8月25日(水)、個人的にかなり衝撃的なニュースが流れました。
アニメーターの今敏(こん さとし)監督が膵臓ガンの為他界……。
享年46歳でした。
奇しくも、今監督について綴られた本「PLUS MADHOUSE1 今敏」を『突貫映画本100』でセレクトしていた矢先の出来事です。
残念です。本当、残念でなりません。
今監督は漫画家としてデビューし、大友克洋監督や押井守監督などの作品の制作スタッフとして活躍した後、今度は自身も監督に挑戦しました。
彼の作品は緻密で繊細な描写と幻想的な世界感が魅力であり、それは初監督作品である『PERFECT BLUE』
('98)で既に完成されていたともいえます。
その後も『千年女優』('02)や『パプリカ』('07)、テレビシリーズの『妄想代理人』など、全体的にダークな雰囲気を漂わせつつグロさやエロさを加えてもなお、温かく人間味溢れる作品の数々を世に送りだしていますが、一方で『東京ゴッドファーザーズ』('03)のような家族で楽しめる映画も作ったりと、監督としての引き出しも豊富な方でした。
監督として残した作品自体は多くありませんが、そのどれもが今監督でなければ表現出来ないものだったと思います。
昨年には次回作『夢みる機械』の公式サイトもオープンし、作品の完成を心待ちにしていた方も沢山いらっしゃったでしょうに。
月並みな言葉で大変恐縮ですが、一ファンとして只々ご冥福をお祈り申し上げます。
また、訃報のお知らせと共に今監督の遺言として、最後の日記が掲載されました。
最後の最後まで、彼が創造者として素晴らしかったことを思わせる内容です。
こちらからご覧下さい。