2013年09月23日

ブログ更新停止のお知らせ

 諸事情により、既に約2ヶ月間更新できていませんが、
今後も再開は難しい状況なので、更新停止のお知らせをいたします。
コメント・トラックバックの受け付けも停止します。

 お知らせするのが遅くなったため、
定期的に見に来られている方には手間を掛けさせてしまい、申し訳ありませんでした。
また、拙いブログにも関わらず読んで下さったことに、心より感謝いたします。
少しでも「こういう見方もあるんだ」と思って頂けることがあったなら幸いです。


Posted by 匿名希望 at 00:16
2013年07月28日

「民主党議員代表」の務め果たした海江田氏

1.参院選敗北より野党再編を注視する「有権者」

 7月21日に投開票された参議院議員通常選挙で惨敗した民主党は26日、
両院議員総会を開き、海江田万里代表が退陣論を退け、続投することを了承しました。

時事ドットコム:海江田氏、いばらの道=再編派抱え路線闘争も−民主

 民主党の海江田万里代表は26日の党両院議員総会で、自らの続投についてひとまず了承を取り付けた。しかし、参院選惨敗の打撃は大きく、両院総会では態勢立て直しに向けて執行部総退陣を求める声が噴出。野党再編をめぐる民主党内の路線闘争も絡み、海江田氏が求心力を保つのは容易でない。
 両院総会で海江田氏は、幹事長を26日付で細野豪志氏から大畠章宏代表代行に代える人事を提案、承認された。
 細野氏は辞任表明しながらも、当初は敗戦の総括を理由に8月末まで幹事長を続けるとし、海江田氏も了承していた。しかし細野氏が、代表選実施を主張し、野党再編を念頭に置いた勉強会を模索していることも表面化。細野氏を幹事長にとどめたままでは党内対立が深刻化しかねず、交代を急ぐ必要があると判断した。
 参院選東京選挙区で公認を取り消した候補を応援した菅直人元首相の処分をあっさり軽減した背景にも、退陣論が拡大しかねないとの危機感があったとみられる。
 だが、両院総会では、海江田氏に厳しい言葉が浴びせられた。田嶋要衆院議員が「敗軍の将は引き際を間違えてはいけない」と口火を切ると、柚木道義衆院議員は「代表選をやる、やらないも含めて議論してほしい」と要求。福山哲郎元官房副長官は、民主党が大敗した2005年衆院選で当時の岡田克也代表が投開票日に辞任表明したことに触れ、「執行部全体でけじめを付けないといけない」と強調した。海江田氏は、苦し紛れに「代表選をやるときは、私が退くときだ」と答えるのがやっとだった。
 党内で表面化した「海江田降ろし」は、日本維新の会やみんなの党との野党再編を目指す動きとつながっている。
 野党再編に前向きな渡辺周元防衛副大臣は総会後、「野党再編に向かうのか、独自路線を行くのか、代表選で候補者が意見をぶつけ合うのが望ましい」と語った。
 党執行部は総会を踏まえて速やかに全国幹事長会議を開き、党再生へ都道府県連の意見も聴く方針。「全国幹事長会議を経て、代表選をやるべきだという雰囲気が強まる」。ある閣僚経験者はこう予測している。(2013/07/26-20:01)

 民主党の参院選改選議席は44でしたが、獲得議席は17に(とど)まり、
1998年の結党以来最低の結果となりました。
このような場合、代表のクビをすげ替えて「けじめ」を付けたとするのが日本政治の常ですが、
珍しく続投することになりました。
主な理由は2つ考えられます。

 1つは党衰退の原因は民主党政権にあり、
鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦の各元首相にも責任があると見られていることです。
もう1つは、海江田氏退陣論の背景には日本維新の会やみんなの党との「野党再編」を目指す動きがあり、
これは事実上、民主党分裂を前提としているため、党内に警戒が広がっていることです。

