2009年10月16日

O Samba Informal de Mauro Duarte / Samba de Fato e Cristina Buarque

7effff35.JPGリオ・オリンピック記念。お薦めサンバの3回目。
日本人のポピュラー音楽家は、あんなにチヤホヤされても、亡くなると瞬く間に忘れ去られます。
栄華を極めた戦前歌謡も今では誰も聴かないように、サザン、Bz、ミスチル、EXILEもファンと共に老い、そして消えていきます。小室は生きながら消されました。
しかし、ブラジルのポピュラー音楽は世代を超えて受け継がられる心意気があるようです
サンバやショーロはその宝庫。
本作品は、そんなカリオカたちのサンバの偉人へ敬意を表したアルバム。

リオで活躍するベテラン&新進気鋭の5人のミュージシャンによる、2008年にリリースされたマウロ・ドゥアルチ(1930 −1989)の作品集。
彼の名は熱心なサンバファン以外、耳にすることは少ないと思いますが(私も詳しいプロフィール等はよく知りません)、1960年代後半にエルトン・メディロス、ネルソン・サルジェントらとOS 5 Crioulosを組み、1970年代に入り、クララ・ヌネスの『clara clarice clara(1972)』といったサンバ歌手のコンポーザーとして活躍し、他にもエリゼッチ・カルドーゾ、MPB4、クアルテートエンシーも彼の曲を歌っています。またポルテーラを裏方で支えたリオのサンビスタです。

本アルバムは、彼の代表作をアルフレド・デル・ペーニョが中心となり、洗練されたサンバ・ショーロ風にアレンジ。全30曲2枚組みという気合の入った作品です。

本アルバムについて多くの方が賛辞しているので、専門外の私が何やら書くことはありませんが、私が好きな理由は大変に聴きやすいといこと。そして洗練された中にも、サンバのスピリットに満ちいてるからです。

私が求めるサンバとは、歌が上手すぎないこと(上手すぎるとサンバカンソンになってしまう)、弦楽器がさりげなく凄いこと、居酒屋に似合うことでしょうか。

本アルバムは、クリスチーナ、ペドロ・アモリン、ペドロ・ミランダ、アルフレド・デル・ペーニョ、パウリーノ・ヂアスの全員が交互で歌い、時にはコーラスをも聴かせる大胆な構成ですが、クリスチーナをはじめ皆さんとてもへた・・・
いや味のある歌声。ペドロ・アモリンの歌声は昔、神戸で聴いて以来のもので変らず素晴らしい声です。
おまけにゲストのパウロ・セーザル・ピニェイロも酒焼けしたようなダミ声、しびれまくり。

個性的な歌と美しい伴奏で。弦楽器を打楽器のように弾きまくるのは圧巻ですが、注目はペドロの繰り出す様々な弦楽器たち。カヴァッコと女泣きのバンドリンと共に、男泣きのヴィオラゥン・テノールも登場します。この弦楽器たちにより、モーホのサンバを超えて粋な居酒屋のサンバとなります。
メンバーたちがコパカバーナの居酒屋Bip-Bipに集結し、夜通しホーダ・ヂ・サンバをやっているような雰囲気です。

そうそう、本アルバムを聴くときは、お好きなアルコールを忘れずに。私は安いウィスキーです。

ペドロの演奏は毎度の如く正々堂々とした演奏。気持ちいいです。
曲によっては、これら伴奏にフルートが入っていたら完全にショーロアルバムとなりそうです。

なおこのアルバムは録音状態が大変によく、楽器もパート別の聴きわけが容易なほどクリアです。長所でもありますが、私のような古い音が好きな人間にとっては、逆に耳障りに感じる時もあり、長く聴くとやや疲れます。出来ればアナログで撮って欲しかったです。

最後に私の好きな曲は、毎度ながら泣けるメランコリーな曲です(笑)。
クリスチーナが歌う「Engano」「Comeco Errado」「Tempo de Amigo」は最高です。
また男泣きのヴィオラゥン テノールで始まる居酒屋サンバの「Samba de Botequim」。これは飲まずにいられません。
マウロ・ドゥアルチよ、永遠に!
tokyorio at 23:26│Comments(0)TrackBack(0)サンバ 

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