弁護士の今泉義竜です。

江夏弁護士と取り組んでいる、「三菱UFJモルガン証券・パタハラ事件」で

会社が解雇予告を強行してきました。
ブルームバーグが配信しています。
“三菱モルガン、ハラスメントを訴えていた幹部に解雇予告通知”
以下、状況をご報告します。 

1 解雇予告
2018年3月9日、パタニティ・ハラスメントを受けたとして会社を相手に損害賠償等を請求する訴訟を遂行しているグレン・ウッド氏に対し、会社は2018年4月8日付で解雇する旨予告しました。解雇理由は概ね以下の4点です。


⑴メディアに対し、会社がハラスメントを行ったかのような事実に反する発言を繰り返した。
⑵上記⑴により上司の人格を傷つけ、職場秩序を損なった。
⑶機密情報である海外顧客収益一覧表を裁判所に提出した。
⑷育休復帰後上司らとコミュニケーション不全に陥った。

2 解雇予告に至るまでの経過について
会社はグレン・ウッド氏に対し、病気が治っていないことを理由に2017年10月18日付でグレン・ウッド氏に休職命令を発しており、この休職命令自体の違法性が現在進行中のパタハラ裁判の大きな争点の一つとなっています。
一方、訴訟外で、グレン・ウッド氏は昨年12月に改めて復職を要求しました。
これに対し、会社はグレン・ウッド氏に改めて産業医面談を受けるよう指示しました。
グレン・ウッド氏は12月27日に産業医面談を受け、さらに会社の指示で本年2月2日に人事面談を受けました。
結果、会社は2月9日付で「うつ病の症状が寛解していることを疑わせる事情が認められなかったことから、貴殿において休職事由は消滅していると認めますので、本日付で本件休職命令を解除します」と回答しました。

本来であれば、休職命令が解除されれば原職に復帰させるべきであるところ、会社は有給の休暇を命じた上で退職勧奨をし、グレン・ウッド氏が退職を拒否すると復職を一切させないまま上記の解雇予告を発しました。

3 不当な解雇理由
グレン・ウッド氏は、自ら経験した事実を記憶に基づいてメディアに述べており、それを事実に反すると決めつけた解雇理由に合理性はありません。ハラスメントを訴えた労働者に対し、事実が確認できないから解雇するなどということはおよそ許されません。そのようなことが許されるのであれば、労働者はハラスメントを訴えることはおよそできなくなります。
また、会社が機密資料と呼ぶものについては、グレン・ウッド氏がかかわった案件の売上実績に関するものであり、自らの会社への貢献を立証するために裁判資料として提出したものであって、自己の権利救済のために必要な行為です。
育休復帰後のコミュニケーション不全については、グレン・ウッド氏が育休復帰後にコミュニケーション能力が低下したなどという事実は一切ありません。

弁護団としては、本件解雇には何ら正当性がないと考えています。
引き続き、訴訟において事実を明らかにしていきたいと思います。ご支援よろしくお願いします。

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