東京法律事務所blog

カテゴリ: 不当解雇・雇止め

弁護士の中川勝之です。
9月23日、日大ユニオン結成集会が開催され、私も参加しました。
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しんぶん赤旗が報道しています。
非常勤講師「日大ユニオン」を結成 雇い止め撤回を

日大ユニオンの現在の組合員は80名とのことです。
組合員拡大に役立てて欲しいと、第3刷発行となったばかりの 
「職場を変える秘密のレシピ47」
を10冊持参したら完売となりました。さすが勉強熱心です!実践しましょう!
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裁判の方は、9月20日(木)に第1回口頭弁論期日があり、
12月13日(木)午前10時30分に第2回口頭弁論期日が指定されました。
709号法廷です。傍聴・支援を宜しくお願い申し上げます。

弁護士の中川勝之です。

 

 フェイスブックで既に紹介されていますが、9月19日、社保庁不当解雇撤回裁判の東京高裁判決の言渡しがありました。一審原告ら3名の全ての請求・控訴が棄却されました。特に、昨年6月29日の東京地裁判決は、全国の裁判所で初めて、原告1名の分限免職処分を取り消しましたが(自由法曹団通信第1602号(2017年7月11日)「社保庁職員分限免職処分、東京地裁が全国初の取消判決♪」)、その原告勝訴部分も東京高裁判決は取り消しました。

 

 国公労連と全厚生は忖度判決と批判・抗議しています。

 

 判断の誤りは多数ありますが、若干指摘します。

 勝訴していた一審原告1名は、日本年金機構の准職員としては内定しており、正規職員・准職員共通の採用基準は満たしていたのですから、正規職員に採用されるべき健康状態でないとの判断は誤りです。また、「その後の成績次第では正規職員に登用されることは可能であるとの説得にも応じずに」と判断していますが、正規職員の登用は全く保証されていませんでした。准職員の内定辞退はやむを得ません。他方、正規職員は機構設立時324人欠員であり、社保庁は機構に対し、追加募集を要請すべきところ、「既に採用が内定している者の配置との調整が必要になる」等と判断し、要請しなかったことについて分限免職処分回避努力義務違反を認めていません。しかし、欠員があるから、調整が不要なことは明らかです。

 厚労省への転任を希望していた一審原告2名に対しても、分限免職処分回避努力義務違反が認められるべきでした。例えば、厚労省転任者1284名のうち、機構欠員・記録問題対策のため、130名が厚労省から機構に当初から2年3か月の期間で出向となりました。その定員分、社保庁職員を追加転任させれば良かったのです。出向者が戻ってくるとしても、2年3か月の間に退職者等で調整すれば足りるのです。しかし、判決は「時期は未定であるにせよ、上記出向者は機構から厚労省に戻ってくることが予定されている」等と出向期間を無視しました。

また、厚労省は2010年3月末日までの113名の残務整理定員の定員枠を確保していました。判決は「4月以降も厚労省に当然に転任させ得ると考えられる事情も認められない上、同日付けであれば転任を受け入れる旨の他府省からの回答もなかった」等と判断して、活用しなかった国の言い訳を認めています。しかし、残務整理定員を活用することに一切の予算上・法律上の障害がなかったことの反論になっていません。

 

 「解雇三兄弟」の長男・全厚生闘争団は、東京高裁の不当判決を乗り越えて闘っていきます!

 

行政に忖度する不当判決に抗議する(談話)

社保庁不当解雇撤回裁判・東京高裁判決にあたって

 

2018年9月20日

日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)

書記長  九後 健治

全厚生労働組合(全厚生)        

書記長  川名  健

 

 東京高等裁判所第17民事部(川神裕裁判長)は9月19日、社会保険庁分限免職処分取消等請求控訴事件(社保庁不当解雇撤回裁判・東京事案)について、一審原告3名すべての控訴および請求を棄却する不当判決(以下、「本判決」という)を行った。昨年6月29日に言い渡された東京地裁(原審)判決では、原告のうち1名に対する分限免職処分について、分限免職回避努力が不十分だったとしてこれを取り消す旨の画期的判断が示されたが、本判決はこの判断部分を形式論で覆す極めて不当なものであり、厳重に抗議する。

 

 そもそもこの事件の本質は、政府・与党による社保庁職員への報復として断行された「政治のパワハラ」という点にある。すなわち、2004年に国会議員の年金未納問題が発覚し、この年の参院選挙で大敗した自民党が、個人情報を「閲覧」したとされる職員に対する大量の懲戒処分を強要したうえ、2008年には自民党ワーキンググループの強い要請により、懲戒処分歴のある職員を一律に不採用とする閣議決定を行った。このような強い政治的介入の下で、年金問題の責任を末端職員に転嫁するかたちで断行されたのが本件分限免職処分なのである。

