東京法律事務所blog

カテゴリ: 憲法改正

弁護士の青龍美和子です。

2018年12月1日、東京法律事務所9条の会は総会を開きました。
特別企画として、「憲法改正の国民投票!?護憲派に必要な10のこと」をテーマに、本間龍さんとfusaeさんにお話いただきました。

本間龍(ほんまりゅう)さんは、元博報堂の広告マンでした。メディア規制の観点から国民投票法の問題点を明らかにし、積極的に発信しています。
fusae(ふさえ)さんは、大阪市の住民投票で橋下維新と対決し、勝利した経験を持つ市民です。普段はアクセサリー等の雑貨制作やカフェを営業しています。
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「憲法改正」の国民投票が来年実施されるかも…というなかで、お二人から非常に実践的なお話をうかがうことができました。以下、私なりに整理した内容を紹介します。

本間龍さん
「電通に操作される憲法改正国民投票」

いざ憲法改正の国民投票となった場合、国民投票法にのっとって投票が実施されます。
その国民投票法の特徴は次のとおりです。
国民投票法の特徴
この中でもとくに、「広告規制がほぼない」ということが、有権者の投票行動にどのような影響を及ぼすか。
広告規制がないので、いくらでも広告が打てます。
 +
広告を作っているのは広告代理店です。
広告代理店のナンバーワンは電通。シェア率4割。
圧倒的ナンバーワン企業「電通」とは?
電通はテレビのゴールデンタイムや視聴率の高い番組でのCM枠を確保する力を持っています。
また、電通は広告だけではなく、オリンピックなどの巨大イベントの企画立案から運営にいたるまで総合コーディネートしてくれます。
 +
広告を打つには巨額の資金が必要です。
たとえば、朝日新聞で一面全面広告を打つと3500万円はかかるといいます。
 +
改憲派の中心である自民党は政権与党。
経団連傘下の企業からの寄付金など、豊富な資金を持っています。
国民投票のスケジュールも自在に決められます。
改憲派は運動としての形が整っている
 +
広告収入は各メディアの経営基盤です。
広告が掲載された媒体で広告主(スポンサー)に批判的な言論を掲載すると、広告収入が減るおそれがあるので、批判しにくい構造があります。
改憲派が広告を掲載すると改憲派に批判的な言論は掲載されなくなります。
公平な報道が妨げられるのです。
 +
改憲か護憲か、すでに意見を決めている人にとっては、どんな広告やメディアの言論にも左右されません。
憲法改正国民投票における広告のターゲットは「意見を決めていない人」です。
改憲か護憲か意見を決めていない人は約4割。
この4割の意思未決定層に、広告は強い影響力を持っています。
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 ↓
そのため、電通を通じて改憲派に有利な世論が形成される、というわけです。
・改憲=新しい、若々しい、明るい未来、前進、改革…などポジティブなイメージ
・護憲=古い、高齢者ばかり、懐古的、過去、暗い…などネガティブなイメージ
というイメージ戦略もきっとやってくるでしょう。
改憲派が仕掛けるイメージ戦略

護憲派は、このままの状態ではB29に竹やりで対抗しようとするのと同じようなものです。

では、護憲派はどのように対抗すれば良いのでしょうか?
改憲派の強力なプロパガンダに対抗するためには?

諸外国では、国民投票におけるメディア規制があり、日本でも、本間さんを中心に、国民投票法の改正が必要だという動きがあります。
欧州諸国は様々なメディアを規制している
なお、当事務所の坂本雅弥弁護士は、2007年に国民投票におけるメディア規制の実態を調査しに行きました。

イタリアでは、テレビの場合、賛成派と反対派とに平等に時間を配分しなければならないという法律があるそうです。

メディアを規制するということは、表現の自由の侵害にならないか気になるところですが、イタリアの憲法研究者もメディア関係者も「必要悪」だと言っていたそうです。公平な情報提供を重視しているんですね。

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そして最後に本間さんから、護憲派に必要な5のことを挙げてもらいました。

護憲派に必要な5つのこと
ターゲットは4割の「意見を決めていない人」です。
その中には若い人もたくさんいます。
最低限、インターネット、Facebook、TwitterなどのSNSを取り込むことが必要です。
「正しいことを言えば伝わる」というわけではありません。
相手は電通です。「強い心」で勝てる相手ではありません。

fusaeさん
大阪の住民投票の経験を生かして

反原発や民族差別にたいするカウンター行動で、路上で出会った顔見知りが集まり、大阪都構想の是非を問う住民投票で反対する活動を始めました。

大阪で「憲法改正の国民投票の予行演習」として住民投票が位置づけられているという話に衝撃を受けました。

「大阪都構想」といっても実際「都」になるわけではないとか、事実と全然違う理解がされていたり知らないことばかりなのに、みんながなんとなく雰囲気で「いいことがあるんじゃないか」と騙されていきました。

