弁護士の中川勝之です。

 

 憲法の条文を見ると、27条1項が勤労の権利・義務、同条2項が勤労条件(労働条件)の基準の法定をそれぞれ定め、次の28条が勤労者(労働者)の団結権、団体交渉権及び団体行動権のいわゆる労働三権を定めています。すると、労働条件の最低基準として労働基準法があり、二次的に労働条件の改善向上のために労働組合の活動・運動が期待されていることになりそうです。

 しかし、歴史的には労働者・労働組合の活動・運動が先にあり、それが厳しい規制・抑圧の対象とされつつも、工場法といった一定の労働者保護立法がなされ、敗戦を経て、1945年12月22日に労働組合法が公布されました。その後、憲法が1946年11月3日に、労働基準法が1947年4月7日にそれぞれ公布されたことからすれば、労働組合による活動・運動こそがまず重要ということではないでしょうか。まだ実現されていませんが、最近の各政党の最低賃金大幅アップの政策も、労働組合による地道な活動・運動によって浸透していったように思えます。

 他方で、近年のブラック企業においては、労働基準法すら遵守されていない実態もあり、その労働者からの相談を多く受け入れる一般・合同労組(ユニオン)が広がってきています。


 今では労働条件の最低基準を遵守させることから改善向上に至らせることまで、労働組合の役割は大きくなってきていると言えるでしょう。労働者一人では使用者とたたかえないという実態が依然として存在するわけです。

 そうすると、労働者が労働組合に加入してたたかう意義は従前と変わらず、それだけに労働組合を嫌悪する不当労働行為は絶対許されないと私は思っています。義務的団交事項ではないと主張して延々と団交拒否を続ける、業績評価と称して組合員の賃金・昇格・雇用延長について差別する、組合員の職種ないし職場を変更する等の事件を私は受任してきましたが(ブログ参照)、やはり労働組合自身による活動・運動で不当労働行為のない職場を作らなければ解決とならないことも実感しています。最後は労使の力関係が事を決するのであり、これまた地道な活動・運動によるほかありません。

 労働組合の活動・運動が憲法28条によって保障されて現在の労働条件があるが、これとてたたかわなければ維持されないと言えるのではないでしょうか。私も微力ながら、今後も労働組合の活動・運動に寄与していきます。

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(六法から憲法28条を読む中川勝之弁護士)