20議席割れでも海江田氏続投? 揺らぐ民主、責任論か混乱回避か (産経新聞) - Yahoo!ニュース

 21日の投開票まで残り10日を切った参院選。苦戦を続ける民主党では海江田万里代表の進退論が活発になってきた。党内でささやかれている勝敗ラインは改選44議席の約半数の20議席。ただ、それを下回っても、「ポスト海江田」に名乗りを上げそうな議員は見当たらない。辞任は党分裂の原因にもなりかねず、20議席を割っても責任論を棚上げする形で海江田氏が続投するとの見方が強まっている。(坂井広志)

 海江田氏が12日に訪れた先は兵庫選挙区(改選数2)。同県稲美町では記者団に「最激戦区だ。もう日本維新の会は自民党の補完勢力。維新は自民党同様、社会保障に冷淡だ」と関西を地盤とする維新に敵意をむき出しにした。

 自民党候補の優勢が伝えられる中、残り1議席をめぐり民主党は維新とデッドヒートを繰り広げている。

 各種情勢調査で民主党の獲得予測議席は20前後で、「1議席」は海江田氏の進退を左右しかねない。すでに海江田氏に近い党幹部は「20議席獲得できたら『辞任するな』と進言するつもりだ」と語っており、海江田氏続投の流れは作られつつある。

 改選議席の半数でも続投論が出るのは、党衰退の原因が約3年3カ月間の民主党政権そのものにあるとの見方が強いからだ。責任は鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦の各元首相にもあるというわけだ。

 加えて、参院選が終われば当面、国政選挙はない。「新顔」で出直す必要はなく、党内をまとめるには味方も少ないが敵も少ない海江田氏が適任−という本音が漏れる。海江田氏と距離を置く幹部ですら「参院選が終わってもモラトリアムだ。党内に代表を代えようとするエネルギーはない。しばらくは選挙管理内閣ならぬ代表選管理執行部だ」と投げやり気味だ。

 現段階で「ポスト海江田」候補には代表選経験のある馬淵澄夫元国土交通相が浮上している程度。それも推薦人20人の確保は極めて困難とみられる。結局、20議席を切っても混乱を回避するため海江田氏が続投する可能性があるわけだ。

 もっとも、海江田氏は2月24日の党大会後の記者会見で、参院選について「刀折れ矢尽きたと思ったときは潔く代表をやめる。31の1人区のうちいくつ取れるかが本当の意味で目標になる」と明言している。その1人区では自民党に歯が立たず、民主党は全敗の危機もささやかれている。

 責任論か混乱回避か−。20議席を割った瞬間、民主党はその間で揺れ動くことになる。

2.民主党の命運が掛かるクビの「すげ方」

 参院選前の改選議員ならいざ知らず、当面国政選挙がない現国会議員にとって、
代表が「選挙に弱い」ことはさして問題ではなく、
むしろ党分裂を回避することこそ重要である――それが多くの民主党議員の本音といえるでしょう。
そして、民主党代表選の実質的な「有権者」は、落選議員や党員・サポーターではなく、
現国会議員なのですから、海江田氏は立派に務めを果たしていると評価できるのです。

 このような状況では、例え海江田氏を退陣に追い込んで代表選を実施したとしても、
次期代表が「第2の海江田氏」になるだけです。
問題は代表を誰にするかではなく、代表が国民より所属議員の意向を重視するような、
民主党の意思決定システムにあるのです。

3.代表選挙規則再改正後に退陣を

 民主党代表選の投票権を持つのは国会議員だけではなく、
地方議員や党員・サポーターも持っています。
しかし、2012年1月に党員・サポーター票の配分方法が「小選挙区制(総取り方式)」から
「ドント式比例配分制」に変更され、実質的に無力化されたことで、民主党の迷走が始まりました。
(詳細は衆院選候補者別得票数をCSV化・民主党の敗因を参照)

 こうした経緯を振り返れば、民主党を立て直す方法は明白です。
代表選挙規則を再改正して民意に近い党員・サポーターを復権させ、
代表が所属議員より国民の意向を重視するようにすれば良いのです。

その上で海江田氏を退陣させ、代表選を実施すれば、
例え海江田氏が再選されたとしても、現体制とは全く別の言動をするようになるでしょう。
有権者の意向に忠実な海江田氏は、有権者が国会議員から党員・サポーターに変更されても、
これまでと同様に務めを果たしていくと思われるからです。


