この世に家がある限り

30数年余に渡って家を買う、借りる、貸す、建てるなど幅広く不動産情報に関わってきたひろぽんこと中川寛子が住まい、街や地盤、暮らしのあれこれについて語ります。

2011年05月

清澄白河、歴史とタワーが併存する多層な街

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清澄白河、歴史とタワーが併存する多層な街
昨日アップしたオールアバウトの街記事です。
少し前の取材だったので、
ちょっと空気の感じが違いますね。

ところで、清澄白河では一番面白かったのが
商店街内にある呉服屋さん、田巻屋さんでした。
店頭からして、人目を惹く、
強力なパワーを放っているのですが、
店内はそれ以上。
畳敷きの、腰かけて番頭さんとやりとりできるような場所やら、
個室になっていただろうなという場所やら、
複雑(!)にいくつかのコーナーに分かれているのですが、
現時点ではかつての様子が見えにくいほど
いささかごたごたな感じになっていて、
う~ん、これは間取り図を描きたいぞ!という感じ。
ただ、正確に描くためには
かなりのモノをどける必要があるな……。

浸水しそうな土地の見分け方

大雨が降ると思い出すのが、
知り合い宅の大浸水状態。
そこのウチは都内から
都下K市に建売住宅を買って引っ越した。
そこは武蔵野台地に属する高台とそれを刻む谷、
それよりはちょっと低いけれど、
高台の立川段丘でできていて、
一部、川に沿った谷底にだけ低湿な低地が発達している。
つまり、市内で浸水しそうな場所は、
それほど多くない。ごく一部だ。

が、たまたまそこを買っちゃう人もいるわけで、
車で彼女宅への角を曲がった時、
私はすごく嫌な予感がした。
その道はまっすぐ下り、
下りきった右手に彼女の家があり、
隣にも同じくらいの新しさのもう1軒があった。
家の前の駐車場に車を入れて坂を見上げると、
雨は空からだけでなく、
坂を下り、激しい流れになって注ぎ込んできている。
ずぶ濡れになりながら転がり込んだ彼女の家は
なんとも湿っぽい。
聞くと、キッチンで雨漏り。
大変ねえ、買った早々にと言いながら、
彼女の家を借りて撮影をしたのだが、
帰る頃には玄関の高さ近くまでが水浸し状態。
その後、夜には三和土まで水が押し寄せたという。
当然、それからしばらくの間は
補修だの、責任はないだの、
いろんなやりとりが分譲会社との間であったそうで、
たまに事情を聴くだけでも大変そうだった。

しかし、お気の毒と思う反面、
元水田だった、
どこから見ても低地は買っちゃいかんよとも思った。
その土地が過去は周囲に聞けば分かったはずだし、
何より、どう見ても低いんである。
そりゃ、水は貯まるでしょう。

ただ、場所によっては元水田、低湿地だったことが
分からなくなっているケースもある。
特に首都圏では
土地の上にいろんなモノが建ってしまっていて、
高低が分かりにくいし、
建物があると、その下の地盤がまだ変動しているとも思いにくい。
上がこんなにできあがっているんだから、
その下だって丈夫だろう、そう思っちゃうのだ。

そんな時にひとつ、面白い参考資料がある。
独立行政法人農業環境技術研究所が作った
歴史的農業環境閲覧システムという地図である。
これは明治初期から中期にかけて
関東地方を対象に作成された「迅速測図」の上に
現在の道路、河川、土地利用図などをオーバーレイした地図。
オリジナル地図の地名が今と異なり、
書き方も左右逆、縦横が入り混じるなどなど、
慣れないと読みにくい部分もあるけれど、
都市化されていない時代の地図なので、
等高線は分かりやすく、土地利用もシンプル。
低い土地を知るためには
水田、芦、萱などという単語を探していけば良いと思う。
昔だと、地元の米屋、酒屋など
古くから営業していそうな店を探して
土地の歴史を聞くという手段があったけれど、
今はそれも難しいことがある。
残念ながら、この地図、首都圏全域をフォローしているわけではないが、
もし、この地図に探している土地の地図があったら、
ラッキーである。

