特撮つれづれの記

好きな特撮作品の特撮シーンについて、思いつくまま気の向くままに書いています。

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そろそろウルトラマンAの記事を、と思っていたところ、世間ではパンダの話題が……。
ウルトラマンA+パンダとくれば、スチール星人ですね。

今回は格闘シーン細見ですが、ウルトラマンA第40話はミニチュアセットなども見どころがありますので、そちらについては機会を改めて取り上げたいと考えています。

スチール星人が登場したのは1973年初回の放送(1月5日)でした。
前年10月末に中国との国交成立にあたってジャイアントパンダのカンカン(康康)とランラン(蘭蘭)が贈られ、上野動物園で公開されたことから前代未聞のパンダブームがおきていたことを反映したエピソードです。
かく言う私も、この当時に親に連れられてパンダを観に行った記憶がうっすらとあるのですが、一瞬しか見ることができなかったその姿は、寝ているだけのものだったと思います。

スチール星人は巨大化後の身長49m、体重28000tという設定です。
別名は「宇宙超人」で、もはや超獣ですらない(放送当初は宇宙超獣と言われていたようですが、その後はなぜか「超人」になっています)という、ウルトラマンA後期エピソードらしい宇宙人です。
超人という割には、地球に来た目的がアレでして、地球人が夢中になっているパンダを盗んでお持ち帰りしようとしたというのです。本物はもちろん、ありとあらゆるグッズにまで手を出してアジトの倉庫に貯め込んでいたという、○柳○子さんもびっくりの徹底ぶりでした。

武器は頭部からの火炎放射(なんと20000℃)と破壊光線。
全身は鋼鉄の20倍の硬さで、パンダグッズやパンダ(実物)を盗むと時速60km以上で逃走します。
ベルトから金属をボロボロにするスチール光線を発射できるという設定ですが、劇中ではその能力は使っていません。

スーツが第1話・第2話で使われたA(セパレートタイプ)の改造であることは有名ですね。
人差し指だけが大きいのは、手癖が悪いことに由来するデザインなのだとか。


それでは、格闘シーンを細見していきましょう。

スチール星人が巨大化時に破壊した倉庫の瓦礫の中から、Aが登場。

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スチール星人の後ろからジャンプキック。前方に吹っ飛ぶ星人。

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ここで、足元にいたダン少年やパンダ堂のおじさんたちを掌にのせ、安全なところへ避難させる。

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前宙でAの後方にまわる星人。等身大のときに川を飛び越えて逃走しただけに身軽。

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Aはスチール星人に組み付き、腹パンチ。
激しく体を入れ替えてもみ合いのなかで、Aが蹴り上げる。
Aのスーツのダメージがわかるシーン。肘と肩の付け根部分に大きな裂け目が。

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Aが星人を投げ飛ばす。
石炭の山(だと思われる)に落下するスチール星人。
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起き上がったスチール星人に水平チョップからの膝蹴り。
このあと、Aのダブルチョップが外れるのだが……。
膝蹴りの直後にスチール星人が前屈みになっていたのが原因らしい。

……で、膝蹴りのシーンをよく見てみると、見事に金的蹴りになっている。
そこでスチール星人が前屈みになるのだが、一瞬、股間を押さえているらしい動きが見える。
もしかすると、偶発的なアクションのミスなのかもしれないのだが真相はいかに?

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このあと、水平チョップを空振りしたり、パンチの構えをとりながら打ち込まなかったりと、Aの不思議な動きが続いたあと、再び投げ。

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スピンキックからのミドルキック。
スチール星人は膝蹴り連打からの投げで反撃。
このあたりは、スチール星人のセパレート式スーツの構造がよくわかるカットが続く。
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スチール星人、前宙からの急降下キック。吹っ飛ぶA。

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両者のパンチの応酬をあおりのアングルで捉えたシーン。

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Aが体落としを決める。
スーツ背面のダメージ状況がよくわかるカット。
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スチール星人が火焔放射で反撃。側転や前転でかわすA。
ミニチュアセットは業種不詳のプラントと住宅地。
手の込んだ飾り込みが興味深いところ。

