東京法律事務所blog

2017年04月

弁護士の今泉義竜です。

4月26日、「シェアリングエコノミーってなんだ!?~ライドシェアから考える~」が衆議院第一議員会館大会議室にて開催されました(日本労働弁護団と交通の安全と労働を考える市民会議の共催)。
以下、発言の一部をご紹介します(メモに基づくまとめですので、実際の発言とは異なります)。
シンポの動画は、労働弁護団ウェブサイトより見ることができます。

 
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マーク・グルバーグ氏(Mark Gruberg・サンフランシスコ・タクシーワーカーズ・アライアンスの創設メンバー。現理事)基調講演


 ウ―バーやリフトの革新性は、都市をまたいで、また国をまたいで違法な操業を行い、規制がされる前に政治家にキャンペーンを打って味方につけるというビジネスモデルにある。「ライドシェア」という用語は規制潜脱のための誤用であり、「Eヘイリング」が正確。公共交通としての規制がなく安全面でも環境面(規制によりサンフランシスコのタクシーの95%はハイブリッド車だがウ―バーには規制が及ばない)でも問題がある。消費者にも悪影響がある。ウ―バーは災害時やシドニーでの人質事件があったときには運賃を高く設定した。底辺に向かった競争のためサンフランシスコのタクシー運転手の収入は40%から50%さがり、複数のタクシー会社が倒産するに至った。

タクシーサービスがアプリによって効率化することは間違いないが高品質のサービスがすでに存在する場合、そこにアプリを組み込めばよいだけ。壊れてないものを直すな(If it’s not broke, don’t fix it)。

独立事業者モデルはアメリカで広がっている。多くの労働者を危険な労働条件にさらしている。

 

―パネルディスカッションー
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山崎 憲(労働政策研究・研修機構 国際研究部 主任調査員)


 企業経営と言う観点からいうと、シェアリングエコノミーは遊休資産の有効活用という側面がある。様々な企業の中に個人も請負として入って、個人が埋め込まれていくときにどうやってリーダーとの力関係のつり合いをとるかという問題。どこの産業でも起こりえること。ドイツでは2016年11月にアルバイト(労働)4.0という報告書を出し、インダストリー4.0により働く人たちの労働条件が悪くなる可能性を示唆している。行政や組合などが協力して規制する必要性がある。インディペンデントワーカーについて社会保障や労働条件維持のためのセイフティ―ネットが必要。

マッキンゼーのインディペンデントワーカーに対する調査では、収入が不安定、収入が低いという二つが大きな問題として上がっている。

企業側とまとまって話をする機会がどうしてもなくなってしまう。賃金や労働条件を引き上げる手立てを失っている。

実は日本でも以前より業務委託や下請けなどという形で同じようなことをやってきた。ただそうはいっても日本は雇用を中心に据えていた。9割が雇われて働いているという状態を壊す必要があるのか。

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戸崎 肇(首都大学東京教授 都市環境学部 交通政策専門)
 シェアリングエコノミー概念自体は昔からある。技術変化によって新たな形で出てきたに過ぎない。新しいルールが必要になってくる。

交通分野については、安全輸送という観点で、消費者にとって幸福なのかと言う観点。情報共有がないもとで商品を選べるのかという問題がある。

一方で、既存の公共交通機関をもっと魅力あるものにする必要がある。反対と同時に、地方の公共交通体系をどうやって作っていくか考えて提示していかないといけない。

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棗一郎(日本労働弁護団幹事長)

シェアリングエコノミー=ギグエコノミーは個人の労働力を雇用関係によらない労働力として一時的に自由に使うもの。働き方の未来2035にも切り貼りの労働、必要なときだけ部分的に取りだして利用するということが書かれている。

雇用とは言えない関係性を作り労働者を安く使うことを目指すような社会。そんな雇用社会を作っていくのかという問題意識がある。

ベルコでは正社員が30名で7000人が業務委託で働いている。
  労務提供型のギグエコノミーには規制をかけるべき。許可制にし、入り口規制でコントロールする。また、雇用労働とみなすという新法を作る。現場では労働者性を認めさせるたたかいに取り組む。

 
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マーク

アメリカでは技術の動きが早すぎて人々は絵を描けていない。技術の魅力に取り込まれて重大な影響に目が向いていない。問題に対するコントロールが効かない状況。

独立事業者問題、労働者性をどうとらえるのかは世界中で問題となっている。労働者の尊厳は使用者と対等にあることで保たれる。真に独立事業者以外は労働者性が認められるべきだ。ウ―バーは労働者の労働条件、安全性、環境に悪影響を与えている。日本は防ぐことができる。