Posted by 匿名希望 at 02:10選挙制度
2013年07月21日

「幕引き」透けて見える桜宮高体罰元教諭起訴

1.参院選公示日に合わせて在宅起訴

 大阪地検は7月4日、大阪市立桜宮高校バスケットボール部顧問だった小村基元教諭を、
2012年12月23日に自殺した同部主将の2年生に対する暴行・傷害罪で在宅起訴しました。
大阪府警捜査1課が2013年3月22日、起訴を求める「厳重処分」意見を付けて書類送検してから、
3ヶ月以上経過しての決定です。

バスケ部元顧問を在宅起訴 桜宮高2自殺、異例の公判に :日本経済新聞

 大阪市立桜宮高校バスケットボール部主将で2年の男子生徒(当時17)が体罰を受けた翌日に自殺した問題で、大阪地検は4日、部活の顧問だった小村基・元教諭(47)=懲戒免職=を傷害と暴行の罪で在宅起訴した。体罰を巡って教諭が公判請求されるのは異例で、元顧問の刑事責任は公開の法廷の場で判断されることになる。

 起訴状によると、小村元顧問は昨年12月18日、同校体育館での練習試合で生徒がボールに積極的に飛びつかなかったことから、試合の休憩時間や終了後に男子生徒の顔などを平手で数回殴打。自殺前日の同22日の練習試合中にも、男子生徒の顔などを平手で十数回殴り、唇の粘膜下出血など全治約3週間の傷を負わせたとされる。

 大阪地検は、公判請求の理由について「暴行の様子や傷害の結果、犯行に至る経緯、保護者の処罰感情などを考慮した」と説明した。

 大阪市教育委員会は「厳しく受け止める。学校教育における体罰や暴力は決してあってはならないことで、防止を徹底し信頼回復に努める」とのコメントを発表した。

 男子生徒の父親が1月に元顧問を告訴。大阪府警が3月、「暴行は絶対的な上下関係の下で一方的に常習、継続的に行われた」として、起訴を求める「厳重処分」の意見を付け書類送検した。

 ただ、体罰の背景に「絶対的な上下関係」があったかどうかについては、捜査当局の中でも見解が分かれ、公判で争点となる可能性もある。

 ある捜査幹部は「絶対的な主従関係でしつこく暴行した悪質性から厳しい処分が必要だ」と話す。別の捜査幹部は「絶対服従関係の有無は人によって意見が異なる。生徒が部活を続けていた事情などを総合的に検討しなければならない」と指摘している。

 警察が被疑者を逮捕した場合には、通常は2日以内に送検し、
その後21日以内に検察が起訴・不起訴を決定します。
ところがこの事件では、1月8日までに大阪府警が小村氏を取り調べており、
この日を捜査開始日としても、起訴決定までに約半年も掛かったことになります。
小村氏は犯行を認め、取り調べにも協力しているので、
起訴決定が遅れたのは次節の引用記事にもあるように、検察内部に慎重論があったためでしょう。
起訴が7月4日という、参院選公示日に行われたことからも、積極論と慎重論が交錯した結果、
「なるべく目立たないように起訴する」ことで折り合ったことが(うかが)えます。

2.遺族感情で測られる「命の価値」

 小村氏起訴に至るまでの検察内部の議論は、
起訴・不起訴の判断基準に見過ごせない問題があることも浮き彫りにしました。

【衝撃事件の核心】元顧問体罰「起訴」、迷う検察幹部を絶句させた“ビデオの中身”(1/4ページ) - MSN産経west

 永遠に続くのでは、と思うほど繰り返される平手打ち。いつ終わるのか分からない暴行を、殴られている本人だけでなく周囲の人間も、嵐が過ぎ去るのを待つかのようにじっと耐えていた−。大阪市立桜宮高バスケットボール部主将の男子生徒が体罰を受け自殺した問題で、大阪地検に傷害と暴行の罪で在宅起訴された同部元顧問の小村基(はじめ)被告(47)。体罰で教諭が公判請求される例はあまりなく、検察内部でも「今回の件を起訴すれば、バランスを欠くのではないか」との意見もあった。だが、そんな慎重論を封じ込めたのは、同部の練習試合を記録したビデオだった。「これはひどい」。壮絶な体罰の実態を目の当たりにした検察幹部は思わず言葉を失ったという。異例の起訴判断はどう下されたのか。