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このカットからカラータイマーが赤に。巨大化・登場から映像にして約1分50秒。

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炎の向こうにAのカラータイマーを捉えたカット。
このあたりはスチール星人の攻勢とA危機を強調する演出が続く。

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たたみかけるように破壊光線を発射してAを追い詰める。
ジャンプして後方ひねり宙返りでかわすA。

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倉庫街越しに両者の闘いを捉えたシーン。
Aがスチール星人をショルダースルー。
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スチール星人のキックをかわしてチョップから膝蹴り。
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腰投げ。

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ハンドビーム。

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メタリウム光線で爆砕。

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飛び去るA。

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ラストはスチール星人が盗んできた「本物」のパンダが中国へ返還されるというシーンで終わります。
それにしても、50年後に本当にパンダを返還するなんて、当時は考えられませんでしたね。

前々回の「農村ミニチュアセットを観察する」企画の続編です。
画像を集めてみると、何かと気になる点もあって今回でも完結しそうにありません。
もう1回は続けることになるかと思います。 

今回のトップは「ウルトラマンA」16話「怪談・牛神男」から。
「岡山ロケ編」15・16話の後半です(15話のミニチュアセットも見どころがあるので、別の機会にご紹介します)。
16話のロケは「日本オリーブ」とのタイアップで、主に岡山市に隣接する牛窓町(現・瀬戸内市)で行われています。
牛窓町は海沿いなので、漁村と言った方がふさわしいのですが、ロケ地が内陸に集中しているので、あえて「農村」のセットという扱いにしておきます。
「日本オリーブ」の敷地は様々な場所が使われており、特撮パートでは古墳の石室のミニチュアという、非常に珍しいものも登場します。
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カウラに追われる吉村隊員 @帰省中に非常呼集 が逃げ込んだ古墳の石室。
カウラは吉村隊員を食おうとして顔を近づけたり石室の周辺をほじくり返したり…。
このミニチュアセットの再現性はなかなかのものですね。


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牛窓町にはいくつかの古墳群があるのですが、このシーンに登場するのは、町の教育委員会が発行している『牛窓町古墳図』から該当しそうなものを探すと、「阿弥陀山46号墳」が該当するようです。

阿弥陀山46号墳


















『牛窓町古墳図』掲載の写真を見ると、石室の入口に木が生えているのが撮影時と異なりますが、石材の組合せなどが映像と一致します。
この古墳は日本オリーブの敷地内にある「オリーブパレス」の近くにあります。

牛窓古墳図





















このような小規模な円墳は6世紀頃(古墳時代後期)に多く築造されたようです。牛窓周辺の古墳群の盟主的地位を占めるのは、4世紀に築造された天神塚古墳(前方後円墳)とされます。

牛窓町





















作中では、「古墳の横穴は地中ですべてつながっている」ということになっていますが、石室は埋葬施設ですから、実際にはそのようなことはありません。
TACは古墳の位置を地形図上に赤い×印でプロットしていますが、言うまでもなく古墳の正確な位置を示しているものではありません

ウルトラマンA 16話1200h02m46s16



















ちなみに、ほぼ同じ範囲の現在の地形図。
牛窓周辺
















カウラが出現したのは牛窓の中心部のようです。
地形図では海沿いのはずですが、ミニチュアセットを見る限り内陸のような印象です。
狭い道路をはさむように商店が密集する、地方の商業地域の雰囲気がよく出ていますね。
左のナイトシーンですが、自動車とガードレールのスケール感はほとんど違和感がありません。
これはポイントが高いところだと思います。
かなりよくできたミニチュアセットでも、ガードレールや道路標識がオーバースケールということも珍しくありません。本作ではどこまで意識されていたかわかりませんが、飾り込みがうまくできているセットはとても魅力的です。


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オリーブ園で暴れ回るカウラがオリーブ保管用のタンクを破壊。
オリーブ油にこれほどの引火性があるのかどうかはわかりませんが…爆破シーンとしては気持ちいいですね。

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うねるとラマンAとカウラの格闘はオリーブ園で展開します。
作業小屋や石垣などの作り込みがなかなかリアルです。
実はウルトラマンAのミニチュアセットの作り込みは手が込んでいたりします。