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菅俊治(日本労働弁護団常任幹事)

彼らは莫大な利益のためにやっているが、利益を生み出しているのは実際に働いている労働者。こういう働き方を世界中に広げてはいけない。
 海外でこういった働き方が広がっている実態を広く知らせなければいけない。雑誌「労働者の権利」2016年10月号でライドシェア問題を特集した。シェアリングエコノミーの広がりも知らせていかなければいけない。
 低賃金不安定な労働実態、サービスの低下の実態を伝えていく必要がある。
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宮里邦雄(日本労働弁護団常任幹事)

 広がる前に水際で強く反対をして健全な雇用社会を守る必要がある。

「シェアリングエコノミー」は「連帯」ではなく個々の労働者を「分断」するものだ。

労基法の労働者概念は狭すぎる。新しい時代にふさわしい労働者概念の拡大を立法改革によってすべきだ。事業規制と労働者保護の両方をトータルにやることが必要だ。

 

司法書士の半田久之です。

 

2017年5月29日(月)から、全国の法務局にて、「法定相続情報証明制度」がスタートします。「相続手続が簡単に」との報道もありますが、どのような制度なのでしょうか?

 

■ かなりの分量となる戸籍謄本等

 

ご家族の方が亡くなると、不動産の名義を変える登記、銀行預金の解約払い戻しなどの各種相続手続で使用するために、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本等や、相続人の方の戸籍謄本等を集めることになります。

 

しかし、戸籍は、婚姻などの身分関係の変動や本籍の移転、コンピュータ化などによって作り直されていたり、また、相続関係が複雑であったりして、かなりの分量になるということが珍しくありません。

 

■ 戸籍謄本類の提出・返却を繰り返す

 

そして、各種相続手続では、これらの戸籍謄本等の束を提出し、戸籍謄本等の原本を確認してもらった後(この時間が結構長くかかります)、これを返却して貰い、次の提出先に提出し、原本を返却してもらうという作業を繰り返していきます。

 

そうすると、たくさん不動産を持っている方や、預貯金口座が多数ある方は、全ての相続手続を完了させるまでに相当の時間を要していました。

 

なお、提出先が多数の場合、必要通数分戸籍を集めるということも考えられますが、その分、費用がかさむため、1セット分集めるという方が多いものと思います。

 

■ 法定相続情報証明制度とは?

 

2017年5月29日(月)から始まる「法定相続情報証明制度」では、これら戸籍謄本等の束と法定相続情報一覧図を法務局に提出すると、登記官が戸籍の内容を確認し、法定相続情報一覧図の写しに認証文を付してくれます(下記イメージ)。

この手続は無料で、法定相続情報一覧図の写しは必要な通数を発行してもらえます。

また、この手続は、亡くなった方に不動産がなく、銀行預金しかない場合でも利用することが可能とされています。


法定相続情報一覧図の写しイメージ



(法務省HP「~法定相続情報証明制度について~」より) 


■ 期待される効果

 

これにより、これまでの戸籍謄本等の束の提出・返却を繰り返すという作業ではなく、法務局で必要通数分の法定相続情報一覧図を取得し、提出先に一斉にこれを提出して相続手続を進めることができるようになることが期待されています。

 

したがって、「相続手続が簡単になる」というのは、今まで集めていた書類が不要になるというわけではなく、手続が同時に進められて時間短縮が見込めるとの意味です。

 

■ 金融機関や法務局以外の役所で使える?

 

もっとも、法定相続情報一覧図をもって戸籍謄本の提出に代えることができるとの法令の改正がされるのは、今のところ不動産登記の場合のみです(不動産登記規則第37条の3)。

 

そうすると、銀行等の手続において、法定相続情報一覧図をもって戸籍謄本等の束の提出に代えることができるか否かは、手続がスタートした後、銀行等がどう対応するかによります。

 

また、相続税の申告手続に際しても戸籍謄本等の提出が必要ですが、これら行政の手続においても利用できるとの法令の改正も今のところされていません。

 

これら金融機関や法務局以外の役所においても利用できるようになると、手続をする相続人はもちろん、社会全体の相続手続きのコスト低減につながる有用な制度と思います。

 

■ 法律によるべきだったのでは?