 

 本件分限免職処分は、本判決も述べているように「被処分者に何ら責められるべき事由がない」ものであるにもかかわらず、政治的圧力を背景に、国による十分な分限免職回避努力を尽くさずになされたものであって、その不当性は明白である。

 

 本判決は、上記閣議決定の際に政治的関与があったことについて、「議院内閣制の下においては、内閣の政策決定過程に多数派である与党が関与すること自体は当然想定されているから、与党の関与の結果決定された政策が、関係する法律の趣旨に反し、または委任の範囲を超えない限り、違法性の問題は生じない」としている。しかし、一民間法人である年金機構における職員の採用・雇用の問題について、「報復」を背景とする政治的圧力により与党が関与したことは、正当な政策決定であるとは到底いえず、むしろ行政を私物化するものであり、断じて許されないものと言わざるを得ない。

 

 社保庁職員の不当解雇撤回を求める裁判は、現在、広島と愛知の両事案が最高裁に上告、愛媛・秋田事案が控訴審でのたたかいを展開している。国公労連・全厚生は、すべての事案での勝利をめざすとともに、国と厚生労働省に不当解雇の即時撤回と雇用保障等による全面解決を求めて全力を尽くす決意である。

以上

 

弁護士の中川勝之です。

 

日本大学における就業規則等の制定等に際して必要な労働者代表の意見聴取のための労働者代表選出について、本年3月2日付けで「日本大学経済学部において労働者代表選出やり直し」、同月21日付けで「『労働者代表選出やり直し』記事のやり直し」の記事を投稿したところですが、動きがありましたので報告します。

 

 日本大学法学部でも他学部と同様、労働者代表選出の手続として不信任投票が2017年12月に実施されましたが、その後、2018年3月に他学部では信任投票が実施された(と考えられる)にもかかわらず、法学部では依然として不信任投票が実施されました。

そこで、2018年3月6日付けで提出された労働基準法違反申告書(申告者らは、首都圏大学非常勤講師組合・日大ユニオン準備会の組合員2名)は、直接的には2017年12月の不信任投票についての事実の調査と違反に対する必要な権限行使を求めるものでしたが、2018年3月の不信任投票についても言及していました(下記に申告書の「労働基準法違反の事実」と「求める内容」を引用)。

 

 前記申告を受け、中央労働基準監督署は、日本大学から法学部の不信任投票について調査を行い、厚生労働省本省への疑義照会を経た上で、不信任投票は望ましくないので改善措置を求める旨の2018年8月9日付けの指導票を日本大学に交付しました。

 指導票は、定型文言に報告期限が記載された「あなたの事業場の下記事項については改善措置をとられるようお願いします。なお、改善の状況については、平成30年9月10日までに報告してください。」から始まるものです。指導票自体は、申告者らも代理人も入手できませんが、組合としても日本大学に対し、開示・改善要求をしていくとのことです。

 

 労働者代表からの意見聴取は、労働者に就業規則の作成・変更について一定限度の発言権を与え、それによって就業規則の内容に関する労働者の関心を高め、かつ内容をチェックさせることを目的とするもので、重要な意義を有します。その前提となる労働者代表の選出は不信任投票ではなく、「労働者の過半数が当該者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続」(平11・3・31基発169号)によるべきです(申告者ら代理人は私と今泉義竜弁護士)。

 

労働基準法違反の事実

1 該当条項

労働基準法120条1号、同法90条1項及び同法121条1項

2 違反内容

  違反者は、東京都千代田区九段南四丁目8番24号に主たる事務所を置き、学校、研究所を設置する事業主であるが、違反者が運営する東京都千代田区神田三崎町二丁目3番1号所在の日本大学法学部で常時10人以上の労働者を使用し、就業規則を制定するに際しては、同学部には労働者の過半数で組織する労働組合がないのであるから、労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならないところ、平成30年3月6日までにその者の意見を聴かなかった。

すなわち、違反者は、平成29年12月20日午後1時から同月26日午後6時まで(月曜日から金曜日は午前10時から午後6時まで、土曜日は午前9時から午後1時まで、日曜日は除く)、前記学部の庶務課において労働者代表の立候補者である者に対する不信任投票を実施し、同日、信任しない票が過半数に満たなかったため、同人が同学部における労働者代表に選出されたとして、同月28日以降、同人の意見だけを聴いた。なお、申告者らはいずれも、労働者代表の立候補者に対して、信任しないとは投票していない。

