東京法律事務所blog

カテゴリ: 長時間労働

弁護士の川口智也です。

 

今年1月25日、私の所属する「ブラック企業被害対策プロジェクト」が、厚労省にて記者会見を行いました。
会見の模様は弁護士ドットコムニュースで配信されています。
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私は、ブラック企業対策プロジェクトが作成した「専門業務型裁量労働制チェックシート」について説明させて頂きました。
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現行の労働基準法では、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制という2種類の裁量労働制が規定されており、それぞれ厳格な要件が定められています。

ところが実際には、仕事に裁量のない労働者に適用されたり、裁量労働制を導入する手続がとられていなかったりと濫用的に使用されることの多い問題のある制度です。
長時間労働や残業代不払いの温床にもなっています。

 

昨年12月26日には、大手不動産会社の野村不動産が、裁量労働制を違法な適用・残業代不払いがあったとして、労基署から是正勧告を受けたと報道されました。
12月26日付朝日新聞:野村不動産に是正勧告 裁量労働制を全社的に不正適用

このような事案は氷山の一角です。

世間一般には明らかになっていないものの、多くの労働者が違法な裁量労働制の下で働かされ、長時間労働や残業代不払いの温床となっています。

「チェックシート」を共同で作成した裁量労働制ユニオンには、裁量労働制に関する多数の労働相談が寄せられているそうです。相談者の中には、そもそも自分に裁量労働制が適用されていることすら認識していない方もいるとのことです。

 

「チェックシート」を使えば、専門業務型の裁量労働制が違法となる可能性のある事実がないか、手軽に確認することができます。

労働者自身だけでなく、弁護士や労働組合など多くの方に利用してもらえる内容です。

「チェックシート」を活用してもらうことで、違法な裁量労働制の実態を世間に知ってもらうとともに、一人一人の労働者の救済につなげていきたいと考えています。

 

今後、企画業務型裁量労働制についても、チェックシートを作成する予定です。

ぜひご活用ください! 

弁護士の菅俊治です。

★アニメ業界のブラック化する労働環境

NHKクローズアップ現代+
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3987/

アニメ産業の労働環境について特集していました。

ほんと厳しい状況で働いていらっしゃいますよね。

私のところにも一件解決すると、また次の一件と相談がきます。
近年は、色つけとか仕上げとかは、海外で行うのが一般で、日本で制作会社と海外の請負会社との間をつなぐ、「制作進行」を担う方の相談が多いですね。


★週66時間労働?絵に描いたようなルール無視

ついこの間も、勤務をはじめてわずか6か月で身体を壊してしまった方からの相談がありました。

・使用者が求人広告を出したA社か、実際に勤務したB社かはっきりしない
・契約上の始業時刻も終業時刻もはっきりしない
・一日11時間労働、週6日労働のシフトが組まれている
・会社は実労働時間を一切記録していない
・賃金は月額14万円(残業代込み)

という絵に描いたような「ルール無視」の労働実態でした。


★労働時間を記録しよう!

幸い、この方の場合、先輩からのすすめで労働時間をメモにしていました。
そこで、
・シフト表
・労働時間を記録したメモ
をもとに労働審判を申し立てました。

今回の方は、毎日、iPhoneのメモ帳に出勤時刻と退勤時刻とをメモしていました。
記録って、本当に大事です。
佐々木亮弁護士の「裁判例に見る<労働時間>の記録の取り方」のいうとおり。https://news.yahoo.co.jp/byline/sasakiryo/20170610-00071940/


★ピンチ!債権回収できるか??

労働審判では、社長が労働実態を認めざるをえなくなり、第1回期日で請求額どおり半年分の残業代を支払わせる和解が成立しました。
ただ、資金繰りがつかないとのことで計8回の分割払いに。
悪い予感がしたので、念のためA社とB社に連帯責任を負わせる調停にしたのが幸いしました。

支払が滞ったため、B社に対して督促を繰り返しましたが、支払われず。
やむなく連帯責任を負ったA社に対して強制執行。

幸いなことに本日、満額回収と相成りました。

いまは体調も回復し、別会社で元気に働いておられます。

しかし、また別の方の申立が。。。

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