弁護士の中川勝之です。

 

 日本大学経済学部において、就業規則の制定に際して必要な過半数代表者の意見聴取のため、過半数代表者が不信任投票により選出されたとしていましたが、その選出のやり直しが判明しました。

 

 この問題で記事も出ています。

・日大を刑事告発 非常勤講師組合 労働者代表選出違法(2018年2月15日しんぶん赤旗)

日大の「雇い止め」 労基法違反で申告 労組が会見 非常勤講師組合の2人(2018年2月27日しんぶん赤旗)

・労働者代表選を修正 日大、労基署への告発受け(2018年3月1日しんぶん赤旗)

 

 経過としては、2018年2月14日、首都圏大学非常勤講師組合の松村比奈子委員長ら3名が、日本大学経済学部において、就業規則の制定に際して必要な過半数代表者の意見聴取がなく、同年4月1日施行の「日本大学非常勤講師規程」及び「日本大学非常勤講師就業規則」が制定されたとして、学校法人日本大学並びにその理事長及び学長を刑事告発したものです(労基法120条1号、90条1項、121条1項)。

 日本大学経済学部においては、不信任投票により過半数代表者が選出されたとしていました。信任しない票は0票でした。

 

過半数代表者候補者不信任投票結果について

 

わざわざ庶務課に不信任の投票をするために出向いた労働者はいなかったということです。しかし、不信任投票は、「投票」ないし「労働者の過半数が当該者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続」に該当しないと考えられます(労基法90条1項、同法施行規則6条の2第2号、平成11年3月31日基発169号)。

 日本大学経済学部がやり直しの労働者代表選出主要日程等を周知し始めたのは2018年2月22日ころからですが、前記告発及び報道が契機と考えられます。

 

 なお、日本大学三軒茶屋キャンパス(危機管理学部・スポーツ科学部)においても、同様の労働者代表選出がなされており、2018年2月26日、同キャンパスの非常勤講師で首都圏大学非常勤講師組合の組合員である井上悦男氏及び眞砂久晃氏が、労基法違反について申告しました。また、日本大学法学部でも同様の労働者代表選出がなされており、全学的に同様の手続がなされていると考えられますが、今後の対応は必ずしも明らかになっていません。

 

 日本大学では、三軒茶屋キャンパスの危機管理学部・スポーツ科学部(2017年12月18日のブログ「日本大学スポーツ科学部・危機管理学部で雇い止めの危機?」参照)のほか、他学部においても雇い止めの問題が発生しており、首都圏大学非常勤講師組合が団体交渉を行って撤回を求めています。

 

日本大学も他大学を見習って、非正規労働者の雇用の安定を図る措置を進めるべきです(告発人ら・申告者ら代理人は私と今泉義竜弁護士)。