2010年07月18日

保坂氏落選 「人権保障の公益性」啓発を

1.改めて露呈された「人権票」の少なさ

 7月11日に実施された参議院選挙について、開票結果が発表されました。
みんなの党が躍進した、自民党は地方の1人区で勝っただけで得票数は少なかった、
民主党の敗因は菅直人首相の消費税増税発言、などなど様々な言説が飛び交っていますが、
有権者として最低限やるべきことは政党の勝ち負けを論ずることではなく、
自らの選挙区の候補者の得票数を確認することです。

参院選2010 : 参院選 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 6月24日の参院選公示前の時点では、
比例区で社民党から立候補した保坂展人氏は、余裕で当選できると思っていました。
比例区社民党で全国的に著名な候補者といえば、他は福島瑞穂党首くらいしかおらず、
2007年の参院選比例区でも社民党は2議席を獲得していたからですが、
結果としては吉田忠智氏に2位を奪われ、落選することとなってしまいました。

 保坂氏は衆議院議員時代、成立すれば日本史上初の焚書令(焚書令第一号)となっていた、
自民、公明両党が提案する児童ポルノ単純所持禁止規定の制定に強く反対し、
児童ポルノを突破口として、焚書令が次々に発令される事態の回避に尽力した政治家であり、
その得票数はどの程度の国民が人権保障問題に関心を持っているかを示す、
バロメーターともいえるものでした。
しかし、結果としては69,214票しか得ることができず、人権保障問題は票にならないという現実が、
改めて露呈された形となりました。

 なお、逆の意味でバロメーターとなっていた、比例区でみんなの党から立候補した後藤啓二氏は、
わずか13,122票の得票となり、警察票や表現規制賛成票を集めて当選するどころか、
供託金600万円の没収という憂き目を見ることとなっています。

2.人権保障の強化が公益を増進する

 人権保障問題が票につながらない背景には、
経済問題ほど即時に国民生活に影響する問題ではないということだけではなく、
人権保障は公益を妨げるものであり、
あまり強化しない方が良いという考えが根強く残っていることもあると考えられます。

 そうした考え方が端的に表れているものとして、2005年10月28日に自民党総務会で党議決定された、
自由民主党新憲法草案(PDF)があります。
この中では、日本国憲法の人権制約規定である「公共の福祉」を明確にするためとして、
「公益及び公の秩序」に変更されているのです。
しかし、「公共の福祉」規定は人権相互の調整規定とされており、
公益などを指しているわけではありません。

 そもそも人権保障とは、為政者が国民の「不快感」を煽り、
これを排除するという口実で、国民から自由を奪おうとすることを防ぐという、
極めて重要な公益を実現するものです。

人権保障の強化はこのような公益を増進するものでこそあれ、妨げるものではないのです。

 そして、この憲法草案を作った自民党こそ、
焚書令第一号などを実現するため、根拠のない不快感を煽り続けてきた張本人であり、
彼らが「公益」を「不快感の排除」にすり替えて、真の公益を損なおうとしていることは明らかです。
彼らから公益を守る上で、人権保障の強化は最上の策であり、
決して公益を妨げるものではないということを啓発して、
人権保障を得票につなげていく必要があります。

関連リンク
参院選敗北を受け止めて - 保坂展人のどこどこ日記

保坂選挙を振り返って - 森かずとしのワイワイ談話室

久間知毅の保管庫(仮): 保坂さん落選に関して