映画放浪記

沖縄県内の映画狂集団「シネマラボ突貫小僧」のメンバーが身近で出会った映画ネタについて、雑多な思いを綴るページです。
シネマラボ突貫小僧公式サイト「キネマ探偵団 on Web」

蔵出し!ロケ地巡り3〜『ぼくの伯父さんの休暇』

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ポスター:ぼくの伯父さんの休暇過去に見つけたロケ地の蔵出しの第3弾は、フランスの喜劇王・ジャック・タチが監督・脚本・主演を手がけた『ぼくの伯父さんの休暇』('53年)! 志村けんのコントのようなネタをセットやエキストラに製作費をかけてクオリティ高く仕上げたって感じの映画だ(続編の『ぼくの伯父さん』も同様)。
この作品にはいくつも長さが違うバージョンがあって、公開年情報も’52年と’53年の2種類あるが、デジタルリマスター版の最初に付け加えられた解説文に'52年2月27日にパリで封切られたという記述があるので、この記事では'53年を採用する。さらに公開から25年も経った'78年にも追加撮影されていて、全編モノクロなのにラスト・カットだけカラー部分がある。

僕が見たのはその最新バージョンで、昨年8月に鑑賞。見てすぐにロケ地を探したんだけど、今回は有名な作品ということもあって、見つけたというより、すでに他の人(外国人)が見つけたのを確認したという場所ばかりで、自分で探して見つけたのは2カ所だけ。
だからロケ地探偵としては手応えがイマイチだけど、そんな安易に分かったロケ地でも、Googleマップのストリートビューで見て回って観察すると、その場所の生々しい空気感や当時との違いを楽しめたりするのはもちろん、新たな発見があるからやめられない。

以下、ロケ地の紹介。
※画像をクリックすると拡大表示される。 
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共感できないのに:『深夜の告白』('44年)

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深夜の告白1944年の作品『深夜の告白』を見た。
監督がビリー・ワイルダーで、脚本をワイルダーと名推理小説家のレイモンド・チャンドラーが共同で書いているということ以外の予備知識は無し。エンターテイメントな内容を想像していたら、良い意味でヘンな映画だった。
 
ピカレスク物だけど、例えば『俺たちに明日はない』とか、『明日に向って撃て!』とか、『白い巨塔』とかのように、主人公が悪人でも心情的にどこかしら共感できるもんだ。
ところがこの映画は主人公が欲に流されるずる賢いヤツで全く共感できない。なのに、主人公と同じ心理状態でイライラ、ドキドキさせてくれるから不思議だ。

公開当時は倫理的に問題があるとして批判が多かったらしいが、興行的にはヒットしたらしい。やはり、不倫な内容でも観客を同じ心理状態にしてしまうワイルダー監督の手腕が良かったのか。

話の構成は、ワイルダー監督がのちに手がける傑作『サンセット大通り』('50年)にも通じるサンドイッチ型の回想話。日本の名脚本家・橋本忍も得意としている。鉄板の構成だな。勉強になった。
〈當間早志〉 

蔵出し!ロケ地巡り2〜『ミツバチのささやき』

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ミツバチのささやき(シネマラボ突貫小僧所蔵)僕が過去に見つけたロケ地の蔵出し、最初の『おれの行く道』に続く第2弾は、ビトクル・エリセの傑作『ミツバチのささやき』
'73年の作品だけど、日本で公開されたのは'85年2月、沖縄公開はおそらく'86年3月に【シネマオスカー】だったと思う。
自分が初めて見たのはそれからしばらく経った '94年頃の【リウボウホール】だっけな。しかも映写技師の立場で! その上映期間中、リウボウ下に駐めてあったバイクがレッカーされて、その日に稼いだ映写技師のギャラの2倍以上もレッカー代+罰金にとられてしまい、バイクを傷つけられたことでレッカー担当の那覇署の婦人警官と喧嘩する…というスッタモンダの悲しい想い出があるけど、詳細は割愛(笑)

さて、『ミツバチ〜』のロケ地を探したのは、Googleストリートビューがかなり普及した2011〜2012年頃。そのときはBSで放映されたのを録画で見たんだけど、舞台がスペインのオユエロス村だと知ってすぐにGoogleマップで検索。すでにオユエロス村内もストリートビューが通っており、あちこち簡単に見つけられた。
その時点で映画公開から40年近く経っていたのに、ロケ地が劇中の佇まいとあまり変わってないことにオドロキ。今回あらためてチェックしてみたら、ストリートビューが2019年撮影版に更新されているところばっかりだったけど、やはり映画の頃から大して変わってない。
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蔵出し!ロケ地巡り〜田中絹代・西城秀樹主演『おれの行く道』

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新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態宣言でどこも行けないなら、
Googleストリートビューでロケ地巡りを楽しむのもオススメ!
…ということで、過去に自分がGoogleマップを使って見つけたロケ地のお蔵出し第1弾。

おれの行く道(シネマラボ突貫小僧所蔵ポスター)m今回が取り上げるのは昨年5月に「衛星劇場」で放送された西城秀樹田中絹代主演の『おれの行く道』('75年)。空港建設反対の三里塚闘争の激しさが続いていた頃の成田市がメイン舞台になっているドタバタ人情劇だ。
この映画が製作されたのはちょうど秀樹が出演していたテレビ番組『寺内貫太郎一家』 の第2シーズンが放送されていた時期。この映画で秀樹の演じる土屋家の三男坊・耕三は、『寺内〜』で彼が演じた周平に似て喧嘩っ早いが、周平よりちょっと不良でズボラなヤツ。共感しづらいキャラだけど、当時の倫理観だとしょうがないし、何しろヒデキだからOK!(笑)
耕三の祖母を演じたのはあの大女優・田中絹代で、彼女はこの映画の約1年半後に病で倒れ、医療費を払えないほど借金を抱えて失意のまま亡くなってしまうことを知っていたので(親戚の小林正樹監督が借金を肩代わり)、喜劇ながらも見ていて切ない気持ちになった。

※この作品、残念ながらソフト化はVHS止まり(2020年4月現在)。Netflixにもなさそうだし…個人的に見る手段としては、レンタル屋でVHSを探しまくるか(TSUTAYAはネット検索可能)、中古VHSを探し出して購入するか、近所の映画館でリバイバル上映されるのを待つか、「衛星劇場」で再放送されるのを期待するしかない。
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セリフの間違いに気づいたけれど:『悪魔の手毬唄』('77年)

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悪魔の手毬唄(1977)

Blu-rayに録画してあった市川崑版の『悪魔の手毬唄』('77年)を見た。
以前、原作が同じ渡辺邦男『悪魔の手毬唄』('61年)を見たことがあるが、演出があまりにも雑すぎて、渡辺監督の異名「早撮りの巨匠」ってちっとも自慢にならないなぁとガッカリ。その影響で、市川崑監督の安定した演出が新鮮に感じて楽しく見られた。推理モノとしての物語もよくできている。
けど、これはこれでいくつか引っかかる点があった。

※以下、ネタバレ有り 
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