 

最後に、私がこの制度について疑問に思っていることを一点述べたいと思います。

 

それは、この制度が、法律ではなく不動産登記規則の改正によって行われますが、それで良いのかという疑問です。

 

例えば、この制度では、手続をする法務局が、亡くなった方の本籍地・最後の住所地、申出人となる相続人の住所地または亡くなった方が所有する不動産所在地を管轄する法務局のいずれかとされています(不動産登記規則第247条第1項)。

 

このように、いくつかの法務局から選択して手続が行えるようにされたのは、相続人の利便性を考えてのことと説明されています。

 

しかし、不動産登記手続においては、不動産登記法で管轄が規定されており、その不動産所在地を管轄する法務局とされています(不動産登記法第6条第1項)。

不動産登記規則である以上、不動産登記法の委任に基づく範囲でしか制定できません。それにも関わらず、なぜ法の規定から管轄を大幅に拡張することができるのか。このような規定が果たして、不動産登記法の委任に基づくと言えるのか疑問があります。

 

不動産登記手続を定めた法令に、不動産登記以外をも対象とする制度を持ち込んだが故の矛盾なのだと思います。

私は、相続人の利便性を考え、いくつかの法務局で手続が出来ることには賛成です。

したがって、私は、しかるべき法律によって、この制度が創設させるべきではなかったのかと考えています。

 

 

いずれにしても、まもなく制度がスタートします。

相続登記や法定相続情報証明制度に関する御相談は当事務所までお寄せください。

 

司法書士  半田久之
https://www.tokyolaw.gr.jp/lawyer/handa_h.html

弁護士の今泉義竜です。
こんな記事がありました。

「共謀罪」食い違う世論調査結果 「テロ」文言影響か
http://www.asahi.com/articles/ASK4P3HFYK4PUZPS001.htmlhttp://blog.livedoor.jp/tokyolaw/archives/1065046269.html

「(法案の)主眼をテロ対策と受け止めると、賛成が増えるようだ」とのことです。
法律の中身についてそれほど一般に広まっていない場合の世論調査というのは、
質問の仕方でいくらでも誘導ができてしまう側面が否めません。

しかも、立場によって呼称が違うので、
組織犯罪処罰法改正案とテロ等準備罪と共謀罪がすべて
同じものを指しているということすらまだ一般には十分周知されていないと思われます。

というわけで、条文を読んだことがないという方が殆どだと思いますので、
改正案の条文を添付します。
法務省ウェブサイト(要綱、法律案等)

 


【組織犯罪処罰法改正案6条の2第1項】


  次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第3に掲げる罪を実行することにあるものという。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

1号 別表第4に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁固の刑が定められているもの

    5年以下の懲役又は禁固


2号 別表第4に掲げる罪のうち、長期4年以上10年以下の懲役又は禁固の刑が定められているもの 

     2年以下の懲役又は禁固


【組織犯罪処罰法改正案6条の2第2項】


  前項各号に掲げる罪に当たる行為で,テロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ,又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し,若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者も,その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配,関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは,同項と同様とする。

今問題となっているのはこの条文です。
中身はこれまで3度廃案となった共謀罪の新設ですが、
これを、今回政府は世論対策のために「テロ等準備罪」と呼称して、初めて「テロ対策」との側面を打ち出しています。
その戦略は一定成功しており、テロ対策のためならOKという世論を生み出しています。
ただ、テロというのは修飾語にすぎず、この条文の「別表4」には
著作権法違反や税法違反などを含む277(数え方によっては316)もの罪が記載されているというわけです。

したがって、テロ対策という側面を強調すればするほど、
実際の法案の中身とのギャップが生じるという矛盾があります。この組織犯罪処罰法改正案(テロ等準備罪、共謀罪)についての問題点については、
これまで書いた記事をぜひご参照ください。

 共謀罪(テロ等準備罪)の3つの問題
http://blog.livedoor.jp/tokyolaw/archives/1064440837.html
それでもやっぱり「共謀罪は必要」と思うあなたへ
http://blog.livedoor.jp/tokyolaw/archives/1064973585.html
共謀罪(組織的犯罪処罰法改正)で処罰されるようになる具体的事例
http://blog.livedoor.jp/tokyolaw/archives/1065046269.html
違法捜査・不当逮捕の実態~捜査機関にフリーハンドを与える共謀罪の危険性~
http://blog.livedoor.jp/tokyolaw/archives/1065476573.html

弁護士の今泉です。
 昨日4月21日、千葉地裁に消費者被害事件を提訴し一緒に担当する岸朋弘弁護士とともに記者会見をしました。
 早速夜のニュースでチバテレビが報じてくれました。
  千葉日報など各紙県内版でも報じてくれてるようです。

