2010年01月19日

【真相レポート】河野博晶、横浜豊行被告ら「草月グループ」摘発、ユニオンHD事件に潜む「もう一つの重大疑惑」(1)

578「大物仕手筋」、「増資マフィア」などと呼ばれてきた人物たちの逮捕が東西で相次いでいる。

東京地検特捜部は、旧グッドウィルグループの企業買収に絡む巨額脱税事件で、投資会社「コリンシアンパートナーズ」の中村秀夫(=現在、韓国で身柄拘束中)と鬼頭和孝の元代表を、そして警視庁組対4課は、特別背任事件で「東理ホールディングス」の福村康広前会長をそれぞれ逮捕する、といった具合だ。前者は「東邦グローバルアソシエイツ」(旧千年の杜)、「トランスデジタル」、後者は「エス・サイエンス」(旧志村化工)、「ゼクー」など、新興市場を中心とする仕手銘柄で不透明な増資を繰り返してきた。

この東でおきた2つの事件は、かねてより一部マスコミでその疑惑が報じられており、予想の範囲を超えるものではなかった。想定外だったのは、西の「ユニオンホールディングス(HD)」をめぐる事件である。

大阪府警捜査2課は09年11月4日、ユニオンHDの横浜豊行前社長ら仕手グループを相場操縦の疑いで逮捕。これを皮切りに12月2日には、「ワシントングループ」の河野博晶・社主にまで通帳詐欺容疑で手を広げたのだからまさに驚きというほかない。河野社主は、最近亡くなった山口組直参組長との交流も取り沙汰され、新興市場に巣食う「増資マフィア」の資金筋として知られる大物。本誌が数年前にインタビューした際には、「1日で20億のキャッシュを用意できる」と、南野建設(現A.Cホールディングス)のうず高く積まれた株券の束を見せながら豪語していたものだ。

その後も大阪府警捜査2課はまったく手を緩める気配がなく、12月5日には、横浜前社長らを架空増資の疑いで再逮捕。すでに今回の事件で逮捕者は10人を超えた。
「ここ3、4年で、大阪は経済事件の摘発に相当自信を深めています。とくに、大物仕手筋・西田晴夫の逮捕やICF(現オーベン)事件などをきっかけに、当局の情報収集力も格段に上がった。大阪は証券取引等監視委員会との連携もうまく取れている。ユニオンHDでは、大阪地検もフル動員体制で、多くの検事が事件に投入。年明け以降の展開にも目が離せません」(在阪の大手社会部記者)

ところで、今回逮捕された横浜前社長と河野社主は共に、05年に急死した故高橋治則氏と非常に親しい関係にあった。その高橋氏が、東京・赤坂にある「草月会館」を根城にしていたことなどから、仕手の世界では彼らを「草月グループ」と呼ぶ。ある有力仕手筋は次のように解説する。
「バブル期にEIEグループを率い、環太平洋リゾート王の異名をとった高橋も、旧2信組(乱脈融資)事件で一気に凋落した。当時、河野も一緒に逮捕されている。しかし、その後、高橋側が旧長銀との損害賠償訴訟で勝訴。これをきっかけに高橋は資金面でも復活し、もともとは東証2部の倉庫会社だったジェイ・ブリッジを、企業再生絡みの投資会社に変貌させた。このジェイ・ブリッジを中核に第2のEIEグループを夢見た高橋は、次々と企業買収に乗り出す。そうした中で、高橋に気に入られた横浜は、ユニオンHDとオメガプロジェクト・ホールディングスをまかされるのです。そして高橋急死後、横浜はこの2社をがっちりと握り、独立していく。ピンキリの草月グループの中で、横浜はこうして有力者にのし上がっていったわけです」

これまでのところユニオンHD事件は、横浜前社長らの2つの容疑で構成されている。07年4月に横浜前社長が仕手グループと組んで仕掛けた「相場操縦」と、08年2月の「架空増資」である。しかし本誌が取材を進めていった結果、横浜前社長にはもう一つの重大な疑惑があることが分った。それは時期的に言うと、両容疑のほぼ中間点にあたる07年10月前後のことだった。(以下、次号に続く)



tokyo_outlaws at 11:32│Comments(0)TrackBack(0)

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