(略)

 まず生徒の自殺については、傷害致死罪などのように暴行との直接の因果関係を認定できない。このため、罪になるべき対象は唇などに負った全治3週間のけがのみとなる。

 また、小村被告は捜査段階から一貫して事実関係を認め、「生徒におわびします」と謝罪。さらに、懲戒免職処分により職を失うなど社会的制裁も受けた。

 こうした点を踏まえ、検察内部では「一つの傷害事件としてみれば、公判を開いて懲役刑を求めるまでのものではない」との意見もあったという。

■ 体罰は起訴回避の傾向

 加えて、これまで体罰をした教諭が起訴される例が少ないことも、慎重論の根拠となった。

 体罰をめぐっては、平成17年に岡山県の私立高校で野球部員を殴り、裸でランニングをさせた監督が暴行や強要罪で起訴され、有罪判決を受けた例がある。

 ほかにも起訴されたケースはあるが、暴行によって直接生徒が死亡した事件が主だ。実際、横浜市の市立中学の柔道部顧問が、部員に何度も技をかけ傷害容疑で書類送検された事件では、部員が脳障害を負ったにもかかわらず、横浜地検は21年に「指導が目的だった」などとして不起訴処分にしている。

 起訴が回避される傾向が強い背景には、「教育現場に捜査当局が介入するのは好ましくない。刑罰は最後の手段であるべきだ」(検察幹部)という考えがある。さらに、けがを負った生徒や保護者側が処罰を望まないことも多いという。

 ただ、今回は暴行によってではないものの生徒が命を落とした。遺族の処罰感情も強い。検察内部では「前例を踏襲するだけでよいのか」という声が強まり、流れは起訴へと傾いていった。

■ ビデオの異様な光景

 最終的に決め手の一つとなったのは、昨年12月に行われた2回の練習試合で、体罰の様子を記録したビデオ映像だった。

(略)

 暴行自体も執拗(しつよう)だったが、それにも増して異様だったのは、腕を振り続ける小村被告を制止しようとする人間が誰もいないこと。別の検察幹部は「教育現場での体罰だとしても、傷害事件として社会的に許される範囲なのか。それが判断の基準となった」と振り返る。

 この記事では小村氏の犯行が他の事件に比べ、特に悪質であるかのように描かれていますが、
実際には同じ記事にあるように、脳障害に至った傷害事件が不起訴処分となったケースもあります。
また、小村氏が勤めていた桜宮高校のバレーボール部顧問は、
2009年12月から2011年3月までの1年4ヶ月間にわたり、
253回も殴る蹴るの暴行・傷害を加えて停職3ヶ月となった後、
再び暴行事件を起こしていたことが明らかになっています。
(詳細は桜宮高校体罰自殺 過去の「大甘処分」が裏目にを参照)

 つまり、小村氏の事件と他の事件の大きな違いは犯行態様ではなく、
被害者が暴行・傷害を受けたことに対し、「遺族の処罰感情が強い」ということにあるのです。
しかしこれでは、保護者の暴力傾向次第で、子供の「命の価値」に格差が生まれることになってしまいます。
また、「犯罪者の教え子」にはなりたくない、他の生徒や保護者などの署名を集め、
被害者の保護者に圧力を掛ける手法を誘発することにもなります。

3.余罪や関係者の徹底捜査を

 小村氏は自殺したバスケ部主将以外にも、多数の生徒を暴行していた疑いがあり、
各被害者の「処罰感情」に関わらず、余罪を含む犯行の全容を解明する必要があります。
また、未だ刑事責任を問われていないバレー部顧問、
犯行を確認しながら通報しなかった校長・副顧問らの幇助(ほうじょ)容疑、
バスケ部、バレー部以外でも犯罪が横行していないかなど、
他の嫌疑についても徹底捜査すべきです。

