2014年02月24日

渡海真知子 / O CANTADOR

c97db60a.jpg日本はブラジル音楽の最大のマーケット国。本国ブラジルからの輸入だけでなく、日本人によるブラジル音楽も数多くリリースされています。
正確なポル語で歌い(英語は論外なので聴きませんが)、演奏の腕も昔では考えられないほど向上しています。しかし、心に響くアルバムはなかなか見当たりません。
でも、この日本人女性のアルバム。今更ですが本当にいいアルバムです
パウリーニョ・ダ・ヴィオラが絶賛し ケペル木村氏が賛辞を寄せるのもわかります。
マーケットの存在を忘れ、ただ、いいアルバムを作りたかった。ただ、いいサンバを歌いたかった。そんな純粋すぎるアルバム。心に響きまくって、涙腺の弱い方なら涙が出てくるでしょう。

彼女の実質初ソロとなりますが、今回は全曲リオ・デ・ジャネイロ録音。
前作と同様に加々美淳が全面サポートをしていますが、今作は、加々美淳以外は全てブラジル人。それも一流のショラォンばかり。セウシーニョ・シルヴァが前面にたち、エポカ・ヂ・オウロ周辺の面々が加勢します。

サンバに時代の壁はありません。このアルバムも1930年代から1990年代までのサンバと幅広い選曲です。
知られている曲では、ジョアン・ジルベルトも歌った「Morena Boca de Ouro」(エポカ・ヂ・オウロの伴奏!)、エリス・レジーナをはじめ、多くの歌手に歌い継がれるドリ・カイミの「O Cantador」、ノエル・ホーザの名曲「Feitio de Oracao」もあります。
サンバ好きなら、ホベルト・ヒベイロでお馴染みの「Estrela de Madureira」や、ショーロ好きなら、アリ・バローゾの「Faceira」(ハダメスの録音でいいのがあります)も歌っております。そしてラストはモアシル・ルースの『Saudades da Guanabara』。どれも通好みの曲と言ってしまえばそれまでですが、一見してバラバラに見えても、この渡海真知子の歌を通じれば、どれもブラジル音楽の心、そのコラソンを十分に感じさせる曲であることに気がつくでしょう。

私が好きな曲は、まず「Leonor」。切ないメロディと歌詞は、かなり哲学的でもあります。
ジャケットにある日本語対訳を見ると、歌うこと、生きること。愛すること。考えさせる曲です。伴奏はノ・エン・ピンゴ・ダアグア。
そして、アルバムのタイトルである「O Cantador」。原曲も大好きです。ここでは名手クリストヴァン・バストスのピアノに乗せます。クリストヴァン・バストスのピアノ音と、渡海真知子の歌声。その二つの音の共鳴は奇跡的なほど美しいです。
ブラジル音楽、そしてサンバへの愛を感じる素晴らしいアルバムです。

■Musicos■
Carlinhos 7 Cordas (violao 7)
Celsinho Silva (percussion)
加々美 淳 (violao)
Marcio Almeida (cavaquinho)
Ronaldo do Bandolim (bandolim)
Carlos Fuchs (piano)
Cristovão Bastos (piano)
Vittor Santos (trombone)
Eduardo Neves (saxophone)
Marcos Esguleba (cuica)

■Special Paticipacao■
NÓ EM PINGO D’ÁGUA (track on #5)
CONJUNTO EPOCA DE OURO (track on #8)


tokyorio at 23:22│Comments(0)TrackBack(0)サンバ | ショーロ

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