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画面中央に見える石柱の正体は…。

ウルトラマンA 16話1300h01m40s56



















牛窓オリーブ園の名所の一つ「ローマの丘」。地図によっては「三美神広場」としているものもあります。この石柱、もともとは三井銀行岡山支店(岡山空襲で焼失)のものだったそうです。
この場所に移されたのは1959年頃のようですが、ウルトラマンAのロケの頃より柱が増えているようにも思えます。
こういう場所のミニチュアセットも組むあたり、ロケ先企業とのタイアップ作品らしいところですね。
ほかにも、国民宿舎に作戦室が置かれたり、冒頭の新幹線のシーンで吉村隊員が「ディスカバージャパン」という、当時の国鉄のキャンペーン名を口に出したりと、非常にわかりやすいシーンが続出しました。


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地方ロケつながりということで、後半は『帰ってきたウルトラマン』43話「魔神月に咆える」から。
ストーリーは諏訪湖の御神渡りをモチーフにした展開ですが、ロケ地は山梨県の鳴沢村だったようです。
御神体が巨大化・怪獣化したコダイゴンが集落を焼き払うシーン。
左側はMATの銃撃をうけるコダイゴンですが、手前に灯籠らしきものが見えます。
右は民家に火炎放射を浴びせるところ。

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火炎放射で炎上する民家。
茅葺き・切妻というのはかなり珍しいはず。リアリティ重視ではなさそうです。

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上のシーンの直後に続く火炎放射シーン。
おそらく別の民家を攻撃しているというつもりでカット割りしているのではないかと思われます。
が、家の構造や庭先の柵、さらに炎の燃え広がり方などから、同じミニチュアを別アングルから同時に撮影していたとみられます。

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さらに続けて焼かれる民家は、離れなどをもつ規模のやや大きなもの。
茅葺きですが屋根の構造が不思議。

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先ほどの不思議な屋根の民家を別アングルでとらえたカットと思われます。
これも別の民家が焼かれているように見せているのでしょう。
火炎放射がかなり豪快で、実際に火を使った特撮の迫力が感じられます。
現在は法令が厳格になっているので、こんな撮影はできませんね。

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ウルトラマン登場のシーン。その足元には、茅葺き・切妻の民家が。
グロテス星人がコダイゴンをけしかけるシーンで、星人の足元に広がるのは神社の境内のようです。
わかりにくいのですが、石灯籠らしきものが2基見えます。それ以外はよくわかりません。


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同じ場所に新マンが立っているカットですが、やはり何が置かれているのか確認は難しいようです。
新マンの足元のアップで、屋根のようなものが見えます。もしかすると道祖神のようなものかもしれませんが、やはり判別困難です。

帰ってきたウルトラマン43話A00h02m58s06帰ってきたウルトラマン43話A00h03m17s63










左の画像手前に見える民家は、ウルトラマン登場のシーンで見えたものと同じようです。
右のカットはミニチュアセットとは直接関係ありませんが、コダイゴンの火炎放射が新マンに浴びせられるシーン。
これだけ派手にやられると、菊池さんも恐怖を感じたのではないかと思います。
でも、この迫力は本物の炎だからこそではありますね。

帰ってきたウルトラマン43話00h01m10s86帰ってきたウルトラマン43話00h01m39s13










火炎放射を避けてジャンプしたところに炎が。
焼かれてしまう民家ですが、見たところ茅葺き・寄棟のようで、本作に登場するミニチュアとしては最もリアルな外観なのではないかと思われます。
本作ではミニチュアセットの民家の配置などはあまり考慮されていないようで、リアルな農村風景というよりは雰囲気重視の作りだったと考えられます。

帰ってきたウルトラマン43話00h01m42s60帰ってきたウルトラマン43話00h01m43s13










次の投稿は別の話題にすることを検討していますが、農村ミニチュアセットの観察も続けていく予定です。






























暑さは相変わらずですが、だいぶ日が短くなってきました。
秋の夜長という言葉、最近はあまり使わなくなってきたような気がします。
というわけで、今回はナイトシーンから選んでみました。