そして、違反者は、平成29年10月6日に平成30年4月1日施行の日本大学非常勤講師規程及び日本大学非常勤講師就業規則を制定したものとしたのであるが、適法な労働者代表の選出がない以上、適法に労働者代表の選出をし、同人に対する意見聴取をすべきである。

また、違反者は、平成30年2月17日になって、同年4月1日(後に同年3月16日に訂正)から平成31年3月31日までを任期とする労働者代表を選出すると発表したが、その選出日程の周知はポータルサイトだけで前回手続にはあった手渡しもなく、周知の徹底を怠り、さらに、またもや不信任投票の実施で労働者代表を選出しようとしている。

しかるに、前回手続同様、適法な労働者代表の選出手続ではない以上、適法な労働者代表の選出手続がなされるべきである。

なお、違反者においては、経済学部(平成30年2月14日付けの貴殿に対する告発あり)並びに三軒茶屋キャンパス(危機管理学部及びスポーツ科学部、同月26日付けの渋谷労働基準監督署長に対する申告あり)も、労働者代表の選出手続として前記手続同様の不信任投票を実施したが、その後、経済学部は信任投票を実施している。

 

求める内容

前記労働基準法違反の事実の調査と違反に対する必要な権限行使を求めるものである。

 

 弁護士の笹山尚人です。

 

 DNPファイン争議が、2018年6月6日、東京都労働委員会にて、和解の成立をもって終結しました。

 

 2009年、橋場恒幸さんは、㈱DNPファインエレクトロニクス(大日本印刷久喜工場内)で請負契約として働いていましたが、業績不振を理由に解雇されました。その後、自らの働き方が二重偽装請負という違法状態にあったと考えた橋場さんは、さいたま地裁に対して、DNPファインへ雇用の地位確認と損害賠償を求めて提訴しました。

 さいたま地裁は、職業安定法44条違反、労働基準法6条違反の事実を認めましたが、地位確認と損害賠償が退けました。東京高裁の判決は、橋場さんの主張を退け、職安法、労基法違反の事実も認めず、橋場さんの訴えを棄却しました。橋場さんは最高裁に上告しましたが、2016年に棄却の決定で裁判闘争は終結しました。

 橋場さんが加入した労働組合である、全国印刷出版産業労働組合総連合会(全印総連) 、同東京地方連合会は橋場さんの裁判を一貫して支援し、この観点から、2016年に東京都労働委員会に対して、大日本印刷とDNPファインの二社に対し、団交拒否による不当労働行為救済の申し立てを行い、話し合いによるこの争議の解決を目指してきました。

 都労委申立てから2年が経過し、この度6月6日、DNPファイン争議を終結する和解を成立させることになりました。

 9年にわたる争議の期間、橋場さん、本当にご苦労様でした。また、長年にわたり多数の皆様から物心両面にわたるご支援を頂きました。御礼申し上げます。

 本件を担当したのは、弁護士井上幸夫、弁護士笹山尚人、でした。

弁護士の今泉義竜です。

担当事件との関係で目を引く記事がありました。
三菱モルガン社長がハラスメント根絶を決意、「体育会的文化」が温床
ブルームバーグ日向記者による独占インタビュー記事ですが、
その中で荒木社長の発言として以下の記載がありました。

4月に就任した荒木社長(60)は、ハラスメント問題について「エクイティでそういうのが起きている、あったというのは承知している。他の部署でも発生している」と実態を語った。今後必要に応じて「事実をしっかり調査した上で厳正な処分をしていく」方針を明らかにした。


このエクイティで起きているハラスメントというのが、
まさに私と江夏弁護士が取り組んでいる
グレン・ウッドさんのパタニティ・ハラスメント(育休取得を理由とした不利益取扱い)事件を
意識したものと思われます。

ハフポストカナダ版も取り上げています。
Japan Company Vows To End Harassment As Canadian Dad Glen Wood Sues Over Paternity Leave

グレンさんは、現在訴訟中ですが、
ハラスメントを受けた旨の記者会見を行ったことが
会社の信用を毀損したなどとして解雇されています。

現在、裁判では双方の主張整理が行われている段階で、
次回は7月13日に弁論準備が予定されています。

ハラスメント根絶を決意した新社長の手腕で、本件を早期に解決し、
ハラスメントのない会社としてのブランドを確立していく方向に舵を切る
決断をすることを期待したいと思います。

※過去記事はこちらをご参照ください。





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