最近電子書籍のebooksjapanがかなり使いやすくなってきて、書籍も充実してきている。
以前はiPhone/iPod touchで読めない本が多かったり、トランクルーム(ネット上の電子書籍管理場所)のサイズ制限が異常に小さかったり不満が多かったのだけれども、
最近講談社の本もiPhoneで読めるようになったり、トランクルームサイズが無制限になったりと頑張ってる感があり。

一度買った電子書籍が読めないトラブルがあってクレームのメール送ったら、即対応してくれてかなりサポートも信頼できる感じ(個人調べ)。

ということで、ここで電子書籍を(マンガが多いですが)たまに買ってiPod touchで通勤中に読んだりしているわけで。

ところでこれだけ世の中で電子書籍が盛り上がってるけれども、意外と実際に買ってる人は周りにいない。マンガ読むにはすっごい便利なのでいいと思うけどなぁ。もちろんPCでも読めます。

だいぶ前に買ったゴルゴ13(さいとうたかお/小学館) 137巻の「白竜昇り立つ」が山岳的にかなり面白いので紹介してみる。

SCX87360

http://www.ebookjapan.jp/ebj/book/60038727.html 
↑ここで買えます。

あらすじとしては上のページに書いている通り、
中国に併合されたチベット。その弾圧から逃れたダライ・ラマが「生き神様」の少年救出を依頼。中国特殊部隊との壮絶な戦いが…!!」
というわけで、少年を救出したゴルゴが中国特殊部隊(極秘の山岳特殊部隊らしい・・・・)から逃げるために、チョモランマ(エベレスト)を舞台に逃走劇を繰り広げる・・・・とここに山岳要素が存分に入ってきます。

まあ普段の物語に味付け的に山岳要素を絡めたマンガだったらよくあるんだけど、ここに「アルパインスタイル」という要素を無理やり盛り込んでるところがこの話をあらぬ方向に加速させている。

本来ならゴルゴか少年が主人公になるところであるが、
この話の中心はこの中国特殊部隊の隊長。
というか主にこの隊長を紹介したいのが今回の趣旨だったりする。

隊長はなぜか「アルパインスタイル」に異常なまでのこだわりを持っていて、
いろいろ語る。

白竜並び立つ57P1.bmp
『ゴルゴ13』 137巻 56Pより引用

なんかちょっと違うような気もするんですが気のせいだろう。
「アルパインスタイル」凄い!

この隊長はこんな凄い「アルパインスタイル」を会得されているらしい。

白竜並び立つ56P.bmp
『ゴルゴ13』 137巻 57Pより引用
命懸けで!
アルパインスタイルって、武術的なものだったんだ。
俺も操りたい。


なぜかアルパインスタイルに異常なこだわりを持つ隊長、
極地法についての話となると、

白竜並び立つ57P2.bmp
『ゴルゴ13』 137巻 57Pより引用

いきなりキレた!
「極地法は登山家の恥!」
登山史のもろもろをいきなり全否定した大胆発言が飛び出る。
しかもこの極地法の説明、本編に全然関係ないよ!

この時点で正直もう隊長にメロメロになってしまう俺。

ここまで言う隊長、クライミングの腕はどんなかと言うと、
隊で氷壁をトラバースしている途中、ゴルゴを上から回り込むため単身直登。


白竜昇り立つ85P-1.bmp

『ゴルゴ13』 137巻 91Pより引用
5mmしか刺さらないダブルアックスで、フリーソロ。
痺れる!
隊長格好良すぎる。

そしてこの話を名作たらしめてるのが、ゴルゴのクライミングを見ての次の一説。
  
 白竜昇り立つ85P.bmp
『ゴルゴ13』 137巻 85Pより引用
日本人登山家を「クライミングが粗雑」「極地法しかできない」「未熟」「馬力がない」と罵倒した後、

「フリークライミングの平山、冒険登山家の山野井」!!

ゴルゴはこの救出に備えて、「アルパインクライミング」の手ほどきをクライマーに教えてもらったらしいが、
その程度で平山ユージ氏・山野井泰史氏に並ぶゴルゴが凄いのか、
ゴルゴに肩を並べる両氏が凄いのか・・・。


というわけで、ほぼ隊長の話しかしてないですが、これ以外にもいろいろ山岳描写があってかなり山好きな人にもオススメな一冊だったり。
まあ、これらの描写が正しいかどうかは置いておきますが、「アルパインスタイル」「極地法」「山野井・平井」という言葉が普通に出てくるマンガはかなり珍しいと思う。

ちなみにebooksjapanでは他にも山岳系のマンガがあって面白いので機をみて紹介できればと思う。