大蛍超獣ホタルンガの設定は、
身長 0.8m~72.2m
体重 90g~23000t
巨大化していないときの体重がかなり軽そうなのですが…一桁違うのでは?と考えています。
身長はウルトラマンAと比べるとかなり大きめですが、尾を含んだ数値ですね。
頭部からの溶解ガス噴射(溶解液という説もあります)、尾のハサミや発光で敵を攻撃します。


TAC新兵器のV7ミサイルの輸送を妨害する目的で送り込まれた超獣で、普通のホタルの姿に化けて民子という少女のもとにいます。
民子は夕子ともども尾に閉じ込められてしまいますが、夕子のブローチからガスが発生してホタルンガが怯んだ隙に、二人は脱出します。ここでエース登場。
二人がタッチして閃光に包まれるシーンを、夕子に抱きかかえられた民子がバッチリと目撃しているようです。正体が民子にばれてしまった可能性は大ですね(これは大変だ)。


ウルトラのお約束、人間を手づかみで救出するくだりですが…
民子を地面に下ろした直後、エースの腹をホタルンガが蹴り上げます。
すぐさま脇腹に左のミドルキックを見舞うエース。
バランスを崩してビルに倒れ込むホタルンガ。
ウルトラマンA 17話00h02m49s89ウルトラマンA 17話00h02m52s36









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尾を絞めあげたところで発光攻撃をくらって吹っ飛ぶエース。
後転で体勢を立て直すのですが、構えをとった場所がガソリンスタンドの隣。
そこにホタルンガの溶解ガス攻撃。
ガソリンスタンドを巻き込んでの大爆発を側転でかわす。
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間合いを保つ両者だが、先に詰め寄ったのはホタルンガ。
エースとがっぷり組み合う。
エースがホタルンガの頭頂部にチョップ。もみ合ってからさらに膝蹴り。
ウルトラマンA 17話00h03m13s29ウルトラマンA 17話00h03m14s96









ウルトラマンA 17話00h03m21s26ウルトラマンA 17話00h03m23s56










投げを打とうとするが思うようにいかないエース。
ホタルンガをヘッドロックしながら引き回し、持ち上げられた反動で投げ飛ばす。
今度はホタルンガがエースをショルダースルーから投げ、立て続けに跳ね飛ばす。
ウルトラマンA 17話00h03m32s36ウルトラマンA 17話00h03m34s89









ウルトラマンA 17話00h03m35s50ウルトラマンA 17話00h03m40s69










もう一発跳ね飛ばし、バックで近づいて尻尾のハサミでエースを絞めあげる。
ウルトラマンA 17話00h03m43s86ウルトラマンA 17話00h03m49s16









ウルトラマンA 17話00h03m49s60ウルトラマンA 17話00h03m51s03









ウルトラマンA 17話00h03m51s43ウルトラマンA 17話00h03m53s69










翻弄されるエース。
再び発光攻撃を受けてしまい、身体が硬直したままうつ伏せに倒れる。
ウルトラマンA 17話00h04m02s06ウルトラマンA 17話00h04m10s56










地面に突っ伏したまま指先を痙攣させるエース。
追い打ちをかけようと接近するホタルンガだが…
ここで美川隊員と竜隊長のTACガンによる援護射撃。
ウルトラマンA 17話00h04m12s50ウルトラマンA 17話00h04m27s33









ウルトラマンA 17話00h04m31s73ウルトラマンA 17話00h04m36s13










連続で射撃をうけたホタルンガは怒り狂い、建設中のビルを破壊。
溶解ガスを噴射して再び周囲を火の海に。
変身から2分10秒ほどでカラータイマーが赤にかわったエースはやっと立ちあがる。
ウルトラマンA 17話00h04m49s86ウルトラマンA 17話00h05m00s53









ウルトラマンA 17話00h05m03s06ウルトラマンA 17話00h05m05s56










ジャンプして後方ひねりからの急降下キックが命中するが、転倒せずもちこたえるホタルンガ。
エースは体当たりからの膝蹴り、水平ダブルチョップと連続で打撃技を当てていきます。
ウルトラマンA 17話00h05m15s23ウルトラマンA 17話00h05m16s29