 大阪府警はこれらの嫌疑について、わざと「お目こぼし」するかのように、
任意の事情聴取しかせず、結局送検することもありませんでした。
大阪地検もこのような捜査を追認するのであれば、
警察・検察は「体罰」と称する暴力に寛容であり、告訴を受けてやむを得ない場合にだけ、
人目を避けるように加害者を起訴するのだというメッセージになるでしょう。
体罰は法で裁かれず、体罰によって裁く他ないというなら、
それは無法地帯以外の何物でもありません。


Posted by 匿名希望 at 23:01いじめ
2013年07月07日

2013年参院選 比例区では「候補者名」記載を

1.(わず)か14%の候補者名投票率

 7月4日、参議院議員通常選挙を7月21日に投開票することが公示され、各党が公約を発表しました。

民主党 Manifesto(参議院議員選挙重点政策)
自民党 参議院選挙公約2013
公明党 Manifesto2013 | 参院選重点政策
みんなの党 政策アジェンダ2013
生活の党 基本政策
共産党 2013年参議院選挙政策
みどりの風 「約束」
社民党 参議院選挙公約2013
日本維新の会 2013参議院選公約

 参院選は都道府県単位の選挙区と全国単位の非拘束名簿式比例代表の並立制で行われます。
選挙区は人口に応じて定数が異なるため、
結果として地方は小選挙区(1人区)、都市部は中選挙区(複数区)となっています。

 投票の際、まず気を付けなくてはならないのは、
「拘束名簿式」で行われる衆議院議員総選挙比例区と違い、
参院選比例区は「非拘束名簿式」であることです。
拘束名簿式では、有権者は候補者名で投票することはできず、
各政党の執行部が決めた名簿登載順に当選しますが、
非拘束名簿式では有権者が候補者名で投票でき、この得票数順に当選します。
つまり、候補者名で投票すれば、「政党票」と「候補者票」の2票を投じたことになるのに対し、
政党名で投票すると「政党票」の1票のみとなり、「候補者票」は棄権となってしまうのです。

 ところが、総務省の第22回参議院議員通常選挙結果調によると、
候補者名で投票した有権者は僅か14%に過ぎず、大半は「候補者票」を棄権しています。
残念な結果ですが、投票率が低いということは「一票の重さ」が増すということでもありますので、
本記事を読まれた方は、必ず候補者名で投票して頂きたいと思います。

2.小中選挙区混在問題に翻弄(ほんろう)される与野党

 今回の参院選では、野党が小選挙区で選挙協力する一方、
中選挙区では激しい「2位争い」を展開しているため、互いの距離の取り方に苦慮しています。
しかし、小中選挙区混在問題に翻弄されているのは野党だけでなく、与党も同じです。
自民党は2位争いの激化を受け、自民党候補を擁立する選挙区で公明党候補を推薦するという、
前例のない選挙戦術に踏み切ったのです。

「執行部は公明党に屈した」自公連立の象徴区 衆参で温度差 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

 ◆石破氏「配慮も必要」

 自民党は埼玉選挙区(改選数3)で現職の古川俊治氏を擁立しながら、矢倉氏も推薦した。競合区での推薦は初めてのケースだけに、決定までには紆余(うよ)曲折があった。

 公明党は6年前、現職候補が過去最高の約62万票を獲得しながら、民主党が2議席を確保した影響で4位にとどまり議席を失った。それだけに、「埼玉は何としても取り返したい選挙区」(公明党幹部)だ。

 今年初めに自民党に推薦を依頼した背景には、みんなの党など第三極の躍進でより厳しい選挙戦になるとの懸念もあった。

 自民党の石破茂幹事長は矢倉氏に推薦を出す方向で検討に入った。与党候補の一本化により当選を確実にしたい古川氏本人と自民党の参院幹部はこうした動きに強く反発した。古川氏は3月19日、首相官邸に乗り込み、安倍晋三首相に「政党のあり方に関わる」と、推薦を出さないよう直訴した。溝手顕正参院幹事長も同日の記者会見で「そんなばかな話はない」と憤り、石破氏らを強く牽制(けんせい)した。

