弁護士の中川勝之です。

 2019年8月1日、東京高等裁判所第14民事部に係属中の京王新労雇用延長差別事件が結審となり、同年10月24日に判決となりました。
 控訴人は、京王電鉄株式会社にバス運転士として職種を限定して採用・雇用され、30年前後にわたってバス運転士として働いてきた京王新労組合員3名です。控訴人らは、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年法)のもとで定年後もバス運転士として雇用継続することを求めたにもかかわらず、1か月10万円にも満たない賃金で清掃業務に従事させる「再雇用社員」以外に雇用継続しない旨通告を受け、清掃業務を余儀なくされています。京王新労組合員以外のバス運転士で希望者は全員、バス運転業務を継続しており、差別にほかなりません。控訴人らは、本事件において、バス運転業務に従事する「継匠社員」(けいしょうしゃいん)としての地位確認、差額賃金支払及び損害賠償を求めています。

 2018年9月20日、東京地方裁判所民事第19部(春名茂裁判長裁判官、西村康一郎裁判官及び関泰士裁判官)が原告ら3名の全ての請求を却下・棄却する判決を下したため、控訴してたたかってきました。

 雇用延長差別の本質は、京王新労及びその組合員に対する不当労働行為です。

 本年5月22日付けの中労委命令は、2013年6月4日付けの都労委命令に引き続き、任用社員制度に係る会社の対応について労働組合法7条1号(不利益取扱い)・3号(支配介入)の不当労働行為であることを認めています。

 高裁判決においては、
「許されるなら中央線の線路に突き落としてください。」
との記載からも明らかな不当労働行為に関して正しく判断される必要があります。

 また、継続雇用における業務について、地裁判決のようにバス運転士が大幅賃下げを伴う清掃業務に従事させられても許容されるとすれば、高年法の趣旨に反していると言わざるを得ません。京王新労は、
「これでは労働者は生きていけない冷酷無比!春名茂判決」これでは労働者は生きていけない冷酷無比!春名茂判決

「春名茂裁判官よ!あなたも裁判所の掃除をしてから判決を!」
「裁判官に裁判所の清掃業務だけを提示すればいいの?」
春名茂裁判官よ!あなたも裁判所の掃除をしてから判決を!

等とチラシに記載して批判していますが、この点についても正しく判断される必要があります。

 さらに、そもそも控訴人らは全員京王電鉄に雇用され定年まで同社の社員でしたが、「定年後の継続雇用関係の得喪」、すなわち、定年後の雇用がどのような扱いになるのかについて規則がなかったという事態を高裁に至って会社が自白することになりました。この点についても正しく判断される必要があります。

 提起予定の中労委命令の取消しを求める行政訴訟とともに、引き続き京王新労雇用延長差別事件のご支援、ご協力、宜しくお願い申し上げます。