大阪維新CM

https://youtu.be/_62GFiYtSk8

このようなCMが毎日何度も放映されていたんですね(ちなみに、本間さんによれば、この時、維新側の広告を担当していたのは電通ではなく国内第3位のADKという広告代理店だったそうです。)。

維新の会は、CMだけではなく、チラシも工夫していました。毎日ポストにデザインやテーマの違うチラシが投函されました。本間さんの話にあったようなイメージ戦略もありました。

住民投票後に大阪で実施されたアンケートで、住民投票にあたって「判断材料にしたこと」にはテレビ討論、テレビCM、街頭宣伝、ビラ、いろいろな項目がありましたが、テレビCMが上位に入っていませんでした。テレビCMに影響力がないという意味ではありません。無意識にテレビCMに影響されていたんです。みんな自分は自分の判断で投票したと思っているけれど、無意識に流されている。とても怖いと思いました。
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私たちができるのは路上に出ることでした。

投票日前日も都構想反対のサウンドデモをしました。

「明日は投票」「つぶせ都構想」とのコールに、大きな声でレスポンスが返ってくる。みんな「本気」でした。

チラシを配る活動をTwitterで告知したらフォローしてくれる人や、当日も集まってくれる人がたくさんいて、自分たちが主権者だという意識が盛り上がったと思います。

チラシはなるべく片手で受け取れるサイズにしました。ぐしゃぐしゃにされずに持って帰れる大きさに。書いてあるメッセージもわかりやすく、受け取った人が自分で考えられる内容にしました。ここでは事実だけを書くことが重要です。路上での訴えも自分の願望よりも事実だけを示します。受け取る側に自分で考えてもらいます。
 路上に出るのは最初はみんな初心者で、一度嫌な思いをすると行きたくなくなってしまいますが、宣伝行動が終わった後にいいことや嫌だったことをシェアすることが重要でした。「こう言ったら気持ちよくチラシを受け取ってもらった」という人がいれば、どうやって受け取ってもらえたのかを聞き、「すごいね」とほめる。参加者がみんなポジティブになれました。路上から引き上げた意見をTwitterを通してシェアしていきました。えらい学者さんや政治家が言うことよりも、町で引き出した言葉をシェアしたほうが共感してもらえました。
 めっちゃ短い動画をいっぱい作ってアップしました。それを毎日配信しました。みんな時間がないので長い動画を作っても見てもらえない。パッと見られる短い動画を作っていくのも手です。その短い動画をどうやって流行らせるか。リベラルのYoutuberが必要ですね。
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今あらためて考えると、「負けるでしょ」と言われていた住民投票に勝ったことはすごい。でも、勝てたのは自分たちの力だけじゃなくて、その前の堺市長選や沖縄県知事選でのたたかいがあったから。私たちもたたかう勇気が生まれました。
改憲の国民投票にも大阪の住民投票の経験は役立つと思います。
大阪都構想の住民投票は、「維新vs市民+維新以外の政党」という構図でしたが、「憲法改正」の国民投票では与党勢力以外の人たちが同じ気持ちでたたかえるのかが課題になってくると思います。
あのときどういう方法で運動したのか、もっと具体的な話が聞きたければ、ぜひ聞いてください。一緒に考えてできるといいいなと思います。

fusaeさんの「護憲派に必要な5つのこと」は…

護憲派に必要な5つのこと(fusae)

 真実は100万個くらいあります。みなさんの胸の中に。平和への思いや安倍政権への怒りがあるのはわかりますが、正しさを押しつけると、もともと聞く耳をもたない人は反発してしまう。それが分断につながってしまいます。

 事実を伝えて「あなたはどう思う?」と投げかけるだけでいいのです。また、普段の生活のことが政治につながっていきます。生活について質問してみるのも良いです。 相手から言葉を引き出せたらこっちのもん。相手には話を聞いてもらったという満足感が生まれるようで、「じゃああなたは何をやっているの?」と聞き返されます。

 チラシも、デザインはどうか、正しさを押しつける内容になっていないか、情報量が多すぎないか、気にします。受け取ってくれないときも、その理由を考えます。受け取らないという反応をくれた。それだけで次は受け取ってもらえるようにどうすればいいかを考えるきっかけになります。

大阪の住民投票は市民の側から提案したものではありませんでした。改憲の国民投票もそうです。NOというメッセージをどれだけポジティブにできるかが大事でした。

 熱心な人ほど、真剣になるほど、危機感をあおってしまいます。改憲派はポジティブな空気を必ず出してきます。

 国民投票になったとしても、憲法のことを本気でみんなで考えられるチャンス!だと思って、一生懸命取り組むしかないです。
◇◇◇

 本間さんのお話で、「憲法改正」の国民投票の危機感がますます高まりました。絶対に国民投票のための発議を許してはなりません!改憲は国民の要求ではないという世論を盛り上げていきたいです。本間さんも、常識的に考えて来年の参院選までに発議はありえないと言っていました。

 しかし、相手は何でもかんでも数の力で押し切ってきた安倍政権です。万が一国民投票となった場合のために、今すぐにでも対抗措置をとっておく必要があります。まだ、私たちは竹やりを鋭く研ぐくらいしかできないのですが、同時に、fusaeさんの色々な経験から、私たち個人でも今後に生かせることがたくさん紹介されました。とくに、チラシを作ったり配ったり、署名を集めたり、意見を決めていない4割の人たちに向けてメッセージを伝える視点はとても大事です。
 私たちも同じ目線で工夫してメッセージを発信していきます!