 しかし、全国に目を転じれば、自民党は公明党から41選挙区で計42人の候補者が推薦を受け、創価学会の支援も得ることになる。

 石破氏ら執行部は4月12日、「参院で過半数を得るには公明党への配慮も必要だ」と矢倉氏への推薦を決定し、公明党の要望通り10万票の支援も約束した。県内15選挙区の衆院議員(うち2人は比例代表で復活当選)には、それぞれ5千〜1万票を矢倉氏に回すよう割り振った。

 「たかが(自公で)過半数を取るために責任政党がそんなことをしていいのか。僕自身は公明党に入れたこともない。やっぱり創価学会は嫌いだ」

 古川氏は3日の記者会見でこう述べ、不満をぶちまけた。自民党参院幹部も「他党候補を応援するのは反党行為だ」と憤りをあらわにしている。

 ◆「自力で当選できる」

 8日夕、古川陣営がさいたま市で開いた決起集会で、地元選出の関口昌一参院国対委員長代理は「党でいろんな決定をしたが、まずは自民党候補が当選して初めて目的が達成できる」と述べ、古川氏の当選を最優先にすると強調した。

 別の参院幹部は、衆参両院議員の意識のずれを冷ややかに指摘する。

 「執行部は公明党に屈した。衆院議員には公明票が必要だろうが、参院議員は自力で当選できる。そもそもの考え方が違う」


 激戦区・埼玉での選挙協力は自公連立の象徴だが、公明党に対する自民党内の温度差も浮き彫りにしている。(力武崇樹)

 「参院幹部」の指摘はとんでもない的外れで、
この参院議員が公明党候補に票を割り振れるほど楽勝できるのは、
3人も当選できる中選挙区だからであって、「そもそもの考え方」など何の関係もありません。
小中選挙区混在問題は野党だけでなく、与党をも大きく揺さぶっていますが、
問題の所在にすら気付いていない自民党幹部もいるというのが現状なのです。

3.「最下位当選候補者」に投票しよう

 自民党候補を擁立する選挙区で公明党候補を推薦するという、
前例のない大胆な選挙戦術と、それに対する自民党幹部の反応は、
民主的統制を確保することが困難な中選挙区選出議員に対し、
一定の統制を確保する投票行動があることを示唆しています。
上位当選が予想される候補者には投票せず、
最下位当選または落選が予想される候補者に投票すれば良いのです。

 有権者がこのような投票行動を取ると、候補者はどのように反応するのでしょうか。
まず、上位当選候補者は得票数が減少するので、今までほどには楽勝できなくなり、
有権者の意向に多少なりとも敏感になるでしょう。
そして、最下位当選または落選が予想される最下位当選候補者は、
得票可能数が増加するだけでなく、当選者が変わる場合も出てくるので、
有権者の支持を求める競争がより強くなるでしょう。

 2位争い激化を受けて、党内の反発を押し切ってまで公明党候補を推薦した自民党の行動は、
まさに上位当選候補者から最下位当選候補者に票を流すものであり、
得票数の減少に直面した自民党候補、
反公明票を含む流出票を狙う他候補のいずれも、より有権者の意向に敏感になったと考えられます。
全ての候補者に対する民主的統制を強めることに成功したといえ、
同様の投票行動を他の中選挙区でも行うべきです。


Posted by 匿名希望 at 23:36選挙制度
2013年06月23日

「実在児童の救済とは関係ない」(平沢勝栄氏)

1.児童ポルノ禁止法改正案の3つの問題点

 自民、公明、日本維新の会の3党が衆議院に共同提出した、
児童ポルノ禁止法改正案について、反対する山田太郎参議院議員(みんな)と、
提出者の平沢勝栄衆院議員(自民)が、産経新聞のインタビューに応じました。

