東京法律事務所blog

2016年09月

菅の写真
弁護士の菅俊治です。

ロシア国営放送から過労死問題について取材を受けました。

日本の長時間労働、過労死(karoshi=death from overwork)は、すでに国際的な常識ですが、

2014年に過労死防止対策推進法ができたことで、日本の長時間労働に対する国際的な関心が再び高まっています。

記者のセルゲイさんから逆取材したところでは、
「日本ほどではないが、ロシアでも長時間労働の問題はある。日本の対策について、ロシアでも学びたい」
とのことでした。

安倍内閣が昨年国会に上程した労働基準法改正法案は、
過労死・過労自殺のリスクのもっとも高い労働者層の長時間労働を助長するものです。
私は「矛盾した法政策である」と批判をしました。
秋の臨時国会で可決成立をめざすのではないかとも言われておりますが、国際的にも批判を広げていきたいと思います。

(弁護士 菅俊治) 
https://www.tokyolaw.gr.jp/lawyer/suga_s.html  

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 8月22日の記事で、職員2名に対する解雇・雇い止め事件の東京地裁勝訴判決について書きましたが、これに続いて8月30日には、東京都労働委員会が、法人に対して職員の雇用問題に関する団交要求を拒否したことは不当労働行為にあたるとして団交に応じるよう命令を発しました。

2014年9月に全労連・全国一般東京地本に加盟する一般合同労働組合の分会が立ち上がると、これを嫌忌した法人が組合攻撃を始め、同年11月にはB副分会長の更新契約取消を通知しました。これに対し、組合が団交を申し入れたところ、法人側はBには代理人がいるからそちらと交渉するといって団交を拒みました。また、同年12月にはC分会長に対し法人が契約期間途中での解雇を通知したことから、2015年1月に組合が団交を申し入れたところ、法人は業務多忙を理由に団交を拒否し、B副分会長の件については「デッドロック」と称して、これまた団交を拒否しました。この時点で法人からB副分会長の契約更新の取消や、C分会長の解雇の理由について詳細な説明はなされておらず、それでいながら2名の復職は考えていないと最初から拒否する構えを見せていたことから、同月に不当労働行為救済申し立てに至ったものです。

法人側は、団交はしていると主張し、申立後の団交の中で2名の解雇・契約取消の理由について組合の質問に事実上答えることをしていたことをもって救済の利益はないと主張していました。しかし、命令は、法人が説明を尽くし、事実認識の隔たりを埋める努力をしないで、交渉が尽くされていない状況であるにもかかわらず、デッドロックなどと言って事実認識の隔たりを理由に団交を拒否したもので正当な理由のない団交拒否にあたり、救済の利益も失われていないとしました。


 命令の前後で法人は代理人が替わり、この命令を受け入れてポストノーティスを組合に対して実施しました。これを機に、誠実な労使交渉がもたれ、他の案件も含めて解決に向かうことを期待しています。


(平井哲史) 

小部弁護士、中川弁護士、青龍が担当した江戸川動物園の不当配転事件は、昨年、裁判と労働委員会で勝利し、当事者2名はもとの職場に戻りました。

ところが、江戸川動物園の飼育職員のほとんどは5年間の期間の定めのある契約職員です。
雇止めの不安なく、安定して動物園で働きたい!正規の職員になりたい!というのが飼育職員みんなの要求です。

労働契約法18条は、「同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約…の契約期間を通算した期間…が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。」と定めています。

そこで、東京公務公共一般労働組合・江戸川動物園分会では、有期の契約職員で希望する者については全員を無期雇用とするよう要求し続けてきました。
本年8月31日、使用者であるえどがわ環境財団が「一般契約職員は法令に則り、該当職員の希望に応じて無期雇用に転換していく」と回答しました。

飼育職員の多くは、2015年度に期間5年の有期契約を更新しており、法施行日から5年経過後の2018年4月の時点ではまだ契約期間は満了しておらず、5年を超えて雇用されます。
なので、よほどのことがない限り、労働契約法18条により無期転換されることになります。

昨年、東京法律事務所60周年記念の連続セミナーで、江戸川動物園事件を題材に、寸劇を披露しました(写真は上演した舞台上を撮影したもの)。
有期職員の主人公の最後のセリフ、「勇気をもって、無期になります!」が、いよいよ現実になりそうです。
引き続き、正規職員化や賃上げなどを勝ち取るために、弁護士も支えていきます。

(青龍美和子)
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