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被害者である原告たちは70代~80代の女性3名です。
 被告は(株)ダイトーウィング。家庭用電気磁気治療器「ドリームシャワー」「マグネタイザー」など家庭用健康機器の販売等を目的とする会社です。親会社のダイトーグループのウェブサイトがあります。

ダイトーグループウェブサイト
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被告は、各地で会場を転々と移しながら高齢者を集めて高額な健康機器や健康食品を販売しています。
 会場では、店長が巧みな話術を披露したり北島三郎の歌を歌ったりして、参加者を笑わせるなどするそうです。原告の一人生稲さんは、楽しい催しが毎日開催されるので参加していると、「ドリームシャワー」という磁気治療器を紹介されました。
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 糖尿病で壊死した足の写真を示された後、その本人と自称する人が会場に登場し、ドリームシャワーで足が治ったという体験談を聞かされました。今振り返ればおかしいと思うことも、当時は信じ切ってしまったそうです。うつ病が治ったという体験談も聞かされました。店長たちも、ドリームシャワーについて「糖尿病に効く」「うつ病がよくなる」などと言ったとのこと。
 生稲さんは、50代のころから糖尿病と診断され、投薬治療をずっと受けていました。生稲さんは会場で体験談を聞く中で、店長たちの言葉を信じ、ドリームシャワーを1台購入してしまいました。すると、副店長から「一台では足りない」といわれて次々購入し、結局2年の間に合計28個ものドリームシャワーを購入してしまったのです。その他の健康食品などもあわせると、生稲さんは合計900万円以上もの大金を被告につぎ込んでしまいました。

ほかの原告も、「あなたも糖尿病治るよ」「ドリームシャワーを局部にあてればトイレの回数も減るよ」「耳も聞こえるようになる」とドリームシャワーを勧められ、次々と購入してしまいました。3人が費やしたお金は合計1800万円にも上ります。
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しかし、期待した効果は全くありませんでした。生稲さんは、医師から「そんなもの効かない」と言われて初めて騙されたことが分かったそうです。生稲さんは、昨年被告に返品を申し入れたものの、ごく一部を除いて拒絶されたことから、ご相談に来られたというわけです。
 本件の売買契約は、営業所以外の場所で締結されており、特定商取引法上の「訪問販売」にあたります。
 一定期間だけ設置される特設会場に高齢者を集めて次々と高額商品を購入させるという本件のような手口は、いわゆる催眠商法(SF商法)といわれるものです。みなさんも身近でお年寄りが集められている会場を一度は目撃したことはあるのではないでしょうか?

弁護団は、本件の各契約について、公序良俗違反による無効、錯誤による無効、詐欺取消し、消費者契約法に基づく取消し、特定商取引法に基づく取消し・解除を主張し、代金の返還を求めています。

 いわゆる催眠商法は各地で行われていますが、実際に被害者が声をあげて提訴するというケースはそれほど多くはないようです。

ぜひ今後の訴訟の進展にご注目ください。
 また、自分も被害を受けた、身近に被害を受けた人を知っている、という方はお気軽に当事務所までご連絡ください。
https://www.tokyolaw.gr.jp/



弁護士の今泉義竜です。
4月12日、日本労働弁護団主催で
「共謀罪に反対する働く者の集会」を開催しました。

230名の参加者で会場は満員となりました。
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冒頭は、国会議員のお二人に国会の状況をご挨拶いただきました。

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民進党逢坂誠二議員

「40余りの質問に法務大臣は未だ回答していない」
「合意+準備行為で処罰。でもどの段階で検挙できるのかがとても曖昧。準備行為がなくても検挙可能」
「毎日新聞の國松元警察庁長官はインタビューで『もしこの法のもとでオウム事件があったとしても、防げたか自信が無い』と回答している。」
「10年後、15年後、怖い法案になりかねないと思う。治安維持法もそうだった。」



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共産党藤野保史議員
「審議が始まっていないのに答弁がぼろぼろの法案も珍しい。」 
「国連が分類しているテロ防止条約14本。TOC条約は入っていない。」
「花見なのか犯罪行為の下見なのか。⇒金田法務大臣『目的により判断する。目的をしっかり調べる』と。」
「自民党法務委員会理事が怒って退席する一幕も。審議が遅れていることの焦り。さらに追い込もう。」   

     
さて、今回の集会の特徴は、
実際に今でも労働組合が活動の中で
不当な捜査や逮捕をされることがあるという実態を
現場から報告してもらったことです。
以下に3名の方の報告を抜粋して紹介します。