ウルトラマンA 17話00h05m20s59ウルトラマンA 17話00h05m21s76









ウルトラマンA 17話00h05m22s93ウルトラマンA 17話00h05m23s53










下顎からアッパーをくらわせ、体落とし。
ウルトラマンA 17話00h05m26s00ウルトラマンA 17話00h05m28s33










またも尾のハサミで攻撃しようとするホタルンガだが、
エースはその手は食らうまいと距離をキープし続ける。
ウルトラマンA 17話00h05m43s13ウルトラマンA 17話00h05m45s20










ここでTACの新兵器・V7ミサイル発射。
カタパルトは「中丸運送」の偽装トラックに搭載されていますが、直前にミサイル輸送の車列が襲撃されたときにもう1台がホタルンガの溶解ガスで破壊されています。
停車中にもかかわらず、ミニチュアの速度表示灯が全部転倒しているのはご愛嬌。

至近距離から発射されたミサイルはホタルンガの頭部に命中。
ウルトラマンA 17話00h05m47s36ウルトラマンA 17話00h05m48s43











怯んだところにエースがメタリウム光線を発射。
爆砕されるホタルンガ。
ウルトラマンA 17話00h05m48s59ウルトラマンA 17話00h05m57s76









ウルトラマンA 17話00h06m03s63










今では都市近郊でほとんど見かけることのなくなったホタルですが、この時代はまだ「きれいな水のある川べりに行かないと見られない」ような時代ではなかったのですね。
昭和のウルトラ怪獣(超獣も)は、昆虫をモチーフとしたデザインがよく見られます。
それだけ、ファン層の中心だった子供たちにとっては昆虫が身近だったわけで、カナブンやコガネムシを見ただけで小学生が怖がるような時代が来るとは、この当時は誰も想像しなかったでしょう。


久しぶりにウルトラの格闘シーンを細見します。
今回はウルトラマンA第10話・犀超獣ザイゴン戦です。
設定上は、宇宙怪獣とサイの合成でつくられた超獣で、身長70m、体重66000t。
アンチラ星人の手下という位置づけで、角を使った串刺し攻撃と、口から吐く火炎が武器。

アンチラ星人に捕らえられていた坂田次郎少年を助けたAはザイゴンに向かって突進、頭部をかかえて動きを封じようとする。
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頭部をかかえたままチョップ2発、膝蹴り。
さらに馬乗りになろうとするが押し倒されてしまう。
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のしかかってくるザイゴン。
抵抗するA。
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ザイゴンの脚の付け根部分に蹴りを入れてザイゴンをはね飛ばす。
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ここでザイゴンが突然口から蒸気を噴き出す。
この行動は、何か赤いものを見て興奮した証拠。
気付いたAは周囲を見回すと、近くに赤いものが。
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近くのビル(デパートとする説もあり)の屋上に、実に都合良く赤い旗(ここまで見事な赤一色の旗は珍しいはず)を見つけて、旗竿ごと引き抜くA。
闘牛ように旗を見せながら挑発するA。
ザイゴンが突進してくるとかわして再び挑発する。
※スペインの闘牛の牛は、赤いものを見て興奮しているのではなく、布(ムレタ)の動きに反応している、というのは今では有名な話ですね。
旗のサイズはどんどん大きくなり、最後は長辺が20mぐらいに。
※念力でサイズを変えているようなのですが、私はどうしてもマギー審司を思い出してしまいます…。
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最大サイズの旗で2回、ザイゴンを引き付けておいてから前宙でかわす。
急降下で着地したところで押し倒され、地面に押さえつけられる。
もみ合った末に、両足で腹にキックを打ち込んで距離をとるA。
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興奮して蒸気を吐きまくるザイゴン。
フロントキックを浴びせるA。
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ザイゴンが口から火炎を吐いて反撃。側転でかわすA。
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エネルギー光救を放つ。
首に命中、爆発とともにザイゴンの攻撃が止まる。
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とどめのウルトラナイフで首をはねられるザイゴン。
爆発とともに首が飛び、切断面が炎上するという展開。
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ザイゴンが倒れると、消火フォッグで病院の火災を消火する。
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年度替わりを挟んで、かなり長いご無沙汰をしてしまいました。
初代マンAタイプスーツの続編は準備にしばらくお時間をいただくこととして、今回は以前に少し触れたウルトラマンAのミニチュアセットのコマ撮り画像を集めてみました。まだAの特撮シーンをすべて確認しているわけではないので、一部のエピソードではありますが…。
掲載できる枚数の制限もありますので、第1話の中から画像を準備できている分をご紹介していきます。

