すごく多くを語った、そんな公演でした。


尺こそ短いけれど、演出・役者の疲労度は半端ない。なぜかというと、その短い時間の中でものすごい密度のことを表現しようとしているからかもしれない。それは凡そ、僕の頭の中にしかないことで、それがすべてお客様に届くことはあるのだろうか。

本だけでなくて、役者にも、スタッフにも、いろんなことを要求しました。ギギギギと動け、キャラクターを瞬時に変えろ、間(ま)の演技をしろ、かわいくなるな…。ときに矛盾するような、わけわかんないことを山のように言われて、役者陣・スタッフ陣はさぞかしてんてこ舞いだったかもしれない。そう、僕もてんてこ舞いでした。

今の僕に語り得ることはほとんど語ったのに、何もかもが足りなかった、そんな演出について来てくれて、本当にありがとう。


◻︎


今公演のちょっとした後悔。

・公演メンバーインタビューがどらちゃんしかやってない。いや本当、どんどん余裕がなくなってったんだって。許してよ。

・ここ最近の公演で僕が書いていた『私的公演メモ』の今公演ver.が完成しなかったこと。小屋入り中の記憶がほぼ演出のことで、記事としてちょっと面白くならなかった…。書きかけはあるので、見たい人には見せます。

・打ち上げの二次会、ほとんど寝てた…。醍醐味が。ただ、寝ててよかった説もある。



ここに書ける後悔も、書けない後悔も、これからの原動力。


◻︎


僕は、自分で言うのもなんですが、闘争心の強い人間だと思います。だから、何を言われようと、信じていることはやるし、逆に、ごもっともと納得すれば、素直に受け入れます。その準備が、僕にはあります。あると言い聞かせています。


「あまり口出ししないように」とか「老害にならないように」とか言って、見守ることに徹していただいているのはとてもありがたいことです。でも、思ったことは言ってほしい。気になることは指摘してほしい。


僕は、闘争心の強い人間だと思います。納得できなければ、言い返すし、ムッとします。おそらく、戦いになるでしょう。ただ、そんなことでその人自体を嫌悪したり、否定したりなんかしません。老害だなんて、思いません。


こんな一人で調子に乗ってるやつは、叩き潰してやってください。準備はできています。



我慢している人見ることが、一番悲しかったです。


◻︎


もともと「作家」という登場人物はいませんでした。

受付嬢たちがワチャワチャやるだけだったんです。そしたらどんどん意味がわかんなくなってきて、もう全然書けない!無理!となりました。どうすればいいんだよーもうー、って。

少し冷静になって、今の自分がスッと書けることはなんだろうと整理しました。そして『「もう全然書けない!無理!」となってる人』なら書けることに気づく。

こうしてストーリーテラーの役割も担う作家なんてやつが登場して、しかもそれを実際の作演が演じるというなんともメタな状況になりました。

彼はもっと掘り下げられたなぁ…。成熟させれば、もっと第四の壁を溶かすようなことができたのかもしれない。

アンケートでは、そんなメタを感じてくれた人も少なからずいて、脚本家・演出家冥利につきるなと。


ご来場、誠にありがとうございました。