土と緑と

soramame

そら豆と聞くと備前と条件反射してしまう。
若く、柔らかい緑と土の色の取り合わせが好きで、
毎回、必ずこの器に盛る。
石岡から送られてきたそら豆はお羽黒がまだ黒くない、
小さな粒も多く、食べてしまうのがもったいないほど。
でも、もちろん、ぱくぱく食べる。
残ったら、皮を剥いて、クリームチーズと一緒に
オープンな卵焼きにする予定。
いや、海老と卵で一緒に炒めてもいいかな。
2人だと食べる量が少ないので、
ほぼ毎回、何かにリメイクすることになるのだが、
それもまた、楽しみ。
1粒で2度おいしい、である。




7000万円、いかぁ~すか?

雨の中、駅前に不動産会社さんの男女が営業に立っていた。
胸に物件概要が書かれた看板をぶら下げ、
往来する人に声をかける。
大変だなあ、ご苦労様とは思うけれど、
7000万円もの品を「いかぁ~すか?」と言われても、
ナスや鰯じゃあるまいし、
「おひとつ、頂こうかしら?」はあり得ない。
もちろん、風格ある店舗があれば良いかと言われれば、
その分の費用がかさむことにもなり、
微妙ではあるものの、
にしても、価格を考えると不動産の売り方って
軽すぎない?

本が出ました

naname

アマゾンでは少し前から掲出されていましたが、
奥付でいえば本日、
買えるようになるという意味では明日以降になりますが、
本が出ました。
本当はもう少し前から用意して、
皆様にご連絡したかったのですが、
バタバタ続きで、告知が遅くなりました。
個人的にお付き合いのある皆様には
メールその他で通知させていただくつもりをしておりますので、
皆様、届いてもゴミ箱には捨てずにご覧くださいませ。

ところで、この本の章立ては4W1Hになっており、
3章目はWHERE、どこに買うかがテーマです。
この部分を書き終わった後で震災が起きたのですが、
率直なところ、ぞっとしました。
地盤について知るための項で
例として挙げた街が大きな被害を受けていたのです。
さすがにそのままで本にしてしまうことはまずいだろうと、
実際の書籍では他の場所に差し替えましたが、
今の時代、危険は調べればかなりの部分が分かるようになっています。
ただ、公はどんな情報があるかを積極的にPRしていませんし、
私企業であれば、都合の悪い情報は知っていても教えてくれないこともあるでしょう。
先祖伝来住んでいて、
危険があってもそこに住み続けたいというのなら別ですが、
新しく、どこかに家を求めるというのであれば、
危険は知っておくべきだろうと思います。
そのため、この本では災害以外でも知っておきたい関連情報については
URLその他を掲出、自分で調べる、もっと知るためのポータルとして
役立つように心がけました。
あれこれ盛り込みたくても、スペースには限りがありますから、
必要なところはネットで見てくださいと書けちゃうのは、
なんと便利な時代か!です。
このURL一覧はいずれ翔泳社ホームページ内でも見られるようになる予定です。

しかし、何度冠されても居心地が悪くなってしまうのは、
住まいのプロという単語です。
住宅には建築、法律、地盤その他、いろいろな分野が絡まりますし、
一般の人に比べれば、はるかに詳しいという自負はあるものの、
まだまだ勉強すべきことは多い。
余分な謙遜は本を売るには邪魔なんだろうと思いますが、
自分自身としては子どもの頃以来の熱烈な住宅好きが
延々住宅に関わってきた結果という気持ちも。
この本も書き上げた当初も良し!と思ったものですが、
できあがってくると、アレをこうすれば良かった!と言う反省点ばかり。
ついでに、開いた途端にミスを発見し、
いささか、落ち込んだりも。
芸術作品じゃないのにね~、ですわ。











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