弁護士の今泉義竜です。

12月5日に開催された労働政策審議会労働政策基本部会第3回会合についての以下の記事を読みました。

日本型長期雇用の抜本改革を                      
労政審基本部会の発言/現行労働法が技術革新を邪魔?



記事によれば、特定の委員から「現行労働法制が技術革新の邪魔をしているのではないか」「日本的雇用慣行の抜本的な見直しが必要」などの発言が飛び出した、とのこと。

また、山川亜希子委員(弁護士、フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所)は「日本的雇用慣行を抜本的に変えていく(ことの)是非を問いたい」と強調、「今の労働法制は長期雇用を支持するような内容であり、細かい条文ごとでなく労働法制自体を抜本的に変えていく議論をすべき」と持論を述べた、とのこと。

しかし、労働法制が技術革新の邪魔をするなどという理屈がよくわかりません。

むしろ、神戸製鋼所、日産、スバルなど、大企業で相次ぐ不正行為の発覚には、
製造現場ですすめられる人減らし、合理化、熟練労働者の減少の一方で非正規労働者の急増など、
労働者を大切にしない人事施策が背景にあることが指摘されています。
労働法制を破壊し労働者をさらに不安定な状態におけば、
ますます日本のモノづくりは崩壊の一途をたどってしまうのではないでしょうか?

労働者をきちんと保護するルールの整備と安定した雇用、非正規労働者の待遇改善こそ、
技術革新に必要な知見の蓄積と創造力の発揮を可能にすると思います。

なお、山川亜希子弁護士は、私が担当したブルームバーグPIP解雇事件の会社側代理人を務めていました。
地裁、高裁で労働者が勝訴したにもかかわらず、復職させずに二度目の解雇を強行するという、無法に無法が重ねられた事件でした。当然、このような無法を司法は許しませんでした。
今泉義竜弁護士・小木和男弁護士・菅俊治弁護士が担当するブルームバーグPIP解雇事件、勝利的和解により解決

結局、私が言いたいのは、
憲法を守らない人に憲法改正を語る資格がないのと同様、
労働法を守らない人に労働法改正を語る資格はない、ということです。