第1話冒頭でベロクロンの襲撃をうける福山市。
変電所の爆破炎上からいきなり始まるので、この先の特撮シーンがすごいことになるんだろうな…という期待を持たせてくれます。
そして、住宅地を蹂躙するベロクロンをローアングルから捉えたカット。
通常のミニチュアセットだと道路の幅が広くなりすぎる傾向があるのですが、このセットではあまり気になりません。「駐車可」の標識がガードレールの内側にあれば完璧と言ってよいぐらいの出来です。画面中央左側の店は「柳川」とあるので、どぜう(ドジョウ)料理店でしょうか。見たところは鰻屋のようにも感じますが。突き当たりのは丁字路で、カーブミラーの形状も理にかなっていますね。
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破壊される住宅地。
ベロクロンが踏みつぶしているミニチュアは、店舗兼民家のような造りの家屋です。地方都市の比較的新しい民家の雰囲気をよく捉えています。
住宅の炎上シーンもなかなかリアルです。
今ならほとんどをCGで処理するところでしょう。
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炎上する市街地をあおり構図で捉えたカット。家並みの向こうに炎が見えて、迫力を増しています。手前の家屋は屋根のつくりが少々稚拙なのですが、映像で見ているとほとんど気にならないから不思議です。
北斗青年の乗ったフォルクスワーゲン・タイプ2がベロクロンに攻撃されるシーン。
火炎放射で派手に爆発するガソリンスタンドはロケ先の建物がモデルになっており、なかなかモダンなデザインが特徴です(現存せず?)。
北斗青年が、追ってくるベロクロンから逃げるシーンは俯瞰で撮影されています。
車のミニチュアのスケールと比べると道路幅が広すぎるのはもったいないですが、道端の給水塔など、芸の細かいところも見られます。
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福山市立総合病院の破壊シーン。
上層階の壁面が1階部分を押しつぶすように崩落するという、特徴的な壊れ方をしています。実景のロケ地は東京都三鷹市の野村病院(病棟はその後改築されています)だそうです。ちなみに、福山市には「福山市民病院」があり、これが劇中の「福山市立総合病院」に相当することになりそうです。
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ベロクロンを攻撃するも返り討ちに遭ってしまう地球防衛軍の戦闘機の墜落シーン。
これもローアングルから捉えていて、かなりリアルな出来になっています。
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下右の画像は福山市街のシーンではラスト近くに出てくる「聖エリザベスホーム」。
これもロケは都内で行われており、ベロクロンが破壊する教会は目黒区のカトリック碑文谷教会が使われています。
教会のミニチュアも、実物の特徴をかなりよく捉えています。
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この福山市のシーンは、北斗と南の設定が整理しきれないうちに撮影が先行したようです。
ガソリンスタンドの店員という設定だった北斗はセリフからしてパン屋になっていました(近年の劇場版ではパン屋を営んでいますから、もはや公式設定からしてガソリンスタンド店員の件はなかったことになっているということでしょう)し、福山市立総合病院の看護婦として登場したはずの南が、次には何の断りもなく施設職員(看護婦の制服のままですが…)として車いすを押していたりと、混乱したままですが、このあたりがまた昭和の作品らしい、大らかなところなのかもしません。

この第1話は、もともとは広島市が襲撃されることになっていて、原爆ドームの破壊シーンも撮影されていたのがお蔵入りしたという話は比較的よく知られています。
その名残と思われるものがAのミニチュアセットには何度となく出てくるのですが、その話は改めてすることとしましょう。

次回は再び初代マンのスーツの話になるか、今回の続きになるかはわかりませんが、連休中に更新したいものです…。

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