 中 小松粼拓男  戦中期の軍人に対してどうやら我々は、ある種のステレオタイプ化した像を抱いているようだ。暴力的で粗野、無教養、差別的、強圧的な言動、恫喝などなど。こうした軍人=悪役的なイメージを作り上げた …
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小松拓男のエッセイ「松本竣介研究ノート」第26回

松本竣介研究ノート 第26回 情報官鈴木庫三について 上 小松粼拓男 図1 朝日晃『松本竣介』本文ページより  松本竣介の「生きてゐる画家」という文章の投稿が、1941年3月3日発行された美術雑誌『みづゑ』の4月号に掲載された。この文章は同じ年の1月号に載った座談記事 …
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小松拓男のエッセイ「松本竣介研究ノート」第25回

松本竣介研究ノート 第25回 戦争の時代〜鶴田吾郎『半世紀の素描』から 小松粼拓男  前回、画家鶴田吾郎の著作『半世紀の素描』を取り上げたのだが、原本ではなく、コピーの資料だった。思い立ってネットで探してみると、価格1円という古書が出ていたので取り寄せること …
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