おまけ
おばさん芸人「四ッ谷姉妹」!?

サプライズゲストに「四ッ谷姉妹」が登場!衝撃のデビューを飾りました☆

オファーがあれば、駆けつけてきてくれるかもしれません。

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弁護士の笹山尚人です。

 当事務所は、日本国憲法第9条を守り発展させたいという立場から、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が呼びかけている「安倍9条改憲NO!憲法を生かす統一署名」の署名運動に参加し、事務所の「たより」を送付する際などに、署名へのご協力を依頼者の皆様、事務所の関係者の皆様にお願いしてまいりました。

 この署名運動全体の目標は、「3000万筆」とされていますが、私たちの事務所では、事務所としてこれまで様々な署名活動に取り組んできた経験、また今回の憲法9条を変えてしまおうという問題の性格から考え、事務所としての目標を8000筆と定めました。

これはこれまでの署名活動に取り組んだ経験からすると、かなり背伸びをした数字でした。

 2018年に入ってからこの目標達成に向けて、みなさまへのご協力をお願いして参りましたが、10月26日、ついに目標の8000筆を超え、8006筆の署名が届けられるに至りました!


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 もちろん事務所としてこれほどの署名が集まったことはかつて例がありません。しかし、憲法9条を守り発展させ、平和で豊かな日本であることを望むというみなさまのお気持ちが集約された結果だと考えています。

 署名にご協力いただいた皆様に、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました!

 事務所としての署名活動は一区切りですが、3000万署名の取り組み自身は継続しています。署名をこれからしたいという方は、ぜひご協力ください。事務所にお届け頂いても構いません。責任をもって実行委員会に届けます。
 
 今後も、事務所はみなさまのご協力をお願いすることもあろうかと思います。引き続きよろしくお願い申し上げます。このたびは本当にありがとうございました。

こんにちは!弁護士の青龍です。

今日は、東京法律事務所がある四ツ谷周辺のお寺に「お寺で憲法の話をしませんか」と呼びかけて回りました。

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(四ツ谷須賀神社の前で)

安倍首相は「憲法改正」を2020年までに実現するんだ!と言っていて、今年中にも憲法改正案を発議して、国民投票を実施することを目指しています。

でもちょっと待って!そもそも憲法って何?日本国憲法にはなんて書いてあるの??
多くの人に、まだまだ知られていないと思うのです。
よくわからないまま憲法改正の手続だけが進められて、いつのまにか国の根幹が変わってしまうのは納得いきません。

そこで、弁護士を講師やアドバイザーにして、気軽に憲法について聞いたり議論したりできる「憲法カフェ」という集まりが全国各地で開催されています。

とくに、明日の自由を守る若手弁護士の会(通称「あすわか」)が、開催を呼びかけています。
東京法律事務所の若手弁護士も「あすわか」のメンバーです。

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事務所のある四ツ谷には、実はたくさんのお寺があるんですね。
10か所のお寺や神社、宗教団体にお邪魔してきました。
檀家さんや信者さんと広く深くつながっているお寺などで憲法カフェを開ければ、多くの人に憲法のことを知ってもらうチャンスができる、と考えたからです。

突然の訪問にもかかわらず、どのお寺も神社もお話を聞いてくださいました。
お話ししたご住職の中には戦争体験のある方もいて、「憲法9条は守らにゃいかん」ときっぱり仰っていたり、住職さんたちの集まりで憲法カフェができないか検討してみると言っていただけたり、好意的に受け止めていただいたところもありました。


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(映画「君の名は」の名シーンを再現!?)



今度は四ッ谷周辺の教会を訪ねる予定です。


このブログをお読みの皆様、ぜひ、お住まいの地域、学校や保育園・幼稚園、勤めている会社、労働組合、どんな単位でも、弁護士が行って憲法のハナシをしますので、お気軽にご連絡ください☆

  • ■電話での申し込み
  • 03-3355-0611

電話受付対応時間
平日:午前9時~午後7時
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https://www.tokyolaw.gr.jp/reservation/



自由、民主主義、平和を掲げる我らが東京法律事務所は、「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」も集めています。

なぜ、こんな署名を集めているのか?安倍政権のやろうとしている「憲法改正」はどういうものなのか!?については、また別の機会に・・・


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