東京法律事務所blog

2016年10月

菅 右手を挙げる

先日、お伝えした【国際自動車(雇止め)事件・勝訴決定!】http://blog.livedoor.jp/tokyolaw/archives/1060064546.html

に引き続き、解雇・雇止めをされた他の従業員が提訴した第2陣仮処分事件についても、
平成28年10月7日、東京地裁民事11部(知野明裁判官)は、勝利決定を出しました。
(代理人は、東京法律事務所の小部正治・菅俊治・江夏大樹、江東総合法律事務所の蒲田哲二・中村優介)。

この事件は、会社に対して未払賃金請求訴訟を起こした組合員のうち、定年後の組合員を対象に、バッタバッタと雇止めにしたという、ひどい事件です。
私たちは、この事件の終局的解決を図るため、平成28年10月7日、本裁判を提起し、「裁判したら解雇」事件と題して記者会見を開き、NHK首都圏newsをはじめ、各新聞に報道をしていただけました。
平成28年10月7日に、記者会見と第2陣の勝利決定が重なったことにより、私たちは、前途洋々、本裁判へと進み、勝利を勝ち取ります。

(文責:弁護士 江夏大樹)


  小林です。9日に戻りました。まだ時差ボケと足の痛みが残っています。足の痛みは、ミラノ、フィレンツェ、ローマの石畳の道をのべ30キロ以上、40キロメートル近くも歩いたせいです。

  詳細は別途、報告しますが、イタリアの中道左派とされるレンツィ政権が2014-2015年に制定したジョブズ・アクト法は、とてもひどいもので、到底、我が国には参考になりませんし、すべきものではありません。これが結論です。

 イタリアでは、これまで無効となった解雇のうち、70パーセントが原職復帰していた法制でしたが、ジョブズ・アクト法により、無効であった解雇の相当部分について、労働者の意思にかかわりなく、裁判所が原職復帰ではなく、金銭解決を命ずることができることになっているからです。しかも、金銭解決の水準がとても低い。15人を超える企業の場合には、機械的に勤続年数1年ごとに2カ月分相当額、4カ月〜24ケ月分の範囲内で裁判所が決定できることとなっています。15人以下の企業の場合には、その半分の水準の手当(2カ月〜12ケ月、勤続年数1年について1カ月分)の支給でよいことになっています。イタリアでは中小零細企業が多く、15人以下の企業数が全企業のうち98パーセントを占めているとされているので、事態はより深刻です。
  本法の結果、解雇が容易になったというのが、経営団体を含め、共通の認識です。

  その他、同法の結果、上記の水準での解決を前提とした和解、仲裁制度の導入による裁判前の低水準での和解が容易になったこと、また労働協約の規制を受けないで、使用者が労働者に対して職務の変更を命ずることができるなど、ジョブ型雇用とは真反対の事態も可能になるなど、これまでのヨーロッパ型の労働関係を破壊しかねない内容となっています。

   我が国では、これまでのイタリアに比べて、はるかに解雇は容易であり、解雇予告手当さえ払えば解雇しうると考えている使用者が多数いること、大半の労働者が、それに異議を唱えられない状態にある現状を考えると、同国の法制は我が国には到底妥当しないし、妥当させることはできないといっていいでしょう。(小林譲二)

当事務所の9条の会で不定期に開催しているシネマカフェ。
第2回の10月1日は、ドキュメンタリー『映像’15なぜペンをとるのか~沖縄の新聞記者たち』(2015年9月27日放送MBS)をスクリーン上映しました。

IMAG0723


琉球新報の政治部若手記者とそれを指揮する部長の1か月を追ったドキュメント。
20~30代の若い記者が、現場で特ダネをつかみ、鋭い視点を持つ部長の指示で記事を仕上げていく様は、
それ自体がとてもスリリングでドラマチックなものでした。

そして何より、沖縄の新聞記者がどんな思いで日々取材し記事を書いているのかが分かり、その熱い思いに強く感銘を受けました。

「偏向しているといわれるが、日々現場で起きていることを伝えているだけ。沖縄に本当に平和が訪れれば、偏向といわれなくなるのかな。」
「絶対的な権力と圧倒的に弱い立場に置かれた人々。その力の不均衡な中で、公平ということなら弱い立場に立つのが新聞の役割」
「沖縄の新聞記者は、先輩から取材を学ぶんじゃない。沖縄戦で苦労した人たちから取材を学ぶ」

筋が一本とおった新聞記者の発言に、報道人としてのあるべき姿を見ました。

多くの方に見てもらいたいドキュメンタリーです。
ウェブ上の動画検索で見ることができますので、ぜひ一度ご覧ください。

シネマカフェの後半は、青龍弁護士による、高江現地報告。
地元の反対を無視してヘリパッド建設が強行されている高江の現地を先日訪問した
青龍弁護士から、高江でおきている問題の解説と、本土から派遣された機動隊員が抗議する人たちを暴力的に排除する現場の様子についての報告がありました。
青龍弁護士に同行していた城北法律事務所の舩尾弁護士(確か元柔道家)も、「法的根拠を示せ」と抗議しても
何の回答もされないまま、座っていた椅子を引っこ抜かれ、強制的に排除されたとのこと。

IMAG0728


戦前、米軍を沖縄に上陸させる作戦で「捨て石」にされた沖縄は、
今でも国家権力の都合によって「捨て石」とされているように見えます。
沖縄県民に対する許しがたい差別、暴力が横行するこの国のあり方を変えない限り、
本当の平和はないと痛感します。

(今泉)


↑このページのトップヘ