土曜日は少林寺拳法の阪名戦でした。大阪大学と名古屋大学の各クラブが対抗戦をしているうちの一環で、少林寺拳法の部ということで行われ、歴史のある大会でもう長いことやっています。去年に続き、今年も審判員に呼ばれたので行ってきました。大阪大学の少林寺拳法部は現時点で関西の少林寺拳法部の中では最も部員数が多く、40数名とずば抜けています。部員数が40名を超えているのは阪大を含め3つほどしかなく、あとは多くて20名台です。4回生は除くので一学年平均14名以上いるということは少林寺拳法部としてはかなりの大所帯ですよね。実力もほぼ部員数に比例するといえますが、やはり人数の多い大学は毎年全国大会などでも優秀な成績を上げています。
対抗戦とは言っても、名古屋大学のほうは部員数を確保するのに汲々としている状態で、とても勝負になるようなレベルではありませんでした。部員数が10人ちょっとなので団体演武も出せず、組演武が二組だけ。1回生が4人入ったので将来希望がもてる・・・と喜んでいる状況でした。というわけで演武会はほぼ阪大の部内対抗戦といった感じになりました。
こういう大会の審判って結構難しいんですよね。男子・女子・段位も初段から3段まで一緒くたにして採点しなければいけないので、基準の取り方が各審判によってバラバラになりがちで下手をするとおかしな結果が出てしまいます。普通の大会の審判は、女子は女子、2段は2段と部門分けがされているのが通常なので、2段ならこのくらいの技量が標準的(80点)レベルという目安が付けやすいのですが、混合となるとそうはいきません。例えば女子が男子に比べてスピードや力強さに劣るのはやむを得ないことですが、それを考慮するかしないかによって採点結果に大きな違いが出ます。今回はそれらの所謂ハンディキャップは一切考慮せず、純粋に技術の高低で採点するように申し合わせをしました。つまり、技術的な正確度で同じレベルであれば、スピード・パワーで優る男子の方が点数は上という基準です。
5人審判制でやったので最高点と最低点を削除する方式でやりましたが、経験豊富な審判員が多かったのと事前の打ち合わせがうまくいったので、さほどの大きな点数の開きはなく、妥当な結果が出ていました。演武・運用法とも主審を仰せつかったのですが、主審は大変ですね。時間配分、安全管理その他いろいろ気を遣うことがあって・・・。特に運用法では先生からも「安全面」の配慮を十分にするように言われていたのですが、あまり簡単に止めてばかりいるとつまらない運用法になってしまいます。少林寺拳法フェイスガードは顔との間にかなり空間があるので、届いていない突きでも簡単に当たって音が出ます。当たる間合で踏み込んで打って当て止めした場合が技ありで、フェイスガードに届いただけの突は無効ですが、その辺の見極めも難しいです。
学生さんは往々にして熱くなって、つい行き過ぎた攻撃をしてしまう傾向にあるようですが、今回は両校の拳士はとても冷静で、自他共楽の精神を忘れず、かつ真剣な運用法をやっていて非常に好感が持てました。特に最後の両主将の対決は、非常に技術的レベルも高く、気迫溢れるいい対戦だったと思います。後方からの応援もあって盛り上がりましたが、品位を欠く応援ではなく、純粋に頑張れーという応援だったので盛り上がりに華を添えました。阪大主将の技術は素晴らしいものですが、名大主将も意地を見せてもらった感じがしました。
後のレセプションでも名大の主将とお話をさせてもらいましたが、これがまた拳法とは無縁そうに見える真面目ないい青年なんですよねー。子供の頃から道院で少林寺はやっていたそうです。だから上手だったんですね。彼の力で名大もますます部員が増えて活発になってくれることを祈ります。若い人たちのエネルギーは素晴らしく、僕も元気をもらったいい一日でした。