【金曜討論】「児童ポルノ禁止法改正案」 「漫画切り離して」山田太郎氏、「単純所持規制も」平沢勝栄氏+(1/4ページ) - MSN産経ニュース

 ≪山田太郎氏≫

 ■漫画などは切り離して

 −−改正案のどこが問題か

 「3点ある。1つは単純所持の禁止。もちろん児童を被写体とした画像や写真などの製造配布は、取り締まらなければならない。だが所持自体を禁止すると、摘発など捜査機関の裁量によるグレーゾーンが大きく、問題がある。運用に気をつけるから大丈夫だと言うが、実際に単純所持を違法とした韓国や米国、英国などの諸外国では、さまざまな冤罪(えんざい)が増えた。たとえばわが子への授乳写真が児童ポルノと判定され、逮捕されるような例が現実に何件も起きている。2点目は、画像の流通阻止のためとして、ネット事業者に捜査機関に協力するよう努力義務を盛り込んでいる点。ウェブサイトへの実質的検閲につながる懸念がある

 −−3点目は?

 「最大の問題は、アニメ・漫画の規制を見据えた『調査研究』が盛り込まれている点だ。法案の検討規定では、漫画やアニメが児童の権利を侵害する行為と関係があるかを調べ、3年後をめどに規制など必要な措置を講じる、としている。だが、児童ポルノの被害者になった実在の子供の人権を守るというのが法の趣旨なのに、実際の被害者が存在しない漫画やアニメの話を盛り込むのはまったく筋が違う話だ」

 −−なぜ抱き合わせではいけないか

 「被害児童の写真の流出を防ぐというのが本意なら、漫画などの規制にからむ部分は切り離して、別の法案として出せばいい。もっとも漫画・アニメ大国と言っているわが国でそんな法案が出れば、国際的な物笑いの種になるだろうが。それを児童ポルノの単純所持規制と抱き合わせた形にして通そうとするのは、どさくさまぎれに自分たちにとって不愉快な表現を規制したいという意図があるのかと疑われる。そもそも創作物の悪影響を危惧するのであれば、漫画は対象なのに小説は含まれないというのも本来は理屈に合わない。この法案が通れば、架空の創作物に対して規制の網が広がっていく恐れがあり、文化の衰退につながる」

 −−改正案提出の理由として欧米などの「国際的動向」が挙げられている

 「実写の児童ポルノの単純所持に関しては欧米の多くの国で規制されているが、少なくとも漫画・アニメ規制の国際潮流はない。実写と創作物を混同した議論がなされていないか」

 −−規制強化を求める市民もいる

 「この問題は、年配世代が自分たちに理解しがたい若い世代の文化を規制したいという世代間闘争の面がある。だが国は、漫画やアニメを海外に発信する『クールジャパン戦略』を進めているのだから、やたらに規制をかけたりせず見守るべきだ。国家が文化に対し、あれはいい、これは悪いと介入すべきではない」

 改正案の問題点だけでなく、このような議案が国会提出に至ってしまった背景にまで言及するなど、
簡潔でも要点は押さえた、分かりやすい説明といえるでしょう。
ただ、3つの問題点のうち、インターネット接続事業者(ISP)に対する新たな規制については、
「ウェブサイトへの実質的検閲につながる懸念がある」としか述べていませんが、
改正案には捜査協力の他、児童(18歳未満の者)ポルノの所持・提供・閲覧の防止・制限措置に関する規定もあり、
努力義務や検討事項とはいえ、ISPへの要求内容は検閲そのものです。
(詳細は児童ポルノ法案 3年後にブロッキング強制導入を参照)
字数制限上やむを得なかった面もあると思われますが、
問題の重さに比して十分な説明とは言い難いといわざるを得ません。

2.「ひどい漫画が送られてくる」

 次に、平沢氏へのインタビューです。

【金曜討論】「児童ポルノ禁止法改正案」 「漫画切り離して」山田太郎氏、「単純所持規制も」平沢勝栄氏+(3/4ページ) - MSN産経ニュース

 ≪平沢勝栄氏≫

 ■単純所持の規制も必要

 −−なぜ単純所持に罰則が必要か

 「児童ポルノが出回り、警察による検挙も増えている状況がある。相当数の児童が強姦や強制わいせつなどの被害に遭い、しかもネット上にその画像などが出回っており、将来にわたりダメージを受けることになる。これを救済するには、そうした画像の所持自体を規制しなければならない。現行法でも製造や販売には罰則があるが、それだけでは不足だ。もう一つに、国際的潮流として、単純所持が欧米の多くの国で規制されていることがある。児童ポルノ禁止について、日本だけが後ろ向きと取られてしまうのはまずい」