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自治労本部中央執行委員竹内さん

2016年大分県警隠しカメラ事件。連合大分東部地協に隠しカメラが設置された。別府警察に被害届を出したら別府警察が犯人だった(笑)。県警は徴税吏員による選挙活動違反(公選法136条)についての情報があったと言ったが、何を撮影しようとしたのかという問いに対し、駐車場で行われると想定された違法行為を撮影したと回答した。しかし駐車場を監視して選挙運動が見えるはずがない。さらに追及したところ、不適切捜査だと認めた。しかし、必要かつ相当な範囲で監視することは未だ否定していない。

 共謀罪は捜査当局にフリーハンドを与える。疑わしいだけで捜査することに正当性を与える。「必要な範囲」の捜査が拡大するおそれがある。多くのえん罪を生み出しかねない。民主主義の後退である。

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国労横浜 岡本さん

1986年12月3日、神奈川県警に5名逮捕された。私は国鉄のアパートで逮捕された。人材活用センターの助役に4週間の怪我を負わせたという容疑だった。

 家や関係者等15箇所が家宅捜索された。当時共謀罪あったら、執行部や4分会執行部、活用センター25名全員が逮捕等されていたと感じる。本人は黙秘して闘うが、家族が悲惨。学校でいじめ。家に灯油が配達されなくなる。周りは暴力犯だ、とみなしてしまう。苦しい闘いだったが何とか闘った。
 診断書が大事な証拠だった。裁判に17年間かかったが、一度も診断書は提出されなかった。助役を診察した医師に話を聞きに行ったら、助役は「会社でトラブルがあって、仕事休みたいから書いてもらいたい」と言ったとのことであった。医師は「君も被害者だが自分も騙された」と言った。

 5名中3名が公務執行妨害、不退去罪で公判となったが、裁判でも全く証拠が出されない。当日のセンターのやり取りを現場で録音したテープのみ出された。しかし、そのテープの裏面に、国鉄側が組合を陥れるための打ち合わせの録音が入っていたことを弁護団が発見した。重要な無罪の証拠だった。

 実況見分調書も出されず、裁判当初から証拠開示の闘いだった。最終的には裁判所の提出命令により提出され、実際の現場検証と全く異なる写真が載っていた。これにより無罪を勝ち取る流れとなった。全国何十万の署名を集め、毎日のように警視庁に証拠開示手続を求める要請をした。

 
 福島原発反対運動も反基地闘争も、日本を愛する人たちの闘い。私が組合で取り組んできた国鉄分割民営化闘争は、日本の鉄道を守るため、国を愛する気持ちで体張って闘ってきた。日本を愛する者を弾圧させてはならない。


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自立労働組合連合藤原書記長


京丹後市に建設された米軍Xバンド基地に反対する活動の中で、組合事務所他20箇所の家宅捜索、3名不当逮捕された。メールを受け取っているだけで家宅捜索を受けたケースも。基地反対現地行動に大阪からバス・車で参加しようという計画について、道路運送法違反容疑をかけられた。全くの言いがかりで、不起訴処分を勝ち取った。

2016年5月には詐欺容疑での不当逮捕があった。2016年5月2日、メーデー翌日で憲法集会の前日。公安3課が委員長宅、事務所家宅捜索、身体検査、携帯押収をした。容疑は、実行委員会が公共施設の会議室を借りる際に構成団体である労働組合名で借りて割引き制度を利用したことが詐欺だという容疑。組合は実行委員会の会議であることを正確に申告していた。電話で予約した人、鍵をあけに行った人が逮捕された。不起訴処分を勝ち取った。



集会の後半の海渡雄一弁護士の講演では、
共謀罪がイギリス・アメリカで労働運動を弾圧するために用いられた歴史が紹介されました。   
労働弁護団フェイスブックにて講演で使用したパワポを公開しています)

一般にはそこまで知られていないかもしれませんが、
共謀罪ができる前の今でも、
捜査機関は恣意的に、時には法を犯してまで
様々な市民団体、労働組合を日常的に監視し捜査している実態があります。
とりわけ、政府や企業に対して批判的な団体に対してなされています。

話し合いの段階で摘発することを可能にする共謀罪が成立すれば、
捜査機関にさらなるフリーハンドを与えることになります。 
   
共謀罪に対する危機感の持ち方の違いは、
こうした捜査機関による権限濫用・違法捜査の実態について
どれだけ現実のこととして受け止められるかどうかで生じていると思います。

ぜひ、捜査機関のこうした実態を知っていただきたいと思います。

※集会の様子は労働弁護団ウェブサイトから動画を見られます。






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