2009年12月13日

青少年に襲い掛かるビッグ・ブラザー達

1.「検閲ソフトはいらない」家庭に広がる

 青少年に検閲ソフト(フィルタリングソフト)を原則適用することを定めた
青少年ネット規制法(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)が
2008年6月18日に成立したことにより、
この1年間、青少年の人権保障は重大な脅威に直面してきました。
しかし、検閲ソフトが原則適用とされ、
「ネットの危険性」を煽る一方的な情報にさらされているにも関わらず、
多くの家庭は賢明な選択をしています。

「携帯電話に「親学」重要」:イザ!

 埼玉県内の携帯電話販売店の実態を9月に調査したところ、青少年にフィルタリングサービスの説明と推奨を「必ずしている」はおのおの96%、86%と高いのに、青少年がサービスを「ほとんど利用している」は16%と極めて低いことがわかった。

2.家庭の選択権の侵害に手を染めるネット規制推進派

 これに業を煮やしたネット規制推進派は、
家庭の選択権を国家権力の干渉から保護する青少年ネット規制法の趣旨をないがしろにして、
自治体を各個撃破して青少年に検閲ソフトを強制適用する戦術を取り始め、
青少年の人権保障に更なる脅威を与えています。

「携帯電話に「親学」重要」:イザ!

 そこで、埼玉県は県青少年健全育成条例改正の骨子案をまとめ、11月末までに県民の意見を集約し、年度内に改正案をまとめ、来夏までの施行を目指している。

 改正内容は、まず第1に保護者の責務として、解除する場合には、以下のような正当な理由を記載した申出書を提出すること。

 (1)青少年が就労し、業務上必要な場合(2)青少年に障害や疾病のある場合(3)保護者がインターネットサービスを活用し、青少年のネットの利用状況を常に確認する場合。

 児童ポルノを口実に始動する日本版GFW構想で書いたように、
ネット規制推進派は青少年ネット規制法により青少年に半強制適用することに成功した検閲ソフトについて、
次は年齢制限を取り払って全国民に適用していくことを明確にしており、
ネット規制推進派にとって、子供など国民全体に検閲ソフトを適用するための踏み台に過ぎません。
当然、家庭の選択権を国家権力の干渉から保護しなければならないなどという価値観はなく、
青少年ネット規制法で家庭の選択権を認めたのは戦術的に撤退しただけで、
最終的に全国民を日本版グレートファイアウォール(GFW、金盾。警察庁は「ブロッキング」と呼称)で囲い込み、
検閲ソフトを適用するという目的にはいささかの変化もないのです。

3.団結してビッグ・ブラザー達に反対を

 このように、ネット規制推進派とは、国民が自由を謳歌することを疎ましく思い、
極力管理していくことを望む、ビッグ・ブラザーのような勢力です。

今、国民に突き付けられている問いは、「青少年の保護」などではなく、
「ビッグ・ブラザー達の誘惑に負けて、彼らに青少年を差し出すのか否か」なのです。
そして、青少年をビッグ・ブラザー達に差し出そうものなら、
次は全国民を差し出すように要求されるのです。
国民の人権を守っていくためには、国民が青少年に対する各個撃破戦術に分断されず、
団結してビッグ・ブラザー達に反対していく必要があります。