 −−麻薬や拳銃並みに所持が犯罪となると、別件逮捕などの懸念もある

 「罰則適用には『性的好奇心を満たす目的で所持』という条件があり、捜査当局が裏付けなければならず、簡単にはいかない。捜査機関に新たな権限が加わるわけだが、警察出身者として言えば、これだけ関心が集まる中で無茶な捜査などできるわけがない。警察も国民の支持を気にしており、運用は自制的になされるだろう。たとえば悪意のメールで送りつけられた画像を持っていて逮捕されることはあり得ず、親が子供の入浴を撮った写真や、(撮影当時『児童』に該当する17歳という説もある)宮沢りえさんのヌード写真集などの所持も、検挙できるわけがない。たしかに捜査当局の行きすぎで市民の権利が損なわれる可能性はなきにしもあらずだが、そこは私たち国民がしっかりチェックすればいい。まず被害児童の救済を考えるべきだ」

 −−漫画が対象の検討規定は、被害児童の救済という立法趣旨から外れる

 「実在児童の人権救済とは関係ないが、海外では漫画も規制対象だ。漫画やアニメに影響されて青少年らが性犯罪に走る例も、警察の資料によれば実際にある。可能性が否定できない以上、規制の話が出るのは当然だ。日本がこうした漫画の輸出国と批判される状況も踏まえ、漫画などの規制についても検討する規定は入れた方がいい」

 −−青少年を正しい方向に導くという目的もあるのか

 「当然ある。成人向け漫画だから大丈夫というが、日本は欧米と違い、区分陳列が徹底していない。またネットを通じてもアクセスできる状況だ」

 −−「表現の自由」の侵害を懸念し、漫画家や出版界からの反対が多い

 「反対の声はあるが、実際には規制を求める国民の方がはるかに多い。私の所に送られてくる漫画の現物はひどいものだ。表現の自由は大事だが無制限でなく、社会的制約がある。こうした漫画が文化や芸術といえるのか。社会は有害図書だと判断すると思う。騒いでいる人間は、親としてこれらを自分の子供に見せていいと思うのか」

 関心が集まる中で無茶な捜査はできないということは、
関心さえ薄れれば無茶な捜査も可能になるということですか、と突っ込みたくなりますが、
最も驚くのは「実在児童の人権救済とは関係ない」と明言していることでしょう。
それ以降は児童ポルノ禁止法というより、青少年健全育成条例問題の議論に近く、
改正案が「本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない」と規定しているにも関わらず、
真の目的は一方的な価値観の押し付けにあるという実態が現れています。
また、「ひどい漫画」を国会議員に送り付け、不快感を(あお)る戦術が横行しているようですが、
このような手法で冷静な議論を妨げる、悪質な活動家を毅然(きぜん)と非難することこそ、
児童から求められているのではないのでしょうか。

3.「児童の権利擁護」に立ち返れ

 平沢氏は「相当数の児童が強姦や強制わいせつなどの被害に遭」っているとも述べています。
何を基準にして「相当数」といっているのか不明ですが、
確実にいえるのは性犯罪被害よりも、非性犯罪被害の方が(はる)かに多いということです。
そして、児童ポルノ規制の強化が強姦や強制わいせつに対してさえ、抑止力にならない一方で、
しばしば警察が「受取拒否」する被害者からの告訴をきちんと受理することは、
あらゆる犯罪に対する抑止力になるということです。
「児童の権利を擁護することを目的」と規定する、
児童ポルノ禁止法の趣旨に沿う施策がどちらなのか、誰にでも分かることでしょう。

 性犯罪ばかりを殊更に強調し、表現規制の口実に利用することはもうやめ、
非性犯罪を含む加害者摘発を警察に促すことが、児童の権利擁護に資するのです。
元警察官僚の平沢氏なら、それができる(はず)で、
「実在児童の人権救済」のため、その政治力を()かすことが求められています。


Posted by 匿名希望 at 01:46表現の自由(2013年1月〜現在)